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第27話 ほう、またもや指名依頼ですか、面倒です(泣)。
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革職人のギースさんの店を出て冒険者ギルドへ向かう。一度通った道且つ道順が案外簡単なので迷うことはなさそうだ。前世の環境だと、こうはいかない。完成は3日後とのことだったから、その間は適当にクエストでも受けておきますか。とか考えつつギルドに到着する。
いつもの時間とは違い、朝と昼の中間ぐらいの時間帯だったため、人は少なかった。ついでに受注型依頼の数も数えるほどしかなかった。クエストを受けておきたいが、その前にさっさと用件を済ませてしまおう。すぐに済んでくれればいいのだけど。エリルさんに用件を伝えようと思ったが、朝より人が少ないとはいえ受注窓口はそこそこ人がいたので、手続き窓口のニーナさんのところに行くことにする。べ、別に野心があるわけじゃないからね。
「ニーナさん、おはようございます。」
「ニャア。」
「おはようございます、アイスさん、マーブルちゃん。マーブルちゃんは自分から挨拶もできるのですね、ますます欲しいわぁ。」
「マーブルは差し上げません。ご自分で探してはどうでしょうか? 案外すぐ見つかるかも知れませんよ。」
「そうは言ってもですね、飼うに飼えない事情があるんですよ。ところで、アイスさん、本日来たのはギルド長の件ですか?」
「そうですね、本当はクエストを受けに来た、と言いたいところですが、呼び出しがあったので、先にそちらを済ませませんと。」
「ギルド長なら、今はギルド長室にいると思います。場所はわかりますよね?」
「はい、昨日伺ったので大丈夫だと思います。」
「では、すぐに行ってあげてください。いつでもいいとは言ってましたが、早いに越したことはないですしね。」
「ですね、それでは。」
ギルド側も了承しているらしく、すんなりと面会許可が下りた。まあ、呼び出しだから当たり前と言えば当たり前か。階段を上って2階へ行き、そのまままっすぐ進んで奥の部屋に向かう。到着したが、流石にノックは必要だろう。ギルド長室のドアをノックするとすぐに返事が返ってきた。
「どなたでしょうか?」
「アイスです。昨日の続きの件で伺いました。」
「あ、アイスさんでしたか。どうぞお入りください。」
「では、失礼します。」
ギルド長室に入ると、早速昨日座った席に案内される。
「昨日に続き、今日もお呼び出しして申し訳ありません。どうしてもまだ聞きたいことがありまして。」
「答えられる内容でしたらお答えします。」
「昨日おっしゃっていた、最初に会った人というのは、一体どんな方だったのですか?」
「そのことですか、では一部始終を話しますね。森を出てしばらく進んでいたらですね・・・・。」
できるだけ詳細にそのときに起こった出来事と併せてアイシャギルド長に話した。アイシャさんは申し訳ないような、うわぁ、といったような微妙な表情をしていた。
「ああ、最初に遭った人がそれでは、確かにそんな気持ちも沸いてきますね。これについては、みんながみんなそうではない、としか申し上げられません。彼らはライドル伯爵領の騎士達でかなりプライドが高く、助けられたことを認めたくなかったのでしょう。ここタンバラの街は王家直轄領で、王家から代官が派遣されております。」
うわぁ、貴族関連か。伯爵本人があの態度をとるのは致し方ないにしても、盗賊に後れをとっている騎士があの態度とはねぇ。といっても仮に貴族本人だとしても、あの態度はないかと。プライドを保つためにも技能を磨けよ、と思いますがね、当人達がいないから言っても仕方ないけど。
「それと、盗賊を率いていた者が『ヘルハウンド』と言っていたのは本当ですか?」
「はい、そう言っていたのは間違いないですね。あととても臭かったです。その『ヘルハウンド』と言う集団はそれほど危険なのですか? 何かやられつつも我が物顔で語ってましたが。」
「そうですね、この辺一帯でそれなりの規模の盗賊団です。国軍やギルドでもある程度拠点とかの把握はしているのですが、討伐隊を結成するにも戦力差が大きすぎて結成できない状態なんです。」
「そうですか。それは大変ですね。」
「ここの地域に関係していることですので、そこまで他人事にならなくても。」
「実際他人事ですしね。基本こちらに害がない限りはこちらからは何もする気はないので。」
