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夜の街の修道院
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修道服らしきものに身を包んだ女性のような方に案内されたのは、2階への階段を上った先にあった広いお部屋でした。
正面には神聖な場所にあるまじきお酒の瓶がたくさん飾られていて、壁側には革張りのソファがいくつも並び、所々真っ白なカーテンで区切られています。
その一つに座って待つように命じられて、私はそわそわとしながら大人しく腰を下ろしました。
先程の高揚感から一転して、未知の世界に足を踏み入れた私の心は不安感に満たされていました。
けれども不思議と恐怖を感じないのは、この方を包む雰囲気が悪いものに思えないからかも知れません。
「お名前はなんていうの?」
「リターシャです」
「リタちゃんね。アタシはエクレール。エクって呼んで頂戴」
私の為に温かい紅茶とフルーツを持ってきてくださった彼女は、腕と脚を組むという修道女にあるまじき振る舞いをしながらも優しげに目を細めます。
「騙すように連れて来ちゃってゴメンなさいね。そんなつもりはなかったんだけど、なんだか放っておけなくてねェ…。お布施もたーくさんいただいたし、それなりにサービスするわよ」
「あの…」
「でもまずは、アナタの懺悔を聞かせてくれる?」
「…!」
そう問いかけられて初めて、私はやっとここがどういうところなのか納得できました。
きっとここは表立って聖堂へ行けない方々のための告解室なのでしょう。
だから外観が教会にとてもよく似ていて、エクレールさんも修道服を身に付けて働かれているのです。
この場所で働く方々は形式は違えど司祭様と同じように大勢の人々のお悩みを聞いていらっしゃるのですね。
そうとわかれば先程までの不安はどこかに消えてしまいました。
エクレールさんの微笑みに促されて、私は婚約者を信じられず家同士の約束を破って逃げ出してきた罪を告白しました。
「そうだったの…それで修道院にねェ…」
「ええ…」
「アタシが率直に感じたことを言うわね。リタちゃんはとっても真面目なイイコだけど、チョッと極端ね」
「極端…でしょうか?」
「白黒つけたい気持ちはわかるケド、曖昧なことを曖昧にしたままじゃ正しい答えは出せないわよ。自分がラクな方を選ぶだけだもの。人ってね、不安が大きくなりすぎると無意識のうちに心にブレーキをかけちゃうの。これ以上傷付きたくナイ~!ってね。アタシにはリタちゃんが『婚約者のカレと結婚できないなら一生独身でイイ!』って言ってるように聞こえたわよ。カレのことホントは愛しているんでしょう?」
「……」
違うと否定したいのに、何故か喉がつかえて言葉が出てきません。
彼女のどこか憂いを帯びた緑の瞳を見ていると、心の内を全て見透かされるような心地がしてなんだか落ち着きません。
「カレが浮気者かどうかは別として、言ってることはマトモな気がするわ。『1つの鐘しか聞かない人には1つの音しか聞こえない』って言葉があるじゃない?リタちゃんはイマ本当のことを知って絶望するのが怖くて、疑心暗鬼になっちゃってるのよ」
「そう…かも、知れません…」
「相手のキモチって目に見えないから怖いわよね。アタシも怖くていつも尻込みしちゃう。ホントはどう思ってるのー?って変に勘ぐったりして。仲良くなりたいって思ってる相手ならナオサラね」
「……」
「それでケンカにもなるけど、スッキリもするのよ。お互いに言いたいこと正直にぶつけ合ったら、相手のキモチも見えてくるし。わかり合えなかった時はツラいけど、その分わかり合えた時はスゴく嬉しいわ。話してよかったー!って思うわね」
エクレールさんの言葉が胸に刺さります。
私は彼の気持ちが見えなくなってしまったことが辛くて…知ることが怖くて、逃げたのです。
