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65.ウササのマッサージと仲良しウササのプレゼント

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「ふいぃ~」

『みんな順番に!!』

『分かった!!』

『そこ! 力が弱いよ!!』

『うん!!』

『次! 交代!!』

『はい!!』

「ふえぇぇぇ」

『アルフ、大丈夫?』

 僕は今、藁の上に寝ています。それから両方の腕をだらぁって広げているよ。あのね僕、疲れちゃったの。今日は大きなニニンをみんなにあげていたでしょう? だからいつもよりもとっても重くて。

 途中で腕が疲れてプルプルしちゃったんだ。でもウササ全員が食べ終わるまで、頑張ってニニンを持ってたの。そうしたら腕がとっても痛くなっちゃって。それにとっても動かしづらくなっちゃったんだ。だからウササ達のご飯が終わったら、僕はそのままぐたぁって、藁に寝ちゃいました。

 僕がいきなり寝たから、ウササ達もママもトロイもビックリ。ウササがみんな僕の上に乗ってきて、今度はそれが苦しくてうえぇって。急いでトロイが助けてくれました。

 それからママ達に腕のことをお話ししたら、仲良しウササが腕をマッサージしてくれるって。他のウササ達も。だから今みんなに腕をマッサージしてもらっているんだ。

 腕が動かしにくいのは、ずっと同じ格好をしていて、腕が固まっちゃったからだって。マッサージをしてもらうと、その動き辛いのも痛いのも治るみたい。

『アルフ、力はどう? 痛くない?』

「うん、いたくない」

『弱くない?』

「うん、よわくない。ちょうどいいかんじ。ほえぇぇぇ」

『じゃあこのままね。ほら、そこ余所見しない!!』

『はい!!』

「……なんかじじくさいわね」

「ですが旦那様のお姿にそっくりですよ」

「ちょっとやめて、それってあの人がぐうたらしている時の姿でしょう。確かに今の姿と表情が、あの人のぐうたら姿に似ているとは思ったけれど、言わないようにしていたのよ。大きくなったら時に、そんなところ似てほしくないから。しっかりしている時の姿を真似て欲しいのに」

「ですが真面目な姿を、どれほど旦那様は坊っちゃまに?」

「……ワイバーンの時は真面目だったわよ。魔獣の世話の方はわからないけれど」

 それからもマッサージをしてもらった僕。15分くらいして、やっと腕が軽くなった気がしました。それから痛いのも治って。仲良しウササにそう言ったら、もう少しだけマッサージしたら、腕を動かしてみようって。

 それからまたまた少しマッサージをしてもらった僕。一旦マッサージをやめて、腕も振ってみます。それでいつも通りならマッサージは終わり。僕は立ち上がって、ブンブン腕を回しました。

 おお!! いつも通り!! ううん、いつもよりもブンブン腕が回ってる!! 凄い凄い!! 僕は仲良しウササとウササ達にありがとうをします。

「ありがと!! もいたくない!! いつもよりもブンブンまわせる!!」

『良かったぁ。ごめんね、僕達のご飯で腕痛くしちゃって』

「だいじょぶ!! またあとでごはんしよ!!」

「そんなに効くのかしら? 私の肩も揉んでもらえないかしらね」

「奥様」

「分かってるわよ。言ってみただけよ」

 マッサージの後は、仲良しウササといっぱい、ウササ達といつもよりも少なく遊びました。なんか今日はみんな、あんまり僕の所に来なくて。それから仲良しウササと遊んでって。別の日にいっぱい遊ぶって言ったんだ。

 よく分かんなかったけど、僕はみんなに言われた通り、仲良しウササといっぱい遊んだよ。そしてでいっぱい遊んで、そろそろお家に帰る時間になりました。

 ママ達がお片付けを初めて、僕も自分の荷物車を片付けしようとします。でも仲良しウササが、なんか変なことに気づいたの。えと、モジモジしてるんだ。いつもは僕が帰るまで、頭の上に座っていたり、僕の周りを飛び回っているのに。

 具合が悪いのかな? って、僕は慌てて仲良しウササに聞いてみました。

「モジモジ、ぐあいわるい!? ママになおしてもらう!?」

『ううん、僕は元気』

「ほんと?」

『うん』

「でもモジモジ」

『えと、あのね。アルフ、こっちに来て』

 僕は仲良しウササの後をついて行きます。ママとトロイが気づいて、一緒について来たよ。仲良しウササが来た場所は、仲良しウササがいつも寝ている場所でした。でもいつもよりも藁が多いような?

 仲良しウササはその藁の中に入っていってガサゴソ。それで藁から出て来た仲良しウササは、口に何かを咥えていたんだ。その咥えたものをそのまま引きずるようにして、僕の前まで持って来て、僕の前にポトッと落とした仲良しウササ。

 落とした物は僕の手よりも少しだけ大きい、藁で編んである平べったい丸い物でした。

「これ、なぁに?」

『あのね、僕からアルフにプレゼント。僕が作ったんだよ』

「ふわわ!! プレゼント!! ウササがつくった!!」

『うん、僕達は藁で巣を作るのが得意でしょ。だから巣みたい編んだんだよ。アルフ、いつも僕達と遊んでくれて、ご飯もいっぱいくれて。それから僕と1番仲良しのお友達でしょう? 僕、お友達にありがとうのプレゼント』

「ふわわわわ!!」

『アルフこの前、小さい人形を飾りたいって言ってた。だからそのお人形を、これの上に乗っけたらどうかな? 他の物でも良いし。アルフが好きに使って』

「ありがと!! ありがと!! ウササありがと!!」

 僕はギュッと仲良しウササを抱きしめます。ウササからプレゼント貰っちゃった!! 嬉しい!! ありがとう!!

『えへへ、アルフ、嬉しい?』

「うん、とってもうれし!!」

「ちょっと待って、ママ達に説明して」

 2人で喜んでたらママが説明してって。だから僕がプレゼントのお話しをしたら、ママとトロイはとっても驚いていました。でもその後すぐに、良かったわねって、大切にしなさいねって。

 うんうん、僕大切にするよ!! 僕はもらった2つの藁で編んである、小さいお人形が乗せられる物を、急いでこのカゴに入れます。しっかりと持って帰らなくちゃ。ママが落とさないようにって、上からハンカチをかけてくれたよ。

 それから小屋から出る時は、しっかりとトロイが持ってくれて。荷馬車に乗せる時は僕も一緒に、一生懸命手を伸ばして乗せました。そして小屋のドアを閉める前に、もう1回仲良しウササにありがとうを言って。

「ありがと!!」

『えへへ、またいっぱい遊ぼうね!!』
 
「うん!!」

 僕は何回も振り返って、仲良しウササを見ながら荷馬車に乗って。仲良しウササもいつもみたいに、でもいつもよりもニコニコ僕を見送ってくれて。

「走るわよ! アルフ、気をつけて!」

 荷馬車が走り始めて、僕はブンブン手を振ります。仲良しウササもブンブン手を振ってくれます。

「すぐに、またあそぼ!!」

『うん!! 遊ぼう!!』

 僕はウササの小屋が見えなくなるまで手を振っていました。仲良しウササ、ありがとう!!
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