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第3章 幼女編
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皆に愛されすくすく育ったリリアちゃんは5才になりました。
わんぱく盛りでお城の庭園で遊ぶのが大好きで、ちょっと我儘だけど憎めない、そんな我儘さえ可愛いと許されちゃう、可憐で天使のような女の子です。
起きてまずすることは、自分専用のアンティークな白いドレッサーで身なりを整えることです。
レイン様とお揃いの漆黒の艶のある長い黒髪に、透き通るような真っ白な肌。そして、レイン様に誕生日プレゼントにもらった大きな白いリボンを付けています。ちなみに誕生日は6月6日です。後述しますが、日付や時間という概念は地球と変わらないように存在しているようです。
アーモンドのような大きく丸い猫目に、瞳はちょっとくすんだ薄紫色。それはまるで宝石のアメジストのようで、光を取り込んで反射しいつもキラキラ輝いています。
それから主張しない小さな鼻にピンク色の小ぶりな唇はまさしくお人形さんのようで、鏡へ自分の姿を写す度、アラサー喪女だったことも忘れ、その見目麗しさに時間を忘れうっとりするのでした。
自分だけど自分じゃない容姿に思う存分うっとりした後は、広間へと移ります。そろそろナンシーお手製の朝ごはんが出てくる予定です。
ここのメイドさん達はとても料理が上手です。これもまた後述しますが、普通にバター付きのクルミ入りのパンだったり牛乳も出てきます。とれたての新鮮な野菜だってあるし、このハムのようなものは豚肉から加工したもの。
それを余すことなく頂いたあとは、一日で一番楽しみなちょっと早いアフタヌーンティータイムが始まります。決してただ自分の好きなものを飲み食いするだけの、だらけた時間ではありません。ちゃんと淑女教育の一環としてアフタヌーンティーの作法を学んでいるのです。
そう、リリアちゃんはお嬢様なので、これは怠惰ではなく優雅であり、貴族の余裕というものなのです。
リリアちゃんの好きな食べ物は、有名洋菓子店のカラフルなマカロンとバタースコーン、そして甘いカフェラテです。3段ケーキスタンドに乗ってケーキやらサンドイッチにお紅茶が出てきますが、飽きてしまって、時々超高級ホテルの繊細な洋菓子が乗っかった3段セットを取り寄せたりもしています。
こんな風にお上品を取り繕いながらも、時々炭酸入りの黒い飲み物、〇―ラだって飲んじゃいます。ナンシーに初めて見つかった時は悲鳴を上げられたけれど、美味しいんだから仕方がありません。
だって好きなだけ手に入っちゃうんだもの。
そうやって語尾にハートマークをつけながら自分語りしていると、3段ケーキスタンドに乗っかった食べ物を全て食い尽くしてしまっていた。こういうお堅いことしてると、ジャンクフードが欲しくてたまらなくなってくる。ぼりぼりポテトチップスを貪りコー〇を飲みながら、昼食は〇ックのハンバーガーか、それとも〇ミノピザにしようか真剣に考える。
そう、なんで現世のものがここにあるのかというと、私を召喚した時の転移魔法が薄くまだ残っていて、その上からチョークで文字や円形の図をなぞって復元させ、そこでありったけの欲望を爆発したところ、欲しいと思ったものが現世から出てきたのだった。本当ご都合設定万歳。
最初の頃は大人達も戸惑っていたけれど、ちょっと唇を尖らせて首をかしげながら困った顔をすると、大抵の大人は言うことを聞いてくれた。
えぇ、リリアちゃん、この城の人間にとても甘やかされているのです。
あまりにも過保護過ぎて、一度も城の敷地内から出たことがありません。
「あーん、おそとにでたいよ、ぼうけんしたいよっ!ぶー、ぶー!」
基本お嬢様のような口調で話すよう言われているが、元が元だ、まぁ無理である。広間にあるえんじ色のソファーの上で、そう言って体を左右に揺らし短い足をバタバタささせた。しかし、こればっかりは周囲の人間も願いを聞き届けてはくれない。
赤ん坊の頃は人に世話をされる身で狭い世界でも仕方がなかったけど、今はありあまる元気と探求心の塊と化したわんぱく盛りの5才。
臼井祥子としての元々の自我もあるが、年齢での特性というのも色濃く精神状態に反映されるようだった。じゃなかったら世界が変わった位で、あの陰険メガネキャラが、「外に出たいよ、ぶーぶー!」と駄々をこねるなんてありえない。
その鬱憤をどこにも発散することが出来ず、城内での平穏な暮らしはただストレスが溜まるばかりだったが、ルイスとのお勉強は好きだった。このお城には本がたくさんあるし、ルイスは物知りだからこの世界の成り立ちをよく知ることができたから。
