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パピコ
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二学期が始まっても連日真夏のような暑さは続いている。
昨年ようやく教室にエアコンが導入された。エアコン無いと死人が出るよ、本当に。
「なあなあ、朝陽どうした?」
「あー、登校してからずっとあれ」
暑さのせいではないようだが屍の如く、
机に突っ伏して微動だにしない川村朝陽を眺めながら、友人である渡辺賢生と俺・麻生千尋はため息をつく。
授業が始まっても朝陽は突っ伏したままだ。
「おーーい、川村~生きてるか~?」
数学の平井が声をかけるも反応しないので、代わりに俺らが応える。
「先生~、朝陽、思春期らしいよ」
「思春期かあ、それは仕方ない……と言ってやりたいが数学落とすと後がきついぞ」
ピクッと反応する、でも起きない。
「まあ、今日のところは思春期に免じて目瞑ってやるから,誰か代わりにノート取っといてやれ」
「はーーい」
このクラスはみんな優しい。
「川村、あんまりきつかったら保健室行けよ」
突っ伏しながら微かに頷く。
「よし、授業始めるぞ~」
結局朝陽は昼までそのままだった。
「おい、そろそろ起きろ」
賢生が朝陽を荒っぽく起こす。
「飯行くぞ」
「今日学食ビーフカレーの日だぞ」
朝陽が反応しそうなフレーズを言ってみる。
やっとむくりと顔を上げる。
「ほら、とりあえず学食行くぞ」
俺と賢生で朝陽を引きずっていく。
月1のビーフカレーの日だから学食は混んでる。
「で? なんで朝陽はこんなんなってんのよ?」
「振られた……」
蚊の鳴くような声で朝陽が白状した。
「え!? みりあちゃんと別れたのかよ」
「……」
「なんでよ、仲良かったじゃん」
「だよな?」
みりあちゃんは3ヶ月くらい前から付き合い始め、こっちが吐きそうになるほどイチャラブしていた他校の彼女だ。
「浮気でもしたのか?」
「いや、無理矢理迫ったんじゃねえの?」
「あり得るw」
「違う……」
「じゃあ何が原因だよ」
「言わなきゃダメ?」
「お前さ、これだけ思春期拗らせて学校生活に支障きたしてるんだぞ」
「言った方が楽になる、多分」
「そうだ、言っちまえ」
「……ここんとこ暑いじゃん?」
「夏だからな」
「暑いから、みりあとアイス食べたんだよ」
「勝手に食えや」
「好きにしろ」
「パピコ半分こした」
「カップルかよ」
「別れてねえじゃん」
「半分こしてチューチューしてた」
「念の為聞くけどパピコ食ってる音だよな?」
「うん」
俺らは話がさっぱりわからず、朝陽に続きを求める。
「パピコって吸うだろ? 吸ってたらさ、ブスって言われた」
「は?」
「は?」
「だからあ! パピコ吸ってたら、みりあに『パピコ食べてる姿があり得ないほどのブス! めっちゃブス! めっちゃ冷めた』って言われて振られた」
ぶっ!
ぶはっ!!
「ブスw」
「パピコ食ってる姿がブスw」
「あり得ないほどのブスww」
「別れた原因パピコw」
「そんなことある? パピコなんて誰が食べても同じ顔だろ?」
朝陽が急にキレ出す。
「パピコってどんな顔して食ってるのかわかんねえな」
「確かめるか」
俺たちは俄然興味が湧き、帰りにパピコを食べることにした。
近くのスーパーでパピコを買う。
パピコは半分こすると、一人余る。
賢生が、
「俺はガリおくん食いたい」
と逃げた。
お前、ずるいぞ!
店の外に出ると茹だるような暑さにパピコの袋を開ける手もはやる。
パピコでブスってどういうことだよ。
3人で向かい合う。
「この状況がそもそもおかしい」
「いいからやるぞ」
輪っかを引っ張り先っぽをもぎとる。もちろんそこも食う。
いよいよ本体。
いざ!
かった!
硬え……
パピコ久しぶりだけど、こんなに硬い?
