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9. そんなに悲壮なもの
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翌朝、グラスドノール城内はひどい有り様だった。
一晩中騒ぎ続け、廊下やホールやサロンのソファで泥酔して眠りこけている者。
酒臭い空気に満ちた地下遊戯場で、賭け事に負け続けて倒れ伏している者。
ひどい二日酔いで、早朝からバスルームを独占し、吐き続けている者。
昨晩深酔いした面々は、朝になっても当然ながら起きてこなかった。
ミレーユはいろいろな夜会を経験しているけど、ここまでひどいのも珍しい。
シャロワ伯爵とその一族、城の使用人たちだけが、招待客たちの体たらくを冷ややかに見守っていた。
朝なのに空は暗く、空気は刺すように冷たい。
この調子なら、吹雪なんてなくても足止めさせられるかもね。皆、馬鹿騒ぎするのが大好きみたいだし……
ミレーユは書庫のソファでページを繰りながら、そんなことを思った。
もともとミレーユは寒さに強い体質だが、室内にある巨大な暖炉がこうこうと燃え盛り、そばに座っているだけで暖かい。マントルピースに美しく彫り込まれた、古代の狼神ラームと四匹の使徒たちが、ミレーユを静かに見下ろしていた。
狼神ラームは人間を足で踏みつけ、使徒の一匹は人間の体を咥え、月を見上げている。
月は奇妙な形に欠け、それが月食であることはひと目でわかった。
物心がつき、この不思議な彫刻がなにを意味するのか理解したとき、怖くてしばらく動けなかった。
祖父が彫刻を指差し、「すべては、たとえなんだよ」と言ったのを憶えている。
天井から鎖で吊られたシャンデリアには無数のロウソクが刺さり、室内は充分明るい。
静寂に時折、薪がパチッと爆ぜる音と、遠い風のうなり声が響いた。
こうして無心にページをめくっていると、騒々しい世俗から離れ、心が落ち着く。
がんじがらめで自由のない現実を忘れ、縦横無尽に物語の世界を飛び回れた。そこでは、子供や老人になったり、魔法を使ったり、時空を超えたり、王子様と恋もしたし、決闘で死にもした。
書庫にいながら別の人生を生きられる。ミレーユにとってまさに本こそが魔法だった。
本を閉じ、小さく嘆息する。物語に比べ、現実のなんと冷たく苦しいことか。
あと、早くて五年。長くて十年かぁ……
覚悟を決めたといっても、そんなに悲壮なものじゃない。来るかどうかわからない死神に備えよと言われても、「ほんとに来るのかなぁ?」と首をひねるだけだ。
うまく、現実感が持てない。現実感がないから恐怖もなかった。
五年経ってもなにも変わらず、ここでこうして読書をしている気がする。
けど、たぶん、その日は訪れるんだろう。母のジャンヌがそうだったように。
そのとき。
ガタンッ、と大きな音がし、はっと現実に引き戻された。
音のしたほうへ振り向くと、エドガール・ドラポルトが目を丸くして立っている。
「ドラポルト男爵……」
こちらも驚いていると、エドガールはさっと歩み寄ってくる。
招待客たちは誰一人起きてこなかったのに、エドガールはひげの剃られたすっきりした顔で、清潔なシャツにクラヴァットを巻き、身なりはきちんとしていた。
「失礼。レディ・ミレーユでしたか。誰もいないと思っていたんで」
「おはようございます、ドラポルト男爵。ごめんなさい、びっくりさせてしまって」
「僕のことはエドガールと呼んでくれていいですよ」
昨晩とは打って変わって友好的な態度に、ミレーユはあれっ? と驚く。
けど、すぐに気を取り直し、調子を合わせた。
「でしたら、私のこともミレーユと呼んでください」
「それは、僕の……?」
エドガールの視線は、ミレーユの手にした本の背表紙に注がれている。
そこには『神話の秘密 エドガール・ドラポルト著』と記されていた。
ミレーユは少し気恥ずかしくなり、えへへと笑ってしまう。
「あ、ごめんなさい。この本、すごく好きで……何回も読んじゃうんです」
エドガールは仏頂面を崩さず、数秒ミレーユと本を見比べ、ボソボソ言った。
「昨日はすみません。その……あなたに、無礼な態度を取ってしまって」
ミレーユはとっさにブンブン手を振る。
「いえいえ、とんでもない! 私のほうこそ、不躾ですみません。じろじろ眺めまわした上に、図々しくファンだとのたまってしまって……」
「いや。図々しいとか、そんな風にはちっとも思わないんだが……」
エドガールは美しく整った眉をひそめ、少し考えてから続けた。
