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5=お手本=
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「もしくは、あたしをいかせてくれたら、今日は許してあげても良いわよ」
分かりやすく言われて、今度は顔を上げて遙を見た。
「いくって……いったことあるんですか?」
言われている事が分からなくて、訳のわからない質問を返していた。その顔を繁々と見ていると、蠱惑的な笑みが返ってくる。
「もちろんあるわよ。普通の女よりは簡単だと思うけどね」
あっさり返された莉緒は、戸惑って遙を見上げた。
「それとも自信ない?簡単だと思うけど」
一発やるってそういう事?いかせるって、やっぱり、あの……こと?
簡単と言われても、自信などなかった。同性となど、経験がない。
「そんな……どうやって」
「あら、お手本がほしいのね」
顔を赤く染めたまま、どう反応していいのか分からない莉緒は、戸惑い動けないでいる。
遙はそんな莉緒を目を細めて見ると、ショットグラスにブランデーを注いだ。
「本当に強いんですね」
交渉内容が突飛すぎて受け止められない莉緒は、常識の範囲で理解できる事に目を奪われ、思わずそう口に出していた。
「良い香り」
会話を逸らしたいのだと分かっている遥は、莉緒の言葉には視線だけで答え、グラスを鼻に近づけるとそう呟き、一気に煽って飲む。
ほうっと息を吐き出した姿は色気たっぷりで、莉緒はしばしその姿に見惚れてしまった。
莉緒が見ている前でさらに注がれるお酒。遙はそれを手に取らず、カウンターの中に腕を伸ばして何かを取り出した。
「え……」
しゅるっと音がして、莉緒の手首に赤いリボンが巻き付けられた。
「なに、これ?」
不安になって聞く莉緒の耳元に、遥の唇が寄せられて囁く。
「お手本」
緩く両腕を拘束された莉緒は、怖さと期待の狭間で揺れている。
莉緒が座っている、カウンターチェアの低い背もたれに左手をかけた遙は、その足の間に自身の太腿を滑り込ませた。
「や、やっぱり、その……や、めてくだ……さい……」
「あら、そんなか細い声で否定しても、説得力ないわね」
首筋に遥の右手の人差し指が、這うように、ゆっくり上に移動する。それは耳の後ろに留まり、骨の硬い部分を撫でるように往復し、耳介に移動しさらに往復する。
ぶるりと震えた莉緒の体は、それを否定するかのようにきゅっと小さくなる。
「くすぐったくても我慢するのよ」
首周辺の布が引っ張られる感覚。
白い胸元のリボンがしゅるしゅると解かれ、ボタンが一つ外される。
ブラウスの隙間から滑り込んでくる長い指。
鎖骨をなぞって行き来する。
両手を縛られている莉緒は恥ずかしくてぎゅっと目を瞑った。その表情を遥はじっくり観察している。まるで、どこまで許されるのか試すように、じわじわと指を侵入させる。
服の上からブラジャーの線を辿る指。乳房を上下に移動しているのをじっと我慢していると、二つ目のボタンが外された。さらに進んだ指が、ブラジャーの上を滑る。
隆起の頂きに到達すると円を描き、時々突起に引っかかって動きが小さくなる。外周を焦らすように撫でるくせに、中心に来るとご褒美だと言わんばかりに往復していく。その度に、小さく体が跳ねるのを、莉緒は止めることができなかった。
「だめ、です。やめて……」
なんとかそう絞り出した莉緒。すると、遥の指は莉緒からあっさりと引かれた。
ぎゅっと瞑っていた目を開けた莉緒。
遥と目があった瞬間、その両手に頬を包まれた。
「そんなに上気した顔で、目なんか潤ませちゃダメよ。本当に帰したくなくなるじゃないの」
そう言って近寄ってくる細い唇。
一瞬、キスされるのかと思った。しかし遥の唇は、莉緒の頬に押し当てられ、耳たぶを甘噛みして離れる。
「ひゃ」
ブラウスのボタンの三つ目が外された。
莉緒の小さな悲鳴と共に、くすりと笑う遥。ショットグラスに指を入れ、ブランデーをピチャピチャいわせながら莉緒を見た。
「薄めないで味わってほしいの」
原酒を中指につけた遥は、それを莉緒の唇に押し当てた。
「冷たっ」
そう呟いてからしばらくたつと、ジワリと唇が熱くなってきた。
「ほら、もうちょっと堪能して」
遥はそう言うと、一滴を指で垂らして、莉緒の口の中に指を入れた。
たった一滴なのに、喉の奥がかっと熱くなり、鼻腔を甘い香りが抜けていく。
「エロ……」
小さく呟かれた遥の声は、先ほどとは比較にならないほど低い。
莉緒が空耳かと思って顔を遥に向けると、同じようにブランデーを指につけた遥が自分の指を咥えていた。
「どう?おいしかった?」
「味はよく分かりませんけど……いい、香りです」
なんとかそう絞り出して言うと、遥は満足そうに頷いた。
「そう、このお酒は香りを楽しむものよ。あたしの一番好きな飲み方、教えてあげましょうか」
ぼうっとした表情のまま、両腕を拘束された莉緒はこくりと頷いた。
それを待っていたのか、莉緒は椅子に座ったまま遥に引き寄せられる。思わぬ力強さに驚いていると、胸もとが急に緩くなる。ホックを外されたと気がついたのは少し後だったが、その時にはすでにブラジャーは捲り上げられていて、ボタンは四つ目が外れていた。
「や、やだ……」
腰だけを引いてなんとか逃れようとするが、遥の片手がカウンターチェアの低い背もたれをがっちり掴んでいて後退出来ない。どうしようかと考える暇もなく乳首に遥の指が到達し、ブランデーが垂らされる。
唇より早く熱くなって、莉緒は思わず息を呑んだ。乳房を伝う雫を、遥の唇が追う。
軽いキスのように、伝った雫は遥によって吸い取られた。
そしてもう一滴。
今度は登頂部分から垂れ落ちる雫を、下から舐め上げるようにして遥の頭が動いた。
「あっ……だめ、やめ、て……」
か細い莉緒の声に、遥はにやりと笑って、背もたれを掴んでいた左手にぐっと力を入れ、自分の方に引き寄せるようにする。
股の間に遥の太腿を感じながら、眼前にはその美しい顔がアップで映る。
「それなら、抜いてくれる?今すぐやってくれるなら、やめてあげてもいいわ」
上手く反応できなかった莉緒。それをどう捉えたのか、遥はふっと笑うとまたショットグラスに指を入れた。
胸もとを隠すように両腕を寄せ、鎖骨前に合わさった両手を持ち上げ、目をぎゅっと閉じた莉緒。ところが遥の指は、するりと莉緒の下腹部へと伸びていた。
「あっ」
止める間もなく、遥の人差し指が割れ目に滑り込む。
服や下着をなんなく越えてきた指は冷たく、酒もまた冷たい。ブランデーが自分のあんなところに塗られていると自覚したその直後。
「あ、熱い」
あまりの刺激に、秘部がカッと熱くなって痛いほどだった。
ぴりりとした刺激。
助けを求めるように遥を見たのがいけなかったのかもしれない。遥はそれを待っていたよう莉緒の右足を持ち上げ、下着を脇に寄せて舌を這わせた。
「はっ……あうっ」
自分でも聞いたことがないような艶かしい声が漏れた。
ぬるりとした感触と共に、莉緒の突起から刺激物を拭う舌は、そのままそこにとどまり、チロチロと動いていた。
時々聞こえてくる、ピチャピチャと鳴る音に赤面し、括られた両手のまま顔を覆った。
「は、遥さん……もう、大丈夫で……す」
顔から手を離してそう言い、合わさったままの両手で遥の頭に手を置いたが、どけるための力を入れる事ができない。
「ん、もうちょっと」
遥はそう言うと鼻から息を吸い込み、舌を這わせ、時には吸い付きを繰り返した。そして酒の刺激が薄れてきたころ、また指でブランデーを莉緒に塗りつける。もうちょっとの意味は、もうちょっと続けるだったのかとぼんやり思う。どんどん力が抜けてきて抵抗できない。
「あっ……だめ……」
何かが迫り上がってくるような感覚に違和感を覚え、ぎゅっと足に力が入る。
意味不明の感覚とそれに抵抗するかのように入る力。震えが全身を包もうとしている気がして、怖くて目を閉じた莉緒の足の間から、不意に音が止んだ。動きも止まり、妖艶な笑みの遥が顔を挙げて立ち上がる。
分かりやすく言われて、今度は顔を上げて遙を見た。
「いくって……いったことあるんですか?」
言われている事が分からなくて、訳のわからない質問を返していた。その顔を繁々と見ていると、蠱惑的な笑みが返ってくる。
「もちろんあるわよ。普通の女よりは簡単だと思うけどね」
あっさり返された莉緒は、戸惑って遙を見上げた。
「それとも自信ない?簡単だと思うけど」
一発やるってそういう事?いかせるって、やっぱり、あの……こと?
