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第86話 ヨシュア、旅立つ。
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それから3日ほど経ち、ようやく僕らはハジメーノ王国から旅立つ準備を終えて城の入口に立っていた。
「準備はこれで良いかな?」
「野営用の寝袋も、保存食も大丈夫。水のほうは魔法で何とかなるから問題はないはずよ」
「生の食べ物食べたいときは旅先で手に入れるのが一番アル! これで大丈夫アルよ!」
「ワンエルとサタニャエルは大丈夫?」
「ワン」「ニャー」
御者台に座る2人に訊ねると、揃って返事を返してきた。
その返事を聞き終えると今度は馬車を牽く2頭の馬に声を掛ける。
「バロンとサンダーも大丈夫? それとこれからよろしくね」
『『ブルッヒヒィィィィィ~~ン!!』』
僕の声に反応するように、2頭は嘶いて鼻息をフンスッて上げた。
ちなみにバロンとサンダーっていうのは、馬の名前でワンエル達が尋ねるとそう名乗ったみたい。
格好良い名前だよね。
「勇者様、準備は整いましたか?」
「あ、王様。それに王妃様も。はい、準備は終わりました。その……色々とありがとうございましたっ!」
「いや、勇者が現れたら彼の者を支援せよ。それがこの世界の王族に課せられた使命でもありますので、礼は不要です」
「それでもお礼は言わせてください。本当にありがとうございました」
そう言って僕はやって来た王様と王妃様へと頭を下げる。
頭を下げられた2人は少しだけ困ったような微笑みを僕に向けていたけれど……、王妃様が僕へと近付いてきた。
「勇者様……いえ、ヨシュア君。これから先、色々と大変なことになると思うでしょう。けれど貴方が諦めなければきっと貴方の想いは伝わるはずです。だから、頑張ってください」
「? は、はい。頑張りますっ」
「ウィスドムさんとファンロンさん、お二人もくれぐれもよろしくお願いしますね?」
「分かったわ」
「わかったアル!」
「……まあ、雰囲気的にもう手遅れって判っていますが……」
あれ? 返事を返す2人に向けて王妃様が呟いたけど、良く聞こえなかったな。いったい何を呟いたんだろう?
首を傾げていると、王様へと騎士さんが近付いて何かを口にする。
それを聞いた王様は頷き、手を軽く叩いてから僕らを見た。
「さあ、準備も整いましたので、そろそろ出発しても構いません」
「あ、わかりました。その、皆さん。本当にありがとうございましたっ!!」
「「「お元気で、勇者様!!」」」
もう一度、僕が頭を下げ声を張り上げ言うと、周囲から声が帰ってきた。
周りを見ると騎士の人や兵士の人、侍従の人といった城に勤めている様々な人達が僕らへと手を振っているのが見えた。
そんな彼らを見ながら、僕は心の奥が熱くなるのを感じていた。
「さ、それじゃあ行こうかヨシュア」
「出発アル、よしゅあ!」
「はいっ!」
ウィスドムさん、ファンロンさんに返事を返し、僕は馬車へと乗る。
そして、馬車に乗り込むとそれぞれのクッションの上に……。
「すまないが勇者様、出来れば国を出るまでは御者台に3人で乗ってもらえないだろうか?」
「え? はい、別に構いませんけど……」
どうしてだろう? 少しだけ疑問に思いながら御者台に向かい、そこに座る。
すると、2人が僕を真ん中にするようにして左右に座った。……それぞれの太ももにワンエルとサタニャエルを乗せて。
それを見届けると王様は手を上げた。それが合図だったようで、城の入口である門がゆっくりと開いていく。
『『『わああああああ~~~~~~っ!!』』』
「え?!」
開いた扉の先……、街から歓声が聞こえ僕は驚いた声を上げる。
そして急いで正面を見ると、大通りである道の左右に街の人達がいっぱい立っているのが見えた。
『『勇者様ーーっ、頑張ってくださいーーーーっ!!』』
『『頑張れ~~~~っ!!』』
戸惑いを隠せない僕へと、王様は「勇者様を見送るために駆けつけた者達です」と言ってくれた。
その言葉に驚く僕だったけれど、馬車はゆっくりと動き出す。
もしかしたら、バロンとサンダーが僕を見せるためにゆっくりと動き出したのだと思う。
そう思っていると街の人達の視線が僕らに向けられていく。……実際には僕だけに。
「え、えっと……えっと……」
「ヨシュア、とりあえず手を振っておきなさい。そうしたら良いと思うから」
「ファンロンも手を振るアル!」
「わ、わかりました……」
『『『ワアアアアアアアァァァァァァアッァァ~~~~!!』』』
ウィスドムさんのアドバイスで手を軽く振ると、歓声がますます強くなるのを感じた。
隣で元気良く手を振るファンロンさんのように出来たら良いのだけれど、上手く行かないなぁ……。
そう思いながら手を振っていき、大通りを抜けて正門に辿り着く。
その時、僕らがこの国に来たときに城のほうに報せに向かってくれていた衛兵の人達を見つけると、彼らは敬礼をしてきた。
