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無印フレンド
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翌朝、1限から講義がある京佐と2限からの俺は昨夜買っておいた菓子パンとコーヒーで朝食を済ませる。
京佐は寝汗かいたからとシャワーを浴びてから家を出る。
「お前も一緒に出ろよ」
「え、なんでよ。俺2限からだよ?」
「鍵かけるから出ろ」
「俺が出る時に鍵かけて学校で渡すよ」
「ダメ、出ろ」
なんでだよ……
そう思ってしまうけど、なんでもかんでも欲しがるな。
少し回復の兆しが見えただけだ、焦るな。
赤いハートのキーホルダーが付いた鍵が目に入る。
その赤いハートは何?
それが聞けない。
小さなキーホルダーが俺には地雷にすら見える。
「わかった」
「早く出て」
「はいはい」
京佐は学校へ向かう。
俺は一度家に帰ることにした。
家に帰って着替え、リュックを背負って家を出る。
焦るなよ、俺。
学校の最寄り駅に着くと依田が歩いてるのが見えた。
「依田」
「おう」
ふっ
京佐に聞いた話を思い出してしまう。
「ん?」
「依田、桃好きなんだって?」
「京佐に聞いたんだろ。
フルーツの中で一番好き」
「パフェ、そんなに美味かったのか?」
「極上! あれは至高だわ」
「そんなにかw」
「だって天疋屋だぞ」
「えっ!? 高いじゃん!」
「値段じゃねえんだよ、桃が美味けりゃそれでいいんだ」
「なんの格言だよw」
「桃の哲学」
「ウケる」
「依田」
「ん?」
「ありがとな」
「ん? なんかしたっけ?」
「いろいろ」
「んーなんだかわかんねえけどわかった」
「適当だなあw」
「よう!!」
誰かが後ろからタックルしてきた。
こんなことするの、奴しかいねえだろ。
ほら、曽川だ。
いつもどおりヘラヘラしてる。
そのいつもどおりに救われる。
二人は何も聞かない。
俺が報告しないとダメだよな。
「依田、曽川」
「ん?」
「なんすか?」
「……俺、やり方間違えた。だからやり直したい」
「うん」
「そっか」
二人が頷く。
「京佐を苦しめた報いは甘んじて受ける。その上で焦らずゆっくり、受け入れてもらえるように、まずは京佐が望んでるから友達に戻る」
「それは大丈夫じゃない?」
と依田がのんびりと言う。
「え?」
「禄郎が我慢できれば」
にやりと笑う。
くっ……
「そうだな、無印フレンドならいけるだろ」
曽川もいつものヘラヘラを増強させ、意味ありげににやにやしてる。
「無印フレンドw無フレw」
「手出せないように縛ってやろうか?w」
「緊縛無フレww」
二人で爆笑してる。
くそ……
「まあ、頑張れや」
「期待してるぞ」
「だからそれやめろっ!」
ギャハハハハハ!
依田、曽川、ありがとう。
さあ、もうすぐ夏休みだ。
京佐は寝汗かいたからとシャワーを浴びてから家を出る。
「お前も一緒に出ろよ」
「え、なんでよ。俺2限からだよ?」
「鍵かけるから出ろ」
「俺が出る時に鍵かけて学校で渡すよ」
「ダメ、出ろ」
なんでだよ……
そう思ってしまうけど、なんでもかんでも欲しがるな。
少し回復の兆しが見えただけだ、焦るな。
赤いハートのキーホルダーが付いた鍵が目に入る。
その赤いハートは何?
それが聞けない。
小さなキーホルダーが俺には地雷にすら見える。
「わかった」
「早く出て」
「はいはい」
京佐は学校へ向かう。
俺は一度家に帰ることにした。
家に帰って着替え、リュックを背負って家を出る。
焦るなよ、俺。
学校の最寄り駅に着くと依田が歩いてるのが見えた。
「依田」
「おう」
ふっ
京佐に聞いた話を思い出してしまう。
「ん?」
「依田、桃好きなんだって?」
「京佐に聞いたんだろ。
フルーツの中で一番好き」
「パフェ、そんなに美味かったのか?」
「極上! あれは至高だわ」
「そんなにかw」
「だって天疋屋だぞ」
「えっ!? 高いじゃん!」
「値段じゃねえんだよ、桃が美味けりゃそれでいいんだ」
「なんの格言だよw」
「桃の哲学」
「ウケる」
「依田」
「ん?」
「ありがとな」
「ん? なんかしたっけ?」
「いろいろ」
「んーなんだかわかんねえけどわかった」
「適当だなあw」
「よう!!」
誰かが後ろからタックルしてきた。
こんなことするの、奴しかいねえだろ。
ほら、曽川だ。
いつもどおりヘラヘラしてる。
そのいつもどおりに救われる。
二人は何も聞かない。
俺が報告しないとダメだよな。
「依田、曽川」
「ん?」
「なんすか?」
「……俺、やり方間違えた。だからやり直したい」
「うん」
「そっか」
二人が頷く。
「京佐を苦しめた報いは甘んじて受ける。その上で焦らずゆっくり、受け入れてもらえるように、まずは京佐が望んでるから友達に戻る」
「それは大丈夫じゃない?」
と依田がのんびりと言う。
「え?」
「禄郎が我慢できれば」
にやりと笑う。
くっ……
「そうだな、無印フレンドならいけるだろ」
曽川もいつものヘラヘラを増強させ、意味ありげににやにやしてる。
「無印フレンドw無フレw」
「手出せないように縛ってやろうか?w」
「緊縛無フレww」
二人で爆笑してる。
くそ……
「まあ、頑張れや」
「期待してるぞ」
「だからそれやめろっ!」
ギャハハハハハ!
依田、曽川、ありがとう。
さあ、もうすぐ夏休みだ。
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