LUF〜Connect Legend〜

ふずきまる

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第2章

18 その隣は

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「…つまり、あなたが魔力を念じるとそう言った鎧みたいなのができるわけね。」
「はい…。」
彼女はソファーにどっしりと構えて座って言う。
僕は反省として正座して座り僕の右頬は立派に腫れており痛い。
不可抗力とは言え…。ひどいよ。
「面白そうね。人間界に戻っても使えるのかしら?」
「それはわからない。もしかしたらここだけの話なのかも。」
「そうね。そう言うことにしましょ。」
そして僕らは夕食を済ませて深い眠りについたのだ。





私は彼らを偵察するためにこの世界に来た。そして住居も確保した。
これで万全。
ただお金がない。から今は何も買えない。幸い冷蔵庫の中に野菜が入っているのに助かった。このマンションの大家は気がいい人なのだろう。
私は朝早く起きて瞑想するのが日課。精神統一させ、一本の軸のようになって集中する。それさえ済めば今日も頑張ろうと言う気になる。
ここはどうやらフィンデバーテと言う街らしく大きく発展しいる。
ヨーロッパ。ヨーロッパのよう。私が住んでいた故郷に似ている。
暇つぶしに散歩でもしよう。私はゆっくりとドアを開けた。

「っえ…?」
驚愕し唖然。混乱状態に陥った私はもう一度ドアを閉めてもう一度開ける。

間違いない。謙信だ。

「ふ…フィーナが何故ここに…。」
彼も驚愕している。当たり前だ。お互い敵同士、しかも私が彼らを偵察するために強引に来たなんて言えない。
彼は物凄く警戒している。私のタルタロスでの位、存在がどれほど大きいか理解しているのだから。
「安心しなさい。こんな所で暴れたりしないわよ。」
「ならなんでここにいるんだ?」
口調が厳しめになる。私は冷静になる。
「迷い込んだ…。そんな言い方はだめ?」
「タルタロスも異世界なのにか。」
何故それを知っている?いや、そういえば以前彼の学校に来た時に何者かからの視線を感じた…。そう言うことか。
「異空間あるでしょう?移動する際主様と別れてしまって。」
「…」
怪しい目で見てくる。
「まぁいい…。縁があるのかどうかは知らないけれど部屋が隣なんだ。仲良くしようぜ。」
めんどくさそうに彼は頭をかく。
個人的にはありがたい話だ。彼らの情報をたくさん得ることができるのだから。
私は1つお辞儀をするとドアを閉めてなかに入り朝食を食べる…。





「…本当にいいの?あのタルタロスよ?」
「仕方ないだろう…。」
彼女が小さな声で言う。口調が厳しめなのがよくわかる。
結局ギルドでも再開。さらにパーティーを組んでると勘違いされランクEのクエストで一緒になった。フィーナはわざと遅れるように後ろを歩く。
緊迫した状況が続く。
目指すはローガンジャングルの奥地にあるスライムの集団を破滅する事。
ここ最近スライムが町で暴れて飛び散る成分により野菜などが腐る被害が相次いでいる。
本来ならパーティーは三人以上のクエスト。フィーナとたまたまあい合わせたため勘違いされたのだ。
「…」
話題を作ろうとしてもいまいち思いつかない。
その時だった。
「グェァァアッ!!!」
フィーナの真後ろで魔物がフィーナに襲いかかる。
「っ…。」
彼女は一瞬戸惑っている。僕は瞬時に魔法を展開。すぐさま魔物を炎により吹き飛ばした。
「…何その手首は。」
彼女が厳しい目線を送る。
「その前に何か言うことはないの?」
「…感謝する。」
彼女らしい答えが返ってくる。
「まぁ魔法が強化されたらこうなった。以上。」
僕は魔法を解いて奥地へと進む。
そして目的地に着くと。やはり沢山のスライムがいる。
最高クラスのキングスライムから最低クラスのスライムウォーまで幅広くざっと300体。
「うわぁ。結構いるね。」
「早く片付けましょう。」
「…」
するとフィーナが前に出る。
「大丈夫なのか?」
「私を舐めてるの?これでもタルタロスの幹部。舐めないで頂戴。」
彼女の腕が赤黒く染まる。自分はその色を見て少し身震いする。
彼女は指を立て、腕を一振りする。
するとどうだ。空中で炎の刃三本できてキングスライムを八つ裂きにする。
僕は瞬時にこれまでの威力を出せる技に唖然した。

「とどめと行きましょう。」

魔法陣が展開され地面から炎が突き出る。高威力で残りのキングスライムの成分を絶つ。
そして残りのスライムが怒り狂ったかのように襲いかかってくる。
僕は彼女の隣に移動する。
「弱いガキは嫌いよ。」
「一人でやるよりかはマシだろ。」
僕も魔法陣を展開して、炎の波動砲でスライムを倒していく。
彼女もキングスライムを倒した方法で八つ裂きにしていく。
処理するにはそこまで時間はかからずすぐに終えることができた。
「…ふぅ。戻りますか。」
移動用の魔法陣が現れたので乗り、ギルドに戻った。

クエスト達成の報告をした後は報酬を貰い別々に別れた。
相変わらず全く崩さない表情に僕は彼女の背中が頼もしく見えた。
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