37 / 37
第二十七話 悪役令嬢、最後の願いを聞く。
しおりを挟む
※3番目のホムン視点
「今頃、マスターは最後の戦いに赴いてる頃でしょうか」
小さく呟くと、わたしと共にアトリエの清掃を行っていたクルスが返事を返す。
「はい、きっとマスターは領主の娘を成敗して、この街に平和を手に入れることでしょう」
「ですね。今の街は仮初の、貴族達だけが利益を得る街となっていますから」
貴族達がまともな人、平民は彼らの為の道具。そんな傾向がこの街にはあり、この街で暮らす平民達はそうする事でしか生きる事ができなかった。
けれど、そんな街の様子を憂いたマスターによって少しずつ改善されていき、過程でわたし達は創られていった。
そして時には領主の娘と彼女が雇ったゴロツキによって妨害を受けたりもしたけれど、気さくながら頭の働く商人の青年、凄腕のダンジョン探索者であり頼りになるマスターを妹みたいに可愛がってくれる女性、貴族社会で育ったけれども親のやり方に納得が行かないとわたし達に手を貸すことを選んだ少年、かつて愛した者を貴族によって奪われ憎しみだけで動い貴族社会を壊す為に組織を結成していた壮年の男性……彼らと色々な者達と共に数々の困難を乗り越え、マスターは力をつけていきました。
マスターは「自分に出来ることを少しだけ行っていけば、いつかは改善されるはずだから」と頼りなさげに笑っていましたが、わたし達はそれが好きだった。
だけど、現実はそんな甘くはなく……マスターの考えを他所に、領主の娘は自身の立場が危うくなっていくのが許せなかったようで、誰にも自分に逆らう事が出来ない物を造り始めていました。
それを知ったマスターは何度も領主の娘へと説得を行いましたが、彼女は聞き入れることはなく、それどころかマスターを排除しようと躍起になっていました。
領主の娘の完全に敵対する態度にマスターは涙を流し、一度は諦めそうになっていましたが……自分でなければ彼女は止められないと考えました。
マスターは涙を流しながら、領主の娘が企む野望を駄目にする為の道具を創る為にダンジョンへと潜り、錬金術を行い……道具はできました。
そしてその日、マスターは仲間達と共に彼女を止めるべく領主邸へと赴きました。
『頑張るから、絶対にあの子の野望を止めて、みんなで帰って来るから』
マスターは今にも泣きそうな笑顔でわたし達に言うと、出掛けて行きました。
その表情を忘れられないまま、わたしは窓から見える街の景色を眺めているけれど……特に目立ったことは起きていないようであった。
迅速に、事を立てずに、を目標にマスター達は行動を起こしているのだから当たり前だ。
この分だときっとマスターは成功させて帰って来るだろう。そう考えながら、わたしは掃除を続ける。
……だが、不意にゾクリとした悪寒を感じた。
本能からの脅威――、そう感じながら窓から再び街の様子を見ると、光の幕が広がって着ているのが見えた。
「これは……何が起きている? 光が通ったあとの街並みが、変わっている?」
ある家が消え、ある家は元々の形が変わり、道路が変わり、逃げ惑う人々が消えていく、わたしは窓の外の脅威に戸惑っていると、光の幕はマスターのアトリエへと到達した。
光に触れると、何かが起きる。そう思い、相方であるクルスへと手を伸ばした。
「ホムン!」
「クルス!」
瞬間、グニャリとした歪みを視界が感じ、他ホムンとの生態リンクとクルスとのリンクも途絶えた。
……再び目が覚めると、13番目のホムンとの生態リンクが繋がり、目の前の女性がサブマスターとされている事を理解し、同時に自分にはもう時間が無いことを理解した。
そして、マスターは無事に戻ることが出来なかったことを、わたしは理解した。
●
※パナセア視点
「――以上が、わたしが見ていた光景です」
そう言って、ホムンは自身が見ていた光景を締め括りました。
わたくしはホムンが言った会話を噛み砕くように頭の中で構築していきますが、家や街が消えていったり変わっていくという光景というのが理解出来ませんでした。
「よく分からない、けれどそれに巻き込まれた結果、地下の通路の変化もこのアトリエがこんな場所にあるというのも理解できますね……」
「こんな場所……ですか? サブマスターパナセア、このアトリエはいったい何処に?」
「街の地下、だと思うわ。だってかなり地下を降りてから移動していたから……土の中なのか、岩の中だと思う場所にあるのよ」
ホムンの問い掛けに、わたくしが答えると無表情だった顔に少しだけ驚きが見られた。
