26 / 43
孤児院に寄付していたら、変な奴らに絡まれました。
しおりを挟む
ダンジョンでドロップしたアイテム類を買い取ってもらったリョータ達は、受付嬢に帝都にある孤児院の場所を教えてもらった。
孤児院は教会と併設してあるそうで、東区にある帝城や貴族街を除く、西区、南区、北区にそれぞれ一つずつあるそうだ。
しかし、一つだけ注意された。「北区のスラム街には絶対に近付いたらいけませんよ」と。
帝都にもスラム街は存在しているようだ。
その受付嬢に頷いて、次に商業ギルドに向かった。
「ようこそ、商業ギルド帝都本部へ。今日はどのようなご用件でしょうか」
「あ~…ここって、両替ってしてもらえますかね?」
「両替。はい。承っております。但し、両替額が金貨十枚を超える場合には手数料として銀貨一枚をお支払いいただきますが宜しいでしょうか」
「はい。勿論です。では、取り敢えず白金貨六枚を金貨六百枚に両替してください」
「き、金貨六百枚ですか!?えっと…それ程の高額両替ですと…ミュン、金貨はどれくらいあったっけ?」
「金貨ですか?そうですね…え~と…五千枚くらいですね」
「そう。有り難う。じゃあ、六百枚持って来て。お客様。お待たせ致しました。それでは手数料として大銀貨六枚のお支払いをお願い致します」
リョータは白金貨六枚と大銀貨六枚をカウンターにある皿に置いた。
「確かに白金貨ですね。こちらが金貨六百枚になります。ご確認ください」
皿の上に金貨六百枚が置かれた。
一々数えなくても見れば分かるので、三百枚ずつ布袋に入れて、商業ギルドを出る。
「さて。まずは西区からいきますか」
西区にある孤児院兼教会には、かなりの数の子供達がいた。
子供の一人に司祭様に取り次いでくれるように頼んだら、年若いシスターが出てきた。
「ようこそ。西区の教会へ。司祭様に面会をご要望との事ですが、どのようなご用件でしょうか?」
「あ~…司祭様はご不在で?」
「はい。今日は帝都教会会議のためにお出掛けですので、私、チェシュアがご用件をお伺いします」
「そうですか。実は寄付の件で「寄付ですか!?」あ~、はい」
寄付と聞いたシスター・チェシュアの顔が輝いている。
「あの!本当に寄付していただけるのでしょうか!?」
「はい。そのつもりです」
「ああ!貴方様方に神のご加護がありますように!!」
小さな声で「神は我々を見捨てなかった」と呟くのが聞こえた。
「あの~。取り敢えず、中に入っても宜しいですか?」
「あ!これは大変な失礼を致しました。ささ。中へどうぞ!!」
教会の中は老朽化している箇所がそこそこ見受けられた。
通されたのは祭壇の前ではなくて、応接室だった。
出された紅茶を飲んでまっていたら、シスター・チェシュアと一緒に年嵩のシスターが入ってきた。
「お待たせ致しました。私はシスター長のマチルダと申します」
「これはご丁寧に。俺、あ、いや、私は冒険者のリョータと申します」
「リョータ様ですね。この度は当教会に寄付していただけると伺いましたが」
「はい。ダンジョンに挑んで手に入れたのですが、私には使いきれない額でしたので、死蔵するくらいならと思い、今回寄付させていただきたいと」
「そうでしたか。有り難うございます」
「寄付金の額は、金貨三百枚です」
「「………キンカサンビャクマイ…?」」
シスター・マチルダとチェシュアは何を言われたのか分からないという顔をしている。
リョータがテーブルの上に大きめの革袋をドンと置くと、二人のシスターがハッとした顔で、革袋を見る。
「中に金貨三百枚が入っています」
恐る恐る中身を見たシスター・マチルダがゴクリと唾を呑み込み、震える声で
「本当に、この様な大金を…?」
「はい。一律金貨三百枚です」
シスター・チェシュアが「一律」という言葉に反応した。
「一律、とは?」
「はい。ここ、西区だけではなく、南区と北区にある教会にも同じ額の寄付をさせていただきますから」
「三カ所全部に金貨三百枚、ですか!?」
「はい。そうじゃないと、不公平でしょう?」
シスター・マチルダとチェシュアが椅子から立って、床に膝を突いて祈り出した。
「「高潔にして慈悲の心厚きこの御方に神のご加護がありますように」」
それに対して、リョータも返礼した。
「神の慈悲は皆に等しく、区別無く。この世の全てに慈悲賜らん事を乞い願う」
シスター・マチルダとチェシュアは、最近では滅多に聞かない正しい返礼の言葉に驚くも、それはそれは嬉しそうな顔を見せた。
「そうだ。これは少しですが、ブレードラビットのお肉です。今夜の夕食の足しにでもして下さい」
