用心棒な家政夫

ハジメユキノ

文字の大きさ
15 / 21

拓馬の溺愛

しおりを挟む
「危ないからちゃんと前見てて下さい!」
伊織に怒られても拓馬はちょっかいを出し続けた。伊織の膝に乗せられた行儀の良い綺麗な右手を取り、自分の腿に乗せた。
「置いといて」
「でも…」
「ずっと触れなかったから、触っててよ」
拓馬さんが甘えてる!伊織は恥ずかしい反面、嬉しかった。僕を必要としてくれてる…。
「伊織。良かったね、家族が元に戻って…」
「はい。僕、拓馬さんの家が羨ましかったけど、自分の家もいいなって思えるようになりました(笑)」
拓馬の左手が伊織の右手をそっと包んだ。
「これからは俺達の家もあるよ(笑)」
「はい…。あの、拓馬さん」
「ん?何?」
「ふつつか者ですが、これから宜しくお願い致します」
伊織は助手席で綺麗なお辞儀をしていた。拓馬は伊織の手をぎゅっと握った。
「俺に伊織のこれからをくれるの?」
「もらってくれますか?」
「もちろん!喜んで!」
「よかった…」
拓馬は伊織のつぶやきを聞き逃さなかった。
「俺が伊織を欲しがらないとでも思った?」
「えっ?だって…僕、何にもできなくて…」
「伊織。そんなことない。ちゃんと出来てた」
「でも…」
「伊織。それ以上言うと怒るよ。一緒にやっていけばいいんだから」
「はい」
拓馬は伊織の手にそっと口づけた。
「素直だな…。可愛い。俺、家まで我慢できるかな…」
拓馬の言葉に、伊織は真っ赤になっていた、拓馬は早く家に着かないかな~と待ちきれない気持ちでいた。

家のガレージに車を入れると、シャッターを下ろした。
「伊織?」
伊織は疲れてしまったのか、いつの間にか眠ってしまっていた。
「なんか静かだなぁって思ってたら…」
起こすのも可哀想だと、後ろの座席に置いてあった膝掛けをかけた。サラサラの髪を手で梳くと、伊織はその手に頬を寄せてきた。
「伊織?起きた?」
伊織はやっと目を覚ました。
「ん?気持ちいい…」
「伊織。早く家に入ろ?早く起きないと、ここで襲っちゃうぞ(笑)」
「!は、はい!」
伊織が家から持ってきた着替えとか諸々が入ったバッグを下ろそうとしたら、後ろから拓馬の手が伸びてきて、さっと持っていかれてしまった。
「拓馬さん、僕、自分のだから持ちます!」
「このくらいやらせてよ…」
空いてる方の手で、伊織の頭をくしゃっと撫でた。その手の甘さに顔が熱かった。

玄関ドアを開けると、拓馬は伊織の手を掴んでまっすぐ寝室に向かった。
カーテンがしっかり閉められた室内はまだほんのり明るく、灯りを付けなくてもお互いの表情が見てとれた。
拓馬は伊織の荷物を足許に置くと、伊織を胸の中に抱きしめた。
「ドキドキしてるの分かる?」
「はい…」
拓馬は深く息を吐くと、
「やっと伊織を独り占め出来る」
と呟いた。
伊織の頬を両手で包み込むと、拓馬は優しく口づけた。唇が一旦離れたとき、伊織は最初に出会った時のことを言った。
「僕も初めて会ったとき、拓馬さんに恋をしたんです」
「じゃあ一緒だね」
伊織は拓馬の背中に回した手に力を入れた。
「好きです。拓馬さん」
「俺も。好きだよ」
深く気持ちの良いキスをされて伊織は立っていられなくなった。腰が砕けて崩れ落ちそうになった伊織は、拓馬の力強い腕でベッドに引きずり込まれた。
優しい手がTシャツをめくりあげ、伊織の体を愛おしそうに触れていった。手の跡を確かめるように優しい唇がなぞっていく。
「やっぱり綺麗だ。どこもかしこも…」
滑らかな素肌に優しく口づけ、桜色に染まった乳首を舌でなぞった。
「あっ…」
伊織の口から小さく声が上がった。拓馬の唇と舌がより一層弄ると伊織は我慢できずに啼いた。
「声、可愛いな」
「やっ…やだ」
そのまま拓馬の唇は伊織の平たいお腹、硬くなったものにたどり着いた。
「あ、お風呂入ってから…」
「大丈夫。もう待てないから」
唇と舌が伊織のを濡らし、一緒に可愛いおしりを指で弄った。伊織の先っぽから溢れてくるものが、おしりにまで垂れて、指がスルッと呑み込まれていく。
「伊織…。ちょっと自分でいじった?」
伊織は恥ずかしそうに顔を両手で覆っていた。小さく頷きながら…。
「も~!俺が準備したかったよ」
伊織の固くなったものは拓馬の口が逃がしてくれなくて、一緒におしりも弄られて、何だか何も考えられなくなっていた。
「ほんと、するする入るよ。分かる?柔らかい…」
優しいけれど、逃がしてくれない指と唇の柔らかさに伊織は我慢出来なくなってしまった。
「それ以上しちゃ…だめです」
「我慢しなくていいよ。俺にイくとこ見せて」
「ほんとに…あっ…もぉ」
「やらし…胸まで飛んで…」
伊織のおしりは拓馬のごつい指を呑み込んでいた。
「拓馬さん…も、気持ち良くなって…?」
「うん、伊織…いい?」
黙って頷いた伊織の髪にキスをして、拓馬は伊織の中に入った。入り口からならして、優しく出し入れした。
「伊織の中、気持ちいいよ。吸い付いてくる…」
「拓馬さんも気持ちいいの?」
「うん。ね、伊織。痛くない?」
「痛くてもいいから…」
「伊織…」
伊織の可愛さに、拓馬の理性が飛んだ。
「だめだ…俺、優しく出来ないかも」
そう言うと、伊織の中に深く深く何度も入った。伊織は気持ち良すぎてどこかに行ってしまいそうで、拓馬の腕を痛いくらい掴んだ。
「あっ!おっきい…」
「伊織、ごめん」
たがが外れてしまったかのように、拓馬は伊織を抱きしめながら何度も奥を突いた。伊織のおしりはどんどん柔らかく、桃色に染まっていった。伊織は何度も拓馬の名前を呼び続けた。伊織が一段と高く啼いた時、拓馬も我慢できず、一緒に伊織の中に溢れる愛を注ぎ込んでいた。
「好きだ、いおり…」

クタッとなっている伊織が可愛くて、拓馬は柔らかなその髪を撫で続けた。その時、伊織が囁いた。小さな呟きは聞き取れなかった。
「ん?何?なんて言ったの?」
拓馬が耳を近付けると、伊織が拓馬の頭を抱きしめた。
「大好き、って言ったの」
耳に囁かれた甘い言葉に、拓馬はたまらなくなった。
「そんな可愛いことすると、大変だぞ?」
伊織の唇が拓馬の耳をくすぐった。
「どんな風に?」
「知りたい?」
「もっと教えて」
伊織の大好きな琥珀色の瞳に、伊織自身が映り込んでいた。
「ね、拓馬さん。僕ね、拓馬さんの琥珀色の瞳が大好きなんです」
「知ってるよ。よくジーッと見つめられてたからね」
拓馬はニッコリと微笑むと、再び伊織の唇を塞いでいった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

処理中です...