LUF〜Connect Legend〜

ふずきまる

文字の大きさ
11 / 55

11 まさか…ね

しおりを挟む
「全員いるな。それでは東條。後は任せる。」
会長のいつもにました厳しい声で会議をスタートさせる。
「わかりました。…えー、まずは偵察班のお2人、本当に感謝しかありません。ありがとうございます。
今から緊急会議を始めます。更にこの会議にはWAAの幹部の方にもお越しいただいております。ありがとうございます。」
隊員全員起立し会長の隣にいる幹部に頭を下げる。
「それではこの写真をご覧ください。」

部屋が真っ暗になり、プロジェクターから映し出された写真を見る。グループトークのやつと一緒だ。
「以前太田隊員からの報告にありました、フィーナ・ガルシア・デモトラントとその横にいる大柄な男性。まず人間でないことが明らかです。」
写真を拡大する。
「この容姿を見れば一目瞭然です。私達は断定することはできませんが、彼はそれなりに高いくらいの存在であると考えています。」
「そしてこのワープホールを開けている。人間でルフを使わずワープホールを開けるなど無理です。行き先はわかりせんが、憶測でパラレルワールド。異世界に行ったのではないかと考えています。」
僕らは真剣に聞く。
「私達はこの情報をJAAとWAAに提出すると共にこのワープホールの行き先を解読する義務があります。
更に厳重警戒をしなければなりません。皆警戒しておいてください。」
幹部2人がスタンディングオベーションをする。
英語でわからなかったが「素晴らしい」的なことを言ってるんだと思う。
そして帰っていった。
会長が言う。
「とにかく、私達はこの世界の平和を守る事が第一だ。そのことを忘れるな
!!」
「はいっ!!」
皆そう返事し会議室を後にした。
「や…ヤベェことになってきたなぁ。」
「いろいろ意識しなければならない事が増えたね。ジャスル、タルタロス…大変だ。」
「まぁ頑張ってこうや。」
男子3人で話しながら寮へ戻った。
まだ夕方の5時。夕日が綺麗である。
見惚れていたため暇つぶしに散歩でもするか。
僕はラフな格好になり基地を後にしブラブラと散歩しに行った。

僕は海に来た。お気に入りの場所になった。僕は砂浜に来て立ってただひたすらボーっと海を眺めていた。

「あら、余韻に浸ってるところごめんね。」
「ここ最近絡み過ぎじゃないか?」
「いいじゃない。減るもんじゃないし。」
「好きなのか?」
「あり得ないわ。」
隣にこちらもラフな格好で来た優香がいた。
2人きりなんぞ一回しかなかったがよくよく見るといいスタイルしているなと思う。
俗に言うボンキュッボンだっけ?それだ。ポニーテールもまた良かったりする。
「大変なことになったなぁ。」
「ほんと。一昔前まではありえなかったな。」
「まぁいい。俺らはしっかり任務をこなすだけだからな。」
「そうね。」
2人で夕日を眺めていた。

その次の瞬間だった。
ズドン!!!
大きな爆発音がきこる。
「おいおい、まさか…!」
「行くしかない!」
「この格好でかよ!?」
「戻るより直で行った方がいい!」
煙を上げてるのは街の方。走って行っても間に合う距離だ。
僕らは自身強化魔法をかけ急いで街へ向かう。とにかく早く処理しないと被害が大きく出る!!それしか考えていなかった。
つけばすでに大きく荒らされている。建物も壊れ、火事が起き、人々は逃げ惑う姿が見える。
「おいおい…。」
絶句した。絶句する以外の理由がない。
「ひゃっはぁぁぁぁ!!楽しいねベイベェェァ!!」
楽しみながら破壊するタルタロスに所属する人物であろう人物が奇声をあげる。

