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第4章 マン湖の会戦
第36話 魔力を纏った木刀
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ワン・コロはプルードー王国の正規軍から第1陣が出陣すると連絡を受けた。
ワン・コロはプルードー王国との連絡役だがその間、それだけをしていた訳ではなかった。彼は新しい船をプルードー軍から調達していた。貰った訳でもなく、無償で貸して貰ったのだ。彼は新しい船をモジョラー2世号と名付けた。
進軍するに当たって船は必需品だ。何と言ってもコノー・ヤローまでセーカン川を船で遡って行けるし、その先の旧ショーマニー領ボコール帝国までデンマ川で行ける。
それと船を動かすには船員も必要だ。船を動かすには船員との意思疎通も重要だ。船員が優秀でも意思疎通がうまく行かなければ素人と変わらない。
にわかチームでは船を効果的に動かすのは無理である。ルーク達が剣の訓練をしている間、ワン・コロはプルードー王国正規軍の連絡という任務の合間を縫って船員の訓練をした。
出発までにワン・コロが集めた船員はなんとか使い物になる程度までの練度に達した。
ワン・コロが今使っている船はプルードー王国軍の人員輸送船だ。ノー・ソイが国王陛下の旧友であり命の恩人でもあるため、無償で船を貸してもらった。
しかもただの輸送船ではなく高ランクの将官が使うことを想定した船である。勿論、貴賓室もある。この貴賓室はチャスティンに使ってもらうことになった。
さらに貴賓室よりは格が落ちるが佐官クラスが部屋が幾つかある。そこはアークとルークとノー・ソイが使うことになった。
ワン・コロは勿論、船長室を使う。
それとチャスティンには3人の侍女が付いてくることとなった。船の中での世話は彼女等がすることになった。
戦場でチャスティンが力を発揮できるようにとサポート役に付いたのだ。
彼女らは剣の心得もあるがそれはあくまで自衛の手段程度の腕だ。
彼等8人と船員はチチカンダールを出航した。目的地はコノー・ヤローである。コノー・ヤローまでの日数は24日を予定している。
ワン・コロはこの日数を使って彼の船員を完全に使い物になるまでさらに訓練する予定だ。
ルーク達は相変わらず修練を続けている。
チャスティンはようやくルークの存在に慣れてきた。彼のディック・セイバーを見ても顔を赤くすることもなくなった。
ノー・ソイはここでチチカンダールで出来なかったチャスティンの魔女の力を確認することにした。
チャスティンとルークは向かい合って剣を構えた。チャスティンは手に木刀を持ってその木刀に魔力を流した。
ルークはズボンのジッパーを下げるとディック・セイバーを展開した。彼のディック・セイバーは青白く輝いている。
ノー・ソイはルークに1つ忠告した。それは絶対にチャスティンの体にディック・セイバーを当てないこと。木刀がいつ折れるのかわからないからだ。
ただし、全力でやること。ルークは頷くとノー・ソイは号令を掛けた。
「始め」
号令が放たれた瞬間、木刀とディック・セイバーは激しくぶつかった。
ゴツン
木刀から嫌な音がした。だが折れなかった。それから5回、木刀が折れずに打ち合うことが出来た。
そして7回目に打ち合った時に木刀が折れた。その後、数十回試してみた。
大体、7~9回打ち合ったら木刀が折れた。これが木刀の限界だとわかった。
もしチャスティンがペッカーと打ち合うことになったら6回目で木刀を交換することした。
戦場ではアークが予備の木刀を数本携帯することが決まった。
出航から24日が過ぎ、ルーク達はコノー・ヤローに到着した。
ワン・コロはプルードー王国との連絡役だがその間、それだけをしていた訳ではなかった。彼は新しい船をプルードー軍から調達していた。貰った訳でもなく、無償で貸して貰ったのだ。彼は新しい船をモジョラー2世号と名付けた。
進軍するに当たって船は必需品だ。何と言ってもコノー・ヤローまでセーカン川を船で遡って行けるし、その先の旧ショーマニー領ボコール帝国までデンマ川で行ける。
それと船を動かすには船員も必要だ。船を動かすには船員との意思疎通も重要だ。船員が優秀でも意思疎通がうまく行かなければ素人と変わらない。
にわかチームでは船を効果的に動かすのは無理である。ルーク達が剣の訓練をしている間、ワン・コロはプルードー王国正規軍の連絡という任務の合間を縫って船員の訓練をした。
出発までにワン・コロが集めた船員はなんとか使い物になる程度までの練度に達した。
ワン・コロが今使っている船はプルードー王国軍の人員輸送船だ。ノー・ソイが国王陛下の旧友であり命の恩人でもあるため、無償で船を貸してもらった。
しかもただの輸送船ではなく高ランクの将官が使うことを想定した船である。勿論、貴賓室もある。この貴賓室はチャスティンに使ってもらうことになった。
さらに貴賓室よりは格が落ちるが佐官クラスが部屋が幾つかある。そこはアークとルークとノー・ソイが使うことになった。
ワン・コロは勿論、船長室を使う。
それとチャスティンには3人の侍女が付いてくることとなった。船の中での世話は彼女等がすることになった。
戦場でチャスティンが力を発揮できるようにとサポート役に付いたのだ。
彼女らは剣の心得もあるがそれはあくまで自衛の手段程度の腕だ。
彼等8人と船員はチチカンダールを出航した。目的地はコノー・ヤローである。コノー・ヤローまでの日数は24日を予定している。
ワン・コロはこの日数を使って彼の船員を完全に使い物になるまでさらに訓練する予定だ。
ルーク達は相変わらず修練を続けている。
チャスティンはようやくルークの存在に慣れてきた。彼のディック・セイバーを見ても顔を赤くすることもなくなった。
ノー・ソイはここでチチカンダールで出来なかったチャスティンの魔女の力を確認することにした。
チャスティンとルークは向かい合って剣を構えた。チャスティンは手に木刀を持ってその木刀に魔力を流した。
ルークはズボンのジッパーを下げるとディック・セイバーを展開した。彼のディック・セイバーは青白く輝いている。
ノー・ソイはルークに1つ忠告した。それは絶対にチャスティンの体にディック・セイバーを当てないこと。木刀がいつ折れるのかわからないからだ。
ただし、全力でやること。ルークは頷くとノー・ソイは号令を掛けた。
「始め」
号令が放たれた瞬間、木刀とディック・セイバーは激しくぶつかった。
ゴツン
木刀から嫌な音がした。だが折れなかった。それから5回、木刀が折れずに打ち合うことが出来た。
そして7回目に打ち合った時に木刀が折れた。その後、数十回試してみた。
大体、7~9回打ち合ったら木刀が折れた。これが木刀の限界だとわかった。
もしチャスティンがペッカーと打ち合うことになったら6回目で木刀を交換することした。
戦場ではアークが予備の木刀を数本携帯することが決まった。
出航から24日が過ぎ、ルーク達はコノー・ヤローに到着した。
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