なので僕も行うと、彼らは嬉しそうに……そして名誉そうに頷く。
そんな彼らに手を振って、僕達はハジメーノ王国を後にしたのだった……。
「準備はこれで良いかな?」
「野営用の寝袋も、保存食も大丈夫。水のほうは魔法で何とかなるから問題はないはずよ」
「生の食べ物食べたいときは旅先で手に入れるのが一番アル! これで大丈夫アルよ!」
「ワンエルとサタニャエルは大丈夫?」
「ワン」「ニャー」
御者台に座る2人に訊ねると、揃って返事を返してきた。
その返事を聞き終えると今度は馬車を牽く2頭の馬に声を掛ける。
「バロンとサンダーも大丈夫? それとこれからよろしくね」
『『ブルッヒヒィィィィィ~~ン!!』』
僕の声に反応するように、2頭は嘶いて鼻息をフンスッて上げた。
ちなみにバロンとサンダーっていうのは、馬の名前でワンエル達が尋ねるとそう名乗ったみたい。
格好良い名前だよね。
「勇者様、準備は整いましたか?」
「あ、王様。それに王妃様も。はい、準備は終わりました。その……色々とありがとうございましたっ!」
「いや、勇者が現れたら彼の者を支援せよ。それがこの世界の王族に課せられた使命でもありますので、礼は不要です」
「それでもお礼は言わせてください。本当にありがとうございました」
そう言って僕はやって来た王様と王妃様へと頭を下げる。
頭を下げられた2人は少しだけ困ったような微笑みを僕に向けていたけれど……、王妃様が僕へと近付いてきた。
「勇者様……いえ、ヨシュア君。これから先、色々と大変なことになると思うでしょう。けれど貴方が諦めなければきっと貴方の想いは伝わるはずです。だから、頑張ってください」
「? は、はい。頑張りますっ」
「ウィスドムさんとファンロンさん、お二人もくれぐれもよろしくお願いしますね?」
「分かったわ」
「わかったアル!」
「……まあ、雰囲気的にもう手遅れって判っていますが……」
あれ? 返事を返す2人に向けて王妃様が呟いたけど、良く聞こえなかったな。いったい何を呟いたんだろう?
首を傾げていると、王様へと騎士さんが近付いて何かを口にする。
それを聞いた王様は頷き、手を軽く叩いてから僕らを見た。
「さあ、準備も整いましたので、そろそろ出発しても構いません」
「あ、わかりました。その、皆さん。本当にありがとうございましたっ!!」
「「「お元気で、勇者様!!」」」
もう一度、僕が頭を下げ声を張り上げ言うと、周囲から声が帰ってきた。
周りを見ると騎士の人や兵士の人、侍従の人といった城に勤めている様々な人達が僕らへと手を振っているのが見えた。
そんな彼らを見ながら、僕は心の奥が熱くなるのを感じていた。
「さ、それじゃあ行こうかヨシュア」
「出発アル、よしゅあ!」
「はいっ!」
ウィスドムさん、ファンロンさんに返事を返し、僕は馬車へと乗る。
そして、馬車に乗り込むとそれぞれのクッションの上に……。
「すまないが勇者様、出来れば国を出るまでは御者台に3人で乗ってもらえないだろうか?」
「え? はい、別に構いませんけど……」
どうしてだろう? 少しだけ疑問に思いながら御者台に向かい、そこに座る。
すると、2人が僕を真ん中にするようにして左右に座った。……それぞれの太ももにワンエルとサタニャエルを乗せて。
それを見届けると王様は手を上げた。それが合図だったようで、城の入口である門がゆっくりと開いていく。
『『『わああああああ~~~~~~っ!!』』』
「え?!」
開いた扉の先……、街から歓声が聞こえ僕は驚いた声を上げる。
そして急いで正面を見ると、大通りである道の左右に街の人達がいっぱい立っているのが見えた。
『『勇者様ーーっ、頑張ってくださいーーーーっ!!』』
『『頑張れ~~~~っ!!』』
戸惑いを隠せない僕へと、王様は「勇者様を見送るために駆けつけた者達です」と言ってくれた。
その言葉に驚く僕だったけれど、馬車はゆっくりと動き出す。
もしかしたら、バロンとサンダーが僕を見せるためにゆっくりと動き出したのだと思う。
そう思っていると街の人達の視線が僕らに向けられていく。……実際には僕だけに。
「え、えっと……えっと……」
「ヨシュア、とりあえず手を振っておきなさい。そうしたら良いと思うから」
「ファンロンも手を振るアル!」
「わ、わかりました……」
『『『ワアアアアアアアァァァァァァアッァァ~~~~!!』』』
ウィスドムさんのアドバイスで手を軽く振ると、歓声がますます強くなるのを感じた。
隣で元気良く手を振るファンロンさんのように出来たら良いのだけれど、上手く行かないなぁ……。
そう思いながら手を振っていき、大通りを抜けて正門に辿り着く。
その時、僕らがこの国に来たときに城のほうに報せに向かってくれていた衛兵の人達を見つけると、彼らは敬礼をしてきた。
なので僕も行うと、彼らは嬉しそうに……そして名誉そうに頷く。
そんな彼らに手を振って、僕達はハジメーノ王国を後にしたのだった……。
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