みんながみんなそうではない、というのは確かにその通りだが、いくつかクエストを達成した程度の低ランク冒険者に対していらぬ警戒をしてくるようなことをして、「私たちは違います、キリッ」とかされても何とも思わない。最悪注文した防具さえ完成すれば、ここを去ってもいいとさえ思っている。まあ、何事もなければもう少しこの街でクエストをこなしていきますがね。
「そういえば、一昨日、街の外れで4人大けがの状態で倒れていたのですが、それについて何かご存じありませんか?」
一昨日? 4人大けが? あれって、確か、こちらを襲って金品を強奪しようとした連中か。まあ、隠すことでもないので正直に話しますか。明らかにこっちを疑っているようですしね。
「はい、知っておりますよ。ここを出てからずっと着けてきていたので、試しに人気のない街外れに誘導してみたら、案の定やってきまして、クエストの報酬と馬車の荷物をよこせと言ってきたので、有無を言わさずボコボコにしましたが、それが何か?」
これで、ギルドが彼らを擁護するなら、ここも所詮その程度ということでしょう。さて、あちらさんはどう答えるのでしょうかね。いくら折角会えたエルフとはいえ、こちらの邪魔をしてくるのなら仕方がない。
「そうでしたか、アイスさんたちがやったのですね。」
「はい、そうですが、それがどうかしましたか?」
「そう構えないでください。別にとがめているわけではないんですよ。あの4人は恐喝や強盗などで指名手配されていた元Cランクの冒険者で、尻尾もつかめず調査も難航している状態だったのが、一昨日あの状態で発見されたのです。代官からも捜査依頼が来ていたので調べていたんですよ。」
「そうでしたか。ところで、なぜ私たちだと思ったのです? あの時はGランクでしたし、今もEランクでしかない冒険者なんですが。」
「今まで捕まる気配もなかった4人が、一昨日いきなりあの状態で発見されたのです。そうなると外部からという可能性が高く、なおかつ冒険者登録したばかりの方がクエストでゴブリン40匹以上を討伐なんてとてつもない成果をあげたのです。先ほども申しましたように彼らは元Cランクの冒険者でしたから、へたに手を出そうとすると返り討ちに遭います。そういった情報をまとめると、アイスさん達しか該当する方がいないんです。」
「ありゃ、そうでしたか。それで、私に何か罪状とかが発生するので?」
「いえ、罪状どころか感謝状ものです。また、彼らも盗賊団『ヘルハウンド』に所属していたことがわかりましたので、注意して欲しいと思いお話しました。この件がアイスさん達で間違いないと思ったので。」
「ご忠告感謝します。けど、感謝状は不要です。向こうが危害を加えてきたので返り討ちにしただけですから。で、お話はそれだけではないでしょう?」
どうやら咎めるつもりはないらしいが、ひょっとしたらこちらが疑念の目を向けていることから方向転換してるかもしれない。ギルド長を務められるくらいだから、そのくらいの腹芸は平気でできそうだな。腹芸勝負では全く勝ち目はない、というか勝負にすらならない。まあ、端っから勝負する気はないけど。さて、次はどう出てくるかな?
「はい、ここからが本題です。アイスさん、ギルドで指名依頼を出しますので、討伐クエストを受けて頂けませんか?」
「討伐クエストですか? 一体何を討伐すればいいので? というか、私達で大丈夫なのですか?」
「そうです。アイスさんは現在Eランクではありますが、襲ってきた4人の件やゴブリンの討伐数もそうでしたが、フォレストウルフの集団やオークもあっさり倒しているご様子。しかも防具を一切身につけていない状態で。実力的にはBランク以上だとギルドは判断しました。通常ですとEランクの冒険者はDランクの討伐までしか受けられませんが、ギルドの特例や指名依頼ですとそういった制限を無くすことができます。」
「そう言って頂けるのは嬉しいですが、過大評価ではないかと。とりあえず内容を聞いてみないことには何とも。」
何か面倒な依頼を押しつけてきそうですねぇ。面倒事は勘弁して欲しいのですが。
「内容ですが、『ヘルハウンド』討伐およびアジトの殲滅です。今までは戦力が不足していたので動けませんでしたが、アイスさんが来てくれたおかげで戦力が整いました。是非受けてもらえませんか? 仮に受けなくても4人の件があるので、『ヘルハウンド』はアイスさんに報復してくる可能性が高いです。どうせなら一気につぶしてしまいませんか?」
やっぱり面倒事だ。正直あまり目立ちたくはなかったけど、折角向こうが喧嘩を売ってきたのだからその喧嘩買ってやろうではないか。あの程度でCランクとは拍子抜けもいいところだったから、少しは戦い甲斐のある相手であってほしい。
「わかりました。依頼を受けたいと思います。」
