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第7章 ルークの誘拐
第66話 ショッピング
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ルーク達はシャブーレの街に来て以来、毎日訓練をしていた。ルークはたまには休みを入れてもいいだろうと思い、街へ繰り出すことにした。一人で出掛けるのも何だし、チャスティンを誘ってみることにした。
「チャスティン、今から訓練を休んで街へ遊びに出かけるのだが、一緒に行かないか?」
ルークはアークには尋ねなかった。アークは当然、拒否するからな。
そもそもルークとはあまり仲が良くないし、チャスティンを放ったらかしにして出かける事は絶対にないからな。
それにチャスティンが一緒に来れば必ず付いてくる。
「いいですよ。丁度、頭の切り替えが必要でした」
勿論、チャスティンには頭の切り替えは全く必要なかった。
チャスティンはちょっと前、秘術の実験で何かを掴んでおり、良い結果を出していた。後は秘術をスムーズにできるように体に覚えさせるだけだ。秘術が無意識でできるレベルまで高めるまでに。
だが、実験が成功して一区切りできたから休みを入れるには丁度いいタイミングだ。
ルークはチャスティンの返事を聞くと、アークがツッコミを入れる前にさらりと言った。
「では準備ができ次第、一緒に行きましょう」
チャスティンは寝室へ戻ると服を選びだした。とは言えチャスティンは服を選ぶほど沢山持っていなかった。
今まで旅ばかりしていたからあまり持ち合わせがなかった。今回のお出かけでいっぱい服を買うつもりだ。
チャスティンは服を選ぶと着替えた。
寝室を出ようとするとアークもすでに着替えを終えていた。
「アーク、あなたも来るのですか?」
「勿論です。姫様が行く所へはどこでも行きます」
折角、ルークと2人きりでデートできると思っていたのに残念だ。まぁ、付いてくるのは予想していたが。
「姫様、では行きましょう」
2人は寝室を出るとルークと合流した。3人が家を出るとプルードー軍の騎士が2人、外で待っていた。ルークはあらかじめプルードー軍にチャスティンを誘って街へ遊びに行くと連絡を入れていたのだ。
プルードー軍はチャスティンが安全に街へ遊びに行けるのを助けるため、2人の騎士を護衛として派遣してきた。この2人はハードオン砦でルーク達に同行した20人の騎士の中の2人だった。
きっと、街中で人混みの中を歩くのに護衛がたった2人(ルークとアーク)では心許ないから騎士を派遣してきたのだろう。
3人で行こうが5人で行こうがルークにとっては変わらないのだが。この街にはルークの顔なじみが多いからルークに変なちょっかいを出す連中は殆どいない。
だからルークにとって警備上、護衛が少なくとも問題はなかった。とは言い、多すぎて困ることもないのだが。
ルークは皆を連れて街の中心部にあるバザールへ向かった。ここに行けば大抵の物が手に入る。チャスティンも買い物を堪能できるだろう。
バザールの中に入ると以前の賑やかさを取り戻していた。戦争で商品などはボコール軍に徴発されたが、店舗などは壊されなかった。
エイナールがシャブーレを取り戻すと物流は以前と同じレベルに戻っていた。商品は店舗の棚に潤沢に並んでいた。
どうやら避難していた店舗の店主や従業員は戻ってきたようだ。その中のルークと親しかった者が話しかけてきた。
「ルーク、久しぶり!今まで全然見なかったんだけど、どこ行ってたの?」
「いろんな所へ行っていたよ。隣国のプルードー王国とか旧ショーマニーのタマチンドーフとか。色々と」
「へぇ~、そうなんだ。ところでルークの隣にいるべっぴんさん、誰?もしかしてデート中?」
「まあな」
ルークは少しバツが悪そうに答えた。チャスティンはルークの返答を聞くと頬を僅かに赤らませた。
ルークは知り合いと挨拶を交わすと食品を売っているセクションへ向かった。そこで少し腹ごしらえをするつもりだ。
ルークはシャブーレ名物の魚料理を皆に振る舞うつもりだ。シャブーレの付近には湖が多数ありナマズに似た魚が豊富に取れる。
ナマズは上質な白身魚で身が肉厚でプリプリした歯ごたえがあり、食べ応えのある魚だ。
ナマズはシャブーレの住民の間ではとても人気がある魚だ。
ナマズは栄養満点でタンパク質が豊富に含まれており、肉厚の割に脂質が少なく低カロリーだから食べすぎても太ることがなかった。まぁ、限度はあるが。
ルーク達は一軒のナマズ料理レストランに入って行った。そのレストランはギョネンと言い、シャブーレで1番美味しいナマズ料理レストランで知られていた。
ギョネンは色々なタイプのナマズ料理を楽しめるレストランだ。ルークは一通り、ここで食べられるナマズ料理を注文した。
まずは天ぷらにフライと揚げ物に続き蒲焼とムニエルを注文して持ってきてもらった。このレストランで提供されるどの料理もとても美味しかった。皆はその味に大変、満足した。
どうやらチャスティンの1番のお気に入りはナマズのフライのようだ。特にフライにかけるタルタルソースには目がないようだ。
5人は昼食を堪能するとレストランを後にした。
食後、ルーク達は再びバザールを見て回った。
フルーツを売っているセクションではチャスティンが見たことのないこの地方特産のフルーツを中心につまみ食いをしながら歩いた。
フルーツセクションを抜けると衣服類が多く売っているセクションへ入って行った。ここはチャスティンがこのお出かけ中に1番行きたかった所だ。
