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190.バディー登場!!
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『一瞬で良い! 結界を開け!!』
突然壁がなくなった方じゃなくて、反対側。廊下側から声が聞こえたと思ったら。それからすぐに今度は、その声が斜め前の方から聞こえてきて。何々? どうしたの? ローレンスさんは!?
色々な事が一気に起きて、ちょっとパニックの僕。でも部屋の中は、さっきまで飛び回っていた黒い物の攻撃の音は消えて、それどころかしんっと静まり返っています。聞こえるのは風の音だけ。スノーラ達の戦っている方からも音がしません。
そんな中、最初に声を出したのはアイスでした。
『ローレンス? 誰なの?』
って。誰? アイスの言葉に僕は、もしかしたらローレンスさんは…。そう思いながらもそっと目を開けて、ローレンスさんが居た方を見てみました。でも。
最初に僕の目に入ってきたのはローレンスさんの姿じゃなくて、セバスチャンさんでもケビンさんでもありません。
そこにはとっても艶々の黒色で、スラッとしているけど大きくて、とってもカッコいい。黒い攻撃を前足で、しっかりと押さえているバディーの姿が。そしてバディーの隣には、バディーと同じ種類のブラックパンサーが2匹、やっぱり黒い攻撃を前足で押さえて立っていました。
『全くお前は、俺が居ないと本当にダメなヤツだ』
バディーがそう言いながら、黒い攻撃を思いっきり踏みつけると、黒い攻撃がパァッ!!と弾けて消えました。それに続いて黒い攻撃を同じように消す、2匹のブラックパンサー達。
「バディー…? 何故ここに!?」
ローレンスさんは怪我をした所を押さえながら、バディーに近づきます。
『はぁ。向こうの森にまで、ここの異変が伝わってきたのだ。それで向こうが落ち着いたんでな、すぐに駆けつけたのだが。全く、俺が来るのが後一瞬でも遅ければ死んでいたぞ!』
「落ち着いたって、しかし…」
『可愛い息子と娘が生まれた。…ここをどうにかしなければ、今向こうが大丈夫でも結局は…。話している場合ではない。おい、誰か傷を治せる者はいるか?』
ハイエルフの1人がローレンスさんの所へ。スノーラ程じゃないけどヒールを使えるんだって。ブラックパンサー2匹はハイエルフさんと交代で、壁のなくなった所に。
バディーはローレンスさんの怪我が治ったのを確認してから、僕の所に来てくれて。久しぶりだなって言いながら、しっぽで僕も頭を撫でた後、ニッて笑って2匹の方へ歩いて行きました。
ふと外を見ると、バディー達が現れたからなのか、ディアブナス達の攻撃は止まっていて。急いでスノーラ達はこっちに戻って来ると、バディーと何か軽くお話しした後、すぐまたディアブナスの方へ行きました。
何でバディーがここに居るの? ローレンスさんじゃないけど僕もビックリです。だってバディーは、ここから結構離れた森に行ってたはずで。
『レン、誰なの? ボク知らないなの』
『僕も知らない』
アイスとドラちゃんが僕達に聞いてきました。
「えちょ、にゃまえばじー」
『バジー? ああ、バディー?』
「うん、しょ。しょれで、ばじーはろーれんしゅしゃんの、おちょもだちで」
僕は2匹に説明。バディーは2匹がお屋敷に来る前に、お屋敷から居なくなってたもんね。別にローレンスさんと契約を解除したわけじゃないし、喧嘩して出て行ったってわけじゃなくて。少しの間だけ大切な用事があって、ローレンスさんの側を離れていました。
あのね、バディーに赤ちゃんが生まれるんだって。あっ、でも今の感じだと、無事に子供は生まれたみたいだけど。さっき娘と息子って言ってたしね。
僕達がお屋敷に来て少しして、ブラックパンサーが数匹お屋敷に来たんだ。どうして魔獣がお屋敷に?って思ってたら、そのブラックパンサーはバディーのお友達で、そろそろ子供が生まれるって教えに来てくれたんよ。
バディーね、奥さんがいました。ここから少し遠い森に住んでいて、時々会いに行ってたみたい。僕全然知りませんでした。
ローレンスさんは前から、お屋敷に2匹で住めば良いって言っていたんだけど、それだと群れが全部来る事になるって、バディーが断ってたみたいです。群れ…。バディーはブラックパンサーの群れのリーダーでした。
それで赤ちゃんが生まれるって聞いたバディーは、急いで森へ行くことに。ローレンスさんは向こうが落ち着くまで、ゆっくりしてこいって言って。だから子供が生まれるまで、そしてその後子供のお世話と奥さんのために、ずっとお屋敷を留守にしていました。
『バディー、後でご挨拶なの』
『そっかぁ、赤ちゃん可愛いんだろうなぁ。会ってみたいなぁ』
うん、僕も会ってみたい。と、それよりも、そんな赤ちゃんが生まれたばっかりのバディーが今ここに。無事に産まれたのは良かったけど、家族と一緒にいなくて良かったの? 異変が伝わって来たって言ってたよね?
「バディー、本当に良かったのか?」
後ろから声をかけるローレンスさん。
『大丈夫だ。それと群れを半分こちらへ連れて来た。あっちは今のところ、半分居れば大丈夫だからな』
「半分も!?」
半分? どのくらい? 僕達が考えていたらエイデンお兄ちゃんが教えてくれました。50匹くらいだって。と言う事は50匹で半分だから全部で100匹。バディーは100匹のブラックパンサーの群れのリーダーで。え?
「僕も1度だけ群れを見たことあるんだけど、凄かったよ」
うん、100匹だもんね。100匹…。
そんな考え込んじゃった僕達をよそに、ローレンスさん達、ユイゴさん達、バディー達は、また再開された攻撃を防ぎながら話しを進めて。その隣でエイデンお兄ちゃんもまた何かを考え始めて。
うん、取り敢えず、ローレンスさんが無事で良かったよ。
突然壁がなくなった方じゃなくて、反対側。廊下側から声が聞こえたと思ったら。それからすぐに今度は、その声が斜め前の方から聞こえてきて。何々? どうしたの? ローレンスさんは!?
色々な事が一気に起きて、ちょっとパニックの僕。でも部屋の中は、さっきまで飛び回っていた黒い物の攻撃の音は消えて、それどころかしんっと静まり返っています。聞こえるのは風の音だけ。スノーラ達の戦っている方からも音がしません。
そんな中、最初に声を出したのはアイスでした。
『ローレンス? 誰なの?』
って。誰? アイスの言葉に僕は、もしかしたらローレンスさんは…。そう思いながらもそっと目を開けて、ローレンスさんが居た方を見てみました。でも。
最初に僕の目に入ってきたのはローレンスさんの姿じゃなくて、セバスチャンさんでもケビンさんでもありません。
そこにはとっても艶々の黒色で、スラッとしているけど大きくて、とってもカッコいい。黒い攻撃を前足で、しっかりと押さえているバディーの姿が。そしてバディーの隣には、バディーと同じ種類のブラックパンサーが2匹、やっぱり黒い攻撃を前足で押さえて立っていました。
『全くお前は、俺が居ないと本当にダメなヤツだ』
バディーがそう言いながら、黒い攻撃を思いっきり踏みつけると、黒い攻撃がパァッ!!と弾けて消えました。それに続いて黒い攻撃を同じように消す、2匹のブラックパンサー達。
「バディー…? 何故ここに!?」
ローレンスさんは怪我をした所を押さえながら、バディーに近づきます。
『はぁ。向こうの森にまで、ここの異変が伝わってきたのだ。それで向こうが落ち着いたんでな、すぐに駆けつけたのだが。全く、俺が来るのが後一瞬でも遅ければ死んでいたぞ!』
「落ち着いたって、しかし…」
『可愛い息子と娘が生まれた。…ここをどうにかしなければ、今向こうが大丈夫でも結局は…。話している場合ではない。おい、誰か傷を治せる者はいるか?』
ハイエルフの1人がローレンスさんの所へ。スノーラ程じゃないけどヒールを使えるんだって。ブラックパンサー2匹はハイエルフさんと交代で、壁のなくなった所に。
バディーはローレンスさんの怪我が治ったのを確認してから、僕の所に来てくれて。久しぶりだなって言いながら、しっぽで僕も頭を撫でた後、ニッて笑って2匹の方へ歩いて行きました。
ふと外を見ると、バディー達が現れたからなのか、ディアブナス達の攻撃は止まっていて。急いでスノーラ達はこっちに戻って来ると、バディーと何か軽くお話しした後、すぐまたディアブナスの方へ行きました。
何でバディーがここに居るの? ローレンスさんじゃないけど僕もビックリです。だってバディーは、ここから結構離れた森に行ってたはずで。
『レン、誰なの? ボク知らないなの』
『僕も知らない』
アイスとドラちゃんが僕達に聞いてきました。
「えちょ、にゃまえばじー」
『バジー? ああ、バディー?』
「うん、しょ。しょれで、ばじーはろーれんしゅしゃんの、おちょもだちで」
僕は2匹に説明。バディーは2匹がお屋敷に来る前に、お屋敷から居なくなってたもんね。別にローレンスさんと契約を解除したわけじゃないし、喧嘩して出て行ったってわけじゃなくて。少しの間だけ大切な用事があって、ローレンスさんの側を離れていました。
あのね、バディーに赤ちゃんが生まれるんだって。あっ、でも今の感じだと、無事に子供は生まれたみたいだけど。さっき娘と息子って言ってたしね。
僕達がお屋敷に来て少しして、ブラックパンサーが数匹お屋敷に来たんだ。どうして魔獣がお屋敷に?って思ってたら、そのブラックパンサーはバディーのお友達で、そろそろ子供が生まれるって教えに来てくれたんよ。
バディーね、奥さんがいました。ここから少し遠い森に住んでいて、時々会いに行ってたみたい。僕全然知りませんでした。
ローレンスさんは前から、お屋敷に2匹で住めば良いって言っていたんだけど、それだと群れが全部来る事になるって、バディーが断ってたみたいです。群れ…。バディーはブラックパンサーの群れのリーダーでした。
それで赤ちゃんが生まれるって聞いたバディーは、急いで森へ行くことに。ローレンスさんは向こうが落ち着くまで、ゆっくりしてこいって言って。だから子供が生まれるまで、そしてその後子供のお世話と奥さんのために、ずっとお屋敷を留守にしていました。
『バディー、後でご挨拶なの』
『そっかぁ、赤ちゃん可愛いんだろうなぁ。会ってみたいなぁ』
うん、僕も会ってみたい。と、それよりも、そんな赤ちゃんが生まれたばっかりのバディーが今ここに。無事に産まれたのは良かったけど、家族と一緒にいなくて良かったの? 異変が伝わって来たって言ってたよね?
「バディー、本当に良かったのか?」
後ろから声をかけるローレンスさん。
『大丈夫だ。それと群れを半分こちらへ連れて来た。あっちは今のところ、半分居れば大丈夫だからな』
「半分も!?」
半分? どのくらい? 僕達が考えていたらエイデンお兄ちゃんが教えてくれました。50匹くらいだって。と言う事は50匹で半分だから全部で100匹。バディーは100匹のブラックパンサーの群れのリーダーで。え?
「僕も1度だけ群れを見たことあるんだけど、凄かったよ」
うん、100匹だもんね。100匹…。
そんな考え込んじゃった僕達をよそに、ローレンスさん達、ユイゴさん達、バディー達は、また再開された攻撃を防ぎながら話しを進めて。その隣でエイデンお兄ちゃんもまた何かを考え始めて。
うん、取り敢えず、ローレンスさんが無事で良かったよ。
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