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199.おかしな力を使う子供(コレイション視点)
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『この力は…』
「ディアブナス様? 如何されましたか?」
『お前の見つけてきた子供だが、お前が考えているよりも、あの子供は特別かもしれない』
「と、おっしゃいますと」
『あの光、あれは子供の魔法による物だ』
「あの子供が?」
いつ魔法を使った? ディアブナス様に言われ部屋の中を見たが、あの魔獣達に隠れてしまっていて、子供の姿がよく見えない。だが確かに奥の、子供達がいた場所から光は溢れている。
ディア様の特別かもしれない、と言うのはどう言う事だろうか。確かにあの子供は普通の人間と何かが違うと思い、少ない時間ではあったが監視し、そしてかなりの魔力を持っていると分かったため、ディアブナス様の復活に使おうと攫ったが。
あの魔獣達を捕まえる結界を、洋服のゴミでもはらうように、さっとはたいて消してしまった子供。そしてここへ来る前、ディアブナス様が力を溜めるまでに確認してきたのだが。あの子供達を攫い、閉じ込めていた家に張っておいた魔法陣。
魔法陣を張ったのは、闇の精霊が夜になるにつれ、力が戻ってくる事は分かっていたからな。力が戻っても、魔法が使えないようにするために張っておいた物だったが。それが消え、偽の結界に書き換えられていた。
あの魔法陣は、魔獣達を捕まえるための魔法陣と同様に、簡単に消す事ができない魔法陣だったはずなのだ。だがおそらくあれも、あの子供がさっさと消したのだろう。そして偽の結界を描いたのは、あの逃げたハイエルフ。
魔法陣の他にも、我々のアジトの場所を見つけたりと、色々と邪魔をしてくれたが。他に一体どのような力が?
今見ている限りでは、光の様子からおそらく回復魔法、ヒールを使ったと思われる。だが。
私がいつも見ているヒールの光とはかなり違う、虹色だ。しかも何かキラキラしたものが溢れていて。本当にあれはヒールか? それとももっと何か上級の魔法? だがそれでもあんな様子の回復系の魔法はなかったはず。
「ディアブナス様、あの魔法はヒールだと思ったのですが、何か特別な魔法をあの子供が?」
『あれはただのヒールだが、ただのヒールではない。それだけではない子供の魔力も、存在自体も、何もかもが特別だ。良い者を見つけてきた』
余計分からなくなってしまった。だが、今まで笑う姿を見た事がなかったディアブナス様が、一瞬だったが笑ったのが見え。
『おい』
「はっ!」
『お前の仲間を、全てここへ集めろ』
「向こうはよろしいので?」
『フン、あの子供を取り込めば、こんな小さな街、いやこの街周辺も一瞬で消す事ができる。それよりも、必ずあの子供を手に入れたい。ダラダラと戦うのは終わりだ、決着をつける』
「かしこまりました」
私はすぐに行動に移った。ディアブナス様を復活させるだけの存在と思っていたが、ディアブナス様があそこまで言うとは。すぐに全員集め戻らなければ。
と、移動し始めてすぐだった。街の中心に人影を見つけ。あれは…、サザーランドの息子達とブラックパンサーの仲間か? それと使用人にギルドの人間。そう言えば途中でいなくなったが何故この場所に?
何かをやりに来ているのは確かだが…。先に消した方が良いか? しかしいくら私がディアブナス様から力を与えられているとは言え、あの全員を相手にするとなると。一瞬で勝つ事が出来るだろうか?
