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王都ヘ ③謁見

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 最初に風呂場にお面の2人が来てから7日が過ぎた、あれから3回目のお面2人とのお話し中だ。

「君達も暇だね。そんなに裸で縛られるのが好きなの?」

「くそ、何でいつもこうなる」

「俺も暇じゃ無いので、1つ提案が有る」
「なんだ?」

「君達の頭に、会いたいと伝えてくれ」

「はぁ、何を言ってる」

「その気が有るなら待ってるよ。では、出発するのでじゃあね」

「ちょっと、まてよ!」

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「エディンバラ伯爵、お待たせしました」

「うむ、では行こうか」

「伯爵、もう一息ですな」
「まことに」


それからは何事も無く馬車は王都、アストベルンに入った。



「もうすぐラインバルト城に着く」

「さすがに緊張します」
「アキ様、頑張って下さいね!」
「メルク様、面白がってるでしょ?」


馬車がお城の敷地内に進んで行く、衛兵が近付いて来た。

「私だ、今戻った。あらかじめ伝えておいた通りだ、よろしく頼む」

「バリオス様、かしこまりました」

別の衛兵が城内に到着を知らせに行く。

「これから手続きだのと面倒な段取りが有って、ロザン国王との謁見は2日後になるだろうな」


伯爵達と別れ、俺とセシルはメイドさんに別々の客間に案内された。

「のちほど、お食事をお持ち致します。それまで、ご自由にお過ごし下さい。なにか御座いましたら、そちらの者にお申し付け下さい」

『やっと着いたわね』
『立派なお城だな』

「こんな広いと落ち着かないな」
ノックがしてセシルが入って来た。

「ご主人様、寂しいです」

「そうだね、ここにいなさい。後で一緒の部屋にしてもらおう」

「さて、風呂にでも入るか、まさかお面の人達来ないよね」

『さすがに無さそうね』
「良かった」

「セシルも一緒に入ります」
「そうか、じゃ、入ろうか」

メルクさんのオッパイは、[むにゅ]だったけど、セシルは、どうなんだろう?