長旅の上、いつも同じ服を繰り返し戦場で着ていたからか、服はかなりヨレヨレになっていて、しかも薄汚くなっていた。破れて直している箇所がいくつかある。
これでは王族と言うよりは庶民みたいな見た目だ。
チャスティンとアークはここで自分達の持っている服を一新するつもりだ。
「チャスティン、今から訓練を休んで街へ遊びに出かけるのだが、一緒に行かないか?」
ルークはアークには尋ねなかった。アークは当然、拒否するからな。
そもそもルークとはあまり仲が良くないし、チャスティンを放ったらかしにして出かける事は絶対にないからな。
それにチャスティンが一緒に来れば必ず付いてくる。
「いいですよ。丁度、頭の切り替えが必要でした」
勿論、チャスティンには頭の切り替えは全く必要なかった。
チャスティンはちょっと前、秘術の実験で何かを掴んでおり、良い結果を出していた。後は秘術をスムーズにできるように体に覚えさせるだけだ。秘術が無意識でできるレベルまで高めるまでに。
だが、実験が成功して一区切りできたから休みを入れるには丁度いいタイミングだ。
ルークはチャスティンの返事を聞くと、アークがツッコミを入れる前にさらりと言った。
「では準備ができ次第、一緒に行きましょう」
チャスティンは寝室へ戻ると服を選びだした。とは言えチャスティンは服を選ぶほど沢山持っていなかった。
今まで旅ばかりしていたからあまり持ち合わせがなかった。今回のお出かけでいっぱい服を買うつもりだ。
チャスティンは服を選ぶと着替えた。
寝室を出ようとするとアークもすでに着替えを終えていた。
「アーク、あなたも来るのですか?」
「勿論です。姫様が行く所へはどこでも行きます」
折角、ルークと2人きりでデートできると思っていたのに残念だ。まぁ、付いてくるのは予想していたが。
「姫様、では行きましょう」
2人は寝室を出るとルークと合流した。3人が家を出るとプルードー軍の騎士が2人、外で待っていた。ルークはあらかじめプルードー軍にチャスティンを誘って街へ遊びに行くと連絡を入れていたのだ。
プルードー軍はチャスティンが安全に街へ遊びに行けるのを助けるため、2人の騎士を護衛として派遣してきた。この2人はハードオン砦でルーク達に同行した20人の騎士の中の2人だった。
きっと、街中で人混みの中を歩くのに護衛がたった2人(ルークとアーク)では心許ないから騎士を派遣してきたのだろう。
3人で行こうが5人で行こうがルークにとっては変わらないのだが。この街にはルークの顔なじみが多いからルークに変なちょっかいを出す連中は殆どいない。
だからルークにとって警備上、護衛が少なくとも問題はなかった。とは言い、多すぎて困ることもないのだが。
ルークは皆を連れて街の中心部にあるバザールへ向かった。ここに行けば大抵の物が手に入る。チャスティンも買い物を堪能できるだろう。
バザールの中に入ると以前の賑やかさを取り戻していた。戦争で商品などはボコール軍に徴発されたが、店舗などは壊されなかった。
エイナールがシャブーレを取り戻すと物流は以前と同じレベルに戻っていた。商品は店舗の棚に潤沢に並んでいた。
どうやら避難していた店舗の店主や従業員は戻ってきたようだ。その中のルークと親しかった者が話しかけてきた。
「ルーク、久しぶり!今まで全然見なかったんだけど、どこ行ってたの?」
「いろんな所へ行っていたよ。隣国のプルードー王国とか旧ショーマニーのタマチンドーフとか。色々と」
「へぇ~、そうなんだ。ところでルークの隣にいるべっぴんさん、誰?もしかしてデート中?」
「まあな」
ルークは少しバツが悪そうに答えた。チャスティンはルークの返答を聞くと頬を僅かに赤らませた。
ルークは知り合いと挨拶を交わすと食品を売っているセクションへ向かった。そこで少し腹ごしらえをするつもりだ。
ルークはシャブーレ名物の魚料理を皆に振る舞うつもりだ。シャブーレの付近には湖が多数ありナマズに似た魚が豊富に取れる。
ナマズは上質な白身魚で身が肉厚でプリプリした歯ごたえがあり、食べ応えのある魚だ。
ナマズはシャブーレの住民の間ではとても人気がある魚だ。
ナマズは栄養満点でタンパク質が豊富に含まれており、肉厚の割に脂質が少なく低カロリーだから食べすぎても太ることがなかった。まぁ、限度はあるが。
ルーク達は一軒のナマズ料理レストランに入って行った。そのレストランはギョネンと言い、シャブーレで1番美味しいナマズ料理レストランで知られていた。
ギョネンは色々なタイプのナマズ料理を楽しめるレストランだ。ルークは一通り、ここで食べられるナマズ料理を注文した。
まずは天ぷらにフライと揚げ物に続き蒲焼とムニエルを注文して持ってきてもらった。このレストランで提供されるどの料理もとても美味しかった。皆はその味に大変、満足した。
どうやらチャスティンの1番のお気に入りはナマズのフライのようだ。特にフライにかけるタルタルソースには目がないようだ。
5人は昼食を堪能するとレストランを後にした。
食後、ルーク達は再びバザールを見て回った。
フルーツを売っているセクションではチャスティンが見たことのないこの地方特産のフルーツを中心につまみ食いをしながら歩いた。
フルーツセクションを抜けると衣服類が多く売っているセクションへ入って行った。ここはチャスティンがこのお出かけ中に1番行きたかった所だ。
長旅の上、いつも同じ服を繰り返し戦場で着ていたからか、服はかなりヨレヨレになっていて、しかも薄汚くなっていた。破れて直している箇所がいくつかある。
これでは王族と言うよりは庶民みたいな見た目だ。
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