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3 加入したけど何か?
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「…いや、冗談でしょう?」
「そんな訳ないですよ。貴方の実力は本物です。」
「けどこんな環境でどうやって入れってんだ?街も無きゃ家も無え。」
「大丈夫です。既に支部には連絡してあり無償で住居、学校の手配等全てしてあります。ご安心くださいませ。」
「「作業早いな!つか俺らに了解を得ろよ!!!」」
そんなやり取りをしながら彼の言うところについていった。後々気づいたのが、ここは支部の寮だったようだ。
夜が明け学校へ向かい事情を説明した。
皆驚いていた。しかしながらも頑張れよと声を掛けてもらったり悲しくなるなと言い合った。
放課後、僕と父さんは彼の車に乗り支部に向かった。
「そう言えば貴方の名は?」
父さんが運転席の後ろ側に手を置き、
「私は東條タイガです。」
と返していた。若い青年は窓で反射されて顔が見え、その顔につく眼はおどけず、怖がっておらず、しっかりとした眼をしていた。
支部に着いた。彼は車を降りると出迎えた隊員達が敬礼していた。ざっと20人前後。2人で「うおっ」と驚愕していた。
「まぁ、自分もそこそこくらいが高くてね。」
笑いながら基地の中へ入って行き、僕らもついていった。
廊下を歩いている際、チラと手の甲が見えた。北欧神話の紋章。しかもドラゴンの模様があった。
「失礼ながら聞きますが、貴方の能力とは?」
「私ですか?私はヨルムンガンドですよー」
笑いながら言ったが笑い事ではない。
ヨルムンガンド。「大地の杖」とも呼ばれる程の強力な龍。その強さには皆がふるえあがったそうだ。
何しろあのオーディンの子、トールですらヨルムンガンドに勝てなかったからだ。
実力は相当なものだ。
「今回は君にASGALSについての説明と、支部にいる高校生を紹介するよ。ちょうど君で6人だね。」
会長室に入ると髭を生やしたおじさんが座っていた。そして両方の壁に男女別で別れ、立っていた。
「私の名はフィリップ・メルテンス。ドイツ人とアメリカ人とのハーフと言っておこう。よろしく。」
僕はすかさず挨拶を交わした。そして握手も交わした。
「さて、説明しようか。」
ASGALSは具体的にどのような団体かを詳しく聞き、更に現在起きている無差別事件の調査等もしているんだとか。後はスケジュール等を聞いた。
「さてと、君が新しく入る高校生という事でざっと自己紹介をしてくれ。」
「大田謙信です。2年生です。よろしくお願いします。能力は…アヌビスと、天照大神です…。」
僕が発した能力に皆も少し驚いた目で、あの会長すら驚いた顔をしている。
「あちゃー…自分興奮しすぎて伝えるの忘れてました…はは」
「何やってんだ東條君よぉ~。しっかりしてくれよ。」
陽気に話す男子。僕よりも背が高い。
「俺は飛鳥。能力はガウェインだ。よろしくなっ!!」
肩をバンバンと叩かれる。円卓の騎士の1人…ガウェインか。
「僕は翔です。高良翔。能力はセトです。」
礼儀正しく礼をしてくれた。が、驚いたのはセト。エジプト九柱の神々の1人を所有している。どれだけレベルが高いんだ。
「しかし天照大神の能力を持つか…きみ凄いなぁ…」
会長も驚いた様子だ。そう言われると逆に照れてしまう。
「私は優香。能力はガンガーよ。よろしくね。」
インド神話まで来たか…。ガンジス川を神格化させた神…。強いぞこれは…。
「私は、愛菜!!能力はウェウェコヨトル!音楽大好き少女です!よろしくね!」
アメリカ大陸の神、ウェウェコヨトル。音楽を司る。
「わ…私は杏花です…。能力は…えと…イガルクです…。よろしくお願いします。」
恥ずかしながら礼をした。彼女の能力は月の神、イガルク。アメリカ大陸のイヌイットの神話に登場…だった筈だ。
凄い面子だ。僕はこの中で過ごしていくのか…。緊張してきた。
「支部ながら言わせてもらおう。ようこそASGALSへ!!君を歓迎する!!」
その他の隊員の中から、そして僕の仲間達から拍手が起きた。嬉しいものだ。僕はもしかしたら強くなれるのかもしれない。いや、なってみせる。強い仲間がいるんだ。頑張らないと。
「いい顔しているな…」
「ま、とりあえず実力さえしれたら良いよ。」
男子2人が話していたのを聞き取った。そう。新人だからと舐められている。だから強くならなくてはならない。
アヌビス、天照大神の能力を持ったんだ。無駄使いなどできやしない。
「もう一つ言えば三重県は全国のトップクラスの強さだよ。影が薄い県だから嬉しいねぇ…」
会長がそう言ったが更に頑張らなければならなくなった。基本ASGALSに選ばれる高校生は異常な強さなのだ。光栄だがプレッシャーがキツい。
「…とりあえず君の実力が見たい。誰かと手合わせ願えるがいいかな?」
「わ…わかりました!」
特殊な部屋に移動した。一歩一歩廊下を踏んで行く。新たなる緊張と不安で一杯だ。
部屋についた。物凄く大きい。しかも広い。
「ちょっとやそっとじゃ壊れないから安心してね。」
東條が口を添えた。
「じゃ、誰からがいいかな?」
会長が当たりを見渡すと「はい」と手が上がる。
「私が最初でいいでしょうか?」
優香だ。
「僕は大丈夫です。」
「なら、位置についてもらおうか。」
位置についた。そして会長の合図と共に能力を発動する。
