もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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393怖いママが来ちゃった!?

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 ノックしたのはトレバーでした。レスターが返事をして、すぐにトレバーがドアを開けて入ってきます。そして後ろからは…。僕達はドラックパパ達の後ろに隠れたままチラチラと見ます。

 トレバーの後から部屋へ入ってきたのはママでした。うん、昨日よりは怖くないけど、やっぱり怖いママで、顔は笑ってるのにとっても怖いんだよ。おかしいよね? それからパチパチ、バチバチは昨日と一緒で、ママの周りを氷魔法の氷が吹雪いていました。

 あ~あ、シュー、お片付けサボったのがママにバレちゃったんだ。それでママが怒ってここまでシューを迎えにきたんだね。
 あれ? でもママ寝たばっかりだったはずなのに、よくシューがサボってるの分かったよね。気づいたんじゃなくて、誰かがママに伝えたのかな? ベルとか他のメイドさんや使用人さんとか。

 それかレスターとトレバーかな? お茶持ってきてくれた時には、ここにシューが居るの知ってたし。お茶を持ってきてくれる前にママにシューの事を伝えて、それでママはまた怒って、急いでお洋服を着替えて来たのかも。

 ママがゆっくり部屋の真ん中まで入ってきて、笑ったお顔のままグッシー達をじっと見ます。グッシーとビッキーは体がビクッとなって、きをつけのピシッ!!とした姿勢に。次にママがシューを見て、シューも人の姿なのままきをつけをしました。
 みんな汗がダラダラだったよ。ママが静かに話しを始めます。

「ねぇ、どうしてあなたがここにいるにかしら? 私は屋敷の片付けを頼んだのだけれど。ベル達とあなたが破壊した玄関の片付けをね」

『あ、ああ、そうだな。だが…』

「壊れた所が玄関だけじゃなくて、他の場所もあるから早く片付けてって言ったわよね?」

『そ、それも言っていたな』

「確かまだ片付けは続いていると思ったのだけれど。玄関で片付けをしているベル達は、私の見間違いかしら? それにまだ片付けは半分くらい残っているように見えたにも、それも私の見間違い?」

『い、いや、私もな、なるべく早くグッシー達に話さないといけない事があったのだ。も、もちろんこれから戻るつもりだった』

「あら、そうなの? そんなに早く伝えなければいけない話しがあったのね。お茶を飲みながら…ねぇ」

 ママがテーブルの上を見ます。そこにはさっきまでシューが飲んでいたお茶のカップが。

 と、ママの表情が変わりました。わわ!? 怖い顔!! 今度は完璧にドラックパパ達の後ろに隠れた僕達。レスターもニッカもしっかりと僕達に見えないように立ってくれたよ。

「私はあなたに何て言ったかしらね。本当に大事な用があるのなら、先に話してちょうだいって。そうしたらあなたは片付けてからでも大丈夫、そう言ったのではなかった? だから私は、なら早く片付けてから話しをしなさいって言ったわ」

『あ、ああ、そうだな』

「なら早く、片付けに戻りなさい!!」

 ママがそう叫んで部屋を歩く音が。ちょっとだけ見てみたら、シューが先に歩いて、ママが後ろから氷魔法パチパチ、バチバチしたまま歩いていました。シューの背中凍ってたよ。

 そしてママは廊下に出る前に僕達の方を見て、お片付けが終わるまで危ないから玄関に行っちゃダメって言って、トレバーも一緒に部屋から出ていきました。

『はぁ~』

 グッシーもビッキーも、ドラックパパ達も、みんな大きなため息です。結界を解いてもらった僕達は、ママが歩いていた所を確認。床がパキパキに凍っていました。
 それを見たお兄ちゃんがちょっとまっててって、部屋から出て行きます。途中で滑って転びそうになって、危ないからってレスターがお兄ちゃんについて行ったよ。

 お兄ちゃんを待つ間、氷の床をちょんちょんする僕達。みんな家の中で初めて氷見たって。そりゃあそうだよね、普通家の中に氷は張らないもんね。僕も初めて見たよ。
 そんな僕達の横でグッシー達はかなり疲れた様子で、今の事を話しています。

『なぁ、俺は思ったんだが』

『何だビッキー』

『いや、今までに色々事件が起きたが、ルリエットが今の力をはっきしていたら、もっと早く解決していたのでは?と思ってな』

『そうかもしれないな。俺達が住んでいた森にもしルリエットが攻め込んできていたら、今頃ルリエットに森を支配されていたかもしれない。なぁ?』

『ああ、そうだな。良かったなそうならなくて』

『ドラッホ達、お前達もそう思うか? まぁ、我もビッキーの意見に賛成だが。はぁ、シューは大丈夫だろうか? 全く自分で言っておきながらこちらへ来ていたとは。大人しく片付けをしていれば良かったものを』

 ママが解決? ママが森を支配? ママ強いもんね。でもいつもは優しいママだもん、今は怒ってるだけだからね。怒ってるだけで、いつものママなんだよ。ママを怒らせたシューがいけないんだもんね。

 少しして、お兄ちゃんが戻ってきました。一緒に行ったレスターは大きな箱を持って戻ってきたよ。

「せっかく氷が張ってるから、これで遊ぼうと思ったんだ。でもジョーディできるかな? それにまだみんなの用意してなくて、本当は寒い季節になるちょっと前にできるはずだったんだ。だから今はあるやつでやってみるけど、できなかったらごめんね」

 お兄ちゃんはそう言うと箱の中をガサゴソ、そして靴を取り出しました。ちょっと汚れている靴で、でも見た感じ普通の靴です。
 何で靴を持ってきたの? 靴で遊ぶの? お兄ちゃんをじっと観察する僕達。お兄ちゃんは靴を履き替えると、レスターと手を繋いでそっと氷の上に立ちます。

「見ててね!」

 お兄ちゃんが氷の上を歩き始めました。
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