けれどすぐに無表情に戻ると、現在地を教えてくれました。
「…………そう、ですか。街の地下、ということはこのアトリエはダンジョンの中にあると思われます」
「ダンジョンの中……、それって危険じゃないの?」
ダンジョンがどういうものであるかを聞いて知っている為、わたくしが尋ねるとホムンが説明します。
「安心ください、このアトリエは周囲からの害がないように造られておりますので、特に問題はありません」
「結界、それとも何か道具を使ったといったところでしょうか……。それなら安心だと思っておきましょう。それじゃあホムン、このアトリエで……わたくしが使えそうな物はあったりするかしら? ご覧のとおり、まともな武器も持っていないのよ」
両手を軽く広げながらわたくしはホムンへと告げます。
……ホムンは充填されていた魔力が徐々に減り始めているからか体からキラキラとした光の粒が昇り始めていますが、わたくしにはなんにも出来ないため……普通に接しようと努めます。
「使えそうな物ですか……、それなら地下におりてみてください。かぎは、わたしの胸ポケットの、中に……。そこ、にはマスターの、創った道具が……おかれています、か、ら……」
地下……作業場にあった下に続く階段ですね。そこに使える道具があるでしょうか……。
そう思いながらも、わたくしはホムンから目を背けません。だって、もうこの子は限界みたいで徐々に瞳にも力が宿らなくなっているのですから……。
……だから、わたくしは訊ねることにします。
「3番目のホムン、あなたの最後の言葉を聞きます。何か言い残すことはありますか?」
一瞬、一瞬だけですが、ホムンの瞳に力が篭るのが見えました。
唇がゆっくりと動き、言葉が紡がれます。
「ます、たーに……、ありが、とう……と。わた、したちを……うみ……だして、くれ、て……あり、が……と――――」
この場に居ない、この子を創り出した錬金術師であるケーミィさんへの感謝を口にしながら、キラキラとした光の粒が昇り続け、同時に体も徐々に消えていくのに気づきます。
これがホムンクルス、錬金術によって生み出された生命の最後の瞬間……。
そう思いながら、消えながら感謝の言葉を口にするホムンを見つめていると……光の粒はすべて消え、後に残ったのはあの子の形を残すようにポッカリとした穴とあの子が着ていた執事服のみ、そして服の隙間からコロコロとヒビが入った珠が床に転がりました。
「……これがホムン達、ホムンクルスの核……なのね。3番目のホムン、あなたの最後の言葉はちゃんと届けて上げるわ」
呟き、わたくしはヒビの入った珠を持っていた袋へと入れます。
それから執事服の胸ポケットを漁り、地下の鍵であろう物を手に入れました。
「何か、あると良いのだけれど……」
小さく呟きながら、わたくしはカエデを先頭に下の階へと降りるとそのまま地下の階段を下りていく。階段は段差や壁の所々が岩と一体化しており、躓かないように気をつけながら降りて行きます。
下へとおりるとそこには鍵が掛けられた扉があり、ホムンが残してくれた鍵を差し込むと扉の鍵は開錠され……ゆっくりと扉を開けようとします。
「…………これは、扉が開く辺りに岩があるみたいね。カエデ、お願いできるかしら?」
「お任せください。――ハアッ!!」
これは仕方ない、そう思いながらカエデに指示を出すと、彼女は刀を振るい扉を斬りおとしました。
斜めに斬られた扉はズズッと重い音を立て、ゆっくりと滑るように床に落ちていきました。……多分、防犯用として硬い金属でも挟んでいたのでしょう。
そんなことを思いながら、わたくし達は地下の部屋……多分倉庫であろう場所へと足を踏み入れました。
そして、わたくしはそこで専用の武器を手に入れることとなるのでした……。
「今頃、マスターは最後の戦いに赴いてる頃でしょうか」
小さく呟くと、わたしと共にアトリエの清掃を行っていたクルスが返事を返す。
「はい、きっとマスターは領主の娘を成敗して、この街に平和を手に入れることでしょう」
「ですね。今の街は仮初の、貴族達だけが利益を得る街となっていますから」
貴族達がまともな人、平民は彼らの為の道具。そんな傾向がこの街にはあり、この街で暮らす平民達はそうする事でしか生きる事ができなかった。
けれど、そんな街の様子を憂いたマスターによって少しずつ改善されていき、過程でわたし達は創られていった。