彼を責めてばかりいるのではなく、きちんと話し合わなければとわかっています。
けれども私は臆病で、そうする勇気が出ないのです。
向き合うことが怖いのは、エクレールさんが言った通り私の心にまだ彼を愛する気持ちが残っているからです…簡単には手放せないくらいに。
沈んだ顔をする私に、エクレールさんは慈愛の籠もった視線を向けながらにっこりと微笑みます。
「人生の先輩としてアタシから言えることは…人生は絶望の連続ってコト。こう言ったら救いがないように思えるケド、アタシ達は日々何かに絶望してきたからイマの幸せを幸せだって感じられてるのよ」
彼女の大きくてあたたかい手が、私の小さく弱々しい手を包み込みます。
「幸せは絶望の後にやって来るの。だからイッパイ絶望しましょう?できることゼンブやってから絶望して、その分たーくさん幸せになりましょ!リタちゃんの人生はマダマダこれからで、時間もタップリあるんだから。足踏みしてたらもったいナイわよ」
お話をしているうちに日が暮れて、私はエクレールさんとお別れしました。
彼女は「純粋なリタちゃんにはアブナイ場所だから」と言って、大きな通りまで送ってくれました。
元来た道を歩いて戻っていると、通りの向こうに彼の姿を見つけました。
どうやら私の最初で最後の大冒険はここで終わりのようです。
その場で足を止めた私に気が付いた公子は目を瞠り、また一瞬表情を消したかと思うと唇を引き結びました。
咄嗟に怒られるかと身構えましたが、意外にも彼はにっこりと笑みを浮かべながら歩み寄ってきます。
「リータ。探したよ。僕を置いてどこへ行ってたの?」
いつもと変わらない調子で声をかけて、私の手を握りしめます。
彼の手はとても熱くて、ひどく汗ばんでもいて…そして微かに震えていました。
無理をして笑っているのだと気が付いた時、ふとエクレールさんの言葉が思い出されました。
――もしカレと向き合ってお話するのがツラいなら、カレの様子をよーく観察するとイイわ。口ではいくらでも嘘を吐けても、表情まで偽れる人ってなかなかいないものよ。特に目は、ね。見てみたら案外わかりやすくってオモシロイわよ。
彼女の助言に従って、私は公子のことを観察してみることにしました。
彼の額からは玉のような汗がいくつも流れて、髪も呼吸も襟も乱れています。
コートは羽織っておらず、白いシャツは濡れて色が変わり、肌にべったり張り付いているのが見て取れます。
シャツの袖もトラウザーズの裾も大雑把に捲り上げられて、磨きたてだった靴は所々汚れています。
そして、肝心の彼の表情は…。
「隠れんぼが上手くなったね。なかなか見つけられなくて焦ったよ。その服は?着ていたドレスはどうしたの?」
「…服は親切な方に譲っていただきました。ドレスは…売りました」
私はポケットに入れていた全てのお金と、質屋までの道順が書かれた地図を差し出しました。
それを見た彼は愕然として表情を固め、泣くのを堪えるように顔を歪ませたかと思うと私の体を突然胸に引き寄せました。
「リタ…リタ…!」
その衝撃で手に持っていたお金がいくらか道端に転がりましたが、彼は見向きもしませんでした。
私を抱きしめる腕も体も手のひらよりもずっと熱くて、石鹸の匂りに混じって汗のにおいがしました。
耳を当てて聞かなくても彼の心臓がとても速く拍動しているのが伝わってきて、それほど一生懸命になって探してくれていたと思うと涙が出そうになってしまいます。
髪の毛を掻き回されるように何度も頭を撫でられて、旋毛に彼のあたたかい吐息がかかります。
「よく無事でいてくれた…すごく心配したよ。もう二度と勝手にいなくなったりしないで。約束して」
「……」
「リタ?」
返事を求めて公子が顔を覗き込んできます。
青い瞳は不安げに揺れていて、微かに喜びの色も見えはしますが悲しみの方が大きいように思えます。
