恋人ごっこはおしまい

秋臣

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清算

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曽川ママの美味い飯を今夜も堪能した。
料理作れるのいいよなあ、俺もナポリタン以外にレパートリー増やそうかな。

先に風呂に入りリビングで涼んでいたら、京佐が来た。
「あれ? 曽川風呂?」
「そう、依田も?」
「今交代した」
京佐は冷蔵庫から炭酸水を取り、ゴクゴク飲む。
「あー冷たくて美味い」

「京佐ちょっと」
ちょいちょいと手招きする。
「何よ?」
「京佐に相談」
「ん?」
「費用のことなんだけどさ」
「ああ、それな、俺も気になってた」
「依田にはここを貸してもらってる上に、車まで出して貰ってるじゃん?」
「うん」
「で、曽川は飯作ってくれてるじゃん?
買い出しの金も立て替えてくれてるし」
「うん」

俺はスマホを取り出しメモアプリを開く。
「ざっと書き出して計算したんだけどさ、高速とか有料道路、ガソリン代を大まかに出してみたら片道8,000円、往復16,000円くらいなんだよ」
「うん」
「食費は食堂とかで食べた分は各々支払ってるからいいとして、ここでの食費と雑費を計算すると、大体15,000円になる」
「うん」
「お前、うんしか言ってねえぞ」
「うん」

「まあ、いいや。
金額が中途半端だし、光熱費も含めて両方とも20,000円で計算すると合計で40,000円になるだろ? 単純にこれを4で割ると一人10,000円になるわけよ。
二人の貢献度を考慮して、依田は車関係の費用、曽川は食費を免除してもいいんじゃねえかなと思ったんだよね」
「それは俺も思った」

「そうすると……
依田と曽川を半額にして5,000円、
京佐と俺が依田と曽川の分を負担して、10,000+5,000= 15,000円になる」
「なるほど」
「どうよ?」
「うん、賛成。これでいいと思う」
「俺と京佐は野菜収穫するくらいしかしてないからさ、そこは払ってやってくれ」
「最初からそのつもりだし、二人には感謝しないとな」
「だよな。じゃあこれで二人に話してみる」
「わかった」
京佐が俺の提案に乗ってくれた。
嫌なんて言うわけないのはわかってたけど、確認はしないとな。

「それにしても格安だよね。
こんな安くていいのかって思うよ」
「本当それ。普通に4で割ると一人10,000円だぞ」
「4泊でそれは有り得ない……」
「だよな」

しばらくして風呂から戻った二人に京佐と話した費用のことを話してみた。
二人とも、
「普通に4で割ればいいじゃん」
と言ってはいたが、依田は曽川に、曽川は依田にそれぞれ感謝していたので、俺たちの提案通りの額で納得してくれた。
俺と曽川が合わせて20,000円を依田に支払い、依田と京佐が合わせて20,000円を曽川に支払った。

「こんなふうに精算してるといよいよ終わりって感じだな」
「一ヶ月くらいいても飽きないかも」
依田と曽川が言う。
だよなあ。
「依田」
「ん? なん?」
「俺、山の別荘も行ってみたい」
なかなかの図々しさで京佐が依田に強請る。
「空いてれば行けるよ」
「マジ?」
「じーちゃんが使わないのは冬だけなんだよね。さすがに雪山は避けるし」
「え……めっちゃ寒いんじゃないの?」
「めちゃくちゃ寒いよ」
「海でいいや」
「諦め早すぎねえか?w」
「でも本当に楽しかったから、またこの面子で来れたらいいな」
「また来ようぜ」
依田と京佐が約束してる。
よほど楽しかったんだな。

「明日は朝早いから早めに寝るぞ。寝不足だと船酔いするからな」
依田が声かけする。
「6時に港だっけ?」
「ここんとこ、いいサイズ来てるみたいだからおじちゃん張り切ってるよ」
「そんじゃ寝るか」
「お前らちゃんと起きろよ」
依田が曽川と俺に忠告する。
言われた俺らは即座に言い返す。
「それ、お前らな!」
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