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触れる肌は、しっとりとして温かかった。ベッドへと横たえた体を組み敷き、吸い付く指先を滑らせて、胸の突起へとたどり着く。沈んでいたピンク色は、匡史が触れることでふっくらとその存在を主張する。
「金丸くん、さすがに、手際がいいな。女子社員からよく聞いてるよ、噂」
匡史の頭を抱え、指先で髪を弄びながら池上が言う。時々言葉が詰まるのは感じてくれているからなのか、まだ分からなかった。
「噂?」
尖った胸に舌を這わせて匡史が聞く。池上の肌が震えた。
「んっ……金丸くんは、誘えばのってくれるって……体の関係込みで」
「昔はね」
言いながら池上の腕からパジャマを抜き、そっと下にも手を伸ばす。下着ごと衣服を取り払うと、すべらかな肢体が目の前に現れる。これで三十路を越えた男だというんだから、詐欺としかいいようがない。
「昔って、つい最近だろう」
「探してたんです――あなたを。俺にとっての、たった一人をずっと探してた」
「それでも不思議だったよ。そんな君が僕を好きだなんて」
池上の中心に手を伸ばすと、甘く色づいた吐息が漏れる。匡史は手を休めることなく、そんなことないです、と答えた。
「初めてあなたを見た時から、多分俺はあなたに惹かれていたんです。初めは、妙なプライドからのライバル心かと思ったんですけど、違ってた」
「そりゃ、オメガとはいえ、こんなオヤジに恋するなんて、想像もしなかっただろ」
「オヤジだなんて思ってませんよ。こんなにキレイで素敵な人、俺他に知らないし」
滑らかな肌に唇を寄せる。愛しい想いを乗せて吸い付くと、白い肌に淡く痕が残った。
「あ、こら……見えるところにはつけるな」
「分かってます。あ、でも明日は襟の高いシャツを着て欲しいかも」
言いながら匡史が池上の首筋に軽く歯を立てる。池上が細い声を漏らした。
「ん……噛みたい?」
「すごく……でも、今日は我慢します」
「我慢、なんて……しなくて、いいのに」
「そういう大事なことはちゃんとしたいんです」
「ふふ……金丸くんがモテるわけ、なんとなく、わかった」
池上の言葉が途切れ途切れに聞こえる。手で、唇で、全身を確かめるように愛撫していくと、池上も会話が難しくなってきたようだ。
「おしゃべりはお終いにしましょう。もっと別の声、聞かせてください。もっと聞きたいです、聡二さんの声」
「そんな恥ずかしいこと……んっ、や、金丸くん!」
するりと体を移動させ、池上の中心を口に含むと、池上は上体を起こして、匡史の頭を掴んだ。引き剥がすつもりらしいが、匡史はそれを厭わずに口淫を続ける。しばらくすると、池上の体がベッドへと崩れた。
「あ、そんなにしたら……か、なまる、く……」
快感を体から逃そうとしているのか、池上の両足はベッドの上で蹴るように暴れる。ふいに、匡史は池上の中心を唇から離し、指先で先端を強めに握った。
「な、金丸、くん?」
はあ、と荒い息を吐きながら、池上がこちらを見る。動揺したような表情の池上に、匡史は近づき、その頬に口付ける。
「先にいきたいですか? 俺のこと待てますか?」
聞くと、池上がふるふると首を振った。
「どっちも無理……」
泣きそうなその顔と同じで、握った中心もとろとろと蜜が流れ、張り詰めている。ちょっとの刺激ですぐにでも達してしまいそうだ。
「じゃあ、俺のこと迎えてからにしてください」
匡史はその言葉を伝えながら、池上の後孔に指を伸ばした。既に濡れたそこにそっと触れ、そのまま指をすすめる。池上が滴らせる蜜で濡れた指は歓迎されたように吸い付く。池上のそこは、すぐに匡史を受け入れる準備を整えてくれた。
オメガの体だから、きっと受け入れることも普通よりは容易いのかもしれない。けれどこうも簡単に溶けてくれたのは相手が匡史だからだと信じたい。
「も、だめ、指、離して……」
「いきたい? じゃあ、俺の名前呼んでいって。匡史って、呼んで?」
匡史は耳元で囁き、池上の耳朶を甘く噛んだ。池上の中心から手を離すと、しなやかな両脚を抱え、最奥へと昂ぶりを突き刺す。
「あ、まさ、ちかっ……んっ――!」
池上が声を詰まらせる。匡史が手を伸ばした中心は、既に白濁を吐き出していた。
「意外と、意地悪なんだな……金丸くん……」
上がった息を整えながら池上が笑顔を向ける。匡史は、すみませんと謝りながらも、でも、と言葉を繋げた。
「もう少し付き合って、聡二さん」
艶めいたその顔を見つめ匡史が聞くと、池上が両手を伸ばして、匡史の背中を捉えた。耳元で、おいで、と囁かれ、匡史は息をのむ。かつてこれほどまでに、煽られたことなどなかった匡史は、理性を全て投げ捨てて、夢中で池上を抱いた。