「ご主人様、今日は目つきが変です」
「そ、そんな事無いですよ」

「そうですか?」
「はい、そうです」

<バカねぇ>
<ほんとだな>


お面の人達は来なかったので、夜はぐっすり寝れた、次の日の朝は伯爵とメルクさん達と食事が出来た。



「アキ君、陛下との謁見は明日の昼食後になったそうだ」

「いよいよですねアキ様」

「はい、頑張ります」

「今日は、城の中でも案内しよう」

「ありがとう御座います。よろしくお願いします」


朝食の後は、伯爵に城内を案内してもらっった。

中庭を見た後、若く美しい女性に声をかけられた。

「エディンバラ伯爵、メルク、お久し振りですね」

「これは、カトリーナ王女様、ご無沙汰しておりました」

「お久し振りで御座います」

「そちらの御方がうわさの?」

「アキ君、こちらはカトリーナ王女様です。ご挨拶を」

「アキと申します。よろしくお願い致します」

「明日は楽しみにしています。では、失礼します」

そっけ無く行ってしまった。

「リッカフェの神殿に、行っていると聞いていたのだが、お戻りになっていたのだな」

「その様ですね」

その後、伯爵に許可を取ってもらって街に繰り出した。


「肩がこって仕方ない」

『我慢ね』

「お城の食事は、あまり食べれ無かったのでなんか食べたいな」

「ご主人様、私もです」
「緊張したもんな」
「海の物を食べたいです」


「アキ殿!」
「セシルちゃん!」

「ミリさん達です。ご主人様」

「やっぱり、お城を出てきましたね」

「ご飯食べた気しなくて、魚料理のお店知りませんか?」

「こっちに有るわよ。行きましょう」


セシルと一緒に、腹一杯食べて城に戻ると、難しい顔をした中年の男性とすれ違った。

『ザディール公爵よ』

俺が、お辞儀をするとチラッと俺を見て行ってしまった。

「やっぱり、良く思われてないな」

『アキにも、下心が無いとは言えないからな』

「まあね」

『宝物をもらっても、願い事を聞く必要は無いじゃない、偉いのだから?』

「例え俺が何も要求しなくても、嫌なんだろうな。かといって、献上したいと言うのを断るのもメンツがあるからな」

『そうなのね。でも逆に信用できる人でもあるわね、正直と言う感じ。約束をしておいて、そんな事は知らんとは言わないわね』

「マグラとは違う事は確かだ」


明日はどうしようかな。


自分で言った事とはいえ、この時が来てしまった。

国王ロジンが謁見の間に入って来た。

「陛下、この者がダンジョンの宝物を献上したいと言う、アキと言う者です」

「ほう、若いな」
「さあ、アキ殿、陛下にご挨拶を」

「アキと申します。このたびは、宝物を献上したく参りました」

「堅苦しい話しはよい。何でまた献上などという考えをした?」

「はい、理由は2つ。1つは、この国のダンジョンで得た物だから。2つ目は、陛下にお願いしたい事が有るからです」

「こやつ、やはり、もっともらしき事を言って陛下を利用する気ではないか!陛下に何をさせようと言うのだ貴様」

「まあ、まてザディールよ!私は、利用される事も国王の務めだと思って入る。それで世の中がうまく回ればよいのだ」

「しかし、陛下それでは示しがつきませぬ」

「だがなアキ、つまらぬ者に利用されるのは私とて気にいらぬ、お主の器を見せて見よ」

「分かりました。どうすれば良いでしょう?」

「そうだな…………」

「陛下、こやつは自分に自信が無いので、陛下に取り入りこの国の力を使いたいのです。バーパスと戦わせて見ては如何かと」

「なるほど、良かろう。アキ、それで良いか?」

「陛下のいう通りに致します」

「では、闘技場に参るとするか」


『想定内の展開になったわね』
『頼みますよ、卑弥呼さん、ハッカー』
『任せとけって』

「アキとやら、勝負は何でも有りだ。止めるなら今の内だぞ、まあ、回復魔法の術者もいるし、エリクサーもある、死にはしないが苦しむ事になる」

<ザディールの奴、凄い自信ね>
<この国で一番が出て来るのだろうよ>

虎族の獣人だ、筋肉隆々と言うわけでもない。

この私、エディンバラが立ち会いをさせて頂く

「では、始めっ!」


この人族が、本当にダンジョンを制覇したのか?覇気は感じないし強いとも思えんが、ザディール様の命とあれば本気でやるだけだ。

俺には魔法無唱スキルがある、魔法名を唱え無くても魔法が発動する、しかも魔力場発生スキルが有るので、複数の好きな場所から攻撃できるのだ。

いきなり色んな所からの魔法攻撃を、初見で避けるのは難しい、避けてもこの疾風の剣で斬られて終わりだ。


悪いが、これで終わりだ。『ファイヤーアロー』

うっ、なぜ魔法が発動しない。『ウインドカッター』

まただ、『ストーンバレット』バカな、バカな。

ならば、この疾風の剣で斬り刻んで、……か、体が動かない。


バーパスの奴、何をしておるのだ。さっきから全然動かんでは無いか、いつもの様に早く倒してしまわぬか。


ああ、俺は何をしている。自分は、こんな所にいられる身分など無いのだ早く家に帰りたい。

そうだ、あいつに謝って許してもらおう。

「ま、参りました。私の負けです」

「バカな!バーパス何を言っておるのだ!」


「そこまで、バーパスの宣言により、アキ殿の勝ちとする」

『ハッカーそのスキル欲しい。エル○スのラ○のビット攻撃見たいでかっこいい』

「OK、だが厨二病だな』

見に来た、家臣や貴族達がざわついている。


「皆、静かにせい!」

「陛下、この様な試合など認められませぬ」

「言うな、ザディール。どうであれアキの勝ちである。アキ、願いを申してみよ」


「感謝致します陛下。私はダンジョンを制覇した事で、顔と名前が売れてしまいました」

「うむ、それで?」

「それゆえ、宝物を狙ってどこで在ろうと襲われるので、仕方なく戦うのですが、そのせいで建物など壊しても、この国では大目に見て欲しいのです」

「はあ?」

「ぷっ」
「くくっ」
「クスクス」

「ブハハ、陛下、よろしいのでは?」

「ダグラス将軍か、そうだな、良かろう。この国においてアキが襲われた事によって生じた損害は、全て国王ロジンが責任を持つ事とする」


その夜国王は、俺の為に盛大な晩餐会を開いてくれた。

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