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番外編 ファティマ編05
わたくしはゼノンを担ぎ、なんとか集落までたどり着いた。重い。重いが、そんなことは言っておられぬ。ゼノンは気絶したままだ。
「誰かっ!誰かゼノンを助けてくれっ!タイガーに喰われたのじゃ!」
有らん限りの大声で叫んだが、遠巻きに見ているだけで誰も近寄っては来ない。それでも叫び続けていると、女王が館から出てきた。
「何事だ、外の世界から来た女よ」
「ゼノンが大怪我して死にそうなのじゃ!頼む、手当してくれ!」
わたくしの必死の訴えにも、女王は眉ひとつ動かさずに答える。
「ならぬ。この国の中で、男に触れることは許されぬ。それがこの国の掟だ」
「手当てしてくれるならなんでもしよう。万の服を縫い、万の糸を献上しよう。頼む、ゼノンを助けてくれ!」
女王は考えていたが、やがて口を開いた。
「よかろう。だが、お前のすることは服を縫うことではない。隣国の王の愛妾になるのだ」
「なんじゃと・・・?」
「隣国の王から、愛妾となる女を差し出せと言ってきた。応じねば攻め込むと。だが、当然誰も行きたがらず困っておった。ちょうどよい、お前が行くのだ。さすればその男を助けよう」
愛妾じゃと?よりによってわたくしに、母上の最も憎んだ“愛妾”というものになれというのか?
・・・よかろう。受けてやろうではないか。もともとオトコのあしらいは得意じゃ。それでゼノンが助かるなら安いものじゃ!
わたくしは、女王の申し出を受けると答えた。
ゼノンはすぐ小屋に運ばれ、手当を受けることになった。密林の住民たちは、タイガーに襲われた時の手当てに慣れておる。傷は深いが、助からぬものではないという。
隣国の王というのは、齢60を過ぎた男で、妻が10人、愛妾は100人を超えるそうじゃ。
待っておれよ、ヒヒジジイ!
わたくしの手管で、二度と立ち上がれぬほど骨抜きににしてくれるわ!
2日後、わたくしは輿に乗せられ、隣国へと旅立った。ゼノンはまだ目を覚まさぬままだった。
「ヒッヒッヒ、ファティマと申すか。これは美しいのぉ」
隣国に着くや否やわたくしは、沐浴させられて、さっそく王の寝室に連れて行かれた。全身を舐め回すような視線で往復され、寒気が走る。
王の気色悪さは想像以上で、嫌悪感を隠すのに必死だった。なにせ、ヒヒとガマガエルを足して、ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたようなジジイなのじゃ!
だかわたくしも、音に聞こえたファティマ皇女。寒気も嫌悪感もいっさい気取らせず、妖艶に微笑む。
「光栄にございますわ、国王陛下」
王がゴクリ、と唾を飲み込むのがわかった。ふ、たやすいジジイよ。
にじり寄ってくるのをさらりと交わすと、
スカートの下から孔雀の羽根を取り出す。
「む、なんだ?それは」
「これは、陛下を極楽へと導くものにございます」
わたくしはそう答えると、口元には笑みを浮かべ、挑発的な視線を向けつつ、王の顎下を羽根でひと撫でする。
「うゔっ」
ほほ、もう乗ったな。あと一押しじゃ。なおも挑発的な表情で煽りながら、耳下、首筋、喉元と、次々と撫であげる。
「今宵はわたくしが、極上の快楽を与えて差し上げましょう」
そう言いながら寝台へ横たわるよう促すと、王は操られたように従った。鎖骨、脇下、腹と、容赦なく責め立てると、王はその度に切なげな声をもらす。
ここまで来れば、成功したも同然じゃ。この男もわたくしの虜となる。だいたい、これが成功しなかった男など、今まで2人しかないのじゃ。1人はリチャード王、1人はゼノン・・・。
・・・?!
ゼノンを思い出したばかりに、緊張の糸がわずかに緩んでしまった。快楽に喘いでいた王が突然起き上がり、わたくしを寝台に引き摺り込む。
「ファティマよ!もう我慢ならぬ!」
「やっ、やめよ!」
振り解こうとするが、あっという間に組み伏せられてしまった。王の身体が重過ぎて、身動きが取れない。
気持ち悪い・・・気色悪い!嫌悪感が限界に達したときだった。
「ファティマから離れろ、じじい!」
聞き覚えのある声がして、王の身体が引き剥がされる。
嘘・・・嘘であろう?なぜ、ゼノンがここに・・・?