俺だけじゃなくて朝陽も必死だ。
「硬い……」
「知覚過敏っ!」
「ガリおくんが凶器……」
賢生も奮闘してる。
格闘すること数分、ちょっと溶けてきた。
食えるようになってきた。
パピコがパピコとして機能し始める。
あーうまいわー
パピコうめえわー
夢中になって食べててすっかり趣旨を忘れてた。
ふと、顔を上げ朝陽を見る。
ぶっは!
パピコ吹いちゃった。
「汚ねえな!」
「千尋、飛ばすな!」
「いやいやいや、朝陽の顔見ろ、超ブスw」
「ぼほっ!」
賢生が聞いたことない声を出す。
「ブッスww」
「ちょっと待て! 千尋だって同じだろ! 吸ってみろよ」
「いいよ、絶対ブスじゃない」
ググ……
「普通だな」
「おかしい!」
また朝陽がパピコを吸う。
チューチュー
ぶはっ!
「ダメだ……どうやってもブスw」
「待ってろw動画撮るw」
賢生がガリおくんを咥えながらスマホで朝陽のチューチュー姿を撮る。
「ほら、自分で見てみろw」
「くっそブスww」
朝陽が自分で自分を見て爆笑してる。
「これは振られても仕方ないだろw」
「なんかいろいろ伸びてんだよ、なんでこんなに鼻の下伸びんの?」
「口もおかしいw吸いすぎだし、両手の小指立ってるしw無心過ぎて目瞑っちゃてるしw」
賢生はガリおくんを食べるのも忘れて笑ってる。
「見てみ? 千尋はパピコを片手で握ってんじゃん? 押し出してるじゃん? 吸ってねえのよ」
「あーだから朝陽変なのか!」
「そこだな」
「お前ら、言いたい放題言いやがって……」
朝陽がパピコを吸いながら怒る。
チューー
「だから吸うなってwいろいろ伸ばすな、小指立てんなw」
チューー
こんなん笑うだろ。
「でも、まあかわいいな」
「は?」
「なんて?」
「かわいいな」
「誰が?」
「朝陽」
「俺!?」
「うん」
「どこが!?」
「チューチューしててかわいい、ブスでかわいい」
「はあ?」
俺、なんかおかしいこと言ったか?
賢生がニヤリと笑う。
そして、
「見ろ、千尋、当たりだぞ」
賢生がガリおくんで当たりを出した。
「これ、手洗い場で洗って引き換えてくる」
「おう、行ってら」
賢生が俺に耳打ちする。
「彼女と別れたんだ、チャンスだろ。もう譲るな。当たり棒の運を分けてやる」
そう言って俺にこれでもかと見せつける。
「うん、譲らない」
「引き換えてくるまでに幸せになっとけよ」
「ゆっくり頼む」
「はいはい」
「……かわいいってなんだよ」
朝陽が吸い切ったパピコを咥えたまま、モゴモゴ言っている。
「かわいいはかわいいだろ」
「俺、男だし」
「俺もだな」
「おかしいだろ」
「そうか? 好きだと全部かわいく見えるんだよな」
「……お前、俺のこと好きなのか?」
「うん」
「マジか……いつから?」
「高校入って賢生と朝陽と友達になった時からかな」
「そんなこと今まで一度も言わなかったじゃん」
「遠慮と我慢してた、関係壊れるの怖かったし。でももう朝陽に女できるの嫌だから俺のものにする」
「勝手に決めんなよ」
「俺嫌い?」
「嫌いなわけないだろ、友達なんだから……」
「それならいいじゃん、恋人にもなろうぜ」
「簡単に言うなよ」
「俺ならお前のブスを笑ってやれるよ」
「ブスって言うな」
「ブスじゃん。でもそれもかわいい。ブスで冷めるとか絶対ねえわ」
「俺、男とかよくわかんない」
「俺もわかんねえよ」
「……ゆっくりでもいい?」
「いいよ」
「じゃあ、友達から……」
「そこはもう始まってるんでw」
「あ、そっかw」
「幸せになったか?」
賢生が戻ってきた。
「今、朝陽をその気にさせてるところ」
「ゆっくりでいいって言うから……」
「そんじゃ初々しい二人に追いパピコどうぞ」
「まだ食わせんのかw」
