ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!

ありぽん

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87話 視聴者さん参加方配信1

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“時間まで待機”
“ドキドキ”
“皆さん準備はいいですか?”
“バッチリです!!”
“アーカイブのコメント、初めて参加しました!!”
“ついに今日ですね”
“今日のためにゲームの対策以外の、動かなくていいように、全て周りに準備してあります!!”
“完璧ですねw”
“皆さん、今日は頑張りましょう!!”
“ブーちゃん達に勝利してやりましょう!!”
“そしてプレゼントを全部ゲットです!!”
“プレゼント楽しみ!!”
“ドタバタ反乱配信もしたりしてw”
“嬉しいんだけど、今日はゲームに集中させてくれw”
“本当それw”
“お、そろそろ時間か?”

 カチッ、ザザザ、ガサガサ。

「確認です。声は聞こえていますか? 映っていますか?」

“始まった!!”
“バッチリ聞こえてます!!”
“ちゃんと映ってるよ”
“なんならププちゃんとクーちゃんの、クッキーの取り合いも映ってますが?www”
“何してんwww”
“配信始まってるよう~www”

「ほら、2匹とも! 今日はいっぱい動くからって、おやつもいっぱい持ってきただろう! 入る前からクッキーで喧嘩するんじゃない!! なんで配信が始まると揉めたり、余計な事したりするんだよ」

 俺はすぐに、ププちゃんとクーちゃんを両脇に抱える。2匹の手にはしっかり1枚ずつクッキーが。どうせ同じクッキーを1枚ずつ持ってるんなら、喧嘩しないで1枚ずつ食べれば良いだろうに。どうして喧嘩になるんだ。

『ぷぷぷ!!』

『ぼくもあおがいいもん!!』

『ぷぷ~!!』

『ならぼくも、あかがいいもん!!』

「こら!! 今持ってるクッキーを食べれば良いだろう!! 順番が来る前に始めるぞ!! 皆さんおはようございます!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんとブーちゃんとクーちゃん、そしてメンバーの晴翔です!! 今日も魔獣のための、癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!!」

“おはようございます!!”
“おはよう!!”
“皆さんおはようございます!!”
“始まった!!”
“フォーッ!!”
“フォーッ、フォーッ!!”
“おはようございます!!”
 
 なんかテンションの高い人達がいるな。大丈夫かな? まだ何も始まってないけど。

「ですがですが~、今日はみなさまお待ちかね、プレゼント付き、視聴者さん参加型配信!! やっていこうと思います!!」
 
“待ってました!!”
“ついに決戦の日が!!”
“ウオォォォォォォッ!!”
“みんな頑張るぞ!!”
“俺達は負けない!!”
“勝利してプレゼントを手にするんだ!!”
“ギャアァァァァァァッ!!”
“だから叫ぶの誰だよw”

「みなさん、対策はどうですか? ブーちゃん達も張り切っていて、昨日はいつもよりも3時間も早く寝て、体調はバッチリなんですよ。バッチリというか、元気すぎるっていうか。元気すぎて喧嘩してますが」

“3時間!?”
“そんなに早く寝たんかw”
“よく寝られたな。3時間って結構だぜ?”
“それて元気になりすぎて喧嘩したと”
“さっきププちゃん達、何か言ってたけど、何て?”

「それは、今日のゲームする場所に向かう途中でお話ししますね。大した事じゃないんですけどね……。もうそろそろ、ダンジョンに入る順番がくるので、とりあえず列に戻ります。それと中に入ったら、今回の配信について、もう1度お話ししますね」

“了”
“は~い”
“大した事ないって何だろうなw”
“まだ2匹で睨み合いしてるしwww”
“その割にしっかりクッキーは食べてるwww”
“なんか今日の配信何かが起こる予感”
“やめてくれ!?”
“ブーちゃんの技だけでも大変なんだ!!”
“ププちゃん、クーちゃん、仲良くだぞ!!”

「それでは中に入るまで、少々お待ちください。その間に、今回のプレゼントをまとめた映像を流します」

 晴翔が映像を流し始めて、俺達はダンジョンに入るための順番待ちの列へ。一応番号を渡されているから、自分の近くの番号を呼ばれるまでは、その辺でフラフラしていても大丈夫なんだ。

「さて、いいかみんな。今回はみんなで力を合わせないといけないゲームなんだから、喧嘩なんてしている暇はないぞ。それと、勝手にカバンからクッキーを出すんじゃない。もしまた勝手に出したら、今日のおやつは全員なしにするからな」

 俺がそう言えば、まだ睨み合っていたププちゃんとクーちゃんは静かになり、ラビとブーちゃんに怒られていた。自分達も食べられなくなったら大変だと思ったんだろうな。ブーちゃんなんて、顔をププちゃんとクーちゃんの全面にまで近づけて、ガンつけてるし。

 そうして、プレゼントの映像が終わる少し前に、ダンジョンに入った俺達。入る直前携帯機器を確認したら、康伸叔父さんからメッセージが届いていて、ニッコリマークとグッドマークが押されていた。たぶんププちゃんとクーちゃんの喧嘩に対する物だろう。……本当に参加してるのか。

「それでは中に入ったので、今回の視聴者さん参加型配信の説明をするまでに、ちゃちゃっとさっきの喧嘩の原因をお話ししますね」

 さっきの喧嘩の原因。まぁ。本当にくだらない事で。クッキーの真ん中に、飾り的な感じで、小さな指先くらいの飴が付いていたんだけど。その飴の色がいろいろあって。最初のププちゃんが青を、クーちゃんが赤の飴のついたクッキーを手にしたと。

 それでププちゃんが、赤色カッコイイと言い。それを聞いたクーちゃんはカッコいい方と交換してほしいと言い。そっちの色もカッコいいじゃん! でもそっちがカッコいいんでしょう! 僕は赤が良いの!! 交換してよ!! じゃあ次からはずっと青色にするの? もうそれしか選んじゃダメなんだからね!! 赤も好きだもん!!

 というような喧嘩だったらしい。本当にどうでも良い喧嘩だよ。色なんてどうでも良いじゃないか。袋のまだまだ同じ色の物がたくさん入ってるんだから。両方食べれば良いだろう。

“本当の大した理由じゃなかったwww”
“クッキーの味は変わらんwww”
“飴もそれだけ小さいと、味変わんないだろうしw”
“袋にまだ入ってるじゃんwww”
“いや、案外子供って、こういう事で喧嘩するんだよ”
“ププちゃん、クーちゃん、仲良く分けて食べようねw”
“これでゲームでも変な事で喧嘩を始めたら、また予想できなくなるな”
“こわいこわい!?”
“やめてくれ!?”
“喧嘩しないで~”

 本当、俺も困るからやめてくれ。
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