そして時には領主の娘と彼女が雇ったゴロツキによって妨害を受けたりもしたけれど、気さくながら頭の働く商人の青年、凄腕のダンジョン探索者であり頼りになるマスターを妹みたいに可愛がってくれる女性、貴族社会で育ったけれども親のやり方に納得が行かないとわたし達に手を貸すことを選んだ少年、かつて愛した者を貴族によって奪われ憎しみだけで動い貴族社会を壊す為に組織を結成していた壮年の男性……彼らと色々な者達と共に数々の困難を乗り越え、マスターは力をつけていきました。
マスターは「自分に出来ることを少しだけ行っていけば、いつかは改善されるはずだから」と頼りなさげに笑っていましたが、わたし達はそれが好きだった。
だけど、現実はそんな甘くはなく……マスターの考えを他所に、領主の娘は自身の立場が危うくなっていくのが許せなかったようで、誰にも自分に逆らう事が出来ない物を造り始めていました。
それを知ったマスターは何度も領主の娘へと説得を行いましたが、彼女は聞き入れることはなく、それどころかマスターを排除しようと躍起になっていました。
領主の娘の完全に敵対する態度にマスターは涙を流し、一度は諦めそうになっていましたが……自分でなければ彼女は止められないと考えました。
マスターは涙を流しながら、領主の娘が企む野望を駄目にする為の道具を創る為にダンジョンへと潜り、錬金術を行い……道具はできました。
そしてその日、マスターは仲間達と共に彼女を止めるべく領主邸へと赴きました。
『頑張るから、絶対にあの子の野望を止めて、みんなで帰って来るから』
マスターは今にも泣きそうな笑顔でわたし達に言うと、出掛けて行きました。
その表情を忘れられないまま、わたしは窓から見える街の景色を眺めているけれど……特に目立ったことは起きていないようであった。
迅速に、事を立てずに、を目標にマスター達は行動を起こしているのだから当たり前だ。
この分だときっとマスターは成功させて帰って来るだろう。そう考えながら、わたしは掃除を続ける。
……だが、不意にゾクリとした悪寒を感じた。
本能からの脅威――、そう感じながら窓から再び街の様子を見ると、光の幕が広がって着ているのが見えた。
「これは……何が起きている? 光が通ったあとの街並みが、変わっている?」
ある家が消え、ある家は元々の形が変わり、道路が変わり、逃げ惑う人々が消えていく、わたしは窓の外の脅威に戸惑っていると、光の幕はマスターのアトリエへと到達した。
光に触れると、何かが起きる。そう思い、相方であるクルスへと手を伸ばした。
「ホムン!」
「クルス!」
瞬間、グニャリとした歪みを視界が感じ、他ホムンとの生態リンクとクルスとのリンクも途絶えた。
……再び目が覚めると、13番目のホムンとの生態リンクが繋がり、目の前の女性がサブマスターとされている事を理解し、同時に自分にはもう時間が無いことを理解した。
そして、マスターは無事に戻ることが出来なかったことを、わたしは理解した。
●
※パナセア視点
「――以上が、わたしが見ていた光景です」
そう言って、ホムンは自身が見ていた光景を締め括りました。
わたくしはホムンが言った会話を噛み砕くように頭の中で構築していきますが、家や街が消えていったり変わっていくという光景というのが理解出来ませんでした。
「よく分からない、けれどそれに巻き込まれた結果、地下の通路の変化もこのアトリエがこんな場所にあるというのも理解できますね……」
「こんな場所……ですか? サブマスターパナセア、このアトリエはいったい何処に?」
「街の地下、だと思うわ。だってかなり地下を降りてから移動していたから……土の中なのか、岩の中だと思う場所にあるのよ」
ホムンの問い掛けに、わたくしが答えると無表情だった顔に少しだけ驚きが見られた。
けれどすぐに無表情に戻ると、現在地を教えてくれました。
「…………そう、ですか。街の地下、ということはこのアトリエはダンジョンの中にあると思われます」
「ダンジョンの中……、それって危険じゃないの?」
ダンジョンがどういうものであるかを聞いて知っている為、わたくしが尋ねるとホムンが説明します。
「安心ください、このアトリエは周囲からの害がないように造られておりますので、特に問題はありません」
「結界、それとも何か道具を使ったといったところでしょうか……。それなら安心だと思っておきましょう。それじゃあホムン、このアトリエで……わたくしが使えそうな物はあったりするかしら? ご覧のとおり、まともな武器も持っていないのよ」
両手を軽く広げながらわたくしはホムンへと告げます。
