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isc(裏)生徒会
仲間と
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【日当瀬 晴生】
あれから俺は用意が出来しだい直ぐに(裏)生徒会を出た。
イデアさんに時間の許す限りカートリッジを作ってもらったが人数と距離を考えたら無駄遣いは出来ない、
かといって俺は体力は無い方なので温存も出来ないだろう。
目的地の近くまでくると口にくわえていたタバコを携帯灰皿に揉み消した。
「さて、戦争の始まりだ。ブラックオウル、その名を名乗った事を後悔させてやるぜ。」
俺は携帯を取り出すとイデアアプリを展開させ、弓矢の形に変形させる。
「解除。」
その声と共に廃墟の裏口から突入する。
近くの建物に上るため、縄付きの矢を出ている鉄の棒に打ち上げ、絡ませる。
高い位置を陣取るとまたイデアアプリ展開させボーガンに変形させる。
其処から特殊な薬剤を染み込ませた矢で音もなく、見張り番を眠らせていく。
「出来れば粗方、これで、片付けてぇんだけどな……無理そうか。」
廃墟の外が騒がしくなり始めるのを感じると、最後の一服の為、唇に煙草を挟んだ。
-----------------------------------------------------------------------
【千星 那由多】
俺はファミレスを出ると全速力で走った。
身体は妙に軽く、急ぐ足もいつもより速い。
時刻は7時になるぐらいであった。
急がなければもうすでに日当瀬は一人であいつらの敵地に乗り込んで行っているはずだ。
さすがに一人では…って今俺が思うのもバカみたいなんだけど。
きっとあの時日当瀬を失望させた。
いや、失望はしていないかもしれない、だけどきっと酷く傷つけた。
アイツは優しい。俺があんな状態だったことに気づけなかったことに対して自分を責めるはずだ。
三木さんも心配だ。
俺は男だ、あんなことをされても…多少の事なら時間が経てば忘れていける。
だけど女性だったらどうだ?俺以上にトラウマになる。
あんなことは絶対に経験させたくない。
記憶がフラッシュバックしたが、ぐっと唇を噛みしめて震えを止める。
怖がったっていい、今はとにかく早く二人の元へ行かなければならない。
(裏)生徒会室のドアを開けると、勢いよく室内へと転がるように入った。
手を両ひざにつき、肩を上下させて息を整える。
顔を上げると、イデアはいつも通り椅子に行儀よく座っていた。
そして机には、水の入ったコップと、地図、白い服が畳まれて置かれている。
「キタカ」
その聞きなれた言葉に一瞬泣きそうになる。
イデアは俺がここに戻って来ると信じていてくれたようだ。
水を一気に飲み干すと、地図を手にとって出て行こうとしたが、イデアに引き止められる。
「ソコの白い制服を着てイケ」
よくわからなかったが、机に置かれた制服を手に取り広げる。
愛輝凪高校の制服はグレーだが、これは真っ白だ。
胸元にはいつもの校章とは違う、梟をかたどった愛輝凪高校の校章がついていた。
「これ…」
「(裏)生徒会の正装ダ。ユズユが用意シテくれタ」
「……ってことは、俺も、もうみんなの仲間ってことでいいのか…?」
その制服をぎゅっと掴み、三木さんと日当瀬の顔を思い浮かべる。
「ソウダ。急げナユタ。大事な任務が待っテイル」
イデアの赤い瞳が俺を見据える。
それに答えるようにその瞳を見つめ、微笑んだ。
「…ありがとな…行ってくる…」
その白い正装に袖を通し、俺は(裏)生徒会室を後にした。
-----------------------------------------------------------------------
【日当瀬 晴生】
外の敵は他愛ないものだった。
ダチの仇、兄の仇とか言っていた奴も居た気がするが、テメェ等はそのダチや親族が何をしたかしっているのか。
やはり、天夜同様に武器を持っていたが使い熟すまでには至っていなかった為問題ない。
しかし、不良も混じっていたのか人数が多く、かなりの時間を要してしまった。
建物に入る前にまた煙草をくわえる。
もうきっと、敵に位置は知れているだろうから堂々吸ってもなんの問題も無いだろう。
アドレナリンのお陰で頭は冴えている。
砂ぼこりに汚れた白い制服を払く。
残りの弾薬と廃墟内の見取り図を頭に思い描きながら、俺はゆっくりと廃墟内へと足を踏み入れようとしたそのとき後から、尊敬するあの方の声が聞こえた。
「千星さん……?」
-----------------------------------------------------------------------
【千星 那由多】
俺はなんとか敵地の廃墟となったラブホテルへとたどり着いた。
少し怖かったが、片手に持った携帯を握りしめて敷地へとそのまま侵入する。
周りの不良達は伸された状態であちこちに突っ伏していた。
日当瀬がやったのか…。
俺は荒い息を整えながら、その倒れている男達を辿るように間をかき分けて行く。
廃墟へ入る入口に金髪の見慣れた後姿が見える。
「…!日当瀬…」
今更来たなんて知ったら、日当瀬がどんな顔をするかが怖く、声が上がらない。
ぎゅっと自分の心臓辺りを掴んで、大きく息を吸った。
「ひ……は…晴生!!!」
少し距離のある所で思い切り叫んだ。
いつもは苗字で呼んでいたが、俺は意を決して日当瀬を名前で呼ぶ。
晴生は立ち止まり、こちらを振り向いた。
俺は息を荒くしながら額の汗を拭い、彼の表情を確認する。
驚いたような顔をしていた。
なんで来たんだって怒られるかもしれない、呆れてるかもしれない、それでもいい、俺は晴生の元へと駆け寄る。
そして目の前で頭を下げた。
「…ほんとごめんっ!!俺、怖い、けど、足でまといっになるけど
…それでもいいなら…一緒に戦わせてくれ!!」
俺は頭を下げたまま一気に気持ちを伝えた。
-----------------------------------------------------------------------
【日当瀬 晴生】
聞き馴染んだ声の聞き慣れない名前。
煙草を指に挟んだまま俺は振り返る。
俺の想像通りの人物がそこに立っていたが、矢張り信じる事は出来なくて驚きに固まったまま、その方が此方にくるのを見つめる。
そして落とされた言葉に、自分がこの人を尊敬してよかったと再認識した。
千星さんの言葉に軽く俯きながら先程まで抗争していたとは思えない程落ち着いた表情で千星さんを見つめ。
「俺には勿体ない言葉ですよ。
すいません、いつも俺には何も出来なくて…。
巽の野郎の目さまさせてやりましょうね。」
それだけ告げると灰が長くなった煙草を携帯灰皿に押し付ける。
気持ち的にも楽になった俺は、ベルトをクロスするような形のホルダーからカートリッジを取出し、入れ替え。
攻め込む前に不意に気になった事を尋ねる。
「千星さん、…そう言えば名前。」
-----------------------------------------------------------------------
【千星 那由多】
日当瀬、いや、晴生はすごく優しそうな顔で俺に言葉を返してくれる。
それには込み上げるものがあったが、ぐっと堪える。
巽の目を覚まさしてやろう、と言ってくれて少し安心したと同時にとても嬉しかった。
晴生に名前呼びの事を聞かれたが、俺の中で「日当瀬」は他人行儀な気がした。
巽の次に大事な仲間であると共に…二人目の親友、であるということを言うのは少し照れくさかったので、どうにか濁そうと言葉を考える。
「あ、ああ…なんか……」
その瞬間、金属バッドを引きずる数人の不良共がニヤニヤと笑いながら建物の奥から姿を現した。
こんなことを話してる暇もないか、と携帯を手に取りイデアアプリを起動する。
晴生は俺の前に立ち、目配せをした。
解除できるまで俺を守ってくれる、という合図だと思う。
だけど大丈夫だ。
ここに来るまでにイデアアプリは解除の一歩手前で止めている。
大きく息を吸った。
アプリを解除すれば、武器を手にすることになる。
こいつらと戦い、巽と戦うことになる。
俺はアプリの「Complete clear!」という画面を見て吸っていた息を吐いた。
「……解除…!」
俺の気持ちはもう固まっていた。
巽をブン殴る!!!!!
眩い光と共に、携帯が剣に変形していく。
ああ、この感じ久々だな、なんて思ったところで剣は完全に形になりそれを勢いよく手に取る。
相変わらず構えとかそんなものはわからなかったが、刃先を敵へと向け、晴生に声をかけた。
「い、行こう!!」
ちょっと声が裏返ったが。
不良共はそれと同時にこちらへと飛び掛かってくる、喧嘩もしたことない俺が、この状況を超えていけるか心配だったが、今はやるしかない!
-----------------------------------------------------------------------
【日当瀬 晴生】
どうやら名前で呼ばれたのは俺の聞き間違いでは無かったようだ。
この事実は感激以外の何物でもなくて、敵陣にも関わらず俺は目を輝かせる。
「俺、すっっごく、嬉しいです!!」
そんな俺たちの中睦まじいな会話を邪魔するように雑魚が割り込んでくる。
千星さんはまだイデアアプリを解除していない為、俺は両者の間に割って入る。
目配せしようと後ろを見たがどうやらその必要は無かったようで、千星さんは直ぐにアプリを解除された。
その頼もしい掛け声と共に俺は一歩引く。
千星さんが向っていく敵に空気砲を当て体勢を崩す。
それに合わすように千星さんが剣を振うと意図も簡単に敵は倒れていく。
更に千星さんの背後を狙う敵は俺が牽制し、一対一の基本戦術に持っていく。
「千星さん…伏せて!!!」
その声と共に俺は最後の敵を撃ち跳ばした。
-----------------------------------------------------------------------
【千星 那由多】
伏せたと同時に、俺の目の前の不良は晴生の空気砲が顔面にモロに当たり、壁に激突し気を失ったようだ。
伏せていた体勢を立て直し、辺りを見渡す。
晴生がいれば、戦い慣れてない俺でもうまく戦える。
思わず身体が震えたが、これはきっと武者震いだ。
晴生が俺の元に駆け寄ってきたので、俺たちは二階へ続く階段を駆け上った。
その間も数人捨て駒のような不良がいたが、さっきと同じように晴生の援助で俺が剣で殴る、と言った戦闘方式で打ちのめしていく。
三階のフロアに来たところで、だいぶ息があがっていたが、構わず上へと登り続けた。
そして、五階へ続く階段を上ろうとした時だった。
茶髪の巻き髪の女が階段の通路の真ん中に座って鏡を見ていた。
一瞬一般人かと思ったが、その顔を見てすぐに記憶が蘇る。
そいつは、俺が捕らえられていた時、カメラを撮影していた厚化粧の女だった。
女はこちらに気づき、メイクで大きく見える目をこちらへと向けた。
「あっ那由多クーン♪待ってたんだよー」
ケラケラと高い声で笑いながら鏡を胸ポケットに直す。
「先日はお世話になりまシター♪」
厚化粧の女はカメラを撮るような仕草をし、俺をからかっている。
あの時の記憶が蘇り、一瞬たじろいでしまう。
剣を握っていた右手をぐっと握りしめ、意識が過去に逸れないようにぐっと堪えた。 その少しの変化に気づいたのか、晴生が俺の前に出て女に銃を向ける。
あれから俺は用意が出来しだい直ぐに(裏)生徒会を出た。
イデアさんに時間の許す限りカートリッジを作ってもらったが人数と距離を考えたら無駄遣いは出来ない、
かといって俺は体力は無い方なので温存も出来ないだろう。
目的地の近くまでくると口にくわえていたタバコを携帯灰皿に揉み消した。
「さて、戦争の始まりだ。ブラックオウル、その名を名乗った事を後悔させてやるぜ。」
俺は携帯を取り出すとイデアアプリを展開させ、弓矢の形に変形させる。
「解除。」
その声と共に廃墟の裏口から突入する。
近くの建物に上るため、縄付きの矢を出ている鉄の棒に打ち上げ、絡ませる。
高い位置を陣取るとまたイデアアプリ展開させボーガンに変形させる。
其処から特殊な薬剤を染み込ませた矢で音もなく、見張り番を眠らせていく。
「出来れば粗方、これで、片付けてぇんだけどな……無理そうか。」
廃墟の外が騒がしくなり始めるのを感じると、最後の一服の為、唇に煙草を挟んだ。
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【千星 那由多】
俺はファミレスを出ると全速力で走った。
身体は妙に軽く、急ぐ足もいつもより速い。
時刻は7時になるぐらいであった。
急がなければもうすでに日当瀬は一人であいつらの敵地に乗り込んで行っているはずだ。
さすがに一人では…って今俺が思うのもバカみたいなんだけど。
きっとあの時日当瀬を失望させた。
いや、失望はしていないかもしれない、だけどきっと酷く傷つけた。
アイツは優しい。俺があんな状態だったことに気づけなかったことに対して自分を責めるはずだ。
三木さんも心配だ。
俺は男だ、あんなことをされても…多少の事なら時間が経てば忘れていける。
だけど女性だったらどうだ?俺以上にトラウマになる。
あんなことは絶対に経験させたくない。
記憶がフラッシュバックしたが、ぐっと唇を噛みしめて震えを止める。
