彼女の隣に俺は似合わない

プロローグ

「ど、どうしよう…受かってるかな…？」


うっすらと涙を浮かべながら俺を見上げる幼馴染。


「大丈夫。ちゃんと俺と勉強したろ？」


自信持てって、と頭を撫でる。

俺の大きな手をすり抜ける細くてサラサラな髪がより彼女を儚げにさせる。


「…よし！せーのだよ？せーので見ようね？」


黙って頷く。


「いくよ？…せーの！」


紙を表にして最初に目についた"合格"の文字。

俺はあまり心配していないと思っていたが、心のどこかではでは心配だったみたいでほっとする。

彼女はどうだろうか。隣にいる彼女を見ると紙を抱えてうずくまっているようだ。


「李雪りゆ？どした？」


肩に手を置こうとしたとき、バッと起き上がり、そのまま俺に向かってダイブ。

華奢な彼女に押し倒されることもなく、抱き止める。


「合格！！これからも一緒の学校通えるね！」


「…びっくりさせるなよなぁ。よかった。これからもよろしくな」


まるで不合格のようなリアクションをとるものだからここで離れてしまうかと思った。


だが、これもあながち間違いじゃなくなるのはまだ知らない。