腰のポーチから紙に包まれた10kgはある肉の塊りを5個置くと、応接室なドアの隙間から中を覗いていた子供達の喜びの声が聞こえた。
ブレードラビットの肉はそれなりに高価な物だが、リョータは100kg近い量を収納スキルに入れているので、惜しげもなく出したのだ。
シスター・マチルダとチェシュアは何度も頭を下げてお礼を言った。
一緒に夕食を、というお誘いをじたいして、残りの教会兼孤児院に寄付しに向かっていたら、10人くらいの妙な奴らに後をつけられているのに気付いた。
「『皆んな気が付いてるな?』」
『当たり前じゃ』
『気付いてはいますが、これは…敵意と呼んでも良いものなのでしょうか?』
『確かに。敵意ではないようですわ』
『悪い子達じゃないみたいなの』
『どうするの?』
『主人殿。蹴散らしましょうか』
「『ん~…取り敢えず話しをしてみようかな。それでダメだったら、衛兵隊に突き出せば良いだけの事だからね』というわけで、お兄さん方。何のご用ですか?」
突然振り向いたリョータ達にギョッとした男達だったが、平静と威勢を取り繕って、こう言った。
「有り金と食糧を寄越しな」
「大人しく差し出せば良し。さもないと痛い目に遭う事になるぜ」
薄汚くて見窄らしい服を着た男達は、ナイフを見せて脅してきた。
「「「「「「『お前ら正気か?』」」」」」」
孤児院は教会と併設してあるそうで、東区にある帝城や貴族街を除く、西区、南区、北区にそれぞれ一つずつあるそうだ。
しかし、一つだけ注意された。「北区のスラム街には絶対に近付いたらいけませんよ」と。
帝都にもスラム街は存在しているようだ。
その受付嬢に頷いて、次に商業ギルドに向かった。
「ようこそ、商業ギルド帝都本部へ。今日はどのようなご用件でしょうか」
「あ~…ここって、両替ってしてもらえますかね?」
「両替。はい。承っております。但し、両替額が金貨十枚を超える場合には手数料として銀貨一枚をお支払いいただきますが宜しいでしょうか」
「はい。勿論です。では、取り敢えず白金貨六枚を金貨六百枚に両替してください」
「き、金貨六百枚ですか!?えっと…それ程の高額両替ですと…ミュン、金貨はどれくらいあったっけ?」
「金貨ですか?そうですね…え~と…五千枚くらいですね」
「そう。有り難う。じゃあ、六百枚持って来て。お客様。お待たせ致しました。それでは手数料として大銀貨六枚のお支払いをお願い致します」
リョータは白金貨六枚と大銀貨六枚をカウンターにある皿に置いた。
「確かに白金貨ですね。こちらが金貨六百枚になります。ご確認ください」
皿の上に金貨六百枚が置かれた。
一々数えなくても見れば分かるので、三百枚ずつ布袋に入れて、商業ギルドを出る。
「さて。まずは西区からいきますか」
西区にある孤児院兼教会には、かなりの数の子供達がいた。
子供の一人に司祭様に取り次いでくれるように頼んだら、年若いシスターが出てきた。
「ようこそ。西区の教会へ。司祭様に面会をご要望との事ですが、どのようなご用件でしょうか?」
「あ~…司祭様はご不在で?」
「はい。今日は帝都教会会議のためにお出掛けですので、私、チェシュアがご用件をお伺いします」
「そうですか。実は寄付の件で「寄付ですか!?」あ~、はい」
寄付と聞いたシスター・チェシュアの顔が輝いている。
「あの!本当に寄付していただけるのでしょうか!?」
「はい。そのつもりです」
「ああ!貴方様方に神のご加護がありますように!!」
小さな声で「神は我々を見捨てなかった」と呟くのが聞こえた。
「あの~。取り敢えず、中に入っても宜しいですか?」
「あ!これは大変な失礼を致しました。ささ。中へどうぞ!!」
教会の中は老朽化している箇所がそこそこ見受けられた。
通されたのは祭壇の前ではなくて、応接室だった。
出された紅茶を飲んでまっていたら、シスター・チェシュアと一緒に年嵩のシスターが入ってきた。
「お待たせ致しました。私はシスター長のマチルダと申します」
「これはご丁寧に。俺、あ、いや、私は冒険者のリョータと申します」
「リョータ様ですね。この度は当教会に寄付していただけると伺いましたが」
「はい。ダンジョンに挑んで手に入れたのですが、私には使いきれない額でしたので、死蔵するくらいならと思い、今回寄付させていただきたいと」
「そうでしたか。有り難うございます」
「寄付金の額は、金貨三百枚です」
「「………キンカサンビャクマイ…?」」
シスター・マチルダとチェシュアは何を言われたのか分からないという顔をしている。
リョータがテーブルの上に大きめの革袋をドンと置くと、二人のシスターがハッとした顔で、革袋を見る。
