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53話 撤退したワイバーン、戻って来たシルフ
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広場に戻ると、半分くらいの冒険者と岸達が戻って来ていた。その人達に混ざり、次の攻撃に備える準備をする俺達。余計な物は全て横にどけ、さっきのアレックスさんじゃないけえれど、足りないポーション、薬はないかも確認。
そんなドタバタのおかげで、父さんとタイラーの、シルフ達追求は今のところ止まっている。
そのシルフ達だけど。あれから全く連絡もなく、俺は少しドキドキしていた。ワイバーン達が逃げた今、もしもまだチビワイバーンを助けられていないとないると、群れと一緒に移動して、街から離れて行ってしまっているし。
もし助けることに成功していても、連絡を取れない状況に置かれていて。もしかしたら皆が怪我をしている可能性や、別の場所でワイバーンに襲われている可能性も。
『おにいちゃんたち、おそいねぇ』
『うむ、戻ってこない』
「そうだな。でもチビワイバーンを助けて、今は戻っては来られないけれど。みんな別の場所で少しゆっくりしてから、ここに戻ってくるつもりかもしれないから、もう少し待ってみよう」
俺と同じ、心配しているミルフィーとトール。2匹には大丈夫だと言ったけれど、本当みんなどうしたのか。
そんな心配な気持ちのまま、次の攻撃準備は終了し、リカードさんからは、その場待機の指示が来て、指示通りその場にとどまった俺達。気づけば夕方になっていた。
そして魔法の灯りが灯り始めた頃、倒した魔獣で夕飯を作り、みんなでご飯を食べたよ。俺はご飯を作る係に選ばれて、カンガルー似の魔獣のステーキを作ったんだけど。
配ったステーキが、少々残ったため。一緒に作った人に、他の契約魔獣分のご飯も少しもらって良いか聞いた。
「もちろん!! 契約魔獣は家族だからな。カーライルさんのとこの子だろう。残りは全部持っていって良いから、みんなに食べさせてやれ」
と言ってもえらえて。おそらくタイラーのことを、思って言っていたんだろうけど。ありがたくステーキをもらい。
タレが染み込まない包装紙のような物でステーキを包み。ご飯を入れておく、ちょっと大きめな、木の皮で編んで作られているお弁当箱に入れ、マジックバックにしまった。シルフ達が戻って来たら、端の方でそっと食べさせてやろう。
それと避難している人達だけど。避難している地下空間で、ご飯を作れるようになっていて、今頃同じようにご飯を食べているんじゃないか。ということだった。ちゃんと人数分より多めに、枕や毛布も用意してあって、寝るのも問題ないしらしい。トイレもバッチリだとか。
父さんとタイラーが、食後俺のところに来て教えてくれた。他にもいろいろ設備してあると。ずいぶんしっかりとした避難所だったよ。
そうして父さんとタイラーが、再びワイバーンの警戒をするため離れて、30分くらいした時だった。いきなり俺の目の前に、ポンッ!! と何かが現れたと思ったら。それが俺の顔にへばりついてきた。
「な、何だ!?」
『リョウ!! ただいま!! 遅くなってごめんねぇ』
「シルフか!?」
俺はへばりついてきた物を、急いで引き剥がし確認すると、やはりシルフだった。
「良かった、みんな心配していたんだぞ。怪我は? みんなの姿が見えないんだけど、みんな無事なのか? それにチビワイバーンは!?」
『みんな無事だから安心して!! チビワイバーンも疲れてるけど無事だよ。今、近くに住んでる僕のお友達に、元気になる魔法かけてもらってる』
「そうなのか? 今どこにいるんだ?」
『それなんだけど、ここにいきなり連れてきたらまずいと思って。だって今はみんなががワイバーンを攻撃してるでしょう? 攻撃されたら大変。だから街のすぐ隣の、小さな山に居てもらってるよ。そこで魔法かけてもらってるの』
「隣の山? って事はあれか?」
俺は街の中から見えている山を指差す。それに頷くシルフ。
「それでさ。カーライルやタイラーに会わせる前に、先にリョウが会っておいた方が良いんじゃないかって思って、リョウを迎えにきたんだよ。ワイバーンが逃げてる、今のうちに行ってこうよう!! また戦いが始まっちゃったら面倒だし」
「それは良いけど、あの山まではさすがに行けないよ。隣と言っても山だからな。時間がかかり過ぎる」
『それならも問題なし。僕が連れていってあげるから。僕がいつも移動してる方法でね。あれさ、実は、僕が触れてる人や、触れられてる人に触っても、みんな一緒に移動できるんだよ』
「そうなのか!?」
『だからチビワイバーンを助けられたんだ。契約できるまでは、内緒にしておこうと思ってて。でも契約してからも、言うの忘れちゃってたの。普通は自分にしか使わないんだけど、リョウ達は家族だからな問題なし。それじゃあ行こう!!』
「待て待て、まだ父さん達に内緒なのは分かる。言ったら驚くに決まってるしな。だけど黙ってここから離れるわけにはいかないだろう」
『そんなの、ちょっと荷物運び頼まれたから運んでくるよ。で良いじゃん。リョウは真面目に考えすぎだよ』
……お前は軽く考えすぎだよ。というかよくそう、言い訳が思いつくな。確かにそれでいけるとは思うけどさ。
という事で、シルフの案を採用して。ちょっと心苦しかったけど、シルフが帰ってきたことも伝えずに。俺は父さんとタイラーには、荷物運びで少し離れると言って、その場を離れた。
そして俺達はそのまま、細い路地裏へ。誰も居ないことを確認して、そこから移動することに。
『じゃあ行くよ。そのまま動かないでね!!』
シルフがそう言うと、すぐにシルフが光り始め、俺とミルフィーとトールも光り始めた。
そんなドタバタのおかげで、父さんとタイラーの、シルフ達追求は今のところ止まっている。
そのシルフ達だけど。あれから全く連絡もなく、俺は少しドキドキしていた。ワイバーン達が逃げた今、もしもまだチビワイバーンを助けられていないとないると、群れと一緒に移動して、街から離れて行ってしまっているし。
もし助けることに成功していても、連絡を取れない状況に置かれていて。もしかしたら皆が怪我をしている可能性や、別の場所でワイバーンに襲われている可能性も。
『おにいちゃんたち、おそいねぇ』
『うむ、戻ってこない』
「そうだな。でもチビワイバーンを助けて、今は戻っては来られないけれど。みんな別の場所で少しゆっくりしてから、ここに戻ってくるつもりかもしれないから、もう少し待ってみよう」
俺と同じ、心配しているミルフィーとトール。2匹には大丈夫だと言ったけれど、本当みんなどうしたのか。
そんな心配な気持ちのまま、次の攻撃準備は終了し、リカードさんからは、その場待機の指示が来て、指示通りその場にとどまった俺達。気づけば夕方になっていた。
そして魔法の灯りが灯り始めた頃、倒した魔獣で夕飯を作り、みんなでご飯を食べたよ。俺はご飯を作る係に選ばれて、カンガルー似の魔獣のステーキを作ったんだけど。
配ったステーキが、少々残ったため。一緒に作った人に、他の契約魔獣分のご飯も少しもらって良いか聞いた。
「もちろん!! 契約魔獣は家族だからな。カーライルさんのとこの子だろう。残りは全部持っていって良いから、みんなに食べさせてやれ」
と言ってもえらえて。おそらくタイラーのことを、思って言っていたんだろうけど。ありがたくステーキをもらい。
タレが染み込まない包装紙のような物でステーキを包み。ご飯を入れておく、ちょっと大きめな、木の皮で編んで作られているお弁当箱に入れ、マジックバックにしまった。シルフ達が戻って来たら、端の方でそっと食べさせてやろう。
それと避難している人達だけど。避難している地下空間で、ご飯を作れるようになっていて、今頃同じようにご飯を食べているんじゃないか。ということだった。ちゃんと人数分より多めに、枕や毛布も用意してあって、寝るのも問題ないしらしい。トイレもバッチリだとか。
父さんとタイラーが、食後俺のところに来て教えてくれた。他にもいろいろ設備してあると。ずいぶんしっかりとした避難所だったよ。
そうして父さんとタイラーが、再びワイバーンの警戒をするため離れて、30分くらいした時だった。いきなり俺の目の前に、ポンッ!! と何かが現れたと思ったら。それが俺の顔にへばりついてきた。
「な、何だ!?」
『リョウ!! ただいま!! 遅くなってごめんねぇ』
「シルフか!?」
俺はへばりついてきた物を、急いで引き剥がし確認すると、やはりシルフだった。
「良かった、みんな心配していたんだぞ。怪我は? みんなの姿が見えないんだけど、みんな無事なのか? それにチビワイバーンは!?」
『みんな無事だから安心して!! チビワイバーンも疲れてるけど無事だよ。今、近くに住んでる僕のお友達に、元気になる魔法かけてもらってる』
「そうなのか? 今どこにいるんだ?」
『それなんだけど、ここにいきなり連れてきたらまずいと思って。だって今はみんなががワイバーンを攻撃してるでしょう? 攻撃されたら大変。だから街のすぐ隣の、小さな山に居てもらってるよ。そこで魔法かけてもらってるの』
「隣の山? って事はあれか?」
俺は街の中から見えている山を指差す。それに頷くシルフ。
「それでさ。カーライルやタイラーに会わせる前に、先にリョウが会っておいた方が良いんじゃないかって思って、リョウを迎えにきたんだよ。ワイバーンが逃げてる、今のうちに行ってこうよう!! また戦いが始まっちゃったら面倒だし」
「それは良いけど、あの山まではさすがに行けないよ。隣と言っても山だからな。時間がかかり過ぎる」
『それならも問題なし。僕が連れていってあげるから。僕がいつも移動してる方法でね。あれさ、実は、僕が触れてる人や、触れられてる人に触っても、みんな一緒に移動できるんだよ』
「そうなのか!?」
『だからチビワイバーンを助けられたんだ。契約できるまでは、内緒にしておこうと思ってて。でも契約してからも、言うの忘れちゃってたの。普通は自分にしか使わないんだけど、リョウ達は家族だからな問題なし。それじゃあ行こう!!』
「待て待て、まだ父さん達に内緒なのは分かる。言ったら驚くに決まってるしな。だけど黙ってここから離れるわけにはいかないだろう」
『そんなの、ちょっと荷物運び頼まれたから運んでくるよ。で良いじゃん。リョウは真面目に考えすぎだよ』
……お前は軽く考えすぎだよ。というかよくそう、言い訳が思いつくな。確かにそれでいけるとは思うけどさ。
という事で、シルフの案を採用して。ちょっと心苦しかったけど、シルフが帰ってきたことも伝えずに。俺は父さんとタイラーには、荷物運びで少し離れると言って、その場を離れた。
そして俺達はそのまま、細い路地裏へ。誰も居ないことを確認して、そこから移動することに。
『じゃあ行くよ。そのまま動かないでね!!』
シルフがそう言うと、すぐにシルフが光り始め、俺とミルフィーとトールも光り始めた。
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