1人や2人ならば一瞬で消すのは可能だろうが、人ブラックパンサーとあの息子達には結界も張ってある。
もしすぐに決着がつかずに、ディアブナス様の元へ戻るのが遅れ、大丈夫なのは分かっているが、それでも何かがあれば…。
やはりここは、先に部下達を集め、ディアブナス様の元へ戻る事を優先した方が良いだろう。
それにディアブナス様は、決着をつけるとおっしゃっていた。ディアブナス様が子供と精霊を取り込めば、あの者達が何をしようとも、この世界がディアブナス様の物になる事には変わらない。
私は再び走り出す。と、使用人とギルドの人間が私に気づき、こちらを威圧してきたが、私も奴らを威圧すると、その後は気にせずそのまま走った。少し気にしていたが、奴らが私を追いかけてくる気配はなく。まぁ、あちらが終わったら、一応確認しに来てみるか。
走りながら街の様子を確認する。思っていたよりも被害がない、かなりの攻撃をしていたはずだが。
街の周りも確認した。結界も少し強度は下がっているようだが、あちらほどではなく、しっかりと外からの侵入を防いでいた。時折破られる結界から魔獣達が中へと入って来るが、全てすぐに倒され、そしてその間に結界は修復された。
やはりハイエルフ達がここに居たのが想定外だな。奴等さえいなければ、今頃この街はすでに落ちていただろう。そしてあの子供や闇の精霊を取り込んだディアブナス様が、首都ベルンドアをも完璧に征服し、この国全体をも支配していただろうに。本当に面倒な連中だ。
魔獣達の死体が転がる街の中、その中に時折私の部下達の姿も見える。が、この様子なら全員はやられていない。現に少し向こうの結界の外に、部下の姿をとらえた。あの者達に指示を出し、手分けをし他の者達にも伝えれば、すぐにでも全員集まるだろう。
ディアブナス様が動かれる。この街を落とした後は…。ついに私達の、ディアブナス様の世界が始まるのだ!
*・゜゚・*:.。..。.:* .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:* .。.:*・゜゚・*
いつもご愛読ありがとうございます。ありぽんです。
ついに明日、『可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!』200話目に到達します!
これも皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございます。
さて、200話を迎える『可愛いけど最強?~』ですが、200話到達という事で、また何か特別編をと思っております。
ですが少々ただ今立て込んでおりまして、特別編を掲載するのが遅くなってしまいそうなのですが。少々お待ちいただけたらと思います。
また、ここまで毎日2話更新を続けて参りましたが、私は他にもいくつか、同時進行で小説を書いておりまして。こちらでは『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』です。
そろそろそちらも、更新頻度を上げたいと思っておりまして。そのため、『可愛いけど最強~』、もちろん毎日更新いたしますが、その時々により、更新が1回になる日も出てくると思います。
ですので楽しみにお待ちくださる皆様には申し訳ないのですが、そういう日もあると思っていただけたらと。
そしてそれについて質問があるのですが、もし1日1回更新だった場合、今私は他の作品など、20時に更新しているのですが、皆様、何時頃の更新がよろしいでしょうか? なるべく確認作業などなるのです、夜更新が良いのですが。
19時、20時、21時など。そのまま20時で良いなど、ご意見をいただけたらと思います。その上で、何時更新にするか決めようかと思っています。
基本20時でよろしいのであれば、そのまま今後も続けていく予定です。
なんだかんだと、レン達の方もさらに慌ただしくなって来ておりますが、
これからもレン、そしてルリ、アイス、スノーラをよろしくお願いします!!
「ディアブナス様? 如何されましたか?」
『お前の見つけてきた子供だが、お前が考えているよりも、あの子供は特別かもしれない』
「と、おっしゃいますと」
『あの光、あれは子供の魔法による物だ』
「あの子供が?」
いつ魔法を使った? ディアブナス様に言われ部屋の中を見たが、あの魔獣達に隠れてしまっていて、子供の姿がよく見えない。だが確かに奥の、子供達がいた場所から光は溢れている。
ディア様の特別かもしれない、と言うのはどう言う事だろうか。確かにあの子供は普通の人間と何かが違うと思い、少ない時間ではあったが監視し、そしてかなりの魔力を持っていると分かったため、ディアブナス様の復活に使おうと攫ったが。
あの魔獣達を捕まえる結界を、洋服のゴミでもはらうように、さっとはたいて消してしまった子供。そしてここへ来る前、ディアブナス様が力を溜めるまでに確認してきたのだが。あの子供達を攫い、閉じ込めていた家に張っておいた魔法陣。
魔法陣を張ったのは、闇の精霊が夜になるにつれ、力が戻ってくる事は分かっていたからな。力が戻っても、魔法が使えないようにするために張っておいた物だったが。それが消え、偽の結界に書き換えられていた。
あの魔法陣は、魔獣達を捕まえるための魔法陣と同様に、簡単に消す事ができない魔法陣だったはずなのだ。だがおそらくあれも、あの子供がさっさと消したのだろう。そして偽の結界を描いたのは、あの逃げたハイエルフ。
魔法陣の他にも、我々のアジトの場所を見つけたりと、色々と邪魔をしてくれたが。他に一体どのような力が?