その真っ直ぐな視線から彼の必死な想いが伝わってきましたが、私は嬉しいと思う反面複雑な気持ちになりました。
彼は本気で私のことを心配してくれている…それは伝わります。
けれど私はそれだけではどうしても彼の気持ちを信じきることができません。
私を心配していたのではなく、ご自身の外聞を気にしていらしたのではと疑ってしまうのです。
休暇が明ける度、寮でヴェロニカ嬢がお話されていた公子の言葉が頭の中に貼り付いて離れません。
浮気を知ったのは2年前ですが、昨年帰省した際にも彼女は公子との家族交流を喜々として話し、こうもおっしゃっていました。
――ルーイン公子の婚約者は大人しすぎるくらいの方で、体が弱いわけでもないのに領地に引き篭もってばかりいるのですって。姉は彼女と真逆だから好きになったとおっしゃっていたわ。
――思い込みの激しいところがおありなんですって。気持ちがないことをどんなに態度で示しても理解してくださらないって嘆いていたわ。
――どうやら彼女は公爵家の後ろ盾が欲しいだけのようなの。公子と結婚したら一生遊んで暮らせると思っているそうよ。
そのお話を聞いた時はその場にいたアリアンナ嬢やナタリア嬢の反応に同調して話を合わせましたが、心の中では私のことを悪し様に言う言葉にとても傷付いていました。
手紙ですぐに確認をしようかとも思いましたが、きっとお返事はいただけないだろうと思いそれ以降書くのを止めました。
もしそれが彼の本音だったとしたらと思うと恐ろしくて、気持ちの置き所がわからず修道女になる方法を徹底的に調べました。
陰で私のことをそんなふうにお話されていた公子は今、黙り込んでしまった私を急かすことなく辛抱強く返事を待ってくださっています。
(そんな…縋るような目をしないでください。気持ちがないのなら、もう優しくしないでください。どうして貴方は変わらないのですか…?)
「……はい」
私は彼から顔を背けて、泣きたくなるような気持ちで頷きました。
公子はしばらくの間、何の言葉もないまま私を抱きしめて離しませんでした。
正面には神聖な場所にあるまじきお酒の瓶がたくさん飾られていて、壁側には革張りのソファがいくつも並び、所々真っ白なカーテンで区切られています。
その一つに座って待つように命じられて、私はそわそわとしながら大人しく腰を下ろしました。
先程の高揚感から一転して、未知の世界に足を踏み入れた私の心は不安感に満たされていました。
けれども不思議と恐怖を感じないのは、この方を包む雰囲気が悪いものに思えないからかも知れません。
「お名前はなんていうの?」
「リターシャです」
「リタちゃんね。アタシはエクレール。エクって呼んで頂戴」
私の為に温かい紅茶とフルーツを持ってきてくださった彼女は、腕と脚を組むという修道女にあるまじき振る舞いをしながらも優しげに目を細めます。
「騙すように連れて来ちゃってゴメンなさいね。そんなつもりはなかったんだけど、なんだか放っておけなくてねェ…。お布施もたーくさんいただいたし、それなりにサービスするわよ」
「あの…」
「でもまずは、アナタの懺悔を聞かせてくれる?」
「…!」
そう問いかけられて初めて、私はやっとここがどういうところなのか納得できました。
きっとここは表立って聖堂へ行けない方々のための告解室なのでしょう。
だから外観が教会にとてもよく似ていて、エクレールさんも修道服を身に付けて働かれているのです。
この場所で働く方々は形式は違えど司祭様と同じように大勢の人々のお悩みを聞いていらっしゃるのですね。
そうとわかれば先程までの不安はどこかに消えてしまいました。
エクレールさんの微笑みに促されて、私は婚約者を信じられず家同士の約束を破って逃げ出してきた罪を告白しました。
「そうだったの…それで修道院にねェ…」
「ええ…」