「アマテラス!!」
「ガンガー!!」

2人で声が合わさり能力を発動させ一気に畳み掛ける。
「んぅ?邪魔だぁぁ!!!!」
彼は手を一振りすると衝撃波を起こした。僕らは防ぎきれず吹き飛んでしまう。
「くそっ…。お前は誰だ!?」
声を上げる。
「俺?俺はヴェルガネオス。タルタロス7本柱の1つさ!!」
7本柱!?幹部という事か!?
「とりあえず死ねぇぇ!!」
彼は闇の波動砲を撃ってくる。速度も申し分ないほど早い。
「っ…!!早い!!」
僕は片手で受け流し弾いた。
「特訓の成果ってやつをよ…。」
僕は手を上に掲げると火の玉が3つ現れる。
「コウエンノタマ第一式!!『コウエンガーディアン』!!」
僕は大きなシールドを精錬する。
コウエンノタマとは僕が名付けた。「光炎ノ玉」をカタカナに直しただけさ。現在第三式まである。
「意味ねぇよははは!」
彼はもう一度撃ってくるがシールドが跳ね返し即座に彼の元へと帰って行く。
「んんぅ!?」
彼はまともにくらった。が、少しよろめく程度だ。
「私も参加する。」
優香がとなりに来ると魔法陣が地面に現れる。すると水で作った巨大な手が彼を掴む。
「!?人間のくせに….!」
彼はジタバタするが壊れようとしない。
「ブレイク。」
指パッチンすると爆発する。彼は空高く舞い、地面に落ちる。
あれ?7本柱にしては弱いな…。なんて思った。
「…。はぁあ!!」
いきなり空高く上がると、闇の大きな球を彼は僕に投げつけてきた。
「いきなり…だなっ…。」
まだコウエンガーディアンの効果が切れておらず防ぐが威力が高いため段々とヒビが入る。
「くっ…おぉお…。」
必死に防ぐが押されていき、ついには破壊され僕は食うことになる。
僕は思いっきり後ろへ吹っ飛んで行く。
「謙信!!」
彼女が近づいてきた。
「大丈夫!?」
「んなんてことねぇよ…んんっ!?」
左手首に痛みが走る。どうやら捻挫したみたいだ。
僕は回復魔法を当てる。
「させねぇよぉ!!」
衝撃波を撃って来るが彼女は完全にカット。
そして次の瞬間、一気に詰め寄り攻撃を開始する。
早く、細かく、威力が高く。とにかく相手を追い詰めて行く。
「んん…やるな人間…。」
少し押され気味で焦る彼。僕はなんとなく、彼女が強い理由がをわかったような気がした。
そして彼女は勝ち彼は吹き飛んだ。
「くそ…。次に潰してやる…。」
屈辱だったのかなんと途中でやめ、ワープホールの中へ帰って行った。
「…なんだったんだ?」
「さぁ?それより大丈夫?怪我。」
「別に。冷やせばなんとかなる。」
「そう。しかしあっけない終わり方。もう少しやりたかったのに…。」
「まぁまぁ…。とりあえず報告するか。何故か、来なかったし。」
「えぇ、そうしましょ。」
僕らは報告に必須となる写真を撮り記録していた。
すると奇妙な物を見つける。光り輝く石みたいなもの。ものすごく綺麗だ。
「優香さん、少し見てくれるか?」
僕は投げて渡す。
「呼び捨てにして。…何これ。」
「さぁ?わからない。」
自ら発光する石なんぞ聞いたことがない。
「まぁいいわ。」
彼女がポケットにしまおうとした瞬間、眩い光を発する。

「おいおいなんだよこれは!?」
「わからないわよ!!」
光のせいで目がチカチカし僕らは目を閉じた。2人とも焦る。当たり前だ。
目を閉じているか目の前が真っ暗になる。
僕らはしばらくその状態だった。








目が覚めるとのどかな場所にいた。
野原だ。野原のど真ん中にいた。
辺りには建物すらない。
「…ここはどこだ。おい、優香、起きろ!!」
僕は優香を揺さぶった。
「んん…。え、どこ…。」
優香もパチクリ目が覚めた様子。
本当に何処なんだ。僕らは見渡すが日本ではないことは確かだろう。中々こんな野原な所はないから。
すると手をふらながらこちらへやって来る女性がいた。
「…やっとついたぁ…。」
彼女は溜息をつく。
「貴女は…。」
「私?私はユグドラシル!!」
「「はぁ!?」」
2人で突っ込んだ。だってあのユグドラシルだよ?世界樹のユグドラシルだよ?
「…で、ここはどこ?」
「あぁ。ここ?あんたらで言う異世界。あ、大丈夫!あんたらがあんたらの世界が戻るまであんたらの世界の時止めてあるから!!」
めっちゃにこやかに話される。けど冷静に考えろ。
「てことは…異世界へ転生してきたってこと?」
「そう!!発光する石なかった?あれワープストーンって言って、多分タルタロスが意図的に落としたんだろうね。」
「「はぁぁぁあ!?」」
2人で声が揃う。
「人間が1人でも異世界に転生すると人間界の時は止まる。だからここでどれだけ長くいてもあっち戻れば転生前の時間のままってこと。」
「へ、へぇ…。」
優香がしぶしぶ頷く。
「人間界?に戻る方法は?」
「今の状態だと無理!!」
「えぇ…。」
「この世界には7つの「カケラ」があるからそれを集める。まぁ当てずっぽうに探しても無理だけど。」
「はぁ…。」
「来てしまったか…。異世界。」
「やるしかないそうね…。」

どうやら僕らは異世界に転生したそうです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...