やる気がみなぎってきた。
彼女も発動させ、バトルが始まった。
僕は炎で作った剣で振り抜いた。
「そんな訳ないですよ。貴方の実力は本物です。」
「けどこんな環境でどうやって入れってんだ?街も無きゃ家も無え。」
「大丈夫です。既に支部には連絡してあり無償で住居、学校の手配等全てしてあります。ご安心くださいませ。」
「「作業早いな!つか俺らに了解を得ろよ!!!」」
そんなやり取りをしながら彼の言うところについていった。後々気づいたのが、ここは支部の寮だったようだ。
夜が明け学校へ向かい事情を説明した。
皆驚いていた。しかしながらも頑張れよと声を掛けてもらったり悲しくなるなと言い合った。
放課後、僕と父さんは彼の車に乗り支部に向かった。
「そう言えば貴方の名は?」
父さんが運転席の後ろ側に手を置き、
「私は東條タイガです。」
と返していた。若い青年は窓で反射されて顔が見え、その顔につく眼はおどけず、怖がっておらず、しっかりとした眼をしていた。
支部に着いた。彼は車を降りると出迎えた隊員達が敬礼していた。ざっと20人前後。2人で「うおっ」と驚愕していた。
「まぁ、自分もそこそこくらいが高くてね。」
笑いながら基地の中へ入って行き、僕らもついていった。
廊下を歩いている際、チラと手の甲が見えた。北欧神話の紋章。しかもドラゴンの模様があった。
「失礼ながら聞きますが、貴方の能力とは?」
「私ですか?私はヨルムンガンドですよー」
笑いながら言ったが笑い事ではない。
ヨルムンガンド。「大地の杖」とも呼ばれる程の強力な龍。その強さには皆がふるえあがったそうだ。
何しろあのオーディンの子、トールですらヨルムンガンドに勝てなかったからだ。
実力は相当なものだ。
「今回は君にASGALSについての説明と、支部にいる高校生を紹介するよ。ちょうど君で6人だね。」
会長室に入ると髭を生やしたおじさんが座っていた。そして両方の壁に男女別で別れ、立っていた。
「私の名はフィリップ・メルテンス。ドイツ人とアメリカ人とのハーフと言っておこう。よろしく。」
僕はすかさず挨拶を交わした。そして握手も交わした。
「さて、説明しようか。」
ASGALSは具体的にどのような団体かを詳しく聞き、更に現在起きている無差別事件の調査等もしているんだとか。後はスケジュール等を聞いた。
「さてと、君が新しく入る高校生という事でざっと自己紹介をしてくれ。」
「大田謙信です。2年生です。よろしくお願いします。能力は…アヌビスと、天照大神です…。」
僕が発した能力に皆も少し驚いた目で、あの会長すら驚いた顔をしている。
「あちゃー…自分興奮しすぎて伝えるの忘れてました…はは」
「何やってんだ東條君よぉ~。しっかりしてくれよ。」
陽気に話す男子。僕よりも背が高い。
「俺は飛鳥。能力はガウェインだ。よろしくなっ!!」
肩をバンバンと叩かれる。円卓の騎士の1人…ガウェインか。
「僕は翔です。高良翔。能力はセトです。」
礼儀正しく礼をしてくれた。が、驚いたのはセト。エジプト九柱の神々の1人を所有している。どれだけレベルが高いんだ。
「しかし天照大神の能力を持つか…きみ凄いなぁ…」
会長も驚いた様子だ。そう言われると逆に照れてしまう。
「私は優香。能力はガンガーよ。よろしくね。」
インド神話まで来たか…。ガンジス川を神格化させた神…。強いぞこれは…。
「私は、愛菜!!能力はウェウェコヨトル!音楽大好き少女です!よろしくね!」
アメリカ大陸の神、ウェウェコヨトル。音楽を司る。
「わ…私は杏花です…。能力は…えと…イガルクです…。よろしくお願いします。」
恥ずかしながら礼をした。彼女の能力は月の神、イガルク。アメリカ大陸のイヌイットの神話に登場…だった筈だ。
凄い面子だ。僕はこの中で過ごしていくのか…。緊張してきた。
「支部ながら言わせてもらおう。ようこそASGALSへ!!君を歓迎する!!」
その他の隊員の中から、そして僕の仲間達から拍手が起きた。嬉しいものだ。僕はもしかしたら強くなれるのかもしれない。いや、なってみせる。強い仲間がいるんだ。頑張らないと。
「いい顔しているな…」
「ま、とりあえず実力さえしれたら良いよ。」
男子2人が話していたのを聞き取った。そう。新人だからと舐められている。だから強くならなくてはならない。
アヌビス、天照大神の能力を持ったんだ。無駄使いなどできやしない。
「もう一つ言えば三重県は全国のトップクラスの強さだよ。影が薄い県だから嬉しいねぇ…」
会長がそう言ったが更に頑張らなければならなくなった。基本ASGALSに選ばれる高校生は異常な強さなのだ。光栄だがプレッシャーがキツい。
「…とりあえず君の実力が見たい。誰かと手合わせ願えるがいいかな?」
「わ…わかりました!」
特殊な部屋に移動した。一歩一歩廊下を踏んで行く。新たなる緊張と不安で一杯だ。
部屋についた。物凄く大きい。しかも広い。
「ちょっとやそっとじゃ壊れないから安心してね。」
東條が口を添えた。
「じゃ、誰からがいいかな?」
会長が当たりを見渡すと「はい」と手が上がる。
「私が最初でいいでしょうか?」
優香だ。
「僕は大丈夫です。」
「なら、位置についてもらおうか。」
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彼女も発動させ、バトルが始まった。
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