59 / 66
カナダ その2
しおりを挟む
今回のカナダは二週間。
長めの行程にしたのは、俺が社会人になったらこんなにまとまった休みを取れなくなることが大きな理由だ。
それといくら見られる確率の高いイエローナイフだとしてもオーロラの出現は運だ。
運が悪かったら最悪なので保険を兼ねて長めの行程にした。
そして見られなかったとしてもカナダを堪能できる。
どっちに転んでも俺と頼にとってはいいことしかない。
カナダに行くにあたり頼と約束をした。
酒を飲むなとは言わないが一日一杯だけ。
それ以上飲むなら日本に帰ったら俺は京さんの家に転がり込む、家を出ていく、そう条件をつけた。
もちろん京さんの許可なんて取ってない、確認されたらアウト。
頼は酒癖の悪さを自認しているので、その条件を甘んじて受け入れた。
本気で出ようなんて俺だって思ってないけど、そんなに俺が家出るの嫌なのかよ。
そう聞いたら、
「嫌だよ、嫌に決まってる。絶対嫌だ」
としれっと答える。
親バカは治らないらしい。
そんなことがあったけど、来てしまえばやはりカナダは天国だ!
親バカとか酒癖悪いとかどうでもよくなる。
この懐の深さを見習いたい!
三日ほどかけて前回行きたくても回りきれなかったところへ行ってきた。
頼は先住民アートに興味を持ち、熱心に見たり話を聞いたりしていた。
残りは前回行ったところへまた行きたい気持ちを抑え、イエローナイフに腰を据えた。
能動的から受動的へと思考を切り替えた。
普段俺たちはどうしても情報量の多さから能動的になりがち。
一つのことだけに集中する、他は要らない。
そういうことをしたことがなかったかもしれない。
そう言えば聞こえはいいが、なんのことはない、オーロラ遭遇の確率を上げたいだけだ。
これを逃したら次はいつ来られるかわからない。次はないかもしれない。
どうしても今回の旅行でオーロラを見ておきたい。
頼も俺も意見が一致したので他を捨ててここに留まることにしたのだ。
のんびりした時間だった。
不思議と普段あれだけスマホばかり見ているのに、別に見なくても全然平気。
目の前に信じられないくらいの大自然が無限というくらい広がってるのに、スマホなんか見てる暇ない。
写真には収めるけど、目を閉じればいつでも思い出せるよう目に焼き付けたい。
写真といえば現地の人がオーロラを綺麗に撮れるようカメラの設定や撮り方などをレクチャーしてくれた。
「上手く撮れなかったら俺が撮っておいてやるよ。データ送ればいいだろ?」
と言ってくれたので写真に自信のない俺と頼は頼りっぱなしだった。
頼はちょっと気が緩むと、また酒で仲良くなりそうな気配があったから、
「出て行くよ」
と何度か釘を刺した。
その甲斐あって今回はやらかし無し。
酒なんかなくても普通に仲良くなってたし、普通にモテてたし。
なんなの?
俺はまた坊やって言われたし。
なんなの?
長めの行程にしたのは、俺が社会人になったらこんなにまとまった休みを取れなくなることが大きな理由だ。
それといくら見られる確率の高いイエローナイフだとしてもオーロラの出現は運だ。
運が悪かったら最悪なので保険を兼ねて長めの行程にした。
そして見られなかったとしてもカナダを堪能できる。
どっちに転んでも俺と頼にとってはいいことしかない。
カナダに行くにあたり頼と約束をした。
酒を飲むなとは言わないが一日一杯だけ。
それ以上飲むなら日本に帰ったら俺は京さんの家に転がり込む、家を出ていく、そう条件をつけた。
もちろん京さんの許可なんて取ってない、確認されたらアウト。
頼は酒癖の悪さを自認しているので、その条件を甘んじて受け入れた。
本気で出ようなんて俺だって思ってないけど、そんなに俺が家出るの嫌なのかよ。
そう聞いたら、
「嫌だよ、嫌に決まってる。絶対嫌だ」
としれっと答える。
親バカは治らないらしい。
そんなことがあったけど、来てしまえばやはりカナダは天国だ!
親バカとか酒癖悪いとかどうでもよくなる。
この懐の深さを見習いたい!
