第二艦隊転進ス 進路目標ハ未来

台湾奪還支援作戦

狂い咲き

「対空戦闘！我々は孤独ではない！」

各艦の被弾で士気が落ちたように見えたが
上空直掩味方機の登場によって
大いに湧き上がる

「フタサンマルマルより別働航空隊！機数8」

「情報伝達急げっ」

「航空隊へ告ぐ　フタサンマルより敵機8機
　高速接近中迎撃願いたし」

「了解　Alice 単機で迎撃する
　そっちのやつはラーウェイ、お前に任せる　指揮してくれ」

「All OK」

一機の隊長機らしきF-15が反転して突っ込んでいく

（あのF－15………形が違った…？）

チラッと見えた機影が違ったように見えたが
まぁそんなことはどうでもいい


（どれだけ味方機が数を減らしてくれるか…）

そう思った瞬間、電探から230より接近中の敵機6機が同時にロストした

「電探から6機ロスト」

「Alice 6kill 残り2機の掃討にかかる」

「速い…」

ヘッドオンの状態でAMRAAMで4機撃墜の後
水平クルビット擬きをして即座に反転
機銃掃射とサイドワインダーで1機ずつ撃墜

これが、台湾空軍傭兵部隊エース
舞時景都の実力だった

「Oh sit！Two enemy planes passed through the net.」

「2機が抜けたらしい　すまん　対空砲での対処を求む」

「承知！右舷速射砲射撃指揮所指示の目標
　フタナナゴに備え　撃ち方始め　撃破次第次の敵機へ」

「宜候」

76㎜砲が砲口を敵機に向けた


「てっ！」

弾幕が張られて敵機の前方視界を奪い去る
そのまま突っ込んできて距離5キロ


「主砲二七式対空弾　って！」

主砲砲戦距離としてはほぼ零距離射撃

砲口をでた砲弾は艦側方1km地点で起爆
炸裂した断片を敵機に叩き込んだ

「2機撃墜確認　無誘導爆弾来ます！」

撃墜寸前に投下された爆弾が
滑空してくる


「取舵一杯後進一杯」

推進器が逆回転してそこに転舵の惰性が加わり
通常旋回時よりもはるかに小さい白波を立てて艦が曲がり
右舷に爆弾による大きな水柱を立てた


「回避成功！」

ふぅと艦橋司令部が
一息ついた時だった

上空のAlice、いや舞時中尉から緊急電

「北方60キロ　敵艦隊発見
　駆逐艦8 巡洋艦4 輸送艦6を含む大型艦隊
　尚、輸送艦艦首には大型砲の搭載を確認」


艦隊に絶望が走る
大和とレールガン搭載大型艦が交戦した時に
大和は辛くも敵艦を撃沈したものの
艦首部被弾浸水と後部艦橋を吹き飛ばされ中破する被害を受けている

それよりも劣る伊勢型２隻で対処できるのか……
しかし交戦はやむをえん

「転舵　敵艦隊へ向かう」

「宜候」


第二次世界大戦時の旧式艦隊が
新鋭敵艦隊へ向かう