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過去編

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【神功左千夫】

九鬼の胎内は指を動かしにくかった。
この体ではここを使ってないのだろう。
そう言えば僕以外とはセックスしていないと言っていたか。

そうしているうちに九鬼の前立腺を探り当てた。
こりッとした其処を見つけるとローションを足す様にしてもう一本指を増やし、指の腹で何度もそこを擦り上げる。

「………僕が機嫌悪くても貴方は気にしないでしょう?」

上げ足を取る様に会話をしていく。
こんな風に会話しても何も進まないのに。
一度、口をペニスから離すと、彼の足を一本持ち上げる。
内腿の付け根から内側の筋を辿る様に足先まで舐め上げて行く。
既に靴は脱いでいたので、靴下を脱がせた後、彼の指の隙間を舌で広げる様にして愛撫していく。
人差し指と中指で九鬼の胎内を愛撫しながら親指で陰嚢から裏筋を擦り上げて行った。

「ン……こういうことしてる、と、…九鬼の、中に入りたくなる…」

ゆったりとした音で言葉を綴る。
九鬼に指を入れているだけなのに僕は段々と興奮していった。


【九鬼】

「……っ…!」

前立腺に刺激を感じると、身体と共にペニスがピクリと反応する。
久々に感じる感覚に戸惑いそうになったが、表情にそれは出さない。

左千夫クンは彼の機嫌が悪いと気にしないと思っているようだが、そんな事はない。
結局感情に振り回され、ボクは彼から離れられなくなっている。

何も返事をせずにいると、脱力した足を持ち上げられた。
足に彼の舌が這うとどうしても息が漏れてしまう。
喘いでしまう訳ではないが、身体は確かに感じきっていた。

「……はっ……、挿入したら……嫌いになるから…」

どちらもイける口だが、さすがに今は自分の精神を保てそうにない。
彼の愛撫が続く度にペニスは固くなっていく。
目隠しをしているせいで彼の声に敏感になり、耳がくすぐったかった。

ボクの身体が動かなくなったら、彼はこうやってボクを慰めてくれるのだろうか。
そんな妄想に浸りながら熱の籠った息を深く吐いた。


【神功左千夫】

「勝手に巻き込まれて置いて注文が多い。…それなら、さっさとイってください、九鬼」

九鬼の呼吸が引き攣るのを見ると。
探る様に動かしていた指を二本まとめ、一気に前立腺を押しあげて行く。
その間も内腿を舐めて辿り、付け根の柔らかい部分にキスマークや歯型を残して行く。

指に絡みついてくる媚肉に舌舐めずりしながら股間同士を密着させ、僕のペニスを九鬼のペニスに擦りつけて行く。
極めつけには首輪から伸びているリードを引っ張り、彼の上半身を少し無理矢理起した。

「九鬼。イって、…イったら、ご褒美に、乗っかってあげますから。」

リードを引いたのは腹筋に力を入れさせるためだ。
その方が射精しやすくなる。

そのまま自分の上半身を傾け、無防備に薄く開いている九鬼の唇を貪った。


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