簡単と言われても、自信などなかった。同性となど、経験がない。
「そんな……どうやって」
「あら、お手本がほしいのね」
顔を赤く染めたまま、どう反応していいのか分からない莉緒は、戸惑い動けないでいる。
遙はそんな莉緒を目を細めて見ると、ショットグラスにブランデーを注いだ。
「本当に強いんですね」
交渉内容が突飛すぎて受け止められない莉緒は、常識の範囲で理解できる事に目を奪われ、思わずそう口に出していた。
「良い香り」
会話を逸らしたいのだと分かっている遥は、莉緒の言葉には視線だけで答え、グラスを鼻に近づけるとそう呟き、一気に煽って飲む。
ほうっと息を吐き出した姿は色気たっぷりで、莉緒はしばしその姿に見惚れてしまった。
莉緒が見ている前でさらに注がれるお酒。遙はそれを手に取らず、カウンターの中に腕を伸ばして何かを取り出した。
「え……」
しゅるっと音がして、莉緒の手首に赤いリボンが巻き付けられた。
「なに、これ?」
不安になって聞く莉緒の耳元に、遥の唇が寄せられて囁く。
「お手本」
緩く両腕を拘束された莉緒は、怖さと期待の狭間で揺れている。
莉緒が座っている、カウンターチェアの低い背もたれに左手をかけた遙は、その足の間に自身の太腿を滑り込ませた。
「や、やっぱり、その……や、めてくだ……さい……」
「あら、そんなか細い声で否定しても、説得力ないわね」
首筋に遥の右手の人差し指が、這うように、ゆっくり上に移動する。それは耳の後ろに留まり、骨の硬い部分を撫でるように往復し、耳介に移動しさらに往復する。
ぶるりと震えた莉緒の体は、それを否定するかのようにきゅっと小さくなる。
「くすぐったくても我慢するのよ」
首周辺の布が引っ張られる感覚。
白い胸元のリボンがしゅるしゅると解かれ、ボタンが一つ外される。
ブラウスの隙間から滑り込んでくる長い指。
鎖骨をなぞって行き来する。
両手を縛られている莉緒は恥ずかしくてぎゅっと目を瞑った。その表情を遥はじっくり観察している。まるで、どこまで許されるのか試すように、じわじわと指を侵入させる。
服の上からブラジャーの線を辿る指。乳房を上下に移動しているのをじっと我慢していると、二つ目のボタンが外された。さらに進んだ指が、ブラジャーの上を滑る。
隆起の頂きに到達すると円を描き、時々突起に引っかかって動きが小さくなる。外周を焦らすように撫でるくせに、中心に来るとご褒美だと言わんばかりに往復していく。その度に、小さく体が跳ねるのを、莉緒は止めることができなかった。
「だめ、です。やめて……」
なんとかそう絞り出した莉緒。すると、遥の指は莉緒からあっさりと引かれた。
ぎゅっと瞑っていた目を開けた莉緒。
遥と目があった瞬間、その両手に頬を包まれた。
「そんなに上気した顔で、目なんか潤ませちゃダメよ。本当に帰したくなくなるじゃないの」
そう言って近寄ってくる細い唇。
一瞬、キスされるのかと思った。しかし遥の唇は、莉緒の頬に押し当てられ、耳たぶを甘噛みして離れる。
「ひゃ」
ブラウスのボタンの三つ目が外された。
莉緒の小さな悲鳴と共に、くすりと笑う遥。ショットグラスに指を入れ、ブランデーをピチャピチャいわせながら莉緒を見た。
「薄めないで味わってほしいの」
原酒を中指につけた遥は、それを莉緒の唇に押し当てた。
「冷たっ」
そう呟いてからしばらくたつと、ジワリと唇が熱くなってきた。
「ほら、もうちょっと堪能して」
遥はそう言うと、一滴を指で垂らして、莉緒の口の中に指を入れた。
たった一滴なのに、喉の奥がかっと熱くなり、鼻腔を甘い香りが抜けていく。
「エロ……」
小さく呟かれた遥の声は、先ほどとは比較にならないほど低い。
