メイク越しの私

わん子

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第六話:彩花の告白

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秋の朝、校舎の下駄箱はひんやりとした空気に包まれていた。
彩花は靴を履き替え、作りなれたふんわりした甘い笑顔を整える。
制服の襟を直し、鏡で自分を確認する。
完璧な仮面。自分を変えたくて、この高校に来た。あの中学から離れたかった。過去を隠して、新しい私で生きようとした。

悠斗が現れる。紺のブレザー、緩く結んだネクタイ。
彩花の胸が締まる。

「おはよう」

悠斗の声は低く、そっけない。
靴を履き替え、彩花を見ずに歩き出す。

驚いた彩花は唇を噛み、立ち去る背中に声を絞り出す。

「おはよう、悠斗君…」

小さな声が廊下に響く。
悠斗は気づかず歩き去る。
彩花の胸が震える。

おはようが、こんなにも嬉しい。

いつも冷たい視線しか知らなかったのに。
悠斗の後ろ姿を、つい目で追ってしまう。
心が揺れる。
こんな小さな瞬間が、なんでこんなに胸を締めつけるんだろう。
廊下の窓から差し込む光が、彩花の影を長く伸ばす。

彩花は深呼吸し、教室へ向かった。

廊下を歩く途中、スマホが震える。
クラスLINEの通知。彩花、顔また変わった? 整形何回目? 
鈴香のメッセージに、笑顔の絵文字が並ぶ。

彩花の胸が締まる。
指が震えるが、スマホをポケットに押し込んだ。平気、いつも通り。
作りなれた笑顔を貼り付ければ、誰も本当の私を見ない。誰も、私の本当の気持ちを知らない。

教室は昼休みの喧騒に満ちていた。
窓から差し込む秋の光が、机に淡い影を落とす。
黒板には試験範囲のメモが残り、教室の空気はざわめきで満ちている。
美奈と鈴香が教室の中央で笑い、陽菜が適当に相槌を打つ。
美奈ちゃんがこの高校にいたなんて、入学当初は気づかなかった。
ギャルになって、派手なメイクと明るい髪。陽菜ちゃんも、静かな雰囲気で別人みたいだった。

美奈の声が響く。鋭い、刺すような口調。

「彩花の顔、また変わった? 整形何回目だっけ?w」

鈴香がクスクス笑う。軽薄な声が教室に響く。

「ほんと、毎回びっくりするよね。次は何になるんだろ。インフルエンサー?女優?w」

美奈が髪をかき上げ、彩花をチラリと見る。目が冷たく光る。

「でもさ、顔変えても中身は変わらないよね。彩花、ほんと努力家だわw」

他の女子が笑い、他の男子がニヤニヤする。亮太が声を上げる。

「整形マジすごいな。モデルでも目指してんの?w」

翔が肩をすくめる。

「金かかってんな。親、大変じゃね?」

健太が亮太に囁く。

「まあ、でも、彩花、めっちゃ変わったよな。めっちゃ可愛くなったし」

彩花の胸が締まる。
中学の教室が頭をよぎる。美奈の震える声、グループの笑い声。作りなれた笑顔を貼り付けるが、頬が強張る。視線が刺さる。息が詰まりそう。机の角を握りしめ、目を伏せる。美穂が呟く。

「ちょっと、やりすぎじゃない? 彩花、可哀想…」

奈々が小さく頷く。

「うん、わざわざ言うことじゃないよね…」

沙織が美穂に囁く。

「美奈ちゃん、彩花のこと嫌いすぎでしょ。なんか、怖い…」

他の女子が囁き合い、他の男子が黙る。彩花の胸が締まる。
仮面の私が、こんな話題の的になるなんて。作りなれた笑顔で誤魔化しても、視線が刺さる。美穂が続ける。

「うん、こんな大声で言う必要ないよ。彩花、傷つくよ」

美穂の優しい目が、彩花の胸を軽くした。

奈々が彩花に小さく微笑み、沙織が目を逸らす。
クラスの空気が和らぎ、他の女子が気まずそうに黙る。彩花は作りなれた笑顔を保つが、胸の奥が疼く。この同情も、仮面の私に向けられたものだ。
そこへ、悠斗が近づく。

「文化祭の衣装、片付け大変だっただろ?」

悠斗の声はそっけないが、口元に軽い笑み。目が柔らかく、朝とは違う温かさがある。
彩花の胸が震える。
こんな他愛ない会話なのに、こんなにも嬉しい。心が揺れる。

「う、うん、悠斗君、結構大変だった」

作りなれた笑顔で答えるが、声が震える。悠斗が続ける。

「後輩、めっちゃ騒いでたよな。陽太が変なダンスしてさ。笑えたよな」

悠斗の唇の端が上がる。彩花の心が疼く。こんなささいな雑談が、なんでこんなに高揚させるんだろう。彩花は小さく頷く。

「うん、陽太君、ほんと自由だよね」

悠斗が「まぁな」と笑い、席に戻る。
彩花は机に手を置いた。
悠斗の笑みが頭をよぎる。目の柔らかさ、笑った時の仕草。
こんな小さな瞬間で、心がこんなに揺さぶられる。悠斗の横顔を、つい目で追ってしまう。
教室のざわめきが遠く感じる。この瞬間だけは、仮面の私が本当の私に近づけた気がした。

クラスの空気が変わる。美穂が微笑み、奈々が彩花に軽く手を振る。
沙織が「なんか、意外だったね」と囁き、他の女子が頷く。健太が「悠斗、彩花と話すの珍しくね?」と呟き、亮太が黙る。他の男子が囁き合う。
彩花に同情的な視線が増える。

美奈の目が鋭くなる。唇を噛み、苛立ったようにスマホを叩く。彩花のスマホが震える。見ないでいようと思うのに、手が動く。

昼休みの終わり、クラスLINEが騒がしい。美奈が投稿。彩花の中学時代の写メ。地味な髪型、厚いメガネ。衝撃的な一文。

彩花、昔はいじめ側だったよね? 今は被害者ぶってるけど、因果応報だよねw 

鈴香がすぐ反応。「マジ? 彩花、めっちゃ闇深いw」 陽菜が「…」と黙る。亮太が追い打ち。彩花、加害者だったのにいい子ぶるとかw 健太が「え、マジで?」と書き込む。他の女子がざわつき、他の男子が囁く。美穂が呟く。

「さすがに可哀想…でも、昔いじめ側なら、ちょっと…」

奈々が目を伏せる。

「昔のことなのに…でも、本当なら、ねえ」

沙織が美穂に囁く。

「美奈ちゃん、彩花のこと嫌いすぎでしょ。盛ってるんじゃ…」

彩花は机に突っ伏した。自分が崩れそう。美奈の震える声、グループの笑い声。中学の教室が頭を埋め尽くす。美奈を無視した日。最初はただ話しかけないだけだった。美奈が一人、教室の隅で教科書を開く。グループがクスクス笑う。美咲が「無視、面白いよね」と囁く。次は美奈のノートにボンドを塗った。ページがくっつき、美奈が震える手で剥がそうとする。教室が静まり、視線が美奈に集まる。美奈の机を校舎の外に放置した日。美奈が雨の中、机を探す姿をグループが見て笑う。美奈に水をかけた日。美奈の制服が濡れ、震える声で「やめて」と呟く。教室が凍りつき、誰も助けない。彩花はただ黙った。自分じゃなくてよかったと、胸の奥で思った。

美奈が彩花の机に近づき、ニヤッと笑う。

「彩花、昔は加害者だったくせに、よく被害者ぶれるね。いい子ぶり、最高w」

美奈の声に、抑えきれない怒りが滲む。
鈴香が笑い、陽菜が目を逸らす。
陽菜の心がざわめく。
彩花、あの時…。陽菜は中学の記憶を思い出すが、言葉にできない。
彩花は作りなれた笑顔を貼り付けようとするが、唇が震える。

「美奈ちゃん、…やめて」

声がかすれる。教室の視線が彩花を刺す。
美穂が目を伏せ、奈々が黙る。沙織が小さく息を吐く。
悠斗が教室の後ろで立ち上がり、彩花を見る。冷たい視線。信じた誰かの影がちらつき、「やっぱりな」と心の中で呟く。
彩花の胸が刺される。せっかく普通に話しかけてくれるようになったのに。
過去を知られたら、全部壊れる。怖い。
悠斗は黙って教室を出て行く。
彩花は目を伏せた。
作りなれた笑顔が、初めて脆く感じた。

凛子が教室に入り、彩花を見る。鋭い目が揺れる。

「彩花…」

凛子の声は小さく、心配そう。彩花の胸が締まる。凛子に知られたくない過去を知られた。怖い。凛子にまで、嫌われたら。彩花は目を伏せた。

「凛子、…ごめん」

彩花の声は震える。凛子は黙って彩花の肩に手を置く。温かい手。彩花は逃げるように教室を出る。

放課後、彩花は屋上に逃げる。
冷たい風が頬を刺す。
屋上のフェンス越しに、校庭で走る運動部の姿が見える。
オレンジの夕陽が校舎を染める。悠斗の冷たい視線、凛子の心配な目。
全部、彩花の過去が壊した。
陽太が屋上に現れ、くしゃっとした笑顔。手にギターを抱えている。
実は、凛子が彩花を心配し、「陽太、彩花の様子見てきて」と頼んだのだ。
陽太はそれを隠し、いつものノリで話す。

「よお、彩花ちゃん、こんなとこで何してんの?」

陽太がギターで適当なコードをジャカジャカ弾き、明るいメロディーを響かせる。文化祭で弾いたあの曲を軽く口ずさむ。「青春、ノリでいこうぜ~♪」 陽太の声が少し掠れる。彩花は小さく笑う。