「ありがとうございます。ヘルハウンドの殲滅はBランクのクエストになりますので、報酬は1人当たり金貨100枚です。また、盗賊たちの装備および財産は参加者で話し合いとなります。アイスさんには特別報酬として無試験でBランク昇格の措置を採らせて頂きます。」
「報酬に関しては私に対する特別報酬はいりません。いきなりのランクアップは勘弁してください。通常報酬のみいただきます。それでよろしければお受けしますよ。」
「そうですか。アイスさんには高ランクの冒険者になって頂きたかったのですが。」
「ところで、討伐隊について詳しい説明が欲しいのですが。」
「『ヘルハウンド』の討伐についてですが、明日の昼過ぎ、5の鐘のときに説明会を行う予定です。場所はギルド2階の大会議室です。ドアに札が貼ってあるので帰りに確認してください。」
「5の鐘? すみません、そういえば、この世界の時間帯についてさっぱりわかりません。この街に来てから朝クエストに出てから門が閉まる直前まで戻らないので。」
「そういえば、そうでしたね。周りに誰もいませんので、アイスさんのいた世界に合わせて説明しますと、、、。」
アイシャさんの説明だと、朝6時が1の鐘、以後2時間毎に2の鐘、3の鐘と進んでいき、9の鐘まで存在するそうだ。一応それ以降も実際にはあるけど、街で時を知らせるのが9の鐘までらしい。9の鐘だと夜10時くらいか、それ以降は基本寝る時間ですからねぇ。それで5の鐘は午後2時くらいかな。どういう基準で時間の流れを把握しているのか分からないが、そこは気にしない方向でいこう。ある程度理解できたところで、時間に間に合うか心配と少し愚痴ったら、心配なら昼食が終わったらギルドにいたらどうかと言われた。これ、絶対マーブル目当てだよな。マーブルの愛らしさからすれば当然か。
「なるほど、承知しました。では、明日の会議室で。」
「はい、お手間を取らせて申し訳ありませんでした。」
ギルド長室を後にする。マーブルはというと、ぐっすり眠っていた。器用だな。あと、超可愛い。今の時間はよくわからないが、一応クエストを受ける余裕はありそうだな。ついでに受けていきますか。受けられるクエストが残っていればいいのだけど。
そう思いながら1階に降り、受注型クエストの貼ってある場所へと向かった。
いつもの時間とは違い、朝と昼の中間ぐらいの時間帯だったため、人は少なかった。ついでに受注型依頼の数も数えるほどしかなかった。クエストを受けておきたいが、その前にさっさと用件を済ませてしまおう。すぐに済んでくれればいいのだけど。エリルさんに用件を伝えようと思ったが、朝より人が少ないとはいえ受注窓口はそこそこ人がいたので、手続き窓口のニーナさんのところに行くことにする。べ、別に野心があるわけじゃないからね。
「ニーナさん、おはようございます。」
「ニャア。」
「おはようございます、アイスさん、マーブルちゃん。マーブルちゃんは自分から挨拶もできるのですね、ますます欲しいわぁ。」
「マーブルは差し上げません。ご自分で探してはどうでしょうか? 案外すぐ見つかるかも知れませんよ。」
「そうは言ってもですね、飼うに飼えない事情があるんですよ。ところで、アイスさん、本日来たのはギルド長の件ですか?」
「そうですね、本当はクエストを受けに来た、と言いたいところですが、呼び出しがあったので、先にそちらを済ませませんと。」
「ギルド長なら、今はギルド長室にいると思います。場所はわかりますよね?」
「はい、昨日伺ったので大丈夫だと思います。」
「では、すぐに行ってあげてください。いつでもいいとは言ってましたが、早いに越したことはないですしね。」
「ですね、それでは。」
ギルド側も了承しているらしく、すんなりと面会許可が下りた。まあ、呼び出しだから当たり前と言えば当たり前か。階段を上って2階へ行き、そのまままっすぐ進んで奥の部屋に向かう。到着したが、流石にノックは必要だろう。ギルド長室のドアをノックするとすぐに返事が返ってきた。
「どなたでしょうか?」
「アイスです。昨日の続きの件で伺いました。」
「あ、アイスさんでしたか。どうぞお入りください。」
「では、失礼します。」
ギルド長室に入ると、早速昨日座った席に案内される。
「昨日に続き、今日もお呼び出しして申し訳ありません。どうしてもまだ聞きたいことがありまして。」
「答えられる内容でしたらお答えします。」
「昨日おっしゃっていた、最初に会った人というのは、一体どんな方だったのですか?」
「そのことですか、では一部始終を話しますね。森を出てしばらく進んでいたらですね・・・・。」
できるだけ詳細にそのときに起こった出来事と併せてアイシャギルド長に話した。アイシャさんは申し訳ないような、うわぁ、といったような微妙な表情をしていた。