莉緒が空耳かと思って顔を遥に向けると、同じようにブランデーを指につけた遥が自分の指を咥えていた。
「どう?おいしかった?」
「味はよく分かりませんけど……いい、香りです」
なんとかそう絞り出して言うと、遥は満足そうに頷いた。
「そう、このお酒は香りを楽しむものよ。あたしの一番好きな飲み方、教えてあげましょうか」
ぼうっとした表情のまま、両腕を拘束された莉緒はこくりと頷いた。
それを待っていたのか、莉緒は椅子に座ったまま遥に引き寄せられる。思わぬ力強さに驚いていると、胸もとが急に緩くなる。ホックを外されたと気がついたのは少し後だったが、その時にはすでにブラジャーは捲り上げられていて、ボタンは四つ目が外れていた。
「や、やだ……」
腰だけを引いてなんとか逃れようとするが、遥の片手がカウンターチェアの低い背もたれをがっちり掴んでいて後退出来ない。どうしようかと考える暇もなく乳首に遥の指が到達し、ブランデーが垂らされる。
唇より早く熱くなって、莉緒は思わず息を呑んだ。乳房を伝う雫を、遥の唇が追う。
軽いキスのように、伝った雫は遥によって吸い取られた。
そしてもう一滴。
今度は登頂部分から垂れ落ちる雫を、下から舐め上げるようにして遥の頭が動いた。
「あっ……だめ、やめ、て……」
か細い莉緒の声に、遥はにやりと笑って、背もたれを掴んでいた左手にぐっと力を入れ、自分の方に引き寄せるようにする。
股の間に遥の太腿を感じながら、眼前にはその美しい顔がアップで映る。
「それなら、抜いてくれる?今すぐやってくれるなら、やめてあげてもいいわ」
上手く反応できなかった莉緒。それをどう捉えたのか、遥はふっと笑うとまたショットグラスに指を入れた。
胸もとを隠すように両腕を寄せ、鎖骨前に合わさった両手を持ち上げ、目をぎゅっと閉じた莉緒。ところが遥の指は、するりと莉緒の下腹部へと伸びていた。
「あっ」
止める間もなく、遥の人差し指が割れ目に滑り込む。
服や下着をなんなく越えてきた指は冷たく、酒もまた冷たい。ブランデーが自分のあんなところに塗られていると自覚したその直後。
「あ、熱い」
あまりの刺激に、秘部がカッと熱くなって痛いほどだった。
ぴりりとした刺激。
助けを求めるように遥を見たのがいけなかったのかもしれない。遥はそれを待っていたよう莉緒の右足を持ち上げ、下着を脇に寄せて舌を這わせた。
「はっ……あうっ」
自分でも聞いたことがないような艶かしい声が漏れた。
ぬるりとした感触と共に、莉緒の突起から刺激物を拭う舌は、そのままそこにとどまり、チロチロと動いていた。
時々聞こえてくる、ピチャピチャと鳴る音に赤面し、括られた両手のまま顔を覆った。
「は、遥さん……もう、大丈夫で……す」
顔から手を離してそう言い、合わさったままの両手で遥の頭に手を置いたが、どけるための力を入れる事ができない。
「ん、もうちょっと」
遥はそう言うと鼻から息を吸い込み、舌を這わせ、時には吸い付きを繰り返した。そして酒の刺激が薄れてきたころ、また指でブランデーを莉緒に塗りつける。もうちょっとの意味は、もうちょっと続けるだったのかとぼんやり思う。どんどん力が抜けてきて抵抗できない。
「あっ……だめ……」
何かが迫り上がってくるような感覚に違和感を覚え、ぎゅっと足に力が入る。
意味不明の感覚とそれに抵抗するかのように入る力。震えが全身を包もうとしている気がして、怖くて目を閉じた莉緒の足の間から、不意に音が止んだ。動きも止まり、妖艶な笑みの遥が顔を挙げて立ち上がる。
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