好きを教えて

秋臣

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解散

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終わりが見えているものがあると、月日が経つのが早く感じるのはなんでなんだろう。
気がつけば季節は二つ変わって春になろうとしていた。
来月から俺はデザイン会社で働き始める。
いよいよ、社会人になる。
頼は変わらず忙しいまま、時々家のメンテナンスを自分でしている。
業者さんの手を借りなくてはいけないところは少しずつ手を入れてる。
見上さんはもう半年以上来ていない。
ミチルはもうじき閉店となる。

今回の変化は心に穴がたくさん開けられた感じ。
この穴、塞がるのかなあ。
スースー風が通って寒いし寂しい。

京さんの店だけは変わらない、ホッとする。
でもあまり行けてない。
頼が忙しくしてるのに一人で呑気に酒飲みに行くのは憚られる。
「なんで京の店に行かないの? 前は行きたい行きたい!って騒いでたのに」
と頼に聞かれてそう答えたら、
「才が大人みたいなこと言ってる……」
とドン引きしてた。
なんでだよっ!
 

就活の名残りで新聞を読むのが日課になってしまった。
いいことだと思う。
それまではテレビ欄とチラシしか見なかったから。

今朝もミチルに行く前にいつもの日課の新聞を読む。
まだ頼は読んでないみたいだからぐちゃぐちゃにしないようにする。
俺は新聞の読み方が雑、下手くそと頼に言われるから丁寧に読むようにしてる。

一面から目を通す。
海外で起きた事件が大きく取り上げられてる。
二面、三面と読み進める。
ある記事で目が止まった。

え……
ええ?
えーーっ!

「ちょっと! 頼! 頼っ!!」
「うるせえ! 朝から喚くな、さっさと食え!」
エプロン姿で言い返してくる。

「見て! ここ見て! 早く!」
「あとで見るよ、飯食えよ」
「ダメ! 今! 早く!!」
キッチンから動かない頼を無理やり引っ張ってきた。
「なんなんだよ、うるせえな」
「ここ! ここ見て!」
「なんだよ」


『大城組解散!!
三代目見上氏決断の裏になにが?』

大城組解散の記事が大きく取り上げられている。
慌ててテレビをつける。
ニュースになっているかもしれない。

いくつかの番組で取り上げられていた。
コメンテーターが、
「表向き解散を装っていても、形態を変えただけというケースもありますからね」
とか、
「この三代目の見上氏は相当なやり手と聞いてます。
裏がないとは言い切れないですよ。
ちょっと動向を見守る必要はあると思いますね」
などと言っている。


解散?
ヤクザを辞めるってこと?
ヤクザって辞められるの?
情報が錯綜してまとまらない。

頼も俺も言葉を失う。

「ねえ……頼、これどういうこと?」
「……わからない」
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