恋人ごっこはおしまい

秋臣

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反応

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ローションを手に取り、指に塗る。
窪みの周りにも塗り、解すように優しく触る。
前と違って柔らかさはあるようだ。
窪みが蟻地獄のように指を招く。
吸い込まれていく……

指を飲み込もうとする京佐の体は素直だが、京佐自身が拒絶を続ける。
「やだ……もうやめろ……」
やだってお前……体が嫌がってねえんだよ。
見ろよ、俺の指をどんどん飲み込んでいってるじゃねえか……

ほら、ここだよな?
コリッ
「んあっ!」
丸まった背中が仰け反る。

その反応を見たくて指をグッと押し込む。
「あっ……あっ!」
「やだ……あ……んんっ……」

これだよ……これが唆るんだ……
俺が京佐をこうさせてるかと思うとゾクゾクするほど昂る。
この適応力、お前そっちの素質あるんじゃね?
俺と一緒にもっと気持ちよくなろうぜ。

このままだと京佐がイってしまいそうなので、ゴムをつけるために指を抜く。
抜く時にも切なそうに、
「んん……」
と体を捩るのが堪らねえんだよ……

京佐を仰向けにさせる。

「やだ……」
ここまで来ても尚、そんなことを言う京佐に苛立つ。
お前、気持ちよくなってるだろ?
気持ちいいんだろ?
俺のことも気持ちよくさせてくれよ。
俺を欲しがれよ。

京佐のモノにゴムをつける。
抵抗するが押さえつけた。
少し胸がチクッと痛む。
そうだ、無理矢理は無しだ。
でも自分だけ気持ちいいのも無しだろ?
自分にもゴムをつける。

京佐の脚を広げる。
俺のモノを窪みに当てがう。
「あ……」
ずぶずぶと美味しそうに飲み込んでいく。

ああ……

俺はこれを求めていた。
あの日のあの疼きを、どうしようもない衝動を忘れられずにいた。

今、京佐と繋がって、その熱くて溶ける感覚にまたやられている。

全身を震わせ身悶える京佐。
中を擦る度に、口では、
「いやだ……やだ……」
と言っているが、腰が浮いてしまうほどよがっているのがわかる。

蕩け切った京佐の顔を見ているとすぐにでもイってしまいそうになる。
もっとしたい……こんなんじゃ足りない……

俺は京佐をうつ伏せに寝かせる。
あの背中が欲情を煽る。

後ろからゆっくり挿れる。
「あ……あっ……」
京佐がシーツを掴んで悶える。
肩が、背中が、その動きが俺を止まらなくさせる。

パン! パン!
後ろから奥へ突く。
無意識なのかお尻を突き上げ、俺の動きに応える。
もっとしてくれ……と言われてるようで、
腰が止まらない。

「んっあっ……うあっ……!」

京佐が果てる。

どんな顔してる?
京佐の顔が見たい。

「京佐」
「……禄郎……」

あれだけ拒絶していたのに京佐は俺を熱い目で見ている。
京佐がかわいい……
キスしたい……

「京佐……」
頭を撫でながらキスすると、抵抗せず応える。
チュッチュッとキスすると、熱い息が漏れてくる。
それを合図に舌を入れる。
舌を絡めるとそれにも応える。
一方通行ではない欲情がようやく絡み合う。

俺たちは夢中になって互いを貪る。
キスってこんなに気持ちよかったっけ?
キスだけでイけそうなくらい気持ちいい……
京佐が苦しそうに離れようとするが離すかよ。
俺に溺れろよ……

離れることを許さない俺の唇と舌がしつこいまでに京佐を求めて止まない。
逃げなくはなったが、苦しくて息をしようとする京佐が漏らす声がどんどん甘く切なくなる。

やばい……
声ってやばい……
俺、相当声に弱いみたいだ。
「禄郎……」
その声で呼ばれると自分の中のなにかが壊れるのがはっきりとわかる。

無自覚煽りに乗せられ、俺は再び京佐の中に入る。
キュウッと俺を締め付けてくる。
柔らかくて熱くてうねうねと纏わり付いてきて、あまりの気持ち良さにクラッと意識が飛びそうになる。
まだイきたくない、もっとしたい…

でも……無理だ……
また腰が止まらなくなる。
抗わない京佐の腰も揺れる。
ああ……やばいっ! イきそう……! もうダメ……無理っ!

中で果てて京佐に抱きつく。
したい……したい……したい……
京佐を抱きたい……溺れたい……

イったばかりなのにまたすぐに回復する。
頼む、まだ気が変わらないでくれ……
まだ俺を求めていてくれ……

ゴムを付け替え、京佐を求める。
京佐の腰を抱え今度は奥へ深く入る。
「ああっ!」
ビクン! と体が跳ね、腰を大きく反らせる。
奥、もっと奥に行きたい……
ググッ… …
「あ……やっ……あ……」
奥を突き刺したり、浅くしたり、その度にビクンビクンと体を震わせる。
京佐は何度もイった。
「やだ……もう……あ……」
これは拒絶ではない、気持ち良さに抗えない肯定だ。
「イけよ……イくの見たい……」
「や……ああ……!」
また腰を反らせ果てる。

反応良すぎるし、その反応の仕方が堪らねえんだよ……
京佐、お前、エロすぎる……
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