「誰かっ!誰かゼノンを助けてくれっ!タイガーに喰われたのじゃ!」
有らん限りの大声で叫んだが、遠巻きに見ているだけで誰も近寄っては来ない。それでも叫び続けていると、女王が館から出てきた。
「何事だ、外の世界から来た女よ」
「ゼノンが大怪我して死にそうなのじゃ!頼む、手当してくれ!」
わたくしの必死の訴えにも、女王は眉ひとつ動かさずに答える。
「ならぬ。この国の中で、男に触れることは許されぬ。それがこの国の掟だ」
「手当てしてくれるならなんでもしよう。万の服を縫い、万の糸を献上しよう。頼む、ゼノンを助けてくれ!」
女王は考えていたが、やがて口を開いた。
「よかろう。だが、お前のすることは服を縫うことではない。隣国の王の愛妾になるのだ」
「なんじゃと・・・?」
「隣国の王から、愛妾となる女を差し出せと言ってきた。応じねば攻め込むと。だが、当然誰も行きたがらず困っておった。ちょうどよい、お前が行くのだ。さすればその男を助けよう」
愛妾じゃと?よりによってわたくしに、母上の最も憎んだ“愛妾”というものになれというのか?
・・・よかろう。受けてやろうではないか。もともとオトコのあしらいは得意じゃ。それでゼノンが助かるなら安いものじゃ!
わたくしは、女王の申し出を受けると答えた。
ゼノンはすぐ小屋に運ばれ、手当を受けることになった。密林の住民たちは、タイガーに襲われた時の手当てに慣れておる。傷は深いが、助からぬものではないという。
隣国の王というのは、齢60を過ぎた男で、妻が10人、愛妾は100人を超えるそうじゃ。
待っておれよ、ヒヒジジイ!
わたくしの手管で、二度と立ち上がれぬほど骨抜きににしてくれるわ!
2日後、わたくしは輿に乗せられ、隣国へと旅立った。ゼノンはまだ目を覚まさぬままだった。
「ヒッヒッヒ、ファティマと申すか。これは美しいのぉ」
隣国に着くや否やわたくしは、沐浴させられて、さっそく王の寝室に連れて行かれた。全身を舐め回すような視線で往復され、寒気が走る。
王の気色悪さは想像以上で、嫌悪感を隠すのに必死だった。なにせ、ヒヒとガマガエルを足して、ぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたようなジジイなのじゃ!
だかわたくしも、音に聞こえたファティマ皇女。寒気も嫌悪感もいっさい気取らせず、妖艶に微笑む。
「光栄にございますわ、国王陛下」
王がゴクリ、と唾を飲み込むのがわかった。ふ、たやすいジジイよ。
にじり寄ってくるのをさらりと交わすと、
スカートの下から孔雀の羽根を取り出す。
「む、なんだ?それは」
「これは、陛下を極楽へと導くものにございます」
わたくしはそう答えると、口元には笑みを浮かべ、挑発的な視線を向けつつ、王の顎下を羽根でひと撫でする。
「うゔっ」
ほほ、もう乗ったな。あと一押しじゃ。なおも挑発的な表情で煽りながら、耳下、首筋、喉元と、次々と撫であげる。
「今宵はわたくしが、極上の快楽を与えて差し上げましょう」
そう言いながら寝台へ横たわるよう促すと、王は操られたように従った。鎖骨、脇下、腹と、容赦なく責め立てると、王はその度に切なげな声をもらす。
ここまで来れば、成功したも同然じゃ。この男もわたくしの虜となる。だいたい、これが成功しなかった男など、今まで2人しかないのじゃ。1人はリチャード王、1人はゼノン・・・。
・・・?!
ゼノンを思い出したばかりに、緊張の糸がわずかに緩んでしまった。快楽に喘いでいた王が突然起き上がり、わたくしを寝台に引き摺り込む。
「ファティマよ!もう我慢ならぬ!」
「やっ、やめよ!」
振り解こうとするが、あっという間に組み伏せられてしまった。王の身体が重過ぎて、身動きが取れない。
気持ち悪い・・・気色悪い!嫌悪感が限界に達したときだった。
「ファティマから離れろ、じじい!」
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