「ああ、最初に遭った人がそれでは、確かにそんな気持ちも沸いてきますね。これについては、みんながみんなそうではない、としか申し上げられません。彼らはライドル伯爵領の騎士達でかなりプライドが高く、助けられたことを認めたくなかったのでしょう。ここタンバラの街は王家直轄領で、王家から代官が派遣されております。」
うわぁ、貴族関連か。伯爵本人があの態度をとるのは致し方ないにしても、盗賊に後れをとっている騎士があの態度とはねぇ。といっても仮に貴族本人だとしても、あの態度はないかと。プライドを保つためにも技能を磨けよ、と思いますがね、当人達がいないから言っても仕方ないけど。
「それと、盗賊を率いていた者が『ヘルハウンド』と言っていたのは本当ですか?」
「はい、そう言っていたのは間違いないですね。あととても臭かったです。その『ヘルハウンド』と言う集団はそれほど危険なのですか? 何かやられつつも我が物顔で語ってましたが。」
「そうですね、この辺一帯でそれなりの規模の盗賊団です。国軍やギルドでもある程度拠点とかの把握はしているのですが、討伐隊を結成するにも戦力差が大きすぎて結成できない状態なんです。」
「そうですか。それは大変ですね。」
「ここの地域に関係していることですので、そこまで他人事にならなくても。」
「実際他人事ですしね。基本こちらに害がない限りはこちらからは何もする気はないので。」
みんながみんなそうではない、というのは確かにその通りだが、いくつかクエストを達成した程度の低ランク冒険者に対していらぬ警戒をしてくるようなことをして、「私たちは違います、キリッ」とかされても何とも思わない。最悪注文した防具さえ完成すれば、ここを去ってもいいとさえ思っている。まあ、何事もなければもう少しこの街でクエストをこなしていきますがね。
「そういえば、一昨日、街の外れで4人大けがの状態で倒れていたのですが、それについて何かご存じありませんか?」
一昨日? 4人大けが? あれって、確か、こちらを襲って金品を強奪しようとした連中か。まあ、隠すことでもないので正直に話しますか。明らかにこっちを疑っているようですしね。
「はい、知っておりますよ。ここを出てからずっと着けてきていたので、試しに人気のない街外れに誘導してみたら、案の定やってきまして、クエストの報酬と馬車の荷物をよこせと言ってきたので、有無を言わさずボコボコにしましたが、それが何か?」
これで、ギルドが彼らを擁護するなら、ここも所詮その程度ということでしょう。さて、あちらさんはどう答えるのでしょうかね。いくら折角会えたエルフとはいえ、こちらの邪魔をしてくるのなら仕方がない。
「そうでしたか、アイスさんたちがやったのですね。」
「はい、そうですが、それがどうかしましたか?」
「そう構えないでください。別にとがめているわけではないんですよ。あの4人は恐喝や強盗などで指名手配されていた元Cランクの冒険者で、尻尾もつかめず調査も難航している状態だったのが、一昨日あの状態で発見されたのです。代官からも捜査依頼が来ていたので調べていたんですよ。」
「そうでしたか。ところで、なぜ私たちだと思ったのです? あの時はGランクでしたし、今もEランクでしかない冒険者なんですが。」
「今まで捕まる気配もなかった4人が、一昨日いきなりあの状態で発見されたのです。そうなると外部からという可能性が高く、なおかつ冒険者登録したばかりの方がクエストでゴブリン40匹以上を討伐なんてとてつもない成果をあげたのです。先ほども申しましたように彼らは元Cランクの冒険者でしたから、へたに手を出そうとすると返り討ちに遭います。そういった情報をまとめると、アイスさん達しか該当する方がいないんです。」
「ありゃ、そうでしたか。それで、私に何か罪状とかが発生するので?」
「いえ、罪状どころか感謝状ものです。また、彼らも盗賊団『ヘルハウンド』に所属していたことがわかりましたので、注意して欲しいと思いお話しました。この件がアイスさん達で間違いないと思ったので。」
「ご忠告感謝します。けど、感謝状は不要です。向こうが危害を加えてきたので返り討ちにしただけですから。で、お話はそれだけではないでしょう?」
どうやら咎めるつもりはないらしいが、ひょっとしたらこちらが疑念の目を向けていることから方向転換してるかもしれない。ギルド長を務められるくらいだから、そのくらいの腹芸は平気でできそうだな。腹芸勝負では全く勝ち目はない、というか勝負にすらならない。まあ、端っから勝負する気はないけど。さて、次はどう出てくるかな?