怖がったっていい、今はとにかく早く二人の元へ行かなければならない。
(裏)生徒会室のドアを開けると、勢いよく室内へと転がるように入った。
手を両ひざにつき、肩を上下させて息を整える。
顔を上げると、イデアはいつも通り椅子に行儀よく座っていた。
そして机には、水の入ったコップと、地図、白い服が畳まれて置かれている。
「キタカ」
その聞きなれた言葉に一瞬泣きそうになる。
イデアは俺がここに戻って来ると信じていてくれたようだ。
水を一気に飲み干すと、地図を手にとって出て行こうとしたが、イデアに引き止められる。
「ソコの白い制服を着てイケ」
よくわからなかったが、机に置かれた制服を手に取り広げる。
愛輝凪高校の制服はグレーだが、これは真っ白だ。
胸元にはいつもの校章とは違う、梟をかたどった愛輝凪高校の校章がついていた。
「これ…」
「(裏)生徒会の正装ダ。ユズユが用意シテくれタ」
「……ってことは、俺も、もうみんなの仲間ってことでいいのか…?」
その制服をぎゅっと掴み、三木さんと日当瀬の顔を思い浮かべる。
「ソウダ。急げナユタ。大事な任務が待っテイル」
イデアの赤い瞳が俺を見据える。
それに答えるようにその瞳を見つめ、微笑んだ。
「…ありがとな…行ってくる…」
その白い正装に袖を通し、俺は(裏)生徒会室を後にした。
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【日当瀬 晴生】
外の敵は他愛ないものだった。
ダチの仇、兄の仇とか言っていた奴も居た気がするが、テメェ等はそのダチや親族が何をしたかしっているのか。
やはり、天夜同様に武器を持っていたが使い熟すまでには至っていなかった為問題ない。
しかし、不良も混じっていたのか人数が多く、かなりの時間を要してしまった。
建物に入る前にまた煙草をくわえる。
もうきっと、敵に位置は知れているだろうから堂々吸ってもなんの問題も無いだろう。
アドレナリンのお陰で頭は冴えている。
砂ぼこりに汚れた白い制服を払く。
残りの弾薬と廃墟内の見取り図を頭に思い描きながら、俺はゆっくりと廃墟内へと足を踏み入れようとしたそのとき後から、尊敬するあの方の声が聞こえた。
「千星さん……?」
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【千星 那由多】
俺はなんとか敵地の廃墟となったラブホテルへとたどり着いた。
少し怖かったが、片手に持った携帯を握りしめて敷地へとそのまま侵入する。
周りの不良達は伸された状態であちこちに突っ伏していた。
日当瀬がやったのか…。
俺は荒い息を整えながら、その倒れている男達を辿るように間をかき分けて行く。
廃墟へ入る入口に金髪の見慣れた後姿が見える。
「…!日当瀬…」
今更来たなんて知ったら、日当瀬がどんな顔をするかが怖く、声が上がらない。
ぎゅっと自分の心臓辺りを掴んで、大きく息を吸った。
「ひ……は…晴生!!!」
少し距離のある所で思い切り叫んだ。
いつもは苗字で呼んでいたが、俺は意を決して日当瀬を名前で呼ぶ。
晴生は立ち止まり、こちらを振り向いた。
俺は息を荒くしながら額の汗を拭い、彼の表情を確認する。
驚いたような顔をしていた。
なんで来たんだって怒られるかもしれない、呆れてるかもしれない、それでもいい、俺は晴生の元へと駆け寄る。
そして目の前で頭を下げた。
「…ほんとごめんっ!!俺、怖い、けど、足でまといっになるけど
…それでもいいなら…一緒に戦わせてくれ!!」
俺は頭を下げたまま一気に気持ちを伝えた。
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【日当瀬 晴生】
聞き馴染んだ声の聞き慣れない名前。
煙草を指に挟んだまま俺は振り返る。
俺の想像通りの人物がそこに立っていたが、矢張り信じる事は出来なくて驚きに固まったまま、その方が此方にくるのを見つめる。
そして落とされた言葉に、自分がこの人を尊敬してよかったと再認識した。
千星さんの言葉に軽く俯きながら先程まで抗争していたとは思えない程落ち着いた表情で千星さんを見つめ。
「俺には勿体ない言葉ですよ。
すいません、いつも俺には何も出来なくて…。
巽の野郎の目さまさせてやりましょうね。」
それだけ告げると灰が長くなった煙草を携帯灰皿に押し付ける。
気持ち的にも楽になった俺は、ベルトをクロスするような形のホルダーからカートリッジを取出し、入れ替え。
攻め込む前に不意に気になった事を尋ねる。
