皎き忌み子と太陽の皇子

七夜かなた

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第一章 巡礼の街

20 *

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 後ろに倒れそうになるアルブの後頭部を、イルジャの大きな手が包み込む。もう片方の腕は細く折れそうな腰に回され、イルジャの硬く張り詰めたものが布越しにアルブのお腹に押し付けられる。

「んん…ん」

 塞がれた唇から、アルブの悩まし気な声が漏れる。
 
「アルブ、もう少し口を開けて」

 言われるまま口を開くと、隙間からイルジャの舌が滑り込み、アルブのそれに絡みつく。
 さらに深い口づけに、その熱と心地良さに、朦朧としながらアルブはイルジャの服を握りしめた。
 
「あ…イル…ジャ」

 脚の間を割ったイルジャの腿が、アルブの勃ちあがったものに触れる。その気持ち良さにフルリと体が震えた。
 
「ん…あ、ああ」

 何度も腿が上下して擦りつけてくる。塞がれた唇の合間からたらりと涎が垂れて、足に力が入らなくなり必死にイルジャにしがみついた。

「アルブ…その顔…自分が今どんな顔をしているかわかっているか?」

 ようやく唇が離れ、イルジャがアルブの顔を覗き込んで言ったが、腿はまだ動きを続けているため、言われている意味がすぐに理解できなかった。

「そんなに気持ちいいか」

 引くときは力を籠め、押し込む時は少し緩め、緩急を付けたイルジャの動きに、アルブは思考が定まらず、小刻みに短く頷いた。

「じゃあ、ここは?」
「ひゃあっ」

 イルジャの右手がアルブの胸に伸び、きゅんと左胸の乳首を摘まれ、思わず悲鳴を上げた。
 
「乳首、敏感だな。ここも、よく弄ってあげよう」
「や、ああ、だめ、そんなこと…」

 擦り付ける腿の動きと、乳首を摘んだり引っ張ったりしながら、イルジャの息が耳に吹き掛けられ、アルブはがくりと膝から力が抜けた。
 
「おっと」

 すかさずイルジャが体を受け止め、何とか地面に倒れるのは免れた。

「ご、ごめ…」
「アルブは敏感で刺激に弱いんだな」
「だ、だって…イルジャが…」
「俺が?」
「イルジャに触れられると…へ、変な気分に…」
「変な気分とは?」
「あ、や、ああ」

 話しながらもイルジャの手は反対側の胸に移り、服の上から乳首を摘み上げる。
 アルブは顔を反らして嬌声を漏らした。

「や、おかしくなっちゃう」
「アルブ…なんて蠱惑的なんだ」

 目を潤ませ、髪を振り乱し切なげに悶えるアルブの姿が、青い月明かりに照らされる。
 汚れを知らない新雪のようなアルブの肌が、イルジャの手によってほんのりと赤く色づく様に、イルジャの興奮が一気に高まる。
 力が抜けたアルブの膝下に左腕を回して、イルジャはその体を抱き上げた。

「……!!」

 左腕の傷が僅かに痛み、イルジャは一瞬眉根を寄せた。

「イルジャ…腕…怪我をして…」
「大丈夫だ」

 アルブもそれに気づいて声をかけたが、イルジャは首を振ってそう答えた。

「ぼ、僕、おり」
「大丈夫だから。アルブは足に力が入らないんだろ? だったら黙って抱かれていろ。寝台まではすぐだから」

 確かにアルブの小屋は広くない。イルジャの足ならほんの数歩で辿り着く。

「う、うん…」

 有無を言わさない口調に、アルブはそのまま従った。 
 
「それにアルブは羽のように軽い。なんてことはない」
「羽って…そんなことは…」

 もちろん羽のようにというのは比喩だが、本当にアルブの体は軽かった。
 落ちないようにしがみついていると、あっという間に寝台のある部屋に辿り着き、イルジャはそっとアルブをその上に横たえらせた。

「灯りを点けるぞ。これではアルブの様子が見えない」

 寝室には小さな窓しかなく、辛うじて物の形がわかる程度には明るいが、寝台の上は殆ど何も見えない。
 
「べ、別に…見えなくても」

 アルブは自分が痩せていることは自覚している。貧相な肋の浮いた体を見る必要はないと、そう言った。

「いいや、俺の愛撫で悶え、喘ぐアルブをちゃんと目に焼き付けたい」

 恥ずかしかったが、イルジャの願いならとアルブは何も言わなかった。
 それよりも、さっきイルジャとした口づけや、擦られた刺激に感じた疼きがまだ燻り、自分自身の股間もビンビンに張り詰めているのを、何とかしたいと我知らず足を擦り合わせていた。

「今すぐもっと気持ち良くなるから」
「も、もっと?」

 今でも十分なのに、あれ以上のことがあるのかと、アルブは目を瞠った。

「俺のもだが、アルブのもこんなに張り詰めて、このまま放置できないだろ?」
「あ、ひあ、や」

 生地を押し上げていたアルブの股間を、大きくて温かいイルジャの手が包み込み、アルブの腰は勝手に揺れ動いた。
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