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第1章 転生編
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しょうがないから、ふわふわ行くあてもなく現世を徘徊していた。
空中を漂い、天使の登場はまだかと暇を持て余していたところ、ついに神々しい白い翼を携えたこれぞ天使という存在が息を切らして現れた。
「はぁはぁ、やっと見つけましたよ!」
どうやら、私をずっと探していたらしい。
なんとも少年のような初々しい天使様で、黄緑色の光り輝く髪に白い肌がなんとも眩しい。そして顔立ちも、男の子なのにまるで西洋人形のようだった。
「私も待ってました、天使様!」
「天使様?いいえ、私は似たようなものすが神官です。一番若くして出世した神官です」
(……そこまで聞いてないんだけどな)
「もう大人しくしていてくれればいいものを。随分やらかしてくれましたね!」
「え?」
「霊体となったらいかなる理由があっても、どんな些細なことであろうと現世の人間に影響を与えてはいけないのです!良いですか!これは重罪ですよ!」
「ご、ごめんなさい」
知らなかったとはいえ、自分は大変なことをしでかしてしまったらしい。綺麗な顔を真っ赤にして怒る神官くんに素直に謝った。
「あなたは元々天界へ行き転生を待つ予定でしたが、最後の最後にこんな低俗な悪戯をしたためにこのまますぐには天界へ行けません」
「えっ、そんな」
「でもあなたがこうやって悪戯してしまったのも、こちらの不手際でお迎えが遅れてしまったせいですし、そこまでは咎めません」
「お迎えが遅れた?」
聞き捨てならず、思わず聞き返す。すると分かりやすく動揺し始める可愛い神官くん。はぁ、さては新米だな。さては迷子にでもなっていて迎えが遅れたのか。
じーっと疑いの目を向けると、しどろもどろになりながら釈明し始めた。
「そ、そもそもあなたはまだ死ぬはずじゃなかったんです!飲んでいたのがせめて可愛らしい、度数3%のほろ◯いだったら。あんなストロングのロング缶、女子が飲みますか!」
「そんなっ、あれがほろ◯いだったら!死ななかったっていうの!?」
割とすんなり死を受け入れていた私。今更あの時の酒の種類であーだこーだで気にしない。
しかし、顔に似合わず 面白いことを言うもんだからノッてみたのに、心痛な面持ちで正論ぶちかましてきた。
「……今更そんなくだらないことで悔やんだところでしょうがありません」
(何?言い出した本人が、くだらない、だと?)
「魂が穢れてしまった今、浄化する必要があります」
「どうやって?」
「天界で神に奉公し罪を償うのです。ちょうど良いタイミングで魂を募集しているところがあります」
(募集ってバイトかよ)
「ただ働きさせられるってこと?」
「違います罪を償うための奉公です!そこで神に誠心誠意尽くし、転生の機会を待つのです。どうします?私が提示できる可能性はこれ位なのですが、地獄へ行くよりはまだマシなはずですよ」
「分かりました」
現世でこれだけ働いたのにまた働かなきゃいけないのか。しかも、別にそこまでこの世界にまた転生したい訳じゃないし。
「それでは送りますね」
そう言うと目を閉じ両手を左右に大きく開いた。どこからともなく金色の後光が差し少年が発光し始める。
「最後に天からの啓示を……」
なんとも神々しい姿に、思わず両手を組んでお祈りのポーズをとる。
「臼井祥子さん、あなたの人生はしょうもないものでした。人のために遠慮し過ぎました。もし後に、転生できたのならば、どうか図太く、自分の人生を歩んでください。幸多からんことを、全てはあなたの思うままです」
少し、ん?と思う部分はあったが少年の綺麗な声が身にしみるようでありがたく話を聞きながら返事をした。
「……はい」
「次に目を覚ました時、最初に目を合わせた主に誠心誠意尽くしなさい。そうすればあなたの魂は穢れを払い、きっとまた現世へ転生できることでしょう」
「はい」
「私はあなたの行いを天から見ています。迷ったときや悩んだときは、私の名を心の中で問いかけるのです」
(そういえば名前知らないや)
「全てがあなたを見放したとしても、私だけはあなたの味方となります」
(……いい加減長くない?遅れてきたくせに何なのこの恩着せがましい神官は。もうさっさとその主とやらのところに送ってよ)
膝立ちしていたが、この長話のせいで膝がプルプルと笑い始めており、こっそり体制を崩そうとしていたところで少年の様子がおかしくなり始めた。
「……ん?あ、こら、まだ終わっていないのにっ」
どうやら私に話しながら、神の元へ送ろうとしていたようだ。しかし何者かに邪魔をされているのか必死に宙を手で叩いている。
「このっ、このっ!私の有り難い言葉を授けているのだ!邪魔をするでない!」
(果たしてその手はいるんだろうか……? ちょっと可愛いけど)
「あーっ!!?」
新米ドジっ子神官の断末魔のような叫びを最後に、私の意識は真っ暗な闇の中へと移された。
(……え?え!? あーって何!? 私の魂の転送、誰かに邪魔されちゃったの? 私の魂一体これからどこに行くの!?)