「はい、ここからが本題です。アイスさん、ギルドで指名依頼を出しますので、討伐クエストを受けて頂けませんか?」
「討伐クエストですか? 一体何を討伐すればいいので? というか、私達で大丈夫なのですか?」
「そうです。アイスさんは現在Eランクではありますが、襲ってきた4人の件やゴブリンの討伐数もそうでしたが、フォレストウルフの集団やオークもあっさり倒しているご様子。しかも防具を一切身につけていない状態で。実力的にはBランク以上だとギルドは判断しました。通常ですとEランクの冒険者はDランクの討伐までしか受けられませんが、ギルドの特例や指名依頼ですとそういった制限を無くすことができます。」
「そう言って頂けるのは嬉しいですが、過大評価ではないかと。とりあえず内容を聞いてみないことには何とも。」
何か面倒な依頼を押しつけてきそうですねぇ。面倒事は勘弁して欲しいのですが。
「内容ですが、『ヘルハウンド』討伐およびアジトの殲滅です。今までは戦力が不足していたので動けませんでしたが、アイスさんが来てくれたおかげで戦力が整いました。是非受けてもらえませんか? 仮に受けなくても4人の件があるので、『ヘルハウンド』はアイスさんに報復してくる可能性が高いです。どうせなら一気につぶしてしまいませんか?」
やっぱり面倒事だ。正直あまり目立ちたくはなかったけど、折角向こうが喧嘩を売ってきたのだからその喧嘩買ってやろうではないか。あの程度でCランクとは拍子抜けもいいところだったから、少しは戦い甲斐のある相手であってほしい。
「わかりました。依頼を受けたいと思います。」
「ありがとうございます。ヘルハウンドの殲滅はBランクのクエストになりますので、報酬は1人当たり金貨100枚です。また、盗賊たちの装備および財産は参加者で話し合いとなります。アイスさんには特別報酬として無試験でBランク昇格の措置を採らせて頂きます。」
「報酬に関しては私に対する特別報酬はいりません。いきなりのランクアップは勘弁してください。通常報酬のみいただきます。それでよろしければお受けしますよ。」
「そうですか。アイスさんには高ランクの冒険者になって頂きたかったのですが。」
「ところで、討伐隊について詳しい説明が欲しいのですが。」
「『ヘルハウンド』の討伐についてですが、明日の昼過ぎ、5の鐘のときに説明会を行う予定です。場所はギルド2階の大会議室です。ドアに札が貼ってあるので帰りに確認してください。」
「5の鐘? すみません、そういえば、この世界の時間帯についてさっぱりわかりません。この街に来てから朝クエストに出てから門が閉まる直前まで戻らないので。」
「そういえば、そうでしたね。周りに誰もいませんので、アイスさんのいた世界に合わせて説明しますと、、、。」
アイシャさんの説明だと、朝6時が1の鐘、以後2時間毎に2の鐘、3の鐘と進んでいき、9の鐘まで存在するそうだ。一応それ以降も実際にはあるけど、街で時を知らせるのが9の鐘までらしい。9の鐘だと夜10時くらいか、それ以降は基本寝る時間ですからねぇ。それで5の鐘は午後2時くらいかな。どういう基準で時間の流れを把握しているのか分からないが、そこは気にしない方向でいこう。ある程度理解できたところで、時間に間に合うか心配と少し愚痴ったら、心配なら昼食が終わったらギルドにいたらどうかと言われた。これ、絶対マーブル目当てだよな。マーブルの愛らしさからすれば当然か。
「なるほど、承知しました。では、明日の会議室で。」
「はい、お手間を取らせて申し訳ありませんでした。」
ギルド長室を後にする。マーブルはというと、ぐっすり眠っていた。器用だな。あと、超可愛い。今の時間はよくわからないが、一応クエストを受ける余裕はありそうだな。ついでに受けていきますか。受けられるクエストが残っていればいいのだけど。
そう思いながら1階に降り、受注型クエストの貼ってある場所へと向かった。
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