わんぱく盛りでお城の庭園で遊ぶのが大好きで、ちょっと我儘だけど憎めない、そんな我儘さえ可愛いと許されちゃう、可憐で天使のような女の子です。
起きてまずすることは、自分専用のアンティークな白いドレッサーで身なりを整えることです。
レイン様とお揃いの漆黒の艶のある長い黒髪に、透き通るような真っ白な肌。そして、レイン様に誕生日プレゼントにもらった大きな白いリボンを付けています。ちなみに誕生日は6月6日です。後述しますが、日付や時間という概念は地球と変わらないように存在しているようです。
アーモンドのような大きく丸い猫目に、瞳はちょっとくすんだ薄紫色。それはまるで宝石のアメジストのようで、光を取り込んで反射しいつもキラキラ輝いています。
それから主張しない小さな鼻にピンク色の小ぶりな唇はまさしくお人形さんのようで、鏡へ自分の姿を写す度、アラサー喪女だったことも忘れ、その見目麗しさに時間を忘れうっとりするのでした。
自分だけど自分じゃない容姿に思う存分うっとりした後は、広間へと移ります。そろそろナンシーお手製の朝ごはんが出てくる予定です。
ここのメイドさん達はとても料理が上手です。これもまた後述しますが、普通にバター付きのクルミ入りのパンだったり牛乳も出てきます。とれたての新鮮な野菜だってあるし、このハムのようなものは豚肉から加工したもの。
それを余すことなく頂いたあとは、一日で一番楽しみなちょっと早いアフタヌーンティータイムが始まります。決してただ自分の好きなものを飲み食いするだけの、だらけた時間ではありません。ちゃんと淑女教育の一環としてアフタヌーンティーの作法を学んでいるのです。
そう、リリアちゃんはお嬢様なので、これは怠惰ではなく優雅であり、貴族の余裕というものなのです。
リリアちゃんの好きな食べ物は、有名洋菓子店のカラフルなマカロンとバタースコーン、そして甘いカフェラテです。3段ケーキスタンドに乗ってケーキやらサンドイッチにお紅茶が出てきますが、飽きてしまって、時々超高級ホテルの繊細な洋菓子が乗っかった3段セットを取り寄せたりもしています。
こんな風にお上品を取り繕いながらも、時々炭酸入りの黒い飲み物、〇―ラだって飲んじゃいます。ナンシーに初めて見つかった時は悲鳴を上げられたけれど、美味しいんだから仕方がありません。
だって好きなだけ手に入っちゃうんだもの。
そうやって語尾にハートマークをつけながら自分語りしていると、3段ケーキスタンドに乗っかった食べ物を全て食い尽くしてしまっていた。こういうお堅いことしてると、ジャンクフードが欲しくてたまらなくなってくる。ぼりぼりポテトチップスを貪りコー〇を飲みながら、昼食は〇ックのハンバーガーか、それとも〇ミノピザにしようか真剣に考える。
そう、なんで現世のものがここにあるのかというと、私を召喚した時の転移魔法が薄くまだ残っていて、その上からチョークで文字や円形の図をなぞって復元させ、そこでありったけの欲望を爆発したところ、欲しいと思ったものが現世から出てきたのだった。本当ご都合設定万歳。
最初の頃は大人達も戸惑っていたけれど、ちょっと唇を尖らせて首をかしげながら困った顔をすると、大抵の大人は言うことを聞いてくれた。
えぇ、リリアちゃん、この城の人間にとても甘やかされているのです。
あまりにも過保護過ぎて、一度も城の敷地内から出たことがありません。
「あーん、おそとにでたいよ、ぼうけんしたいよっ!ぶー、ぶー!」
基本お嬢様のような口調で話すよう言われているが、元が元だ、まぁ無理である。広間にあるえんじ色のソファーの上で、そう言って体を左右に揺らし短い足をバタバタささせた。しかし、こればっかりは周囲の人間も願いを聞き届けてはくれない。
赤ん坊の頃は人に世話をされる身で狭い世界でも仕方がなかったけど、今はありあまる元気と探求心の塊と化したわんぱく盛りの5才。
臼井祥子としての元々の自我もあるが、年齢での特性というのも色濃く精神状態に反映されるようだった。じゃなかったら世界が変わった位で、あの陰険メガネキャラが、「外に出たいよ、ぶーぶー!」と駄々をこねるなんてありえない。
その鬱憤をどこにも発散することが出来ず、城内での平穏な暮らしはただストレスが溜まるばかりだったが、ルイスとのお勉強は好きだった。このお城には本がたくさんあるし、ルイスは物知りだからこの世界の成り立ちをよく知ることができたから。
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