「アタシが率直に感じたことを言うわね。リタちゃんはとっても真面目なイイコだけど、チョッと極端ね」
「極端…でしょうか?」
「白黒つけたい気持ちはわかるケド、曖昧なことを曖昧にしたままじゃ正しい答えは出せないわよ。自分がラクな方を選ぶだけだもの。人ってね、不安が大きくなりすぎると無意識のうちに心にブレーキをかけちゃうの。これ以上傷付きたくナイ~!ってね。アタシにはリタちゃんが『婚約者のカレと結婚できないなら一生独身でイイ!』って言ってるように聞こえたわよ。カレのことホントは愛しているんでしょう?」
「……」
違うと否定したいのに、何故か喉がつかえて言葉が出てきません。
彼女のどこか憂いを帯びた緑の瞳を見ていると、心の内を全て見透かされるような心地がしてなんだか落ち着きません。
「カレが浮気者かどうかは別として、言ってることはマトモな気がするわ。『1つの鐘しか聞かない人には1つの音しか聞こえない』って言葉があるじゃない?リタちゃんはイマ本当のことを知って絶望するのが怖くて、疑心暗鬼になっちゃってるのよ」
「そう…かも、知れません…」
「相手のキモチって目に見えないから怖いわよね。アタシも怖くていつも尻込みしちゃう。ホントはどう思ってるのー?って変に勘ぐったりして。仲良くなりたいって思ってる相手ならナオサラね」
「……」
「それでケンカにもなるけど、スッキリもするのよ。お互いに言いたいこと正直にぶつけ合ったら、相手のキモチも見えてくるし。わかり合えなかった時はツラいけど、その分わかり合えた時はスゴく嬉しいわ。話してよかったー!って思うわね」
エクレールさんの言葉が胸に刺さります。
私は彼の気持ちが見えなくなってしまったことが辛くて…知ることが怖くて、逃げたのです。
彼を責めてばかりいるのではなく、きちんと話し合わなければとわかっています。
けれども私は臆病で、そうする勇気が出ないのです。
向き合うことが怖いのは、エクレールさんが言った通り私の心にまだ彼を愛する気持ちが残っているからです…簡単には手放せないくらいに。
沈んだ顔をする私に、エクレールさんは慈愛の籠もった視線を向けながらにっこりと微笑みます。
「人生の先輩としてアタシから言えることは…人生は絶望の連続ってコト。こう言ったら救いがないように思えるケド、アタシ達は日々何かに絶望してきたからイマの幸せを幸せだって感じられてるのよ」
彼女の大きくてあたたかい手が、私の小さく弱々しい手を包み込みます。
「幸せは絶望の後にやって来るの。だからイッパイ絶望しましょう?できることゼンブやってから絶望して、その分たーくさん幸せになりましょ!リタちゃんの人生はマダマダこれからで、時間もタップリあるんだから。足踏みしてたらもったいナイわよ」
お話をしているうちに日が暮れて、私はエクレールさんとお別れしました。
彼女は「純粋なリタちゃんにはアブナイ場所だから」と言って、大きな通りまで送ってくれました。
元来た道を歩いて戻っていると、通りの向こうに彼の姿を見つけました。
どうやら私の最初で最後の大冒険はここで終わりのようです。
その場で足を止めた私に気が付いた公子は目を瞠り、また一瞬表情を消したかと思うと唇を引き結びました。
咄嗟に怒られるかと身構えましたが、意外にも彼はにっこりと笑みを浮かべながら歩み寄ってきます。
「リータ。探したよ。僕を置いてどこへ行ってたの?」
いつもと変わらない調子で声をかけて、私の手を握りしめます。
彼の手はとても熱くて、ひどく汗ばんでもいて…そして微かに震えていました。
無理をして笑っているのだと気が付いた時、ふとエクレールさんの言葉が思い出されました。
――もしカレと向き合ってお話するのがツラいなら、カレの様子をよーく観察するとイイわ。口ではいくらでも嘘を吐けても、表情まで偽れる人ってなかなかいないものよ。特に目は、ね。見てみたら案外わかりやすくってオモシロイわよ。