「中に金貨三百枚が入っています」
恐る恐る中身を見たシスター・マチルダがゴクリと唾を呑み込み、震える声で
「本当に、この様な大金を…?」
「はい。一律金貨三百枚です」
シスター・チェシュアが「一律」という言葉に反応した。
「一律、とは?」
「はい。ここ、西区だけではなく、南区と北区にある教会にも同じ額の寄付をさせていただきますから」
「三カ所全部に金貨三百枚、ですか!?」
「はい。そうじゃないと、不公平でしょう?」
シスター・マチルダとチェシュアが椅子から立って、床に膝を突いて祈り出した。
「「高潔にして慈悲の心厚きこの御方に神のご加護がありますように」」
それに対して、リョータも返礼した。
「神の慈悲は皆に等しく、区別無く。この世の全てに慈悲賜らん事を乞い願う」
シスター・マチルダとチェシュアは、最近では滅多に聞かない正しい返礼の言葉に驚くも、それはそれは嬉しそうな顔を見せた。
「そうだ。これは少しですが、ブレードラビットのお肉です。今夜の夕食の足しにでもして下さい」
腰のポーチから紙に包まれた10kgはある肉の塊りを5個置くと、応接室なドアの隙間から中を覗いていた子供達の喜びの声が聞こえた。
ブレードラビットの肉はそれなりに高価な物だが、リョータは100kg近い量を収納スキルに入れているので、惜しげもなく出したのだ。
シスター・マチルダとチェシュアは何度も頭を下げてお礼を言った。
一緒に夕食を、というお誘いをじたいして、残りの教会兼孤児院に寄付しに向かっていたら、10人くらいの妙な奴らに後をつけられているのに気付いた。
「『皆んな気が付いてるな?』」
『当たり前じゃ』
『気付いてはいますが、これは…敵意と呼んでも良いものなのでしょうか?』
『確かに。敵意ではないようですわ』
『悪い子達じゃないみたいなの』
『どうするの?』
『主人殿。蹴散らしましょうか』
「『ん~…取り敢えず話しをしてみようかな。それでダメだったら、衛兵隊に突き出せば良いだけの事だからね』というわけで、お兄さん方。何のご用ですか?」
突然振り向いたリョータ達にギョッとした男達だったが、平静と威勢を取り繕って、こう言った。
「有り金と食糧を寄越しな」
「大人しく差し出せば良し。さもないと痛い目に遭う事になるぜ」
薄汚くて見窄らしい服を着た男達は、ナイフを見せて脅してきた。
「「「「「「『お前ら正気か?』」」」」」」
75
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。
霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半……
まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。
そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。
だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!!
しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。
ーーそれは《竜族語》
レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。
こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。
それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。
一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた……
これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。
※30話程で完結します。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
異世界おっさん一人飯
SILVER・BACK(アマゴリオ)
ファンタジー
サラリーマンのおっさんが事故に遭って異世界転生。
秀でた才能もチートもないが、出世欲もなく虚栄心もない。安全第一で冒険者として過ごし生き残る日々。
それは前世からの趣味である美味しいご飯を異世界でも食べ歩くためだった。
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる