水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました

ありぽん

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第82話.俺達の今の状態

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 俺はまだ起きたばかりだから、そのジェフィリオンって奴が、どんな奴かはまだ分からないけれど。でもここはきちんと、ユースタスさんの言うことを聞いておかないとな。もしユースタスさんがエルフだってバレたら、色々と不味いだろう。

 まずはユースタスさんと離なされて、それから俺は魔力を取られ続けられる事に。ユースタスさんはどうなるか。別の牢屋へ入れられるだけなら良いけど、もしかしたら最悪な事になるかもしれなくて……。

 それにモコモコ達や小さいフルフルだ。俺が必要だというのならモコモコ達は? 考えたくはないが、モコモコ達だって最悪な結果になってしまうかもしれない。俺に大切なモコモコ達が、小さいフルフルが……。

 そしてここから逃げるには、どうしてもユースタスさんに任せるしかななくて。ハイハイしかできない俺に、まだまだ俺と同じ小さいモコモコ達と小さいフルフルだぞ。確かに海の中では早く動けるかもしれないし、俺より全然何でもできるけど、でもここでは?

 そう言えばモコモコ達や小さいフルフルは、この牢屋から出られるんじゃ? どう見ても鉄格子? の隙間は、モコモコ達が楽々通れそうに見えるんだよな。

「もちゃ、ふちゃ、で?」

『ぷぴ?』

『ぷう?』

『くう、くくう』

「何だ? これの話しをしているのか? 今のはグレンヴィルがそう言ったのか?」

 モコモコ達と小さいフルフルの話しは、よく分かるユースタスさん。どうしてモコモコ達の魔獣の言葉は分かるのに、俺の言葉は分からないんだ? そういう能力、スキルのようなものがあるのだろうか? それかユースタスさんがエルフだからなのか。
 しかもリーシュの姿だと、完璧に言葉が分かるようになるらしい。俺もどうにか魔獣に変身できないだろうか? 父さん達だって変身できるんだから。

「この檻には魔法がかかっていて、逃げられないようになっているのだ。もし無理やり出ようとすれば、ひどい怪我をする可能性があるから触るんじゃないぞ」

 ああ、だからみんなもダメなのか。もしできるのなら、みんなだけでも逃げてもらいたいと思ったんだけど。

 でも、そうか。この洞窟の中が、どんな作りになっているか、流されて来ただけだから、この中がどういう風になっているか、細かくは分からないし。ということは迷う可能性大だ。
 だから今逃げるのも、それはそれで危険だな。もしモコモコ達だけでも逃げられるなら、その前にこの中がどうなっているのか、しっかり調べてからじゃないと。

 その辺も、ユースタスさんに任せるしかないかもしれない。はぁ、俺にも何か調べることができるような力があればな。こうマップを表示できる能力とか、中を透視できる力とかさ。そうすれば少しは役に立てるのに。

「今、私が使える者を探している。その者が見つかれば、この洞窟を調べることができるかもしれん。とりあえず、まずはそこからだ。だが、後少しして見つからなければ、別の作戦を考える」

 使える者? 誰のことだ? そんな人がこの洞窟に? それは見つかると良いな。もしかしてユースタスさん以外のエルフが来てるとか? それだったらユースタスさんも動きやすくなるだろう。

「後は逃げ道を考えると同時に、この者達を逃すことも考えなければ。そしてこの者達の親のことも考えなければ」

 次は何だ? その探している人達とは違う、誰かがここに居て、その人達もどこかで捕まっているのか? でもここに他の人達なんて居ないぞ? 
 もしかして流されてここへ来るまでに、別の部屋で捕まっている人達を見たとか? それに親って事は、その捕まっているのは。俺達みたいに、小さい子なのか?

 なんか疑問だらけになってしまった。が、この時俺は、自分がある方向だけ、まだ1回も見ていなかった事に気づいていなかった。いや、最初その方角を見ていたんだよ。ただその時は、ユースタスさんの大きなリーシュに驚いていて、それどころじゃなかったし。

 その後はユースタスさんに抱っこされたから、完璧にその方角が俺の後ろに。だから全然気づかなくて。

「ちゃ、りゅ?」

 今のは、小さい子が、どこかにいるのか? って言ったんだ。するとモコモコ達と小さいフルフルが、みんな揃って俺とユースタスさんの後ろを手で示してきて。

「そうだな。そろそろ見せておこう。共に逃げることになるだろうからな。奴が話しの分かる奴ならばな。それに、今のうちに仲良くなっておいた方が良いだろう」

 は? と思いながら、ユースタスさんが俺を持ち上げて、そのまま立ち上がると、俺を抱き直す。その間にモコモコ達と小さいフルフルは、俺達の横を抜けて反対方向へ。なんかちょっと動きが楽しそうなんだが。

 そうしてユースタスさんが振り返ると。そこには俺達が入っている檻よりも、もう少しだけ大きな檻が。まさか後ろに檻があるなんて思わなかった。まぁ、このただただ広い場所に、俺達だけの檻だけしかないのもな。別の檻があったって不思議じゃない。

 だが、その檻は、俺達が入っている檻と少し違っていて。鉄格子で囲まれているのは変わりないんだけど、なぜか檻全体に水が入っていたんだ。
 水だぞ? 鉄格子から水がこぼれてこないなんて、1滴も出てこないんだ。なんて言うんだろうな。水の塊が檻の中でふよふよ揺れているっていうのか。

 何なだこの檻は。俺はもっとよく見ようと、姿勢を変える。ユースタスさんに向き合っての抱っこだったから、体をちゃんと水の檻の方へ向けたんだ。

 そうすると下の方。モコモコ達と小さいフルフルが、さぁ、こっちという風に、手を檻の方へ向けていて。俺は言われるがまま、モコモコ達の手の先を確認する。

「にょ?」

「この者達は、私達がここへ連れてこられるかなり前から、ここに捕えられているらしい。最初は私達がここへ来た時、かなり怯えていたが。私達は敵ではないと何とか伝えることができた。モコモコ達も手伝ってくれたからな」

「ぷぴ!!」

『ぷう!!』

『くう!!』

 説明したんだぞ、とばかりに胸を張る3匹。俺は突然の出会いに、少しの間しゃべることを忘れていた。
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