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第58話.避難通路とみんなのリュック
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何のことかと思っていたら、この家に何かあった時ように、別の場所へ避難する、避難通路があるみたいで。
ただ、本当に避難することになったら、いくら慌てず騒がずっていっても、その時はみんなバタバタしているだろうから。もしかしたらみんなが、離れ離れになる可能性も。
もちろん姉さんはまだ小さいから、誰かが抱っこして避難するらしい。だけど今言った通り、避難の時は何が起こるか分からないからな。父さんも母さんも、姉さんに避難訓練をさせていたんだ。
小さい子が1人で避難? そう思ったけど、確かにもしかしたら避難の最中に、知らない人ばかりの中、1人になるかもしれないし。完璧に誰もいなくなる可能性だって、ないとは言えない。だから難しくても、父さん達は姉さんに避難訓練をさせたんだ。
そしてついこの間。俺はこれまた全く知らなかったけど、どうも姉さん1人だけで、避難訓練を行ったらしい。避難場所まで、本当に1人で歩いたんだ。ただ、これまではずっと一緒に、避難訓練をしていた父さん達。心配するのは当たり前で。
1人でっていうのは姉さんがそう思っていただけだった。実は父さんも母さんも、いやその時は使用人さんやメイドさん達も、かなり参加して。間違えて別の場所へ行って迷子にならないように、隠れて姉さんの後を追って。
そんな中、姉さんはどこかへ寄り道したり、間違った道へは進まずに。本当に教えられた通り、しっかりと避難したって。見事成功したんだよ。
でも1回じゃってことで。それから数回練習させたみたいなんだけど、その全部をしっかり成功させたんだって。なんてことを後で母さんとユースタスさんが話していたのを、後で聞いた。それからユースタスさんにも、後で避難通路を教えるとも。
それにしても、姉さんは本当に凄いよな。もし俺が記憶がなくて、本当に姉さんの歳だったら? 避難できる自信がないぞ。
だから避難しなさいって姉さんに言った母さんの表情は、しっかりしていたんだな。もちろん心配な表情もしていたけど。
避難の次の話しは、姉さんとモコモコ達、それから小さいフルフルの避難用のカバンについてだった。
姉さんには、小さな姉さん用の可愛いリュックが用意されていて。その中にハンカチとタオル。絆創膏みたいな物と薬が入れてあるポーチ。それから小さなぬいぐるみにおもちゃが数個。あとお菓子が入っていた。
『いい、なるべく出さないようにね。リズとユースタスが一緒に避難するから、2人に聞いてから出すのよ』
『うん!! ママ、あのアメもいれていい?』
『まだ、余裕があるから良いわよ』
このリュックは特別で、空間魔法じゃないけど、リュックの中は見た目と違って、かなり物が入るらしい。本で出てくる何でも入るマジックバックと同じ感じだ。
ただ、姉さんの子供用リュックだから、大人が持つようなカバンみたいに、そんなには入らないみたいだけど。
それからモコモコ達と、小さいフルフルのリュックだ。まさかみんなのリュックまで用意してくれているとは。
母さんはモコモコ達が来てからすぐに。そして小さいフルフルのは、数日前に作ってくれていて。こんなバタバタしている最中に作ってくれたなんて。母さんありがとう!!
モコモコ達のリュックは、毛を結っているリボンの色と同じ色のリュックで。小さいフルフルのリュックは、カバンにフルフルの顔が刺繍あった。そしてリュックに中には、ご飯とおやつ。遊ぶ用のボールとぬいぐるみが。
『一緒に暮らしている魔獣は、一緒に暮らし始めると、それぞれ自分のカバンを持つものね。モコモコ達には用意しておいたけれど、フルフルのが間に合って良かったわ』
え? 何? 一緒に暮らしている魔獣はみんな持ってるのか?
