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314みんなのためにお花を植えよう!!

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 そんなこんなで花を植え始める僕達。レオナルドお兄ちゃんはスコップもちゃんと持ってきてくれていて、1つを僕が、もう1つをルリとアイスが一緒に使います。

 ルリとアイス、スコップを持つのがとっても上手なんだ。スコップの手持ちも部分に丸い穴が3つ、縦に開いているんだけど。そこの1つにルリがクチバシを入れて、持ち手を羽で支えるの。

 それからもちろんアイスは、器用に手を使えるからね。重いスコップを、もちろんルリだけで支えられるはずはなく、でも2匹で持てばそれも解決。しっかりと持ち手を持って、方向とか、土を掘る動きとかは、アイスが指示しながらやってるんだよ。

 僕達が花に近づいた時、すぐに逃げちゃった蝶々だったけど、僕達が2個花を植え終わったら、またこっちに近づいてきて、ルリ達が植えた花に止まってくれました。うんうん、良い感じだね。

 まだ前みたいな庭になるには時間がかかるけど、少しでもみんながこうやって、ゆっくりできる場所があると、やっぱり安心だもんね。

「後2つ植えれば、最初から植っていた花と合わせて、全部で5つだから、そうしたら別の場所に植えようぜ。そうだな、あそこと、あそこ、それからあっちにも植えて、全部で5箇所くらい植えれば良いだろう」

「うん!!」

『みんなのために頑張る!!』

『みんながおやすみできる場所が、大切なの!!』

 俄然やる気になる僕達、すぐに続きの花を植えます。植えながら、残っているこれから植える花を見て、みんなで決めたんだけど。最初のお花は何も考えて植えなかったから、全部の色がバラバラに。

 だから次、2箇所目は同じ色の花、ちょうどオレンジの花が5つあったから、それを植える事に。3箇所目は順番に白、黄色、白、黄色って、交互に植えます。
 4箇所目は色はバラバラなんだけど、同じ種類の花を植えて。最後5箇所目は、他の花より背の高い、ひまわりみたいな花を植える事にしました。

 庭師みたいには綺麗に植えることはできないけど、全部バラバラに植えるよりも、楽しいかなって。それに小鳥や虫達も、それぞれ好き嫌いがあるだろうし。みんなが好きな場所に行ってお休みできたら良いもんね。

 話し合いが終わったから、2箇所目の花を植える場所へ。と、1箇所目、止まっていたのは蝶々だけだったんだけど、どこからか続々と虫達が集まってきました。それに小鳥も数羽飛んできて。

 やっぱりみんな困ってたんだよ。花を植えて良かったね。他にも今植えるから、みんな待ってて。そんなにたくさん植えられないけど、喧嘩しないで、みんな仲良しにお休みしてね。小鳥と虫達が集まってきたから、急いで2箇所目の作業開始です。

『この花、葉っぱが大きい。虫は葉っぱでもお休みできる』

『うんなの! お花、葉っぱ、茎、全部で休めるから、いっぱいきても大丈夫なの。でもいっぱいすぎたら、順番にお休みなの』

 あっ! 葉っぱ!! それで僕、ある事を思いつきました。この辺には無事だった木が数本。その木に、何個か鳥小屋をつけてあげるのはどうかな? 鳥小屋じゃなくて、木の板を枝に紐で下げるだけでも良いし。そうすればもう少し休める場所が増えるよね。

 板はまだまだ、なんだかんだと、どこからか出てくるゴミの中から、使えそうな小さな板を使って。うん、後でお兄ちゃんに相談してみよう。お兄ちゃんだって、ずっと僕達の世話してる場合じゃないもね。時間が大丈夫そうな時に相談して。

 そんな事を考えながら花を植えていたら、2箇所目も終了。そんな調子で3箇所目、4箇所目と、どんどん花を植えていきました。そして花を植えたそばから、どんどん小鳥と虫達は集まってきて。

 最後5箇所目。5箇所目は植えるのがちょっと難しかったです。背の高いひまわりみたいな花だったからね。僕はお兄ちゃんと植える事に。じゃないと花が植えているうちに倒れちゃうんだよ。

「よし、上は支えててやるから、しっかり植えるんだぞ」

「うん!!」

『アイス! 花の上の方を咥えて持ってるから、しっかり植えて!!』

『しっかり、分かってるなの。倒れたらダメなの!!』

 ルリとアイスの方は、ルリがしっかり、花の上の方を咥えて飛んで、そっとそっとアイスの前に花を下ろしていきます。アイスはその下りてきた花の茎をしっかりと掴むと、ルリに右、左って伝えて。
 穴の真上に移動させると、止まってなの!!って言った後、シュバババッ!!と、植えていました。なんか2匹とも、ベテランの工事現場の作業員みたいだったよ。

 そんなルリとアイスを見て、僕も負けてられないからね。しっかりとでも素早く、僕もシュババババッ!!と植えました。
 そして最後は4人で、ひまわりを植えました。今日はこれで最後。最後までしっかりとみんなで花を植えて。そしてお兄ちゃんのチェック。ドキドキ待つ僕達。

「よし、しっかりと植ってるな! これなら強い風が吹いても簡単には倒れないぞ」

「できちゃ!!」

『お花、終わり!! みんなおやすみできる!』

『見てなの!! もういっぱいなの! みんなちゃんと待ってるなの』

 見てみたら、本当に花の周りに虫達と鳥が、さっきよりも集まっていて。しかもちゃんとみんな順番に並んでるんだよ。それで交代もしっかりしていて。これはやっぱり花を増やさないと。それと鳥小屋の相談もしっかりね。

 取り敢えずスコップを片付けて、花の入っていたカゴも片付けて。花はお兄ちゃんが、後で集めておいてくれるって。僕達はお父さん達の所に戻る事に。と、その時でした。

『ん?』

 ルリの動きが止まって、それから僕の頭に乗ってきて。

『なんか、変なの見えた気がする』

 そんな事を言ってきたんだ。壁の向こうだって。変な物? ちょっと変な事言わないで。もしかしてまだ敵が残ってる? 僕はドキドキして壁の向こうを見ました。
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