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第37話.モコモコと水遊び、そして犬かき
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最初お風呂に飛び込んだのは、母さんのフェリーだった。それに続いて順番に、一定の間隔で、ブルー、ルーちゃん。そして俺のモコモコ2匹は、先を争うように飛び込み。浴槽のへりに座っている俺は、急いでお風呂の中を覗き込んだ。
もちろん俺だけじゃ、そのままお風呂の中に落ちるだろうが、アトウットさんがしっかりと支えてくれているから、全く問題なし。かなり斜めっても大丈夫だ。
そしてお風呂の中には……。すごい勢いで泳ぐモコモコ達が。え? とちょっと引いてしまうくらい、かなりの速さで泳いでいた。どれくらいかというと、時々目で追えなくなるくらい、ビュッ!! ビュッ!! と泳いでいる。
『はやぁ~』
『グレンヴィル坊っちゃまは、モコモコが泳ぐのを見るのは、初めてでいらっしゃいましたね。モコモコは本来、もっと早く泳げる生き物なのですよ』
え? なんだって? いくら難しいことでも、たとえ赤ちゃんの俺が分かっていなくとも、いつもしっかりと教えてくれるアトウットさん。
父さんも母さんも他の人達も、色々教えてくれるけど、アトウットさんの教え方は、学校の先生みたいに丁寧で分かりやすい。
そんなアトウットさんの説明によると、もう大人のフェリーとブルーは、人に見えないくらい早く泳ぐことができるらしい。今はお風呂の中ってことで、この速さなのだとか。海に生きる者達は、その速さを確認することはできるけれど、人間の俺では難しいだろうって。
まさかそんなに早く泳げるなんて。あの小さいしっぽで本当に泳げるのか? と疑っていた俺。みんなすまなかった。
そして俺が見えないだけで、ドームの外では、野生のモコモコがたくさん泳いでいたらしい。まさか気づかないだけで、自然のモコモコを見ていたなんて。
『ですが家族のモコモコは、自分だけで泳いでいる時は別ですが。家族と共に泳ぐ時は、その家族に合わせて泳いでくれますから、将来グレンヴィル坊っちゃまが泳ぐようになれば、共にゆっくり泳いでくれるでしょう』
そうか、良かった。あの速さで泳がれたら、俺は絶対に置いていかれる。ただ、置いていかれないとしても、迷惑をかけないように、少しでも早く泳げるように練習しないとな。
後、俺のモコモコと姉さんのモコモコのルーちゃんは、今のこの速さが限界らしい。大人になるにつれて速くなっていき、将来的に見えない程まで速くなると。
そうそう、モコモコを家族に迎える時は、なるべく自分の歳と同じ歳のモコモコを選ぶらしいんだ。
モコモコは人と同じように歳をとるらしく、家族として生きるのに、どちらかが先にこの世界から去る事になるのはあまり、って事らしい。なるべく同じ時を生きたいと。
家族1人残されるのは悲しいからな。地球の時の俺みたいに、1人になるのは。だからこれに関しては良いんじゃないかと思う。
もちろん他の魔獣と家族になる時もあるだろう。だけどなるべく一緒にいられるのならば、一緒に入れた方が良いに決まっている。
ちなみに、俺がモコモコと出会ったあの建物、あれは年齢順になっていたらしい。他の建物にはもっと年上のモコモコがいたんだ。俺は0歳。だから0歳から5歳くらいのモコモコ達がいた建物に案内されたと。
俺が泳げるようになるのは何年後くらいだろう。大人になる頃には、モコモコ達も最速にまで泳げるようになるらしいから、練習はきちんとしないとな。
『そうですね。せっかくなので、どう泳いでいるかお見せしましょう。ここにお湯を』
アトウットさんが何かを唱えると、モワモワモワッと空中に水の塊が。アトウットさんの水魔法だ。ちょっと手を伸ばして触ってみる。うん、ぬるま湯だ。水魔法を進化させて、水の温度を変えているらしい。
『フェリー、こちらに入って、グレンヴィル坊っちゃまに、泳ぎを見せてさしあげててください』
アトウットさんがそう言うと、泳いでいる速さのまま、ビュッ!! っと飛び出してきた塊。空中のぬるま湯に入れば、その塊がフェリーだとやっと確認できた。
ユラユラぬるま湯の中で揺れているフェリー。でも俺を見た後、ゆっくりと動き出して。水に入っているせいか、いつもよりよく見える手足を、犬かきのように動かし、それからしっぽをピコピコ動かして。曲がりたい時は上手い具合に舵を取って曲がる。
あの小さいしっぽで、しっかりと泳いでいた。思わず拍手をする俺。ただ犬かきとしっぽだけで、見えないくらい早く泳げるのは何でだ? だってしっぽは魚のしっぽにモコモコが付いている、やっぱりモコモコのしっぽで。犬かきは犬かきなんだぞ。
俺は思わず犬かきの仕草をしてしまった。それを見ていたフェリー。こう手足を動かすんだと、俺の前で止まって、犬かきを良く見せてくれて。まさか犬かきを教わるとは思わなかった。
そうして泳ぎを見せてもらって後は、フェリーにお礼を言い、お風呂に戻ってもらったら、モコモコ達に満足するまで泳いでもらった。それからボールで遊ぶ事に。
モコモコ達が泳いでいる間、フェリーの犬かきが気になって、思わず何回も犬かきのマネをしてしまった俺。途中で姉さんも俺のマネをしてきて。兄弟並んで犬かき。
別に俺は将来犬かきで泳ごうとは思っていないんだけど、どうにも気になって仕方がなかった。
あれ? そういえば、父さんは仕事に行く時魚に変身して行ったけど、普通の人の姿で泳ぐことはできないのかな? 魚から人になった場合、服を着ていないからどうかとは思うけど。水着みたいな物があればさ。それとも人の姿だと、やっぱり呼吸ができない?
う~ん、この前は変身にビックリしちゃって、他のことまで気にする余裕がなかったけど。今度父さんが帰ってくる時、お迎えに行けたら、その時は今度こそ、色々とチェックしてみよう。
もちろん俺だけじゃ、そのままお風呂の中に落ちるだろうが、アトウットさんがしっかりと支えてくれているから、全く問題なし。かなり斜めっても大丈夫だ。
そしてお風呂の中には……。すごい勢いで泳ぐモコモコ達が。え? とちょっと引いてしまうくらい、かなりの速さで泳いでいた。どれくらいかというと、時々目で追えなくなるくらい、ビュッ!! ビュッ!! と泳いでいる。
『はやぁ~』
『グレンヴィル坊っちゃまは、モコモコが泳ぐのを見るのは、初めてでいらっしゃいましたね。モコモコは本来、もっと早く泳げる生き物なのですよ』
え? なんだって? いくら難しいことでも、たとえ赤ちゃんの俺が分かっていなくとも、いつもしっかりと教えてくれるアトウットさん。
父さんも母さんも他の人達も、色々教えてくれるけど、アトウットさんの教え方は、学校の先生みたいに丁寧で分かりやすい。
そんなアトウットさんの説明によると、もう大人のフェリーとブルーは、人に見えないくらい早く泳ぐことができるらしい。今はお風呂の中ってことで、この速さなのだとか。海に生きる者達は、その速さを確認することはできるけれど、人間の俺では難しいだろうって。
まさかそんなに早く泳げるなんて。あの小さいしっぽで本当に泳げるのか? と疑っていた俺。みんなすまなかった。
そして俺が見えないだけで、ドームの外では、野生のモコモコがたくさん泳いでいたらしい。まさか気づかないだけで、自然のモコモコを見ていたなんて。
『ですが家族のモコモコは、自分だけで泳いでいる時は別ですが。家族と共に泳ぐ時は、その家族に合わせて泳いでくれますから、将来グレンヴィル坊っちゃまが泳ぐようになれば、共にゆっくり泳いでくれるでしょう』
そうか、良かった。あの速さで泳がれたら、俺は絶対に置いていかれる。ただ、置いていかれないとしても、迷惑をかけないように、少しでも早く泳げるように練習しないとな。
後、俺のモコモコと姉さんのモコモコのルーちゃんは、今のこの速さが限界らしい。大人になるにつれて速くなっていき、将来的に見えない程まで速くなると。
そうそう、モコモコを家族に迎える時は、なるべく自分の歳と同じ歳のモコモコを選ぶらしいんだ。
モコモコは人と同じように歳をとるらしく、家族として生きるのに、どちらかが先にこの世界から去る事になるのはあまり、って事らしい。なるべく同じ時を生きたいと。
家族1人残されるのは悲しいからな。地球の時の俺みたいに、1人になるのは。だからこれに関しては良いんじゃないかと思う。
もちろん他の魔獣と家族になる時もあるだろう。だけどなるべく一緒にいられるのならば、一緒に入れた方が良いに決まっている。
ちなみに、俺がモコモコと出会ったあの建物、あれは年齢順になっていたらしい。他の建物にはもっと年上のモコモコがいたんだ。俺は0歳。だから0歳から5歳くらいのモコモコ達がいた建物に案内されたと。
俺が泳げるようになるのは何年後くらいだろう。大人になる頃には、モコモコ達も最速にまで泳げるようになるらしいから、練習はきちんとしないとな。
『そうですね。せっかくなので、どう泳いでいるかお見せしましょう。ここにお湯を』
アトウットさんが何かを唱えると、モワモワモワッと空中に水の塊が。アトウットさんの水魔法だ。ちょっと手を伸ばして触ってみる。うん、ぬるま湯だ。水魔法を進化させて、水の温度を変えているらしい。
『フェリー、こちらに入って、グレンヴィル坊っちゃまに、泳ぎを見せてさしあげててください』
アトウットさんがそう言うと、泳いでいる速さのまま、ビュッ!! っと飛び出してきた塊。空中のぬるま湯に入れば、その塊がフェリーだとやっと確認できた。
ユラユラぬるま湯の中で揺れているフェリー。でも俺を見た後、ゆっくりと動き出して。水に入っているせいか、いつもよりよく見える手足を、犬かきのように動かし、それからしっぽをピコピコ動かして。曲がりたい時は上手い具合に舵を取って曲がる。
あの小さいしっぽで、しっかりと泳いでいた。思わず拍手をする俺。ただ犬かきとしっぽだけで、見えないくらい早く泳げるのは何でだ? だってしっぽは魚のしっぽにモコモコが付いている、やっぱりモコモコのしっぽで。犬かきは犬かきなんだぞ。
俺は思わず犬かきの仕草をしてしまった。それを見ていたフェリー。こう手足を動かすんだと、俺の前で止まって、犬かきを良く見せてくれて。まさか犬かきを教わるとは思わなかった。
そうして泳ぎを見せてもらって後は、フェリーにお礼を言い、お風呂に戻ってもらったら、モコモコ達に満足するまで泳いでもらった。それからボールで遊ぶ事に。
モコモコ達が泳いでいる間、フェリーの犬かきが気になって、思わず何回も犬かきのマネをしてしまった俺。途中で姉さんも俺のマネをしてきて。兄弟並んで犬かき。
別に俺は将来犬かきで泳ごうとは思っていないんだけど、どうにも気になって仕方がなかった。
あれ? そういえば、父さんは仕事に行く時魚に変身して行ったけど、普通の人の姿で泳ぐことはできないのかな? 魚から人になった場合、服を着ていないからどうかとは思うけど。水着みたいな物があればさ。それとも人の姿だと、やっぱり呼吸ができない?
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