LUF〜Connect Legend〜

ふずきまる

文字の大きさ
10 / 55

10 双方の動き

しおりを挟む
学校生活にも慣れてきて、皆に混じり仲良くできているこの頃。
タルタロスの突然の襲撃もなく一時は忘れてしまいそうで怖くなる。
だけど忘れてはならない。いつ、どこで何が起こるかわからないからだ。
フィーナと会いタルタロスが身近にあり怖く感じる。
今日は雲一つない晴天。
まぁこんなこと言ってたらフラグを回収してしまいそうで怖い。
「次体育だろ。早く行こうぜ。」
クラスメートに急かされて僕は体育館へと向かった。





人間界に久々に来たが、やはりいつ見ても欲望にまみれている。このままにさせたくはない。
一刻も早く新世界を作り上げなければならない。
「調子はどうですか。タルタロス様。」
「調子は良いが人間界にいると身体中が痒くなる。早く消したいものだ。人間界のお前を言うのもあれだがな。フィーナよ。」
「いえ。私はタルタロス様に忠誠を誓いましたから。」
「結構な事だ。」
学校とやらの屋上に着地し辺りを見渡す。
景色はいい。ただ欲望の匂いがする。嗅げばやはり気持ち悪くなってくる。
今すぐにでも破壊したい。ただ一気に騒がれたくはないのでジワジワと破壊していく。それがどれだけ最高な事か。そして人間どもの悲鳴を聴く。最高な事だ。
「さて。今から実行しますか?」
「んむ…。ほほう。ここにはアスガルズに所属しているのが多いな。これは暴れ回さなければ。」
「…アマテラスを保持する者までいます。ガンガー、セト…」
「下手に手を出したらキツイな。まぁいい。わしが上なのだから。」
「仰せのままに。」
フィーナが立ちながら言う。人間とは言え、ケルベロスを持ち全体的なステータスは高い。
だからこそわしは重視している。
「…またにしておこう。いきなり潰すのも面白くない。」
ジリジリと照りつける太陽が嫌になる。
わしら二人はワープホールを作り、地獄へと戻った。

神々が揃うか。ちと面白くなりそうだ。
心の底でそう思った。


「暑いな…。よくいられるな謙信は。」
「そうかい?まぁ暑いのには変わりないけど。」
僕らは授業をこなしながら雑談していた。
体育館だから蒸し暑い。内容は器械体操。あまり好きではないのだが避けられぬ道だからやるだけはやる。
休憩していると翔が話しかけて来た。
「サボりかい。」
「ちげぇわ。」
「まぁいいや。昼休み少し来てくれ。」
「?まぁいいけど。」
丁度四時間目と言うこともあり皆の腹が鳴るのが聞こえる。仕方ないことだけど。
そしてチャイムがなればゾロゾロと体育館を出てくいく。
僕らも出て教室に行けば先に終わっていた女子や先に戻った男子達が雑談をしていた。
丁度昼時。僕は弁当を出した。市松模様柄の風呂敷広げれば、朝父さんが作ってくれ、僕に届けてくれた。中身はミニコロッケやごはん、野菜炒めなどが入っており個人的に好きなメニューばかりだ。
普段は翔と食べているがいなかったため一人で食べることに。
すると声をかけられた。
優香の姿があった。
「そこいいかしら。」
「いいけど…。異性だとまずいんじゃ。」
「どうでもいい。」
椅子を持ってきて座る優香。
やはり人気なのか少し周りの目線が痛い。まぁ異性だからね。仕方ないよ。
雑談の声がまじりザワザワとしているが中には「あの優香さんがじみっぽいやつと飯とか…。」みたいな声が聞こえてくる。俺だって好き好んでやってるわけないだろう。心の中で突っ込んだ。
「これ見て。」
彼女は携帯のトークアプリを開けアスガルズのトークを開け送られた写真を見せた。
学校の屋上にフィーナと…明らかに人間ではない生命体と一緒にいた。
黒いマントに、黒い大きな鎧、水色の肌の顔、角、白髪の髪。
たしかに違う。
「偵察班が撮ってくれたの。恐らくタルタロスの一員であるのは確か。
フィーナだっけ。彼女も一緒。」
「それが言ってた写真かい。」
「翔。居たのか。」
「まぁな。…会議だろうね。絶対。」
僕らの中でピリピリとした雰囲気となる。
流石にこれはマズい。そう思った。
残りの授業は何をしたか覚えてない。
何しろ頭がタルタロスの事、そして今後の事にしか頭になかったからね。
僕らは帰りすぐさま着替え会長室へ。
もう既にピリピリした雰囲気が味わえる。
僕らも緊張しながら席に着いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...