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しにかけたゾ!
これって、もしかしたら、新しいのを買った方が早くない?
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ヤバイ。恐ろしいことに気がついてしまった。これって、新しい聖剣を作った方が早くないか?やってもやっても修復スキルを吸われてしまって追いつかない。多分直すのにこれだと1週間以上かかるゾ。
幸いなことに作業を始めて20時間以上。もうみんな飽きてしまって誰もボクの方を見ていない。チャンスだ。
ボクは、さっき新しく手に入れたスキルのアイテムボックスに聖剣を放り込んで、新しいコピーを机の上に置いた。思ったろ通り、コピーしたら、元の状態の方で出てきたゾ!やった。これでボクも大金持ち。
「あのう・・・・・・。」
勇者様によりそってうたた寝をしていたカミラ様が、ビクっと起きた。その時、勇者様の手がカミラ様の胸に置かれていたことは見なかったことにした。
「な、何?」
「終わりました。」
ボクはコピーした聖剣を恭しく頭の上に掲げた。
するとパーティー全員が寄ってきた。ギルフォード様は、手に取られて、何度か振るとちょっと驚いたように言った。
「完璧だ。」
「いい仕事をしたな、小僧。」
ララ様が、ボクを褒めてくれた。もっと褒めて!ボクは褒められて伸びるタイプなんだ。
ギルフォード様は、にやりと笑うと、こちらに白金貨を放ってよこした。
「ほら、約束の報酬だ。」
ボクは落とさないように白金貨を握りしめた。お金大切。
その時、信じられなような痛みと衝撃がボクを襲った。
ボクの体を聖剣が貫いていた。
「ど・・・・どうして」
ボクは倒れて手を聖女様へ伸ばした。
しかしみんな冷たい目でボクを見下ろしている。
「だってしかたないじゃない。聖剣がないとアタシ達結婚できないんだから。」
カミラ様が、ギルフォード様の腰に手を回してしがみつく。ギルフォード様の片手に握られた剣からは、まだボクの血がしたたっている。
「この秘密をしられてはならないんだ。聖剣が壊れたってことは、俺様が、聖剣に認められた真の勇者にまだなっていないってことなんだからな。」
「ギルフォード殿がいけないのよ。遊んでばかりいるから。」
普段とは違う顔で微笑みを浮かべながらリリー様がギルフォード様に抱きつく。
「あ、ずるーい。」
ララ様もギルフォード様に抱きついた。ハーレムパーティーだったのか。急速に目が霞んで音の聞こえ方が変になってきた。まずい。
「もったいないから白金貨取り返すか?」
「血で汚れてばっちいからいらないでしょ。王宮に帰ったらいくらでもあるんだから。」
「ま、それはそうか。」
「おい小僧、聞こえるか?もう死んだか?その金で、あの世への船の代金を払うんだな。」
「それにしても、いい仕事したなあいつ。新品同様だ。」
「また壊れたら直させたら良かったから殺さなくても良かったかもね。どうせ、親戚も友達もいないんだから。」
「こっちで雇うって言っておいて正解だったな。あの所長、最初は渋っていたけど、金を渡したら納得していたしな・・・・・・。」
話しながら遠ざかる勇者パーティー。まずい、このままだと本当に死ぬ。
「修復」
ボクは自分に修復をかけた。そこでボクの意識は途絶えた。
幸いなことに作業を始めて20時間以上。もうみんな飽きてしまって誰もボクの方を見ていない。チャンスだ。
ボクは、さっき新しく手に入れたスキルのアイテムボックスに聖剣を放り込んで、新しいコピーを机の上に置いた。思ったろ通り、コピーしたら、元の状態の方で出てきたゾ!やった。これでボクも大金持ち。
「あのう・・・・・・。」
勇者様によりそってうたた寝をしていたカミラ様が、ビクっと起きた。その時、勇者様の手がカミラ様の胸に置かれていたことは見なかったことにした。
「な、何?」
「終わりました。」
ボクはコピーした聖剣を恭しく頭の上に掲げた。
するとパーティー全員が寄ってきた。ギルフォード様は、手に取られて、何度か振るとちょっと驚いたように言った。
「完璧だ。」
「いい仕事をしたな、小僧。」
ララ様が、ボクを褒めてくれた。もっと褒めて!ボクは褒められて伸びるタイプなんだ。
ギルフォード様は、にやりと笑うと、こちらに白金貨を放ってよこした。
「ほら、約束の報酬だ。」
ボクは落とさないように白金貨を握りしめた。お金大切。
その時、信じられなような痛みと衝撃がボクを襲った。
ボクの体を聖剣が貫いていた。
「ど・・・・どうして」
ボクは倒れて手を聖女様へ伸ばした。
しかしみんな冷たい目でボクを見下ろしている。
「だってしかたないじゃない。聖剣がないとアタシ達結婚できないんだから。」
カミラ様が、ギルフォード様の腰に手を回してしがみつく。ギルフォード様の片手に握られた剣からは、まだボクの血がしたたっている。
「この秘密をしられてはならないんだ。聖剣が壊れたってことは、俺様が、聖剣に認められた真の勇者にまだなっていないってことなんだからな。」
「ギルフォード殿がいけないのよ。遊んでばかりいるから。」
普段とは違う顔で微笑みを浮かべながらリリー様がギルフォード様に抱きつく。
「あ、ずるーい。」
ララ様もギルフォード様に抱きついた。ハーレムパーティーだったのか。急速に目が霞んで音の聞こえ方が変になってきた。まずい。
「もったいないから白金貨取り返すか?」
「血で汚れてばっちいからいらないでしょ。王宮に帰ったらいくらでもあるんだから。」
「ま、それはそうか。」
「おい小僧、聞こえるか?もう死んだか?その金で、あの世への船の代金を払うんだな。」
「それにしても、いい仕事したなあいつ。新品同様だ。」
「また壊れたら直させたら良かったから殺さなくても良かったかもね。どうせ、親戚も友達もいないんだから。」
「こっちで雇うって言っておいて正解だったな。あの所長、最初は渋っていたけど、金を渡したら納得していたしな・・・・・・。」
話しながら遠ざかる勇者パーティー。まずい、このままだと本当に死ぬ。
「修復」
ボクは自分に修復をかけた。そこでボクの意識は途絶えた。
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