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第83話 ヨシュア、女性のことを知る。
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柔らかで温かい感触がする枕……、その枕からは……華のように良い香りが漂ってきて、僕の心を安らげる。
温かく、愛情が篭った手が僕の髪を優しく梳く。
そして……、耳元に優しく目覚めるように声が掛けられる……。
――おきなさい、おきなさい……ヨシュア。
「うぅん……、まだ眠いよぉママァ~~……」
むにゃむにゃと口を動かしながら、聞こえてくる声に僕は返事をする。
もっと眠っていたい、ママの温かさを感じていたい……。そう思いながら、体をグルッと回転させて……ママのお腹に鼻がつく様にする。
すると、華の様な香りがますます強くなり……、自然と笑みが浮かんでしまう。
そんな僕の体を優しくママが揺すってくれる。
けれどそれは起きるよりも眠るほうに進めてしまうことで、僕はますます眠りに落ちていく……。
……だけどおきないといけない。そう思いながら薄くだけど目を開けると……紅く輝く髪が瞳に映った。
光を浴びて、燃えるようにキラキラと輝く髪が……。
「はぇ……? ――――――えっ!?」
その髪は見覚えが無かった。というよりも、この髪はママのものじゃないはずっ!?
そう思いながらパチっと目を開けると、優しい瞳と目が合った。
だ、誰? そう思い、目をパチパチ瞬かせていると……頭があの時魔族を連れて行った女性であることを思い出した。
正面を見ていなかったから、どんな顔なのかは分からない。
だからだろう、女性の顔がママになっていたのは……。
「マ、ママ……? え、え??」
――駄目よ、ちゃんと起きないと~。
ぷにぷにと柔らかい太股と、華の様な香り……、そして胸の奥が熱くなるような声が僕をドキドキさせる。
ママみたいな口調で僕に優しく語りかけるのを聞きながら……僕の視界は真っ白に染まっていき……。
「――――――ママッ!! …………え?」
ガバッと起き上がると、そこはお城のベッドだった。
周りを見るけれど……そこには誰も居ないし、何もない。
あるのは、窓から見える朝を告げる光りだけだ。
「ゆ、夢……? ゆめ、かぁ……」
はあ、と溜息を吐いて、夢だったのが残念だと僕は思う……。
…………って、あれ? 何で残念だって思うんだろう??
「うぅ~~ん、どうしてだろう??」
首を傾げている僕だったけれど、コンコンと部屋がノックされてはっとする。
「ど、どうぞっ」
『おはようございます勇者様、朝食のご用意が出来ておりますので顔を洗ってください。終わったら着替えを行いますので』
「う……。は、はい……」
部屋の中に入ってきた侍女さん達に少しだけビクッとしながら返事を返す。
だって、顔を洗うのは少しだけ慣れたけど……、着替えをさせられるのは全然慣れない。
寝汗が酷かったときなんて、体を拭かれて凄く恥かしかったんだから……。
……結局、顔を洗って着替えをさせられたけれど、汗はあまりかいていなかったみたいで体は拭かれなかった。……ほっ。
●
「国王として礼をするのは謁見の間で行う。……なのでこれは個人的な礼だ。――ありがとう、勇者様がた」
朝食が用意されている何時もの食堂に入ると、そこにはファンロンさんとウィスドムさんの他に王妃様と王様が座っていた。
そして、侍女さんに勧められて椅子に座って朝食が置かれて食事をし、食後のお茶を飲んでいると王様は僕らへと頭を下げてきた。
そんな王様に僕は慌てたように声をあげる。
「そ、そんなっ! お礼なんて良いですからっ!! そ、それに……行くなって言われたのに勝手に行って、こちらこそごめんなさい……」
「そうですよ? あれだけのモンスターならば国の兵士や騎士達でも何とかなったのですから。……リリーの子供に何かあったら、悔やんでも悔やみ切れないのですから」
頭を下げる僕へと、王妃様が言う。申し訳ない事をしたという罪悪感を感じながら恐る恐る顔を上げると……本当に心配しているのが分かる表情をしていた。
だ、だけど……モンスターに勝てたとしても、魔族に勝てるかは分からなかったんだよね……?
……そういえば。
魔族に勝てなかった。その事を思い出した瞬間、頭の中に紅く輝く長く綺麗な金髪が浮かんだ。
「あの、魔族を連れ去った女性って……誰だったのでしょうか?」
「勇者様が見たと言う女性、ですな? 騎士達もチラリとだが目撃したようですが……、どういうわけか暫く恐慌状態となっております」
「いや、恐慌状態にならないほうが可笑しいわ。あれは……ヤバイ」
「そうアル……、見ただけでおしっこ出そうになったアル……」
そう言って、あの女性のことを思い出しているのか2人はカタカタと震えて、カップも揺れる。
? どう言うことだろう? 僕は凄く綺麗な女性だって思ったんだけどなぁ。
「…………聞いたことがあります。勇者は魔王から発せられる威圧が効かないと……」
「え?」
不意に王妃様がポツリと口に出した言葉に僕はキョトンとする。
一方で、他の人たちは驚いた様子で王妃様を見ていた。
「まさか……勇者様がたが見た女性は、魔王……だと言うのか?」
「多分ですが、確証は出来ません……」
そう王妃様は言って、黙った。
…………あの女の人が、魔王?
温かく、愛情が篭った手が僕の髪を優しく梳く。
そして……、耳元に優しく目覚めるように声が掛けられる……。
――おきなさい、おきなさい……ヨシュア。
「うぅん……、まだ眠いよぉママァ~~……」
むにゃむにゃと口を動かしながら、聞こえてくる声に僕は返事をする。
もっと眠っていたい、ママの温かさを感じていたい……。そう思いながら、体をグルッと回転させて……ママのお腹に鼻がつく様にする。
すると、華の様な香りがますます強くなり……、自然と笑みが浮かんでしまう。
そんな僕の体を優しくママが揺すってくれる。
けれどそれは起きるよりも眠るほうに進めてしまうことで、僕はますます眠りに落ちていく……。
……だけどおきないといけない。そう思いながら薄くだけど目を開けると……紅く輝く髪が瞳に映った。
光を浴びて、燃えるようにキラキラと輝く髪が……。
「はぇ……? ――――――えっ!?」
その髪は見覚えが無かった。というよりも、この髪はママのものじゃないはずっ!?
そう思いながらパチっと目を開けると、優しい瞳と目が合った。
だ、誰? そう思い、目をパチパチ瞬かせていると……頭があの時魔族を連れて行った女性であることを思い出した。
正面を見ていなかったから、どんな顔なのかは分からない。
だからだろう、女性の顔がママになっていたのは……。
「マ、ママ……? え、え??」
――駄目よ、ちゃんと起きないと~。
ぷにぷにと柔らかい太股と、華の様な香り……、そして胸の奥が熱くなるような声が僕をドキドキさせる。
ママみたいな口調で僕に優しく語りかけるのを聞きながら……僕の視界は真っ白に染まっていき……。
「――――――ママッ!! …………え?」
ガバッと起き上がると、そこはお城のベッドだった。
周りを見るけれど……そこには誰も居ないし、何もない。
あるのは、窓から見える朝を告げる光りだけだ。
「ゆ、夢……? ゆめ、かぁ……」
はあ、と溜息を吐いて、夢だったのが残念だと僕は思う……。
…………って、あれ? 何で残念だって思うんだろう??
「うぅ~~ん、どうしてだろう??」
首を傾げている僕だったけれど、コンコンと部屋がノックされてはっとする。
「ど、どうぞっ」
『おはようございます勇者様、朝食のご用意が出来ておりますので顔を洗ってください。終わったら着替えを行いますので』
「う……。は、はい……」
部屋の中に入ってきた侍女さん達に少しだけビクッとしながら返事を返す。
だって、顔を洗うのは少しだけ慣れたけど……、着替えをさせられるのは全然慣れない。
寝汗が酷かったときなんて、体を拭かれて凄く恥かしかったんだから……。
……結局、顔を洗って着替えをさせられたけれど、汗はあまりかいていなかったみたいで体は拭かれなかった。……ほっ。
●
「国王として礼をするのは謁見の間で行う。……なのでこれは個人的な礼だ。――ありがとう、勇者様がた」
朝食が用意されている何時もの食堂に入ると、そこにはファンロンさんとウィスドムさんの他に王妃様と王様が座っていた。
そして、侍女さんに勧められて椅子に座って朝食が置かれて食事をし、食後のお茶を飲んでいると王様は僕らへと頭を下げてきた。
そんな王様に僕は慌てたように声をあげる。
「そ、そんなっ! お礼なんて良いですからっ!! そ、それに……行くなって言われたのに勝手に行って、こちらこそごめんなさい……」
「そうですよ? あれだけのモンスターならば国の兵士や騎士達でも何とかなったのですから。……リリーの子供に何かあったら、悔やんでも悔やみ切れないのですから」
頭を下げる僕へと、王妃様が言う。申し訳ない事をしたという罪悪感を感じながら恐る恐る顔を上げると……本当に心配しているのが分かる表情をしていた。
だ、だけど……モンスターに勝てたとしても、魔族に勝てるかは分からなかったんだよね……?
……そういえば。
魔族に勝てなかった。その事を思い出した瞬間、頭の中に紅く輝く長く綺麗な金髪が浮かんだ。
「あの、魔族を連れ去った女性って……誰だったのでしょうか?」
「勇者様が見たと言う女性、ですな? 騎士達もチラリとだが目撃したようですが……、どういうわけか暫く恐慌状態となっております」
「いや、恐慌状態にならないほうが可笑しいわ。あれは……ヤバイ」
「そうアル……、見ただけでおしっこ出そうになったアル……」
そう言って、あの女性のことを思い出しているのか2人はカタカタと震えて、カップも揺れる。
? どう言うことだろう? 僕は凄く綺麗な女性だって思ったんだけどなぁ。
「…………聞いたことがあります。勇者は魔王から発せられる威圧が効かないと……」
「え?」
不意に王妃様がポツリと口に出した言葉に僕はキョトンとする。
一方で、他の人たちは驚いた様子で王妃様を見ていた。
「まさか……勇者様がたが見た女性は、魔王……だと言うのか?」
「多分ですが、確証は出来ません……」
そう王妃様は言って、黙った。
…………あの女の人が、魔王?
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