「こういう稼業をやっていると、本当にいろんな人間が近づいてくるんです。最初は皆、あなたのファンだみたいな顔をするんだが、大体が下心を持った輩ばかりでね。もう、そういう奴らにうまく利用されるのに疲れてしまったんですよ」
「そうだったんですか……」
そうなのかもしれない。エドガールぐらい名が知れると、利用してやろうとする人も多そうだ。
自分だって違うとも言いきれない。ある意味ミレーユだって己の欲望のため、彼に近づいたのだから。
思った以上にエドガールは、人の心の動きに敏感なのかもしれない。
初めて彼の本音が聞けたようで、ミレーユはうれしかった。
エドガールはばつが悪そうに言う。
「だから、あなたが読者だというのは、嘘だろうと決めつけてしまった。申し訳ない」
不器用ながらも、彼の謝罪の気持ちが伝わってきた。
「私が読者だっていうのは本当ですよ。ファンだというのも本当。けど、下心がゼロかと問われたら……」
ゼロじゃない、かな。
そこは言葉にせず、二人はしばらく見つめ合った。
「……隣、座っても?」
ややあって、エドガールは丁重に問う。
「ええ、もちろん。どうぞ」
ミレーユが体を横へずらすと、ソファの隣に彼は座った。
彼のたくましい上腕が少し肩に触れ、ドキッとする。
それから、二人でいろんな話をした。
おもにエドガールの書いた本と、それに対するミレーユの絶賛だったけど、それだけでも充分すぎるほど楽しかった。
書くときのエドガールはすごく饒舌なのに、対面で話すときは口下手なのか、つっかえたりどもったりしながらも、ミレーユのおしゃべりに付き合ってくれた。こちらが質問すれば、正直に答えようと努めてくれ、こちらの話も興味深そうに耳を傾けてくれる。
あまりおしゃべりに慣れてないのかなぁ……。けど、ちょっと可愛いかも……?
ぎこちないながらも、一生懸命ミレーユに合わせようとする彼の姿に、キュンとしてしまった。
昨晩は、皮肉っぽく斜に構えた伊達男という感じだったのに、一対一でじっくり話すとこんなに印象が変わるなんて。
やっぱり、思ってたとおり、素敵な人かも……
キザなセリフを流暢に操る男性より、エドガールみたいに不器用なタイプのほうが好きだった。
昨日の敵意剥き出しの彼より、今日のぶっきらぼうで正直な彼のほうが、作品をとおして感じた印象に近い。
素朴で、純粋で、子供みたいな心を失ってない、透きとおった魂……
その片鱗を感じられ、無性にうれしかった。
一晩中騒ぎ続け、廊下やホールやサロンのソファで泥酔して眠りこけている者。
酒臭い空気に満ちた地下遊戯場で、賭け事に負け続けて倒れ伏している者。
ひどい二日酔いで、早朝からバスルームを独占し、吐き続けている者。
昨晩深酔いした面々は、朝になっても当然ながら起きてこなかった。
ミレーユはいろいろな夜会を経験しているけど、ここまでひどいのも珍しい。
シャロワ伯爵とその一族、城の使用人たちだけが、招待客たちの体たらくを冷ややかに見守っていた。
朝なのに空は暗く、空気は刺すように冷たい。
この調子なら、吹雪なんてなくても足止めさせられるかもね。皆、馬鹿騒ぎするのが大好きみたいだし……
ミレーユは書庫のソファでページを繰りながら、そんなことを思った。
もともとミレーユは寒さに強い体質だが、室内にある巨大な暖炉がこうこうと燃え盛り、そばに座っているだけで暖かい。マントルピースに美しく彫り込まれた、古代の狼神ラームと四匹の使徒たちが、ミレーユを静かに見下ろしていた。
狼神ラームは人間を足で踏みつけ、使徒の一匹は人間の体を咥え、月を見上げている。
月は奇妙な形に欠け、それが月食であることはひと目でわかった。
物心がつき、この不思議な彫刻がなにを意味するのか理解したとき、怖くてしばらく動けなかった。
祖父が彫刻を指差し、「すべては、たとえなんだよ」と言ったのを憶えている。
天井から鎖で吊られたシャンデリアには無数のロウソクが刺さり、室内は充分明るい。
静寂に時折、薪がパチッと爆ぜる音と、遠い風のうなり声が響いた。
こうして無心にページをめくっていると、騒々しい世俗から離れ、心が落ち着く。
がんじがらめで自由のない現実を忘れ、縦横無尽に物語の世界を飛び回れた。そこでは、子供や老人になったり、魔法を使ったり、時空を超えたり、王子様と恋もしたし、決闘で死にもした。
書庫にいながら別の人生を生きられる。ミレーユにとってまさに本こそが魔法だった。
本を閉じ、小さく嘆息する。物語に比べ、現実のなんと冷たく苦しいことか。
あと、早くて五年。長くて十年かぁ……
