元戦闘奴隷なのに、チャイニーズマフィアの香主《跡取り》と原住民族の族長からの寵愛を受けて困っています

過去編

23

【九鬼】

相手側は左千夫クンの幻術でこれ以上イくことはないだろう。
男の悲鳴がBGMになるのは少し嫌だが、仕方ない。

左千夫クンにされるがままになっていると、脱力した両腕をあげられ、手錠を付けられた。
そしてアイマスクまでされると、視界は闇に覆われる。
このターンはどちらがイってもカウントされるので、別にボクがイくことに異論は無い。

彼になら基本的に何をされてもいいし。
けれど、彼の態度に少し違和感を感じた。

「…ちょ……左千夫クン、これじゃボク能力使えないんだけど」

足を広げられるとアナルへと温くなったローションを塗りつけられる。
その感触に小さく身体が反応すると、左千夫クンに疑問を投げつけた。

「……もしかして怒ってるの？」


【神功左千夫】

「どうしたの？ジョー君？ねぇ、なんで勃たないの？…麗華のこと嫌いになったの？」
「うわー！！くるな、よるな！病院、病院、行こうな？麗華…ッ」

そんなやり取りが隣のベッドから聞こえる。
好きな相手ならなんでも受け入れられそうだがそうでもないんだなと思いながら僕は行為を進めて行く。

「……知ってます。そうですね…二回イけたら外して上げますよ。」

淡々と言葉を並べて行く。
その後の怒っていると言う言葉に僕の指がピクリと震えた。

「怒ってませんよ。…怒ってもどうもならないですしね。」

怒ってどうかなるなら怒ってるかも知れないが、こればかりはどうもならない。
そんなことを通り過ぎて僕はもう諦めてしまっているのかもしれないな。

ローションの力を借りる様にして右手の人差し指をアナルへと埋めて行く。
そして、九鬼のいいところを探る様に内襞を撫でて行く。

「ジッとしてて下さい。僕、上手い方だと思うので。」

こういうことが好きな男性も沢山居る。
九鬼にはしたことが無かったなと思いながら僕はペニスを頬張り、そして、前立腺を探す様に指を動かして行く。


【九鬼】

怒っていない。
にしてはいつもとどこか違う気がする。
今は表情が見えないので声のトーンでしか察する事はできないが。

「……ッ……」

アナルに指を埋め込まれると、身体が拒否するように浮ついた。
そう言えばここに突っ込まれるのは久々だっけ。
さすがにデカイ物を挿れられるのは嫌だが、指くらいならまぁいいだろう。
何より、左千夫クンならまだ許せる。

「……怒ってない……にしては……機嫌悪そう……だヨ…」

久々の感覚に息が詰まる。
窮屈な胎内で指を動かされると、自然と眉を顰めてしまった。

上手い方、だと言われると、散々誰かにしてきたんだろうな、という嫌な感情が込み上げてくる。
今更それを聞いても仕方がないので聞くつもりはないが、それでもやはり彼の過去の関係を想像してしまうと胸の奥がキリキリと痛んだ。
まぁボクも人の事は言えないが。