「俺もガリおくん2本目だし」
パピコは二つで一つ。
「朝陽、半分こしよ」
「うん」
さあ、俺だけにかわいいブスを見せてくれ。
昨年ようやく教室にエアコンが導入された。エアコン無いと死人が出るよ、本当に。
「なあなあ、朝陽どうした?」
「あー、登校してからずっとあれ」
暑さのせいではないようだが屍の如く、
机に突っ伏して微動だにしない川村朝陽を眺めながら、友人である渡辺賢生と俺・麻生千尋はため息をつく。
授業が始まっても朝陽は突っ伏したままだ。
「おーーい、川村~生きてるか~?」
数学の平井が声をかけるも反応しないので、代わりに俺らが応える。
「先生~、朝陽、思春期らしいよ」
「思春期かあ、それは仕方ない……と言ってやりたいが数学落とすと後がきついぞ」
ピクッと反応する、でも起きない。
「まあ、今日のところは思春期に免じて目瞑ってやるから,誰か代わりにノート取っといてやれ」
「はーーい」
このクラスはみんな優しい。
「川村、あんまりきつかったら保健室行けよ」
突っ伏しながら微かに頷く。
「よし、授業始めるぞ~」
結局朝陽は昼までそのままだった。
「おい、そろそろ起きろ」
賢生が朝陽を荒っぽく起こす。
「飯行くぞ」
「今日学食ビーフカレーの日だぞ」
朝陽が反応しそうなフレーズを言ってみる。
やっとむくりと顔を上げる。
「ほら、とりあえず学食行くぞ」
俺と賢生で朝陽を引きずっていく。
月1のビーフカレーの日だから学食は混んでる。
「で? なんで朝陽はこんなんなってんのよ?」
「振られた……」
蚊の鳴くような声で朝陽が白状した。
「え!? みりあちゃんと別れたのかよ」
「……」
「なんでよ、仲良かったじゃん」
「だよな?」
みりあちゃんは3ヶ月くらい前から付き合い始め、こっちが吐きそうになるほどイチャラブしていた他校の彼女だ。
「浮気でもしたのか?」
「いや、無理矢理迫ったんじゃねえの?」
「あり得るw」
「違う……」
「じゃあ何が原因だよ」
「言わなきゃダメ?」
「お前さ、これだけ思春期拗らせて学校生活に支障きたしてるんだぞ」
「言った方が楽になる、多分」
「そうだ、言っちまえ」
「……ここんとこ暑いじゃん?」
「夏だからな」
「暑いから、みりあとアイス食べたんだよ」
「勝手に食えや」
「好きにしろ」
「パピコ半分こした」
「カップルかよ」
「別れてねえじゃん」
「半分こしてチューチューしてた」
「念の為聞くけどパピコ食ってる音だよな?」
「うん」
俺らは話がさっぱりわからず、朝陽に続きを求める。
「パピコって吸うだろ? 吸ってたらさ、ブスって言われた」
「は?」
「は?」
「だからあ! パピコ吸ってたら、みりあに『パピコ食べてる姿があり得ないほどのブス! めっちゃブス! めっちゃ冷めた』って言われて振られた」
ぶっ!
ぶはっ!!
「ブスw」
「パピコ食ってる姿がブスw」
「あり得ないほどのブスww」
「別れた原因パピコw」
「そんなことある? パピコなんて誰が食べても同じ顔だろ?」
朝陽が急にキレ出す。
「パピコってどんな顔して食ってるのかわかんねえな」
「確かめるか」
俺たちは俄然興味が湧き、帰りにパピコを食べることにした。
近くのスーパーでパピコを買う。
パピコは半分こすると、一人余る。
賢生が、
「俺はガリおくん食いたい」
と逃げた。
お前、ずるいぞ!
店の外に出ると茹だるような暑さにパピコの袋を開ける手もはやる。
パピコでブスってどういうことだよ。
3人で向かい合う。
「この状況がそもそもおかしい」
「いいからやるぞ」
輪っかを引っ張り先っぽをもぎとる。もちろんそこも食う。
いよいよ本体。
いざ!
かった!
硬え……
パピコ久しぶりだけど、こんなに硬い?