「ここではそれが続いているのだな」
『ここでは昔から、魔獣と共に暮らすのは、他と連絡を取るために、っていう人達も多かったけれど。今もそれはあまり変わりないわね。ただ今は、記念や可愛いってことで、一緒に暮らし始めた子に贈る、っていう人達も増えているけれど』
海の中の連絡手段。このドームの中なら、海に出ないでただ移動すれば良いけど。ドームの中でも遠い街に行く時や、他の国に行く時は、もちろん海の中を泳いで移動する。
それで海に生きる者達が、自分で移動できれば問題ないけど。でも他の仕事があって、回答だけ貰えれば良いとか、こっちから伝えれば良いだけとか、簡単な連絡を取りたい時は。一緒に暮らしている魔獣達に、頼むこともあるらしい。
その場合、水に濡れても全く問題のないカバンに、書類や手紙を入れて、魔獣達に持っていってもらって。もし向こうからの書類や手紙があるなら、またカバンに入れて帰ってくる、なんてことをやるらしい。
もちろん俺のモコモコ達と小さいフルフルのカバンも、水対策はバッチリで。いくらリュックを濡らしても水を弾き、中に水が入ることは絶対にない。
カバンを受け取り、リュックを背負ったモコモコ達と小さいフルフルは大喜びだ。何回もそれぞれがお互いのリュックを見せ合い自慢をし。その後は俺に何回もリュックを見せてきて。最後はダンスを始めた。
お尻ダンスじゃない、新しいダンスだった。リュックを背負った状態でできるやつ。スキップをしたり、変な片足ジャンプをしたり。色々組み合わせた新しいダンス。
俺にはあの動きは出来そうにないから、モコモコ達が俺に練習しろとは言ってこないだろう。俺はちょっと安心した。………大丈夫だよな?
こうして俺達の準備は完璧。俺の荷物は? ユースタスさんとリズが、それぞれ少しずつ持ってくれているから大丈夫だ。
ただ、ユースタスさん渡した、俺の荷物が入っているカバン。とっても可愛いモコモコの形をしたカバンだったんだけど。それを持ったユースタスさんの格好が。とってもカッコのいいユースタスさんが、モコモコのカバン……。
ユースタスさん、そんな格好させて申し訳ない。でも空間魔法にしまっちゃえば問題ないから、俺の荷物をお願いします。
ただ、本当に避難することになったら、いくら慌てず騒がずっていっても、その時はみんなバタバタしているだろうから。もしかしたらみんなが、離れ離れになる可能性も。
もちろん姉さんはまだ小さいから、誰かが抱っこして避難するらしい。だけど今言った通り、避難の時は何が起こるか分からないからな。父さんも母さんも、姉さんに避難訓練をさせていたんだ。
小さい子が1人で避難? そう思ったけど、確かにもしかしたら避難の最中に、知らない人ばかりの中、1人になるかもしれないし。完璧に誰もいなくなる可能性だって、ないとは言えない。だから難しくても、父さん達は姉さんに避難訓練をさせたんだ。
そしてついこの間。俺はこれまた全く知らなかったけど、どうも姉さん1人だけで、避難訓練を行ったらしい。避難場所まで、本当に1人で歩いたんだ。ただ、これまではずっと一緒に、避難訓練をしていた父さん達。心配するのは当たり前で。
1人でっていうのは姉さんがそう思っていただけだった。実は父さんも母さんも、いやその時は使用人さんやメイドさん達も、かなり参加して。間違えて別の場所へ行って迷子にならないように、隠れて姉さんの後を追って。
そんな中、姉さんはどこかへ寄り道したり、間違った道へは進まずに。本当に教えられた通り、しっかりと避難したって。見事成功したんだよ。
でも1回じゃってことで。それから数回練習させたみたいなんだけど、その全部をしっかり成功させたんだって。なんてことを後で母さんとユースタスさんが話していたのを、後で聞いた。それからユースタスさんにも、後で避難通路を教えるとも。
それにしても、姉さんは本当に凄いよな。もし俺が記憶がなくて、本当に姉さんの歳だったら? 避難できる自信がないぞ。
だから避難しなさいって姉さんに言った母さんの表情は、しっかりしていたんだな。もちろん心配な表情もしていたけど。
避難の次の話しは、姉さんとモコモコ達、それから小さいフルフルの避難用のカバンについてだった。
姉さんには、小さな姉さん用の可愛いリュックが用意されていて。その中にハンカチとタオル。絆創膏みたいな物と薬が入れてあるポーチ。それから小さなぬいぐるみにおもちゃが数個。あとお菓子が入っていた。
『いい、なるべく出さないようにね。リズとユースタスが一緒に避難するから、2人に聞いてから出すのよ』
『うん!! ママ、あのアメもいれていい?』
『まだ、余裕があるから良いわよ』
このリュックは特別で、空間魔法じゃないけど、リュックの中は見た目と違って、かなり物が入るらしい。本で出てくる何でも入るマジックバックと同じ感じだ。
ただ、姉さんの子供用リュックだから、大人が持つようなカバンみたいに、そんなには入らないみたいだけど。
それからモコモコ達と、小さいフルフルのリュックだ。まさかみんなのリュックまで用意してくれているとは。
母さんはモコモコ達が来てからすぐに。そして小さいフルフルのは、数日前に作ってくれていて。こんなバタバタしている最中に作ってくれたなんて。母さんありがとう!!