彼女の助言に従って、私は公子のことを観察してみることにしました。
彼の額からは玉のような汗がいくつも流れて、髪も呼吸も襟も乱れています。
コートは羽織っておらず、白いシャツは濡れて色が変わり、肌にべったり張り付いているのが見て取れます。
シャツの袖もトラウザーズの裾も大雑把に捲り上げられて、磨きたてだった靴は所々汚れています。
そして、肝心の彼の表情は…。
「隠れんぼが上手くなったね。なかなか見つけられなくて焦ったよ。その服は?着ていたドレスはどうしたの?」
「…服は親切な方に譲っていただきました。ドレスは…売りました」
私はポケットに入れていた全てのお金と、質屋までの道順が書かれた地図を差し出しました。
それを見た彼は愕然として表情を固め、泣くのを堪えるように顔を歪ませたかと思うと私の体を突然胸に引き寄せました。
「リタ…リタ…!」
その衝撃で手に持っていたお金がいくらか道端に転がりましたが、彼は見向きもしませんでした。
私を抱きしめる腕も体も手のひらよりもずっと熱くて、石鹸の匂りに混じって汗のにおいがしました。
耳を当てて聞かなくても彼の心臓がとても速く拍動しているのが伝わってきて、それほど一生懸命になって探してくれていたと思うと涙が出そうになってしまいます。
髪の毛を掻き回されるように何度も頭を撫でられて、旋毛に彼のあたたかい吐息がかかります。
「よく無事でいてくれた…すごく心配したよ。もう二度と勝手にいなくなったりしないで。約束して」
「……」
「リタ?」
返事を求めて公子が顔を覗き込んできます。
青い瞳は不安げに揺れていて、微かに喜びの色も見えはしますが悲しみの方が大きいように思えます。
その真っ直ぐな視線から彼の必死な想いが伝わってきましたが、私は嬉しいと思う反面複雑な気持ちになりました。
彼は本気で私のことを心配してくれている…それは伝わります。
けれど私はそれだけではどうしても彼の気持ちを信じきることができません。
私を心配していたのではなく、ご自身の外聞を気にしていらしたのではと疑ってしまうのです。
休暇が明ける度、寮でヴェロニカ嬢がお話されていた公子の言葉が頭の中に貼り付いて離れません。
浮気を知ったのは2年前ですが、昨年帰省した際にも彼女は公子との家族交流を喜々として話し、こうもおっしゃっていました。
――ルーイン公子の婚約者は大人しすぎるくらいの方で、体が弱いわけでもないのに領地に引き篭もってばかりいるのですって。姉は彼女と真逆だから好きになったとおっしゃっていたわ。
――思い込みの激しいところがおありなんですって。気持ちがないことをどんなに態度で示しても理解してくださらないって嘆いていたわ。
――どうやら彼女は公爵家の後ろ盾が欲しいだけのようなの。公子と結婚したら一生遊んで暮らせると思っているそうよ。
そのお話を聞いた時はその場にいたアリアンナ嬢やナタリア嬢の反応に同調して話を合わせましたが、心の中では私のことを悪し様に言う言葉にとても傷付いていました。
手紙ですぐに確認をしようかとも思いましたが、きっとお返事はいただけないだろうと思いそれ以降書くのを止めました。
もしそれが彼の本音だったとしたらと思うと恐ろしくて、気持ちの置き所がわからず修道女になる方法を徹底的に調べました。
陰で私のことをそんなふうにお話されていた公子は今、黙り込んでしまった私を急かすことなく辛抱強く返事を待ってくださっています。
(そんな…縋るような目をしないでください。気持ちがないのなら、もう優しくしないでください。どうして貴方は変わらないのですか…?)
「……はい」
私は彼から顔を背けて、泣きたくなるような気持ちで頷きました。
公子はしばらくの間、何の言葉もないまま私を抱きしめて離しませんでした。
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