「金丸くん、さすがに、手際がいいな。女子社員からよく聞いてるよ、噂」
匡史の頭を抱え、指先で髪を弄びながら池上が言う。時々言葉が詰まるのは感じてくれているからなのか、まだ分からなかった。
「噂?」
尖った胸に舌を這わせて匡史が聞く。池上の肌が震えた。
「んっ……金丸くんは、誘えばのってくれるって……体の関係込みで」
「昔はね」
言いながら池上の腕からパジャマを抜き、そっと下にも手を伸ばす。下着ごと衣服を取り払うと、すべらかな肢体が目の前に現れる。これで三十路を越えた男だというんだから、詐欺としかいいようがない。
「昔って、つい最近だろう」
「探してたんです――あなたを。俺にとっての、たった一人をずっと探してた」
「それでも不思議だったよ。そんな君が僕を好きだなんて」
池上の中心に手を伸ばすと、甘く色づいた吐息が漏れる。匡史は手を休めることなく、そんなことないです、と答えた。
「初めてあなたを見た時から、多分俺はあなたに惹かれていたんです。初めは、妙なプライドからのライバル心かと思ったんですけど、違ってた」
「そりゃ、オメガとはいえ、こんなオヤジに恋するなんて、想像もしなかっただろ」
「オヤジだなんて思ってませんよ。こんなにキレイで素敵な人、俺他に知らないし」
滑らかな肌に唇を寄せる。愛しい想いを乗せて吸い付くと、白い肌に淡く痕が残った。
「あ、こら……見えるところにはつけるな」
「分かってます。あ、でも明日は襟の高いシャツを着て欲しいかも」
言いながら匡史が池上の首筋に軽く歯を立てる。池上が細い声を漏らした。
「ん……噛みたい?」
「すごく……でも、今日は我慢します」
「我慢、なんて……しなくて、いいのに」
「そういう大事なことはちゃんとしたいんです」
「ふふ……金丸くんがモテるわけ、なんとなく、わかった」
池上の言葉が途切れ途切れに聞こえる。手で、唇で、全身を確かめるように愛撫していくと、池上も会話が難しくなってきたようだ。
「おしゃべりはお終いにしましょう。もっと別の声、聞かせてください。もっと聞きたいです、聡二さんの声」
「そんな恥ずかしいこと……んっ、や、金丸くん!」
するりと体を移動させ、池上の中心を口に含むと、池上は上体を起こして、匡史の頭を掴んだ。引き剥がすつもりらしいが、匡史はそれを厭わずに口淫を続ける。しばらくすると、池上の体がベッドへと崩れた。
「あ、そんなにしたら……か、なまる、く……」
快感を体から逃そうとしているのか、池上の両足はベッドの上で蹴るように暴れる。ふいに、匡史は池上の中心を唇から離し、指先で先端を強めに握った。
「な、金丸、くん?」
はあ、と荒い息を吐きながら、池上がこちらを見る。動揺したような表情の池上に、匡史は近づき、その頬に口付ける。
「先にいきたいですか? 俺のこと待てますか?」
聞くと、池上がふるふると首を振った。
「どっちも無理……」
泣きそうなその顔と同じで、握った中心もとろとろと蜜が流れ、張り詰めている。ちょっとの刺激ですぐにでも達してしまいそうだ。
「じゃあ、俺のこと迎えてからにしてください」
匡史はその言葉を伝えながら、池上の後孔に指を伸ばした。既に濡れたそこにそっと触れ、そのまま指をすすめる。池上が滴らせる蜜で濡れた指は歓迎されたように吸い付く。池上のそこは、すぐに匡史を受け入れる準備を整えてくれた。
オメガの体だから、きっと受け入れることも普通よりは容易いのかもしれない。けれどこうも簡単に溶けてくれたのは相手が匡史だからだと信じたい。
「も、だめ、指、離して……」
「いきたい? じゃあ、俺の名前呼んでいって。匡史って、呼んで?」
匡史は耳元で囁き、池上の耳朶を甘く噛んだ。池上の中心から手を離すと、しなやかな両脚を抱え、最奥へと昂ぶりを突き刺す。
「あ、まさ、ちかっ……んっ――!」
池上が声を詰まらせる。匡史が手を伸ばした中心は、既に白濁を吐き出していた。
「意外と、意地悪なんだな……金丸くん……」
上がった息を整えながら池上が笑顔を向ける。匡史は、すみませんと謝りながらも、でも、と言葉を繋げた。
「もう少し付き合って、聡二さん」
艶めいたその顔を見つめ匡史が聞くと、池上が両手を伸ばして、匡史の背中を捉えた。耳元で、おいで、と囁かれ、匡史は息をのむ。かつてこれほどまでに、煽られたことなどなかった匡史は、理性を全て投げ捨てて、夢中で池上を抱いた。
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