空中を漂い、天使の登場はまだかと暇を持て余していたところ、ついに神々しい白い翼を携えたこれぞ天使という存在が息を切らして現れた。
「はぁはぁ、やっと見つけましたよ!」
どうやら、私をずっと探していたらしい。
なんとも少年のような初々しい天使様で、黄緑色の光り輝く髪に白い肌がなんとも眩しい。そして顔立ちも、男の子なのにまるで西洋人形のようだった。
「私も待ってました、天使様!」
「天使様?いいえ、私は似たようなものすが神官です。一番若くして出世した神官です」
(……そこまで聞いてないんだけどな)
「もう大人しくしていてくれればいいものを。随分やらかしてくれましたね!」
「え?」
「霊体となったらいかなる理由があっても、どんな些細なことであろうと現世の人間に影響を与えてはいけないのです!良いですか!これは重罪ですよ!」
「ご、ごめんなさい」
知らなかったとはいえ、自分は大変なことをしでかしてしまったらしい。綺麗な顔を真っ赤にして怒る神官くんに素直に謝った。
「あなたは元々天界へ行き転生を待つ予定でしたが、最後の最後にこんな低俗な悪戯をしたためにこのまますぐには天界へ行けません」
「えっ、そんな」
「でもあなたがこうやって悪戯してしまったのも、こちらの不手際でお迎えが遅れてしまったせいですし、そこまでは咎めません」
「お迎えが遅れた?」
聞き捨てならず、思わず聞き返す。すると分かりやすく動揺し始める可愛い神官くん。はぁ、さては新米だな。さては迷子にでもなっていて迎えが遅れたのか。
じーっと疑いの目を向けると、しどろもどろになりながら釈明し始めた。
「そ、そもそもあなたはまだ死ぬはずじゃなかったんです!飲んでいたのがせめて可愛らしい、度数3%のほろ◯いだったら。あんなストロングのロング缶、女子が飲みますか!」
「そんなっ、あれがほろ◯いだったら!死ななかったっていうの!?」
割とすんなり死を受け入れていた私。今更あの時の酒の種類であーだこーだで気にしない。
しかし、顔に似合わず 面白いことを言うもんだからノッてみたのに、心痛な面持ちで正論ぶちかましてきた。
「……今更そんなくだらないことで悔やんだところでしょうがありません」
(何?言い出した本人が、くだらない、だと?)
「魂が穢れてしまった今、浄化する必要があります」
「どうやって?」
「天界で神に奉公し罪を償うのです。ちょうど良いタイミングで魂を募集しているところがあります」
(募集ってバイトかよ)
「ただ働きさせられるってこと?」
「違います罪を償うための奉公です!そこで神に誠心誠意尽くし、転生の機会を待つのです。どうします?私が提示できる可能性はこれ位なのですが、地獄へ行くよりはまだマシなはずですよ」
「分かりました」
現世でこれだけ働いたのにまた働かなきゃいけないのか。しかも、別にそこまでこの世界にまた転生したい訳じゃないし。
「それでは送りますね」
そう言うと目を閉じ両手を左右に大きく開いた。どこからともなく金色の後光が差し少年が発光し始める。
「最後に天からの啓示を……」
なんとも神々しい姿に、思わず両手を組んでお祈りのポーズをとる。
「臼井祥子さん、あなたの人生はしょうもないものでした。人のために遠慮し過ぎました。もし後に、転生できたのならば、どうか図太く、自分の人生を歩んでください。幸多からんことを、全てはあなたの思うままです」
少し、ん?と思う部分はあったが少年の綺麗な声が身にしみるようでありがたく話を聞きながら返事をした。
「……はい」
「次に目を覚ました時、最初に目を合わせた主に誠心誠意尽くしなさい。そうすればあなたの魂は穢れを払い、きっとまた現世へ転生できることでしょう」
「はい」
「私はあなたの行いを天から見ています。迷ったときや悩んだときは、私の名を心の中で問いかけるのです」
(そういえば名前知らないや)
「全てがあなたを見放したとしても、私だけはあなたの味方となります」
(……いい加減長くない?遅れてきたくせに何なのこの恩着せがましい神官は。もうさっさとその主とやらのところに送ってよ)
膝立ちしていたが、この長話のせいで膝がプルプルと笑い始めており、こっそり体制を崩そうとしていたところで少年の様子がおかしくなり始めた。
「……ん?あ、こら、まだ終わっていないのにっ」
どうやら私に話しながら、神の元へ送ろうとしていたようだ。しかし何者かに邪魔をされているのか必死に宙を手で叩いている。
「このっ、このっ!私の有り難い言葉を授けているのだ!邪魔をするでない!」
(果たしてその手はいるんだろうか……? ちょっと可愛いけど)
「あーっ!!?」
新米ドジっ子神官の断末魔のような叫びを最後に、私の意識は真っ暗な闇の中へと移された。
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