異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん

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45話 戻った平和な日常? 今日も宿舎は大騒ぎ

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『ほう、ここはなかなか良い森だな。海も近い。ここを新しい住処にすれば、そちらでも楽しむことができる。……うむ、あれがこの森を牛耳っている、サーベルウルフの群れか。あれさえ抑えてしまえば、さらに暮らしやすくなるな。どれ』

『ガルッ!? ヴォオオ~ンッ!!』

『フッ、さすがに我の気配に気づき、仲間を呼んだか。しかし、お前たちなど我の敵ではない!』

『ガルルッ!!』

『ヴルル……グルァッ!』

『ガルァッ!!』

『ヴァルッ!!』

『そうだ、まとめてかかってこい!! ほれっ!』

『ギャウンッ!?』

『グギャア!?』

『ほれ、まだまだ!』

『キャインッ!?』

『ガルルッ!!』

『ヴァルッ!!』

『ほう、まだ向かってくるか! よし、次だ!!』

『ギャインッ!?』

『ギャッ!?』

「グルルルルル……」

「ヴルル……」

『なんだ、もう終わりか。面白くないな。もう少しやると思っていたが。まぁ、いい。これは今日の夕飯だ。……ん? ああ、奴らを倒したから集まってきたか』

『きゅい?』

『キュキュキュ?』

『ああ、今日より我はここに住む。よろしく頼むな』

『きゅうきゅい?』

『ピピピ』

『ん? ここで一緒にか? ああ、別にかまわないぞ。お前たちがそうしたいなら、そうするといい』

『きゅぴぃ!!』

『プピプピ!!』

『そうか、果物や木の実を持ってきてくれるのか。では我もお前たち用に、美味い肉を用意しよう』

『きゅいぃぃぃ!!』

『ぴぴぴぴぴ!!』

 トタトタ、シュタタタタ!

『……行ったか。まぁ、弱い者は守ってやらなければな。さて、ここではどんな楽しいことが起こるのか、今から楽しみでしょうがない。……それに、あれの気配も微かにだがするからな。もし会うことがあれば、爺様や親父の言っていたとおり、仕えてやってもいいが。だがそれも、まずは相手を確かめてからだな。もしも、仕えるに値しないと思えば、その時は……』

『きゅいー!!』

『おお、もう持ってきてくれたのか! では、この肉と交換だ!』

『きゅきゅきゅー!!』

『……さて、どうなることか』



       ***************************



「しょっち、いった!!」

『ぴぴぴっ!!』

『おいらが行くから、ピィは待ってるんだじょ!!』

『ぴぃ、ぴぴぴ!!』

『ピィ、おいらの邪魔はダメなんだじょ!!』

『ぴーちゃん、そっちに行った!!』

『任せて!! よいしょー!! ……ああ、もう!! 逃しちゃったわ!』

『しー、向こうに回って!』

『うむ! ……逃げた』

『うむ! 逃げた。じゃないよ! しー、ほとんど動いてないじゃん!』

『あお、そっちに行ったぜ!!』

『よし、取った!! って、わわ!? また逃げた!!』

「どうだ?」

「前よりは、捕まえられてはますかね。ただ、今日もこれで終わりそうですよ」

「それだけでもやってもらえれば、俺たちは助かるよ」

「そうそう。なんだかんだで時間がかかるからな。その分、別の仕事ができる」

「おい。あれは本来、お前たちがやる仕事だぞ。それを助かるとは何事だ! お前たちは、あれの代わりにホロホロ豆の仕込みをやれ!!」

「え……」

「返事!!」

「は、はい!!」

「しまった、つい本音が」

 いやいや、サイラスさん。私たちはお手伝いに来てるんだから、みんなに助かると言ってもらえるのは嬉しいことで。逆に仕事を増やしちゃうのはダメなんだよ。

『ピィ、どくんだじょ!!』

『ぴぃ、ぴぴぴ!』

 ほら、そこの二匹。張り合わない!!