モコモコ達のリュックは、毛を結っているリボンの色と同じ色のリュックで。小さいフルフルのリュックは、カバンにフルフルの顔が刺繍あった。そしてリュックに中には、ご飯とおやつ。遊ぶ用のボールとぬいぐるみが。
『一緒に暮らしている魔獣は、一緒に暮らし始めると、それぞれ自分のカバンを持つものね。モコモコ達には用意しておいたけれど、フルフルのが間に合って良かったわ』
え? 何? 一緒に暮らしている魔獣はみんな持ってるのか?
「ここではそれが続いているのだな」
『ここでは昔から、魔獣と共に暮らすのは、他と連絡を取るために、っていう人達も多かったけれど。今もそれはあまり変わりないわね。ただ今は、記念や可愛いってことで、一緒に暮らし始めた子に贈る、っていう人達も増えているけれど』
海の中の連絡手段。このドームの中なら、海に出ないでただ移動すれば良いけど。ドームの中でも遠い街に行く時や、他の国に行く時は、もちろん海の中を泳いで移動する。
それで海に生きる者達が、自分で移動できれば問題ないけど。でも他の仕事があって、回答だけ貰えれば良いとか、こっちから伝えれば良いだけとか、簡単な連絡を取りたい時は。一緒に暮らしている魔獣達に、頼むこともあるらしい。
その場合、水に濡れても全く問題のないカバンに、書類や手紙を入れて、魔獣達に持っていってもらって。もし向こうからの書類や手紙があるなら、またカバンに入れて帰ってくる、なんてことをやるらしい。
もちろん俺のモコモコ達と小さいフルフルのカバンも、水対策はバッチリで。いくらリュックを濡らしても水を弾き、中に水が入ることは絶対にない。
カバンを受け取り、リュックを背負ったモコモコ達と小さいフルフルは大喜びだ。何回もそれぞれがお互いのリュックを見せ合い自慢をし。その後は俺に何回もリュックを見せてきて。最後はダンスを始めた。
お尻ダンスじゃない、新しいダンスだった。リュックを背負った状態でできるやつ。スキップをしたり、変な片足ジャンプをしたり。色々組み合わせた新しいダンス。
俺にはあの動きは出来そうにないから、モコモコ達が俺に練習しろとは言ってこないだろう。俺はちょっと安心した。………大丈夫だよな?
こうして俺達の準備は完璧。俺の荷物は? ユースタスさんとリズが、それぞれ少しずつ持ってくれているから大丈夫だ。
ただ、ユースタスさん渡した、俺の荷物が入っているカバン。とっても可愛いモコモコの形をしたカバンだったんだけど。それを持ったユースタスさんの格好が。とってもカッコのいいユースタスさんが、モコモコのカバン……。
ユースタスさん、そんな格好させて申し訳ない。でも空間魔法にしまっちゃえば問題ないから、俺の荷物をお願いします。
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