……ホムンは充填されていた魔力が徐々に減り始めているからか体からキラキラとした光の粒が昇り始めていますが、わたくしにはなんにも出来ないため……普通に接しようと努めます。
「使えそうな物ですか……、それなら地下におりてみてください。かぎは、わたしの胸ポケットの、中に……。そこ、にはマスターの、創った道具が……おかれています、か、ら……」
地下……作業場にあった下に続く階段ですね。そこに使える道具があるでしょうか……。
そう思いながらも、わたくしはホムンから目を背けません。だって、もうこの子は限界みたいで徐々に瞳にも力が宿らなくなっているのですから……。
……だから、わたくしは訊ねることにします。
「3番目のホムン、あなたの最後の言葉を聞きます。何か言い残すことはありますか?」
一瞬、一瞬だけですが、ホムンの瞳に力が篭るのが見えました。
唇がゆっくりと動き、言葉が紡がれます。
「ます、たーに……、ありが、とう……と。わた、したちを……うみ……だして、くれ、て……あり、が……と――――」
この場に居ない、この子を創り出した錬金術師であるケーミィさんへの感謝を口にしながら、キラキラとした光の粒が昇り続け、同時に体も徐々に消えていくのに気づきます。
これがホムンクルス、錬金術によって生み出された生命の最後の瞬間……。
そう思いながら、消えながら感謝の言葉を口にするホムンを見つめていると……光の粒はすべて消え、後に残ったのはあの子の形を残すようにポッカリとした穴とあの子が着ていた執事服のみ、そして服の隙間からコロコロとヒビが入った珠が床に転がりました。
「……これがホムン達、ホムンクルスの核……なのね。3番目のホムン、あなたの最後の言葉はちゃんと届けて上げるわ」
呟き、わたくしはヒビの入った珠を持っていた袋へと入れます。
それから執事服の胸ポケットを漁り、地下の鍵であろう物を手に入れました。
「何か、あると良いのだけれど……」
小さく呟きながら、わたくしはカエデを先頭に下の階へと降りるとそのまま地下の階段を下りていく。階段は段差や壁の所々が岩と一体化しており、躓かないように気をつけながら降りて行きます。
下へとおりるとそこには鍵が掛けられた扉があり、ホムンが残してくれた鍵を差し込むと扉の鍵は開錠され……ゆっくりと扉を開けようとします。
「…………これは、扉が開く辺りに岩があるみたいね。カエデ、お願いできるかしら?」
「お任せください。――ハアッ!!」
これは仕方ない、そう思いながらカエデに指示を出すと、彼女は刀を振るい扉を斬りおとしました。
斜めに斬られた扉はズズッと重い音を立て、ゆっくりと滑るように床に落ちていきました。……多分、防犯用として硬い金属でも挟んでいたのでしょう。
そんなことを思いながら、わたくし達は地下の部屋……多分倉庫であろう場所へと足を踏み入れました。
そして、わたくしはそこで専用の武器を手に入れることとなるのでした……。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(14件)
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね
星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』
悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。
地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……?
* この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。
* 2025年12月06日、番外編の投稿開始しました。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ふむ?第1章ではアホ王子、平民ビッチ、脳筋愚兄等々ざまぁはお預けかな?
17話。ギベダさん惜しいw 十全なダルマにするためにちゃんと腹が膨れ上がるくらい水を飲ませてあげなくては(๑╹ω╹๑)
本日2日かけて一気読みました~(* ̄∇ ̄*)パナセアちゃんとカエデちゃんに思わず百合の花束を妄想しました(*≧ω≦)お馬鹿なお兄ちゃんの行動が気になる所ですね(゜-゜)(。_。)(* ̄∇ ̄*)次回が楽しみです(゚∀゚*)(*゚∀゚)●●●の影響下で大変な時期ですね( ̄~ ̄;)お体に気をつけてお過ごしください(o≧▽゜)o