三日ほどかけて前回行きたくても回りきれなかったところへ行ってきた。
頼は先住民アートに興味を持ち、熱心に見たり話を聞いたりしていた。
残りは前回行ったところへまた行きたい気持ちを抑え、イエローナイフに腰を据えた。
能動的から受動的へと思考を切り替えた。
普段俺たちはどうしても情報量の多さから能動的になりがち。
一つのことだけに集中する、他は要らない。
そういうことをしたことがなかったかもしれない。
そう言えば聞こえはいいが、なんのことはない、オーロラ遭遇の確率を上げたいだけだ。
これを逃したら次はいつ来られるかわからない。次はないかもしれない。
どうしても今回の旅行でオーロラを見ておきたい。
頼も俺も意見が一致したので他を捨ててここに留まることにしたのだ。
のんびりした時間だった。
不思議と普段あれだけスマホばかり見ているのに、別に見なくても全然平気。
目の前に信じられないくらいの大自然が無限というくらい広がってるのに、スマホなんか見てる暇ない。
写真には収めるけど、目を閉じればいつでも思い出せるよう目に焼き付けたい。
写真といえば現地の人がオーロラを綺麗に撮れるようカメラの設定や撮り方などをレクチャーしてくれた。
「上手く撮れなかったら俺が撮っておいてやるよ。データ送ればいいだろ?」
と言ってくれたので写真に自信のない俺と頼は頼りっぱなしだった。
頼はちょっと気が緩むと、また酒で仲良くなりそうな気配があったから、
「出て行くよ」
と何度か釘を刺した。
その甲斐あって今回はやらかし無し。
酒なんかなくても普通に仲良くなってたし、普通にモテてたし。
なんなの?
俺はまた坊やって言われたし。
なんなの?
11
あなたにおすすめの小説
神様の成れの果て
囀
BL
極道一家・井戸口組の次男坊である墨怜は、世話係の猿喰綺人に密かに思いを寄せていた。
しかし、彼には愛人がいるという噂や、組長でもあり兄でもある鴉と恋人関係にあるという噂が絶えない。
この恋を断ち切ろうとした矢先、同級生の手塚練太郎から突然の告白を受ける。
墨怜はこれをきっかけに気持ちを整理しようと交際を了承するが、
その日を境に、彼の日常は“静かに狂い始めた”——。
※ ◇は場面切り替え、◆はキャラ視点切り替えになっております。
この作品はカクヨムにも投稿しております。
〈登場人物〉
井戸口(いどぐち) 墨怜(すみれ)
極道井戸口組の次男坊
引っ込み思案
世話係である猿喰に密かに想いを寄せている
猿喰(さるばみ) 綺人(あやと)
井戸口組の組員で墨怜の世話係
眉目秀麗でミステリアス
手塚(てづか) 練太郎(れんたろう)
墨怜の同級生 真面目で正義感がある
空手部に所属している
泰泉寺(しんせんじ) 霧雨(きりさめ)
墨怜の同級生 飄々としている
関西から上京して、現在は母と姉と三人暮らし
井戸口 鴉(からす)
墨怜の兄で井戸口組の組長を務めている
優しい
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
インテリヤクザは子守りができない
タタミ
BL
とある事件で大学を中退した初瀬岳は、極道の道へ進みわずか5年で兼城組の若頭にまで上り詰めていた。
冷酷非道なやり口で出世したものの不必要に凄惨な報復を繰り返した結果、組長から『人間味を学べ』という名目で組のシマで立ちんぼをしていた少年・皆木冬馬の教育を任されてしまう。
なんでも性接待で物事を進めようとするバカな冬馬を煙たがっていたが、小学生の頃に親に捨てられ字もろくに読めないとわかると、徐々に同情という名の情を抱くようになり……──
僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ
MITARASI_
BL
I
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
Ⅱ
高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。
別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。
未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。
恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。
そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。
過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。
不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。
それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。
高校編のその先を描く大学生活編。
選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。
続編執筆中
病弱の花
雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。
彼の想いはちょっと重い
なかあたま
BL
幼少期、心矢に「結婚してほしい」と告げられた優希は「お前が高校生になっても好きな人がいなかったら、考えてやらなくもない」と返事をした。
数年後、高校生になった心矢は優希へ結婚してほしいと申し出る。しかし、約束をすっかり忘れていた優希は二ヶ月だけ猶予をくれ、と告げる。
健全BL
年下×年上
表紙はhttps://www.pixiv.net/artworks/140379292様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる