水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました

ありぽん

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第48話.この世界はみんなが変身できる?

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 俺の疑問が解決されたのは、大きいフルフルとプレルスが来て2日目だった。次の日、外へ出たら2匹の姿はなく。あれだけ大きな体なんだから、その辺に見えるだろうと思って探してもても見つからず。

 そうして今日、いつも通りの庭の散歩をしていると、向こうから父さんと知らないおじさんが歩いてきたんだ。おじいさんでもなく若くもなく。おじさんって感じの人で、その人は肩に小さいフルフルを乗せて歩いていた。

 小さいフルフル。俺に懐いてくれた1番小さいフルフルじゃなくて、違うフルフルだった。先に避難してきていたフルフルか、それともまた別に避難してきたフルフルか。俺の知らない間に、また避難してきたフルフルかと思ったんだ。

 でも、そのどちらともが違っていた。

『おう! 元気にしてるか?』

『散歩は楽しいからな。我も海をゆっくりと泳ぎ散歩するのが日課だが、今はできんからな』

 声に聞き覚えがあった。そう、この前会った大きなフルフルとプレルスの声だ。だけど姿が違う。声はもちろん、おじさんと小さなフルフルから聞こえていたけれど。思わず周りを確認する俺。そんな俺を見て小さなフルフルが笑った。

『ハハハ、その反応。そういう反応をするだろうと思っていたが、やっぱり思っていた通りの反応が返ってきた』

『久しぶりの反応だが、やはり子供が驚く姿は、面白いし楽しいな』

「う?」

『おなじこえ! でもいない?』

 姉さんがおじさんの後ろへ行って、おじさんを確認した後、周りを確認する。姉さんもおかしいと思ったんだ。

『やっぱりいない~』

『ほら、ケニーシャ、戻って来なさい』

 母さんに言われて戻って来た姉さん。不思議なそうな表情をしたままだ。と言いつつ、俺も同じような顔をしているだろう。どう考えても同じ声なのに、この前会った2匹が居ないんだ。そして知らないおじさんと小さいフルフル。

『2人とも、おじさんがプレルスで、小さいフルフルが大きなフルフルなんだ』

 は? いや、は? ってなるだろう。プレルスと大きなフルフルが、今目に前にいる2人だって? 
 いやいやいや、確かに父さん達だって、魚に変身ができる。でもそこまで大きさは変わらない。ちょっとリュウグウノツカイみたいに長くはなるけど。

『ぷっ! ハハハハハッ!! なんだその顔は。チビのくせにそんな顔もできるのか』

『確かに疑っている顔をしているな。目がすわっている』

 2人が俺の顔を見て、またまた笑ってきた。そんな俺達に父さんが、見た方が納得するだろうって、2人に変身を解いてくれって頼んでくれて、広い場所へ移動する。

 あそこでもし本当の、あの大きな姿に戻ったら大変な事になるからな。綺麗な花壇は壊れて、他にも色々と壊れるものがあるだろう。まぁ、俺はこの時は、まだ疑っていたけど。

 そうして移動した俺達。2人がそれぞれ離れて立って。先に変身を解いたのは小さいフルフルの方だった。ポンッ!! と。本当にポンッ!! って感じで、一瞬にして元の大きさの、大きなフルフルに戻ったんだ。

『おおきなフルフル!! みたことある!!』

 見たことあるじゃなくて、会ったことあるだよ。時々言い回しを間違える姉さん。まぁ、分かるから良いけど。と、姉さんさんのことは良いとして、まさか本当に大きなフルフルだったなんて。

 この時の俺はまたまた驚いた顔をしていたらしい。初めて会った時のように。そう大きなフルフルが笑いながら言っていた。

 そうして大きなフルフルを確認できれば、次はプレルスだ。普通の人型から、大型トラックよりも大きなプレルスに? ちょっとドキドキして待った俺。
 
 次瞬間、おじさんが高く高くジャンプした。2階分くらいだったか。そして降りてきながら、徐々におじさんの体がブレ始めて。そして1階部分にさしかかる頃には薄くプレルスの体が。
 
 そして最終的にドンッ!! とプレルスの姿に戻った。そう、おじさんも間違いなく、プレルスだったんだ。

『う?』

『ぷぴぃ!!』

『ぷうぅ!!』

『ぴゅぴゅ!!』

 そして変身を解いた大きいフルフルとプレルスに、モコモコ達は盛り上がり、その辺を駆け回って。そんなモコモコ達に姉さんも混ざって駆け回って、更に盛り上がり。俺はただただボケっと見ていた。

 だって、どう考えても大きさが違いすぎるだろう? それよりも海の生き物、海に生きる者達も含めて、変身するのは当たり前なのか? 他にもたくさん変身する魔獣がいるのか? と考えた俺。

 色々聞きたかったけど、俺が聞けるわけもなく。しかも俺が驚いているうちに、その時は何かしている最中だったみたいで。また人と小さいサイズに変身して、2人は父さんと何処かへ行ってしまった。

 ただ部屋に戻ってから姉さんが、母さんにみんな変身できるねぇと言ってくれたから、少しはこれについて知ることができた。姉さんナイスだ!!

 俺が思っている以上に、変身できる人達は多いらしい。特に力がある魔獣は。ただ別に変身しなくても、街に来る魔獣達もたくさんいるとのことだった。獣人もいるし、変身できない魔獣だって、街にはたくさんいるからあまり関係ないらしい。

 ただ、そう。大きいフルフルやプレルスはな。もしそのままの大きさで街へ行けば、街は大変な事に。別に攻撃をするつもりがなくても、街を壊す事になるだろう? だから変身して街へ行くと。

 前に街から帰る時、早めに変身を解いてしまって、街の一角を壊したことがあったらしい。しかもお酒を飲んで酔っ払っていて、ふらふらしていたものだから、よろけた拍子に、別の場所にも被害が。その時はしっかりと、修復を手伝わせたみたいだけど。

『あたしもへんしん、パパ、ママもへんしん。グレンヴェルは?』

『グレンヴェルは変身しないのよ』

『なんでぇ?』

 子供の特別攻撃、なんで攻撃が発動した。母さんが困る中、俺は他にも変身する魔獣達を見てみたいと、ちょっとワクワクしていた。
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