もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん

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562 いよいよ出発!! ドラックパパとドラッホパパの余計なひと言?

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 ママがいっぱいいっぱい準備をして、パパはずっとお仕事をして。そうしたらすぐにママのじぃじのお家に行く日になりました。

「ベル、忘れ物はないわよね」

「はい奥様、完璧です!!」

「旦那様、こちら。まぁ、私も共に行きますので、問題はないと思いますが」

 行く日も朝からバタバタ。僕達はみんな新しいお洋服を着たり、リボンをつけたりって。準備万端、玄関ホールに集まっているんだけど。僕達の前で、パパもママも、みんながバタバタ。

 さっきドラッホパパが、そんなに忙しなくても、何か忘れ物をしても買えるだろうって。それからドラックパパが、仕事も帰ってきたら、すぐに続きをすれば良いだろうって言ったんだ。それで慌てて、ローリーが2匹の話しを止めたんだけど。

「何を言っているの! 着いた瞬間から、可愛いマイケルと可愛いジョーディ、そして可愛いみんなを見せないといけないのよ。向こうで洋服を買っている暇なんてないのよ!! それに時と場所が違えば、着る洋服もアクセサリーも小物も変わってくるの。その全てを急に揃えることなんてできないのよ!! 義父様の方には、何回か行っているけれど、私の実家は初めてなの。完璧にしないと! ベル! 最後の確認よ!!」

「仕事も、順調に進んでいれば、少し残った分は、帰ってきてからでも大丈夫だったのですが。思いの外、旦那様の書類も減り具合が悪く。予定よりも半分以上残されたので。これは仕方がないことなのですよ。そうですね、旦那様」

 ママとレスターのお話しに、ドラックパパとドラッホパパは静かになって、少しだけいつもよりも小さくなった気がしました。ローリーに、余計なことを言うから威圧されるんだって言われていたよ。

 それからもママ達のバタバタは続いて、完璧に準備が終わったのは、出発ギリギリ。クルドお兄ちゃんのお父さんが来る少し前でした。

『お待たせしました。あれ? どうしたんですか? 皆さんなんだかお疲れのようですが。疲れをとる、お茶の葉っぱを持ってきているので、後で皆さんで飲んでください。たくさん持ってきたんですよ』

 馬車に乗り込むと、お留守番のトレバーとベル、それから使用人さんやメイドさん、料理人さん、みんなで手を振って。最初の移動キノコで出発です。最初の移動キノコはいつも通り、玄関の横にある移動キノコね。

 クルドお兄ちゃんのお父さんが、移動キノコを発動させて。そのまま僕達が乗っている馬車ごと光の中へ。すぐに近くの森に到着です。

 あのねこの前、パパとグッシー達で行く場所を確かめてきて、結構遠い所まで移動キノコで移動できる事が分かったんだ。もちろん調べた場所より向こうは、行ってみないと分からないけれど。でもパパ達が考えていたよりも、早くママのじぃじのお家に着くかもしれないんだ。

 馬車の中で、お兄ちゃんが作ってくれたおもちゃで遊ぶのは楽しいけど。でもやっぱり途中で飽きちゃうから、早く着くかもって聞いて僕もみんなも喜んでいました。

『どんどん行きますね。もし途中で移動キノコがなくなったら、すぐに移動キノコそのものと、キノコの胞子両方で、移動キノコを植えますので。帰りがどのくらい後になるか分かりませんが、もしかすると帰るまでにキノコがしっかり定着し、行く時よりも早く帰ってこられるかもしれません』

 どんどん進む僕達。一瞬で違う場所に行って、景色がパッ! と変わるから面白いんだ。森の中と思っていたら、岩ばっかりの所へ出たり、その次は洞窟の中だったり。僕達は面白くて、窓から全然離れなかったよ。

 ママ達はクルドお兄ちゃんのお父さんから貰った、疲れが取れるお茶を飲ませてもらって。ドラックパパ達も歩きながら、小さな小さな結界の中にお茶を入れて自分の顔の前まで運ぶと。口を開けて結界を消して。直接お茶を口の中に入れていました。

「これは良いな。後で葉っぱについて聞いてみよう。栽培できそうなら、うちでも試してみたい」

「そうね。キノコの国の畑を別に作ったから、そこで育てられるなら、育ててみたいわね」

 あのね、アンデッドの事件が解決してからお家のお庭に、クルドお兄ちゃん達とキノコの国の畑を作ったんだよ。小さな畑だけど、小さいキノコさん達にピッタリの大きさの畑なの。

 色々な物を育てていて、今まで量が足りなくて困っていた物も、コレでいっぱい育てられるって。キノコさん達が順番で畑に来て畑のお仕事をしています。パパとママはそこにお茶も葉っぱを植えたいみたいなんだけど。

 そうして予定通りに、移動キノコが確認できる所まで、ささっと移動してきた僕達。1度休憩してから移動キノコを探すって事になって。みんなでご飯を食べる事に。その時にお茶も葉っぱの話しをしていたよ。

『お茶の葉っぱですか? 分かりました! 今度種を持ってきます。それから、もうそろそろ育ちそうな葉っぱも苗もあるのでそれも! たぶん最初は何度か失敗してしまうと思いますが、そのうち苗が土に馴染んできて、良いお茶の葉っぱができると思います』

「そうか、ではよろしく頼む」

『私よりもお茶に詳しいキノコがいるので、彼に来てもらいましょう』

「本当に美味しいお茶だったわ。疲れも取れて。こんな素晴らしいお茶があったのね」

『自然ではなかなか見つからない物なんですよ。増やしてしまえば関係ないんですが、そこまでが難しくて。ただ私達の街には、もうたくさんのお茶の葉が保管してあるので、問題はないんです。それに毎年新しい畑を作って、増やしていているんですよ』

 そうそう、街が大きくなったんだって。今度遊びに来てくださいって言われて、僕達がみんなで拍手。今度はアンデッド関係なく小さくなって遊ぶんだ!!
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