「千星さん、…そう言えば名前。」
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【千星 那由多】
日当瀬、いや、晴生はすごく優しそうな顔で俺に言葉を返してくれる。
それには込み上げるものがあったが、ぐっと堪える。
巽の目を覚まさしてやろう、と言ってくれて少し安心したと同時にとても嬉しかった。
晴生に名前呼びの事を聞かれたが、俺の中で「日当瀬」は他人行儀な気がした。
巽の次に大事な仲間であると共に…二人目の親友、であるということを言うのは少し照れくさかったので、どうにか濁そうと言葉を考える。
「あ、ああ…なんか……」
その瞬間、金属バッドを引きずる数人の不良共がニヤニヤと笑いながら建物の奥から姿を現した。
こんなことを話してる暇もないか、と携帯を手に取りイデアアプリを起動する。
晴生は俺の前に立ち、目配せをした。
解除できるまで俺を守ってくれる、という合図だと思う。
だけど大丈夫だ。
ここに来るまでにイデアアプリは解除の一歩手前で止めている。
大きく息を吸った。
アプリを解除すれば、武器を手にすることになる。
こいつらと戦い、巽と戦うことになる。
俺はアプリの「Complete clear!」という画面を見て吸っていた息を吐いた。
「……解除…!」
俺の気持ちはもう固まっていた。
巽をブン殴る!!!!!
眩い光と共に、携帯が剣に変形していく。
ああ、この感じ久々だな、なんて思ったところで剣は完全に形になりそれを勢いよく手に取る。
相変わらず構えとかそんなものはわからなかったが、刃先を敵へと向け、晴生に声をかけた。
「い、行こう!!」
ちょっと声が裏返ったが。
不良共はそれと同時にこちらへと飛び掛かってくる、喧嘩もしたことない俺が、この状況を超えていけるか心配だったが、今はやるしかない!
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【日当瀬 晴生】
どうやら名前で呼ばれたのは俺の聞き間違いでは無かったようだ。
この事実は感激以外の何物でもなくて、敵陣にも関わらず俺は目を輝かせる。
「俺、すっっごく、嬉しいです!!」
そんな俺たちの中睦まじいな会話を邪魔するように雑魚が割り込んでくる。
千星さんはまだイデアアプリを解除していない為、俺は両者の間に割って入る。
目配せしようと後ろを見たがどうやらその必要は無かったようで、千星さんは直ぐにアプリを解除された。
その頼もしい掛け声と共に俺は一歩引く。
千星さんが向っていく敵に空気砲を当て体勢を崩す。
それに合わすように千星さんが剣を振うと意図も簡単に敵は倒れていく。
更に千星さんの背後を狙う敵は俺が牽制し、一対一の基本戦術に持っていく。
「千星さん…伏せて!!!」
その声と共に俺は最後の敵を撃ち跳ばした。
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【千星 那由多】
伏せたと同時に、俺の目の前の不良は晴生の空気砲が顔面にモロに当たり、壁に激突し気を失ったようだ。
伏せていた体勢を立て直し、辺りを見渡す。
晴生がいれば、戦い慣れてない俺でもうまく戦える。
思わず身体が震えたが、これはきっと武者震いだ。
晴生が俺の元に駆け寄ってきたので、俺たちは二階へ続く階段を駆け上った。
その間も数人捨て駒のような不良がいたが、さっきと同じように晴生の援助で俺が剣で殴る、と言った戦闘方式で打ちのめしていく。
三階のフロアに来たところで、だいぶ息があがっていたが、構わず上へと登り続けた。
そして、五階へ続く階段を上ろうとした時だった。
茶髪の巻き髪の女が階段の通路の真ん中に座って鏡を見ていた。
一瞬一般人かと思ったが、その顔を見てすぐに記憶が蘇る。
そいつは、俺が捕らえられていた時、カメラを撮影していた厚化粧の女だった。
女はこちらに気づき、メイクで大きく見える目をこちらへと向けた。
「あっ那由多クーン♪待ってたんだよー」
ケラケラと高い声で笑いながら鏡を胸ポケットに直す。
「先日はお世話になりまシター♪」
厚化粧の女はカメラを撮るような仕草をし、俺をからかっている。
あの時の記憶が蘇り、一瞬たじろいでしまう。
剣を握っていた右手をぐっと握りしめ、意識が過去に逸れないようにぐっと堪えた。 その少しの変化に気づいたのか、晴生が俺の前に出て女に銃を向ける。
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