覚悟を決めたといっても、そんなに悲壮なものじゃない。来るかどうかわからない死神に備えよと言われても、「ほんとに来るのかなぁ?」と首をひねるだけだ。
うまく、現実感が持てない。現実感がないから恐怖もなかった。
五年経ってもなにも変わらず、ここでこうして読書をしている気がする。
けど、たぶん、その日は訪れるんだろう。母のジャンヌがそうだったように。
そのとき。
ガタンッ、と大きな音がし、はっと現実に引き戻された。
音のしたほうへ振り向くと、エドガール・ドラポルトが目を丸くして立っている。
「ドラポルト男爵……」
こちらも驚いていると、エドガールはさっと歩み寄ってくる。
招待客たちは誰一人起きてこなかったのに、エドガールはひげの剃られたすっきりした顔で、清潔なシャツにクラヴァットを巻き、身なりはきちんとしていた。
「失礼。レディ・ミレーユでしたか。誰もいないと思っていたんで」
「おはようございます、ドラポルト男爵。ごめんなさい、びっくりさせてしまって」
「僕のことはエドガールと呼んでくれていいですよ」
昨晩とは打って変わって友好的な態度に、ミレーユはあれっ? と驚く。
けど、すぐに気を取り直し、調子を合わせた。
「でしたら、私のこともミレーユと呼んでください」
「それは、僕の……?」
エドガールの視線は、ミレーユの手にした本の背表紙に注がれている。
そこには『神話の秘密 エドガール・ドラポルト著』と記されていた。
ミレーユは少し気恥ずかしくなり、えへへと笑ってしまう。
「あ、ごめんなさい。この本、すごく好きで……何回も読んじゃうんです」
エドガールは仏頂面を崩さず、数秒ミレーユと本を見比べ、ボソボソ言った。
「昨日はすみません。その……あなたに、無礼な態度を取ってしまって」
ミレーユはとっさにブンブン手を振る。
「いえいえ、とんでもない! 私のほうこそ、不躾ですみません。じろじろ眺めまわした上に、図々しくファンだとのたまってしまって……」
「いや。図々しいとか、そんな風にはちっとも思わないんだが……」
エドガールは美しく整った眉をひそめ、少し考えてから続けた。
「こういう稼業をやっていると、本当にいろんな人間が近づいてくるんです。最初は皆、あなたのファンだみたいな顔をするんだが、大体が下心を持った輩ばかりでね。もう、そういう奴らにうまく利用されるのに疲れてしまったんですよ」
「そうだったんですか……」
そうなのかもしれない。エドガールぐらい名が知れると、利用してやろうとする人も多そうだ。
自分だって違うとも言いきれない。ある意味ミレーユだって己の欲望のため、彼に近づいたのだから。
思った以上にエドガールは、人の心の動きに敏感なのかもしれない。
初めて彼の本音が聞けたようで、ミレーユはうれしかった。
エドガールはばつが悪そうに言う。
「だから、あなたが読者だというのは、嘘だろうと決めつけてしまった。申し訳ない」
不器用ながらも、彼の謝罪の気持ちが伝わってきた。
「私が読者だっていうのは本当ですよ。ファンだというのも本当。けど、下心がゼロかと問われたら……」
ゼロじゃない、かな。
そこは言葉にせず、二人はしばらく見つめ合った。
「……隣、座っても?」
ややあって、エドガールは丁重に問う。
「ええ、もちろん。どうぞ」
ミレーユが体を横へずらすと、ソファの隣に彼は座った。
彼のたくましい上腕が少し肩に触れ、ドキッとする。
それから、二人でいろんな話をした。
おもにエドガールの書いた本と、それに対するミレーユの絶賛だったけど、それだけでも充分すぎるほど楽しかった。
書くときのエドガールはすごく饒舌なのに、対面で話すときは口下手なのか、つっかえたりどもったりしながらも、ミレーユのおしゃべりに付き合ってくれた。こちらが質問すれば、正直に答えようと努めてくれ、こちらの話も興味深そうに耳を傾けてくれる。
あまりおしゃべりに慣れてないのかなぁ……。けど、ちょっと可愛いかも……?
ぎこちないながらも、一生懸命ミレーユに合わせようとする彼の姿に、キュンとしてしまった。
昨晩は、皮肉っぽく斜に構えた伊達男という感じだったのに、一対一でじっくり話すとこんなに印象が変わるなんて。
やっぱり、思ってたとおり、素敵な人かも……
キザなセリフを流暢に操る男性より、エドガールみたいに不器用なタイプのほうが好きだった。
昨日の敵意剥き出しの彼より、今日のぶっきらぼうで正直な彼のほうが、作品をとおして感じた印象に近い。
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