恋人ごっこはおしまい

秋臣

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事後

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事後、なんとなく気まずくなる。
こうなることはわかっていたのに……
二人ともすぐには動けなくて、つけっぱなしになっているDVDをそのまま観ていた。

先生たちは甘い甘いムードの中、体位を変え何度も求め合っていた。
それを観て俺はすぐに回復したが、京佐の負担は大きかったようで、さすがにガツガツ求めることはできなかった。

先生たちは俺を諭す。
「無理をさせてはいけません。
体の負担はあなたが思うより大きいのです。相手を思いやれないのなら今すぐシャワーを浴びて服を着なさい。
それがマナーです」

それはどうかと思った。
さっさとシャワー浴びて服着たら、はい、やることやったからおしまいね、みたいに取られかねないんじゃないか?
そっちの方が思いやりに欠けてるんじゃないのか?

やはりカメラとマイクと何かしらの測定器がこの部屋についているんだと思う。
そんな俺の心の疑問に先生が答える。

「今あなたには彼がどう見えますか?
あなたの中で何か変わりましたか?
心に何かありますか?
何もなかったら今すぐ部屋を出て。
何かわからないけど何かがあると思ったら抱きしめてあげて。
きっと答えがわかる時が来るはずだから」

俺は裸のままで京佐を抱きしめた。
京佐は何も言わないが身を委ねている。

二人で最後までDVDを観た。
例のチャプター8『準備編』はなかなか衝撃的だった。
こんな準備の仕方があるのか……
一人でしても一緒にしてもいいみたい。
京佐、準備してくれたりするのかな。

京佐が準備?
俺はどうして次があると思っているんだ。
もう京佐はうんざりなのかもしれないのに。

DVDはここまでだった。

しばらく放心状態でいたが、京佐が我に返ったのか、
「明日1限からだから……」
という声に、京佐に真意を聞けないまま、俺はシャワーを借りて京佐の部屋を後にした。


家に帰って、今日のことを思い返す。
あの情景を思い出すと、腹の奥が疼く。
思い出すだけでムクムクと反応する。

やばい……
これから京佐とどうする?
今までどおり友達でいられるのか?
友達でいたい、あいつはいい奴で楽しくて、いつも一緒にいる大切な友達だ。

体の関係を持ってしまった。
いや、持ってしまったは違う気がする。
あの時は自然な流れだったと思う、思いたい。
無理矢理そうなったのではないと俺は思ってる。
でも、京佐はどうだ?
無理させなかったか?
雰囲気に流されて、ああなってしまっただけかもしれない。

それでも俺は京佐をかわいいと思った。
だから抱いたんだ。

それなら何が引っ掛かるんだ。
わかってる、それは明確に胸に突き刺さってる。
「好きだ」
と雰囲気に流されても言えなかった。

京佐のことは好きだ。
しかし、それは恋愛としてなのか?
友達としてだろ?
あの時の先生が囁いていた好きは明らかに愛情だった。
愛情はある、友達にだって愛情はあるよ。
友情だって愛情だろ?
でもそれは恋か?
違う気がするんだ、わからないけど恋とは違う気がして納得いかないんだ。
好きの種類が違う。
今はこれしか説明がつかない。
京佐はどう思ったんだろう。
あのDVDを一緒に見ていたから、あの言葉も聞いてたはず。
京佐はどう思った?
俺に言って欲しかった?
言わない俺をどう思った?
そんなことばかりを考えてしまう。

一生懸命考えてるんだ、それなのに、昨晩の京佐を思い出してはやばい気持ちになる俺はなんなんだ。

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