今見ている限りでは、光の様子からおそらく回復魔法、ヒールを使ったと思われる。だが。
私がいつも見ているヒールの光とはかなり違う、虹色だ。しかも何かキラキラしたものが溢れていて。本当にあれはヒールか? それとももっと何か上級の魔法? だがそれでもあんな様子の回復系の魔法はなかったはず。
「ディアブナス様、あの魔法はヒールだと思ったのですが、何か特別な魔法をあの子供が?」
『あれはただのヒールだが、ただのヒールではない。それだけではない子供の魔力も、存在自体も、何もかもが特別だ。良い者を見つけてきた』
余計分からなくなってしまった。だが、今まで笑う姿を見た事がなかったディアブナス様が、一瞬だったが笑ったのが見え。
『おい』
「はっ!」
『お前の仲間を、全てここへ集めろ』
「向こうはよろしいので?」
『フン、あの子供を取り込めば、こんな小さな街、いやこの街周辺も一瞬で消す事ができる。それよりも、必ずあの子供を手に入れたい。ダラダラと戦うのは終わりだ、決着をつける』
「かしこまりました」
私はすぐに行動に移った。ディアブナス様を復活させるだけの存在と思っていたが、ディアブナス様があそこまで言うとは。すぐに全員集め戻らなければ。
と、移動し始めてすぐだった。街の中心に人影を見つけ。あれは…、サザーランドの息子達とブラックパンサーの仲間か? それと使用人にギルドの人間。そう言えば途中でいなくなったが何故この場所に?
何かをやりに来ているのは確かだが…。先に消した方が良いか? しかしいくら私がディアブナス様から力を与えられているとは言え、あの全員を相手にするとなると。一瞬で勝つ事が出来るだろうか?
1人や2人ならば一瞬で消すのは可能だろうが、人ブラックパンサーとあの息子達には結界も張ってある。
もしすぐに決着がつかずに、ディアブナス様の元へ戻るのが遅れ、大丈夫なのは分かっているが、それでも何かがあれば…。
やはりここは、先に部下達を集め、ディアブナス様の元へ戻る事を優先した方が良いだろう。
それにディアブナス様は、決着をつけるとおっしゃっていた。ディアブナス様が子供と精霊を取り込めば、あの者達が何をしようとも、この世界がディアブナス様の物になる事には変わらない。
私は再び走り出す。と、使用人とギルドの人間が私に気づき、こちらを威圧してきたが、私も奴らを威圧すると、その後は気にせずそのまま走った。少し気にしていたが、奴らが私を追いかけてくる気配はなく。まぁ、あちらが終わったら、一応確認しに来てみるか。
走りながら街の様子を確認する。思っていたよりも被害がない、かなりの攻撃をしていたはずだが。
街の周りも確認した。結界も少し強度は下がっているようだが、あちらほどではなく、しっかりと外からの侵入を防いでいた。時折破られる結界から魔獣達が中へと入って来るが、全てすぐに倒され、そしてその間に結界は修復された。
やはりハイエルフ達がここに居たのが想定外だな。奴等さえいなければ、今頃この街はすでに落ちていただろう。そしてあの子供や闇の精霊を取り込んだディアブナス様が、首都ベルンドアをも完璧に征服し、この国全体をも支配していただろうに。本当に面倒な連中だ。
魔獣達の死体が転がる街の中、その中に時折私の部下達の姿も見える。が、この様子なら全員はやられていない。現に少し向こうの結界の外に、部下の姿をとらえた。あの者達に指示を出し、手分けをし他の者達にも伝えれば、すぐにでも全員集まるだろう。
ディアブナス様が動かれる。この街を落とした後は…。ついに私達の、ディアブナス様の世界が始まるのだ!
*・゜゚・*:.。..。.:* .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:* .。.:*・゜゚・*
いつもご愛読ありがとうございます。ありぽんです。
ついに明日、『可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!』200話目に到達します!
これも皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございます。
さて、200話を迎える『可愛いけど最強?~』ですが、200話到達という事で、また何か特別編をと思っております。
ですが少々ただ今立て込んでおりまして、特別編を掲載するのが遅くなってしまいそうなのですが。少々お待ちいただけたらと思います。
また、ここまで毎日2話更新を続けて参りましたが、私は他にもいくつか、同時進行で小説を書いておりまして。こちらでは『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』です。
そろそろそちらも、更新頻度を上げたいと思っておりまして。そのため、『可愛いけど最強~』、もちろん毎日更新いたしますが、その時々により、更新が1回になる日も出てくると思います。
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