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しにかけたゾ!

聖剣を直すのには、めちゃくちゃ魔力が必要だゾ!

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「このことは、決して誰にも話してはならない。」

ボクは、真顔になったギルフォード様の顔を見た。こんな表情もできるんだというぐらい怖い顔だ。いつものにやけたイケメンとは違う凄みのある顔だ。さすが勇者。ボクは、少しちびった。内緒だけど。

「もももももももも。もちろんですとも。ボボボボボボ、ボク話す人もいませんし。」

そうなのだ。ボクには、家族はおろか友達もいない。何も持っていない、それがこのボク。キングオブ社畜。近くのアパートも家賃だけ払っていて帰っていないような感じだし。なんか、そんなこと考えていたら悲しくて涙でそうになった。

「そんなことは知っている。もう調査済みだ。で、できるのか。」

「おおおおおおおお待ちください。」

ボクは、魔力を流して折れた聖剣に修復のスキルを使ってみた。やばい、これ、全然魔力が足りないぞ。

「な、直せるかとは思うのですが、お時間をいただかないと・・・・・。」

「どのぐらい?」

「そうですね。おそらく、持ち帰らせていただいて1日もあれば・・・・・。」

「それは、ダメよ。わかるでしょ?」

賢者のリリー様が冷たい笑みを浮かべてこちらをじっとみた。確かに、まずい。聖剣が壊れたなんてことが知られたらえらいことになる・・・・・。

「でも、道具がないと・・・・。」

「取って来させるわ。」

リリー様は、何かを通信のペンダントで伝えていた。初めてみたよ、通信のペンダント。いや、興奮するな。あれだけで王都に家が買える値段のはずだ。

「とってこさせるわ?何?」

ボクがじっとペンダントを見ていたので、さすがのリリー様も気が付いたようだ。

「気になるの?これ?」

「はい。修復師としては、自分が見たことも触ったことのないものには非常に興味が湧きます。」

「ふーん。」

リリー様は、ボクにペンダントを投げてよこした。

ボクは、ためつすがめつみて、ため息をついた。

「ああ、素晴らしいものをありがとうございます。」

そしてペンダントを返却した。

「眼福でした。裏に微細な魔力で掘られた細かい魔法陣。まさに職人の技ですね。」

「他に必要なものがある?」

「魔力回復ポーションを。普通のものの修復なら目をつぶってでもできますが、伝説級のアイテムの修復には、膨大な魔力が必要となります。そして、その上で、修復には丸1日は必要となります。」

「わかったわ。用意する。うまく修復できたら、報酬は白金貨1枚あげるわ。」

「はははははは、白金貨ですか!」

白金貨1枚あれば、庶民ならほぼ一生暮らせる額だ。そんなお金があったら、修復技術が進んでいる帝国の大学に留学することもできる。そうすれば、もっと高い技術を身につけて自分の店すら持てるようになるかもしれない・・・・・。ボクは興奮してきた。


それからしばらくして道具も届いたので、作業に取りかかれた。しかしさすがに聖剣。修復は困難を極めた。
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