「陽太君、いつも元気だね」

陽太が肩をすくめる。

「そりゃ、演劇部魂だろ! 彩花ちゃん、負けるなよ! 凛も後輩の公演相談で忙しいぜ。まあ、俺が勝手に応援に来ただけか!」

陽太がウインクし、ギターを軽く叩く。
陽太が「凛」と呼ぶ声が、どこか温かい。陽太の笑顔と凛子の名前を呼ぶ声が、どこか眩しくて。
こんな絆、私には遠い。彩花の胸が締まる。悠斗君の笑みが、こんな風に私に向くことはあるんだろうか。
陽太のギターの音が、屋上の冷たい空気を温める。陽太がギターを膝に置き、彩花を見る。

「美奈ちゃんやりすぎだよな。彩花ちゃん、平気か?」

陽太の目が一瞬、真剣になる。
彩花は目を伏せる。陽太の優しさが胸に沁みる。
でも、凛子の目が頭を離れない。
彩花は陽太に呟く。

「凛子に、話したいことがある」

陽太がギターを軽く叩き、ニッと笑う。

「よし、彩花ちゃん、凛にどーんとぶつかってこいっ!俺、応援してるぜ!」

陽太のギターが小さく響く。夕陽が陽太の笑顔を照らし、ギターの弦が光る。
彩花は小さく頷いた。

夕暮れ、校舎裏は静かだった。
オレンジの光が地面を染め、遠くで野球部の掛け声が響く。
冷たい風が枯れ葉を揺らし、彩花の髪をそっと揺らす。
彩花は凛子を待つ。
制服のスカートを握りしめ、深呼吸する。胸が締まる。
凛子が現れ、クールな美貌、色気ある立ち居振る舞い。
疲れた目が、彩花を見ると柔らかくなる。

「彩花、話したいことって?」

凛子の声は穏やかだ。彩花の胸が締まる。凛子に嫌われたら‥‥。怖い。

「凛子、…今日のLINE、見たよね。私、中学の時、いじめグループにいた。でも、ただの傍観者だった。美奈ちゃんを無視することから始まった。話しかけないだけだったけど、グループが笑って、どんどんエスカレートした。美奈ちゃんのノートにボンドを塗って、机を校舎の外に放置して。最後は水をかけた。美奈ちゃんが震える声で『やめて』って言ったのを見て、胸が苦しかった。でも、何もできなかった。怖くて、声を出せなかった」

彩花の声が震える。
中学の教室が蘇る。美奈を無視した日。美奈が一人、教室の隅で教科書を開く。グループがクスクス笑う。美咲が「無視、面白いよね」と囁く。美奈のノートにボンドを塗った日。ページがくっつき、美奈が震える手で剥がそうとする。美奈の机を校舎の外に放置した日。美奈が雨の中、桌を探す姿をグループが見て笑う。美奈に水をかけた日。美奈の制服が濡れ、震える声で「やめて」と呟く。教室が凍りつき、誰も助けない。

美奈の目が、彩花に一瞬向いた。助けて、と言わんばかりに。

彩花はただ黙った。

美咲の「彩花、黙ってろ」が耳に残る。あの頃の私は本当に弱くて、ただただ自分じゃなくてよかったって思ってた。
彩花は目を伏せる。

「グループの中でも、私は地味で、使えないって扱われてた。『彩花、黙ってろ』って言われて、居場所なんてなかった。それでも、抜けられなかった。自分を変えたくて、この高校に来た。でも、美奈ちゃんがいた。美奈ちゃんのギャルな姿を見て、過去を上書きしたかった私と、どこか似てると思った。その後悔が、ずっと消えない。こんな弱い私を変えたかった」

彩花の涙がこぼれる。震える声で、まるで小さな子供のようにつぶやく。

「嫌いにならないで、凛子」

彩花の声は弱々しく、か細い。

怖い。

凛子の目が揺れる。黙って彩花を抱きしめる。
文化祭の夜、彩花が凛子にそうしたように。

凛子の腕は温かい。夕暮れの光が二人の影を長く伸ばす。
枯れ葉が地面を滑る音が、静かに響く。
冷たい風が彩花の頬を撫でるが、凛子の温もりがそれを溶かす。
彩花の涙が止まらない。凛子の腕の中で、彩花は自分の弱さが初めて許された気がした。仮面の私が、初めて本当の私に近づけた。

夜、彩花は自室で参考書を開く。
東京の大学。悠斗と同じ志望校。
机には志望校の資料、付箋だらけのノート。数学の公式が並ぶページ、英語の単語カードが散らばる。
合格だけは掴みたい。勉強頑張らなきゃ。強い意志が胸を支える。
でも、悠斗の笑みが頭をよぎる。おはよう、って言ってくれた。「陽太君のダンス、笑えたよな」と笑う顔。目の柔らかさ。そして、あの冷たい視線。
彩花の心が揺さぶられる。
どうやったら悠斗君に届くんだろう。
本当の私はまだこんなにも弱い。
彩花は参考書を開いたまま、ペンを握りしめた。涙がノートに落ちる。窓の外、夜の街が静かに光る。彩花はペンを動かし、単語を一つ書き写した。
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