『なぁ、俺と交代してくれよ、あー』

『嫌だよ。僕はこっちが良いの!!』

『ちょっと! 私にぶつかったでしょう!!』

『勝手にぶつかってきたんじゃないか!!』

 だから、喧嘩しない!! もう、みんな真面目にお手伝いしてよ。

 私は今、ピィ君とミッケ、それからあー君たちと一緒に、厨房に隣接している裏庭にいる。今日は厨房のお手伝いの日なんだ。

 何で厨房のお手伝いなのに、裏庭にいるかって? 別に、厨房の中から、何か野菜を逃したわけじゃないからね。……まぁ、今現在、逃しているのは間違いないけど。

 今日は雲1つない、良いお天気。しかも気候も、暑くもなく寒くもなく、ちょうど春の陽気って感じで。料理長のサイラスさんが、どうせなら外で仕込みをしたらどうだ、と提案してくれたから。私たちはジャガーを持って、裏庭にきたんだ。

 そうして、全員がゆっくり作業できるようにと。それからジャガーは、ツルッとポ~ンッと逃げるでしょう? でも、お水の中なら、その動きが少しは抑えられるからと。ボルトレーンさんが、いつもよりも大きなタライを用意してくれてね。

 そして、いざ始めたジャガー洗いは……。うん、いつも通り。みんなのジャガーが、思い切り逃げているところだよ。

 それなのに、みんなときたら。一応ジャガーは追いかけているんだけど、それぞれ揉めちゃっていてさ。

 ピィ君とミッケは、ミッケが私たちの家族になってから、家族だけどライバル関係でもあって。ちょっとしたことで、いつも張り合っていたんだ。だけどそれが、フィンレイのことでバタバタしている時は収まっていたの。

 それなのに、元の生活に戻ったと思ったら、また張り合うようになっちゃって。私の指示で、ジャガーを捕まえてもらおうとしたら、ピィ君が行く、ミッケが行くで揉め始め。
 捕まえられずに、ジャガーが草むらに入っちゃった後は、お互いの頬と頬を合わせて、草むらにどっちが先に入るかで揉めているよ。

 あー君たちも、こっちはこっちで、やっぱり揉めていて。あー君たちは、前に言っていた、自分たち専用の道具を作ってもらってね。その道具を使いたいもんだから、われ先にとジャガーを追いかけようとして揉め。

 それでぶつかりあって、また揉め。ピィ君とミッケみたいに、ジャガーが向こうの方に転がって止まっているのに、揉めたまま誰も取りに行こうとせず。

 まったく、ようやくしっかりと、お手伝いを再開できたっていうのに。まさか、お手伝いで揉めるなんて。

「みんな、じゅがー、ちゅかまえる!! おてちゅだいだよ!! けんかちない! おてちゅだいちないなら、へやにかえる!!」

『ピィのせいで。怒られたんだじょ!!』

『ぴぴぴ!! ぴぴぴぴ!!』

『ほら、怒られたのは、みんなのせいだからね!』

『何言ってるのよ! あーのせいでもあるのよ!』

『何で1人だけ違うみたいに言うのよ!!』

『そうだぞ!!』

『ぼくは違う』

『お前もだ!』

 今のピィ君とミッケ。ピィ君は少しだけ羽ばたき、空中で静止しながら、足でミッケを攻撃。ミッケもミッケで、少しだけ飛びながらパンチで応戦。

 あー君たちもそれぞれ、あーでもないこーでもないと言いながら、少しだけ魔法を使い。あー君たちの周りは、直径10センチくらいの花火みたいなのが弾け始める。

 注意したのに、ケンカが激しくなった……。

 あ、ちなみにピィ君だけど、他の鳥と違って、地球のハチドリみたいにホバリングできるから、空中で静止できるんだ。

 と、今はそれは良いとして。はぁ、早くみんなを止めないと。

『みんな、おてちゅだい!! はやく、じゃがあらう!!』

『おいらが捕まえるんだじょ!!』

『ぴぴぴぴぴぃっ!!』

『僕がやるんだ!!』

『私に任せなさいよ!!』

 私は、みんなを止めようと歩き出す。でも、その時だった。喧嘩をしていたあー君が、たまたま落ちていたジャガーにぶつかり、その反動で飛ぶジャガー。そしてそのジャガーが、私の足元へ飛んできて。そのジャガーを、ドンピシャリで踏んでしまった私……。

「危ない!!」

『ぴぴっ!?』

『リアなんだじょ!?』
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