俺だけじゃなくて朝陽も必死だ。
「硬い……」
「知覚過敏っ!」
「ガリおくんが凶器……」
賢生も奮闘してる。
格闘すること数分、ちょっと溶けてきた。
食えるようになってきた。
パピコがパピコとして機能し始める。
あーうまいわー
パピコうめえわー
夢中になって食べててすっかり趣旨を忘れてた。
ふと、顔を上げ朝陽を見る。
ぶっは!
パピコ吹いちゃった。
「汚ねえな!」
「千尋、飛ばすな!」
「いやいやいや、朝陽の顔見ろ、超ブスw」
「ぼほっ!」
賢生が聞いたことない声を出す。
「ブッスww」
「ちょっと待て! 千尋だって同じだろ! 吸ってみろよ」
「いいよ、絶対ブスじゃない」
ググ……
「普通だな」
「おかしい!」
また朝陽がパピコを吸う。
チューチュー
ぶはっ!
「ダメだ……どうやってもブスw」
「待ってろw動画撮るw」
賢生がガリおくんを咥えながらスマホで朝陽のチューチュー姿を撮る。
「ほら、自分で見てみろw」
「くっそブスww」
朝陽が自分で自分を見て爆笑してる。
「これは振られても仕方ないだろw」
「なんかいろいろ伸びてんだよ、なんでこんなに鼻の下伸びんの?」
「口もおかしいw吸いすぎだし、両手の小指立ってるしw無心過ぎて目瞑っちゃてるしw」
賢生はガリおくんを食べるのも忘れて笑ってる。
「見てみ? 千尋はパピコを片手で握ってんじゃん? 押し出してるじゃん? 吸ってねえのよ」
「あーだから朝陽変なのか!」
「そこだな」
「お前ら、言いたい放題言いやがって……」
朝陽がパピコを吸いながら怒る。
チューー
「だから吸うなってwいろいろ伸ばすな、小指立てんなw」
チューー
こんなん笑うだろ。
「でも、まあかわいいな」
「は?」
「なんて?」
「かわいいな」
「誰が?」
「朝陽」
「俺!?」
「うん」
「どこが!?」
「チューチューしててかわいい、ブスでかわいい」
「はあ?」
俺、なんかおかしいこと言ったか?
賢生がニヤリと笑う。
そして、
「見ろ、千尋、当たりだぞ」
賢生がガリおくんで当たりを出した。
「これ、手洗い場で洗って引き換えてくる」
「おう、行ってら」
賢生が俺に耳打ちする。
「彼女と別れたんだ、チャンスだろ。もう譲るな。当たり棒の運を分けてやる」
そう言って俺にこれでもかと見せつける。
「うん、譲らない」
「引き換えてくるまでに幸せになっとけよ」
「ゆっくり頼む」
「はいはい」
「……かわいいってなんだよ」
朝陽が吸い切ったパピコを咥えたまま、モゴモゴ言っている。
「かわいいはかわいいだろ」
「俺、男だし」
「俺もだな」
「おかしいだろ」
「そうか? 好きだと全部かわいく見えるんだよな」
「……お前、俺のこと好きなのか?」
「うん」
「マジか……いつから?」
「高校入って賢生と朝陽と友達になった時からかな」
「そんなこと今まで一度も言わなかったじゃん」
「遠慮と我慢してた、関係壊れるの怖かったし。でももう朝陽に女できるの嫌だから俺のものにする」
「勝手に決めんなよ」
「俺嫌い?」
「嫌いなわけないだろ、友達なんだから……」
「それならいいじゃん、恋人にもなろうぜ」
「簡単に言うなよ」
「俺ならお前のブスを笑ってやれるよ」
「ブスって言うな」
「ブスじゃん。でもそれもかわいい。ブスで冷めるとか絶対ねえわ」
「俺、男とかよくわかんない」
「俺もわかんねえよ」
「……ゆっくりでもいい?」
「いいよ」
「じゃあ、友達から……」
「そこはもう始まってるんでw」
「あ、そっかw」
「幸せになったか?」
賢生が戻ってきた。
「今、朝陽をその気にさせてるところ」
「ゆっくりでいいって言うから……」
「そんじゃ初々しい二人に追いパピコどうぞ」
「まだ食わせんのかw」
「俺もガリおくん2本目だし」
パピコは二つで一つ。
「朝陽、半分こしよ」
「うん」
さあ、俺だけにかわいいブスを見せてくれ。
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