彼女の隣に俺は似合わない

4月

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必死に勉強を教えた甲斐もあり、俺と李雪の幼馴染歴はまた1年増えた。

幼い頃から一緒にいて、守ってやりなさいと言われ、隣にいない違和感すら感じるようになっていた俺にはごく自然なことだった。

それは李雪をいわゆる妹として見ているものだと思っていたがどうだろう。


高校に入学した最初の席。

李雪の隣に座る、まさに爽やかな雰囲気を纏う男。

李雪と同じ色素の薄い柔らかげな茶色い髪、一緒にいる人を楽しませるような、目を引くような魅力。

黒いストレートの髪の無表情な俺とは何もかも違っていた。


あいつが李雪の隣にいるのがとても似合っていると思ってしまった。

真逆の俺が似合わないことも同時に悟った。








「案外悪くない」


嫌な方嫌な方へと進む思考を止めたのはこの一言。


俺と同じく表情筋が働かなそうな女子。


しかしあの爽やか男を映す瞳だけはキラキラとしていた。



「なにが？」



思わず話しかけしまった。
　


だって俺と似ていたから